2018年11月 7日 (水)

スティーヴン・ウィルソン 2018年来日公演初日 STEVEN WILSON LIVE IN TOKYO 2018 (Nov 5, 2018 @ EX THEATER ROPPONGI TOKYO)

私のことを知ってる人や、拙ブログを読んで下さってる方々であれば、私がプログレマニアとかプログレオタではないことは分かって下さってると思う。好きな音楽のうちの一つとしてプログレも好き、という感じでプログレを深堀りするのはもう20年以上前に止めてしまっている。そんな私が今回は東京遠征してまで参戦したのがスティーヴンウィルソンの来日公演である。最近作TO THE BONEの良さはプログレオタじゃない私だから分かるのだと思う。その感じはTO THE BONEのレビュー記事のご参照を。それで、そんな私だからこそのライヴ参戦大絶賛レポを書く。

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待望と言えばこれほど待望した来日も最近ではなかなか無かっただろう。個人的には昨年のペンドラゴン来日は待望ではあったけども、今回はいま現在において最も旬な超大物スティーヴンウィルソンの、ソロとしては初となる来日公演である。東京のみではあったけどこればかりは何が何でも観たかったのでクリエイティブマン3Aでソッコーでチケット予約、地方民の私も勇んで東京まで遠征して参戦した。それではいつものように個人目線のレポいきます。

2018年11月5日(月)、この日と、東京に宿泊するから翌日の2日分を随分前から職場の方は休暇の申請をしてあった。そしたらこの日は公休、翌6日は有休、更には本日7日も公休となりいきなり3連休。その代わり先週1週間は休みが一日だけで仕事を大いに頑張ったのだ。今回も経費節約のため東京までの移動は新幹線だけどJR東海ツアーズの「ぷらっとこだま」で、普通にのぞみに乗るより往復6千円節約。更にはこの「ぷらっとこだま」に含まれる宿泊プランがあって、ちょっと狭いけど一応赤坂のビジネスホテルが割引が効いて格安で宿泊できるとの事で、宿泊代も大きく節約に成功。準備万端で午前に京都亀岡を出発。前日までに2018ツアーの英国ロイヤルアルバートホール公演を収録したブルーレイを観てしっかりと予習していた。もうこの映像作品を観ただけで、今回の来日公演は素晴らしいものになるだろうことは予想できたのでもうワクワクしかない。新幹線の中でもこのRAH公演のセットリストに入っていた曲をアイホンで更に予習というか復習する。「TO THE BONE」、「4 1/2」、「HAND,CANNOT,ERASE」、「THE RAVEN THAT REFUSED TO SING」を聴きまくって京都から東京までの新幹線こだま3時間半を過ごす。途中で飽きてスティーヴウインウッドの80年代のポップな曲を聴いて耳を休めたけど(笑)。なんでスティーヴウインウッドかっていうと、たまたまアイホンの並びでスティーヴンウィルソンの一つ前がスティーヴウインウッドだったからww。それはともかく、今回は関西からいつものウェットンファン仲間のem**さんと綱**さんの分を一緒にチケット取って参戦するんだけど、中でも綱**さんはスティーヴンウィルソンの前回ツアーで台北まで渡航して参戦されたという、私ごときは遠く及ばないSWの大ファンである。SWライヴ初体験の私には最高のガイドでもある。しかしそれぞれバラで東京入り。私もちょっと目的があって、品川駅からある場所に直行したんだけど、どうやら時間が間に合ってなかったのか、残念ながら目的は未遂・・・。気を取り直して赤坂のビジネスホテルにチェックイン。さすが格安、超狭い部屋なんだけどww・・・。まぁどうせ寝るだけだからイイやって。部屋でテレビつけたら久しぶりに東京ローカルのニュース番組とか観て少し懐かしい気分になる。ホテルを出てそのまま赤坂から六本木まで歩きで移動。まさかの降雨で濡れながらEXシアター六本木に到着。

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事前に物販情報が出てなくて、もしや余程チケットが売れてないのでは?みたいな想像をしていたが、一応物販はあった。18時に入場して直ぐ物販に並び、あのカッコいい欲しかったツアーTシャツを購入。

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さっさとホール内へ。座席は前から3列目なんだけど右端の方で、あまり好きでは無い席だったけど、小さなホールなのでそれでも観やすそうではある。現地集合ならぬ現場座席集合でem**さんと綱**さんと合流。私がまとめてチケット買ったばかりに席が右端になってしまいお二人にはちょっと申し訳ない。雑談しつつ後方座席や2階席を眺めてみたんだけど、だんだん席が埋まってきた。私が集客の心配をする必要があるのかって話だけど(笑)開演直前頃にはほぼ9割方埋まってたと思う。ガラガラって事は無かったので一安心。物販のTシャツに至ってはどれくらい用意していたのか知らないけど売れまくってた模様。公演は2部構成との事。そして19時ほぼ定刻通り、いよいよ開演。まず第一部。綱**さんほどSWやポーキュパインツリーに詳しくないので全曲レポまでは出来ないけど気が付いたところを軽く書く。

Set 1:
Nowhere Now
Pariah
Home Invasion
Regret #9
The Creator Has a Mastertape (Porcupine Tree)
Refuge
People Who Eat Darkness
Ancestral

TRUTHっていうイメージ映像が始まってメンバー登場。最近作TO THE BONEの2曲目からスタート。ノーウェアナウはメロディーの優しい大好きな曲で、これでスタートは嬉しい。言うまでもないが演奏もSWのボーカルも素晴らしい。早くもSWの世界観に引き込まれる。パライアはさすがに女性ボーカリストさんの参加は無く、女性ボーカルは映像だったけど、まぁそこはイイでしょう。お気に入りの作品ハンドキャンノットイレースからホームインヴェイジョンとリグレット#9、新作中心のセットリストでこの曲がセットに残っていてこれがまた素晴らしい。バンドメンバーの実力が遺憾なく発揮される。鍵盤のアダムホルツマン、カッコ良過ぎ。ポーキュパインツリー曲を挟んで更に新作2曲と、再びハンドキャンノットイレースからハイライト曲とも言えるアンセストラルで第一部終了。ニックベッグスも相変わらずの、主役を喰いかねない強力なオーラ出まくり。MCでは意外なほどSWは良く喋る。それも客とのキャッチボールを楽しみながらジョーク交じりに喋るのは非常に楽しい。

第一部が終了したこの時点でもうお腹一杯くらいの、満足なんてもんじゃない、凄いものを観た感があって圧倒された。隣のSW歴大先輩の綱**さんに向かっての私の第一声は、

「いや~、凄いっすね、凄い、これは凄いですわ・・・。」

これくらいしか言葉が出なかった。なんかマニアックなものを密かに楽しんでる感じゃない、圧倒的なメジャー感。そう、マニアが密かに楽しむ音楽じゃないんだよ。メジャーな大物なんだよ。プログレオタクが喜ぶだけの音楽じゃないんだよ。私が喜ぶんだって。分かって貰えるかな・・・、あとでもう一回触れる。それにしてもスティーヴハケットの来日公演の時も、今回もニックベッグスのオーラは強力なんだけど、音楽そのものの凄さと、スティーヴンウィルソンの、ジョンアンダーソンとは違う意味のナルシスト天使感がニックベッグスのオーラを飲み込んでる。

Set 2:
Arriving Somewhere but Not Here (Porcupine Tree)
Permanating
Song of I
Lazarus (Porcupine Tree)
Detonation
Vermillioncore
Sleep Together (Porcupine Tree)
 

第二部はポーキュパインツリー曲からスタート。パーマネイティングの前のMCで、これはRAHのライヴ映像でも喋ってたからおそらくツアー中の定番MCなのだろう、世界最高のポップバンドはビートルズで、あとアバも最高みたいな喋りを、客とのキャッチボールの中で入れ込んでいた。これも共感できる。マニアックにロックを聴いてる人でなぜかビートルズを聴かない人がときどきいて、好みは人それぞれだからそれはそれでイイんだけど、ビートルズを聴かないことを殊更に何自慢なのかイヤミのように強調する方々についてはそれはチゲーだろって内心思っていたりする。ジョンウェットン大先生だってビートルズやビーチボーイズ、アバの大ファンだろ? リッチーブラックモアだってそうだ。ポップミュージックと芸術アートの融合はビートルズがやったことだし、後のプログレもハードロックもその元祖はビートルズである事は否定のしようがない。プログレもハードロックもその枝葉の発展形、ヴァリエーションである。その意味でビートルズを聴けばより幅広く音楽を楽しめると思う。そこを素直に受け入れてるスティーヴンウィルソンがますます好きになったね。まあいい、で、要するにみんな立ってくれとww。ここで立たされるの、RAHの映像作品観て分かっていたので私は踊るつもりで参戦していた。コレでも30年くらい前、学生の頃は京都のディスコ、マハラジャで踊ってたんだぜww。そして超ポップなパーマネイティング、踊ろうとしたんだけど・・・、踊り方を忘れた・・・。30年前、どんな風に踊ってたんだっけってウネウネしてるうちに曲終了www・・・。次だ次(笑)。ラザルスがまた良いんだ。この暖かみのある優しいメロディ。照明も夕日を思わせる色の照明で会場全体が暖かい雰囲気に包まれる。ちなみにラザルスの出だしでSWが何か間違ったみたいで一旦演奏停止。「テイク2!」ってもう一回イチから演奏開始してたwww。その後の3曲はハードでヘヴィでテクニカルで映像とのシンクロも相まってこれまた圧倒された。本編終了。放心状態でアンコールへ。

Encore:
The Sound of Muzak (Porcupine Tree)
The Raven That Refused to Sing
 

アンコールはポーキュパインツリーの名曲から。でも私の勉強不足でごめんなさい、一応RAH映像で予習はしてあったんだけど、しっかり合唱出来なかった。次回の来日ではちゃんと合唱出来るようにしておくからな。アンコールラストはレイヴン。これはもう聴き惚れたというか見とれたというか。スクリーンのアニメーション映像が何とも胸に染みるストーリー仕立ての映像で、スティーヴンウィルソンの音楽は、単に音を鳴らすだけではその真髄は分からず、映像イメージ込みで何倍も分かるのだ。完全にその世界観に私の心まで支配されて夢見心地の余韻残りまくりでライヴ終演。

改めてお腹一杯。とにかく凄いライヴを観てしまった。こりゃ、年末のキングクリムゾン観ても、今年最高のライヴはスティーヴンウィルソンだった、って言う可能性が高い。

なんか凄すぎて、纏まりのないレポになってしまったけど、この世界観を提示するにあたって絶対に欠かせないバンドメンバーについてもそれぞれ一言ずつ触れておきたい。

スティーヴン・ウィルソン(Steven Wilson : Vo, G, Bass, Key)
以前に誰かとSWのボーカルについて話したことがあった。曰く、ジョンウェットンやグレッグレイクほどの名ボーカリストと比較するとちょっと弱いかな、的な話になった気がする。今回ライヴを体験してその認識は完全に改めなければならない。そもそもSWのボーカルについては上手いヘタの問題ではないのだ。例えは強引かも知れないけど、ピンクフロイドの曲をロジャーウォーターズが歌う、デヴィッドギルモアが歌う、これは極めて自然かつ当然であり、ウォーターズやギルモアがボーカリストとしての才能があるか無いか、上手いかヘタか、そういう問題ではないだろう。ピンクフロイドの曲をロッドスチュワートが歌ったらフロイド曲が何倍も良くなるかって言ったらそうではない。そんなの違和感しかない。フロイドの世界観の表現がおかしくなるだろう。フロイドの曲を歌うのはウォーターズやギルモアでなければならないのだ。歌手としての上手いヘタ関係なく。それと同じことがスティーヴンウィルソンにも言える。SW曲を歌うのはSWでなけれなならない。SWでなければこの世界観は表現できないのだ。その為にSWは替えが効かないボーカリストなのである。

ニック・ベッグス(Nick Beggs : Bass, Stick, Chorus)
この人はもう改めてどうこう言うアレは無いでしょう。スティーヴハケットやスティーヴンウィルソンのライヴに欠かせない、今や超大物ベーシストである。その変わりものキャラ含めて醸し出すオーラが凄い。チャップマンスティックを弾ける人はプログレ界隈に何人もいるけど、ステージでカッコいいアクション込みで弾いてみせるのはこの人だけだろう。とにかく主役を喰ってしまわんばかりに目を引く。今回コーラスも見事に決まっていた。

アダム・ホルツマン(Adam Holzman : Key)
実は個人的に今まで一番分かってなかったのがこの鍵盤奏者である。RAHライヴ映像観て、これはとんでもない実力者だなって感じて初めてマジメに調べてみたら・・・、なんとジャズ界の超大物マイルスデイビスのグループで鍵盤担当してたっていうじゃない! しかも鍵盤担当のみならず、マイルスのグループの音楽監督をやっていたとは。マイルスデイビスの腹心だぜ。ロックの閉じた世界だけで言えばそんなに有名ではないけど、何の事は無い、そこら辺のロックキーボーディストなんかとは箔の付き方が違うし、当然格が違う。地味な鍵盤奏者などと思っていた私こそが認識を一新しなければならないのであった。勿論今回のライヴでもその実力の一端は垣間見れたと思うし、観れたことを幸せと思わなければ!

クレイグ・ブランデル(Craig Blundell : Dr)
これまでのSWのバンドのドラムが、ギャヴィンハリスンとかマルコミンネマンとか、日本のファンから言えばネームヴァリューのある大物だったから、ちょっと小粒感なイメージがあったけどいやいやどうして、私の趣味で言ってもペンドラゴン、フロスト、KINOのドラムなんだから実力は超一流のはず。実際ライヴで今回初めて見たけど、硬軟合わせて、テクニカルにパワフルに、見事な演奏だったと思う。コレだけ個性の濃いバンドメンバーの中で何も劣っていないし、マルコミンネマンやギャヴィンハリスンにもなにも劣っていない。これからもSWのバンドにずっといて欲しい素晴らしいドラマーであると思う。

アレックス・ハッチングス(Alex Hutchings : G, Chorus)
今回のバンドメンバーの中で、ネームヴァリューだけで言えば一番無名で、私も最初は誰?って感じだった。どうやらギターに詳しい人たちの間ではとんでもない実力者として知られているそう。なのでSWのバンドに加入したのはごく自然な事、って言われているそう。実際にライヴで真近で観たけど、テクニカルにハードにブルージィに、泣きのフレーズも見事で、しかもそれを簡単にやってるように感じさせるところが実力者たるゆえんかも知れない。更にはヴァイオリンの弓まで使って弓弾きまで披露されてはZEPマニアの私は嫌でも目を奪われた。ニックベッグスと共にコーラスもキレイに決めていたね。

以上、このような実力者たちを率いてのスティーヴンウィルソンの音楽は、「聴く、観る、感じる」、じゃなくて、「聴き入る、観入る、感じ入る」、という非常に深いレベルで楽しむべきものなのだ。それを面倒臭いと思ってはならない。入り口は決して面倒ではない。プログレもハード&ヘヴィもサイケもポップも、それから80年代も90年代も全て飲み込んだ上で、表現される世界観は入口が彼方此方にある。

ところが未だにスティーヴンウィルソンのことをプログレ音楽、それを聴くファンはプログレマニア、としか認識できない方がいるようで残念というか勿体ないというか。全然そうじゃないだろう。プログレなんて狭義な文脈で評価できない幅広い音楽性があり、もしかしたら作品ごとにおそらく如何様にでも表現する音楽スタイルを変化させるかもしれない。またそれが可能なミュージシャンなのだ。TO THE BONEのレビュー記事でも書いたけど「日本の洋楽」界はカテゴライズするのが好きで、「日本の洋楽」評論家に慣らされてきた人たちがカテゴライズし難いから、その評価が上手く広がらないのかも知れない。RAHで3日間ソールドアウトにするなんて、マニアックな音楽じゃないでしょうに。メジャーな大物なんだから。それをプログレのマニアックなライヴをプログレマニアが観に行って盛り上がっている、なんて思われるのは少なくとも私自身は心外だ。むしろ、マニアックなプログレマニアの人ほど今回のSWの来日公演に行ってなかった気がするぞwww。

幸い、SWにしては小さなハコだったEXシアター2日間の今回の来日公演、ソールドアウトではなかったかも知れないけど、ある程度は客席も埋まっていたし、次に来日する頃には日本でも正当な評価が拡がっていて欲しい。拙ブログごときでもその一助になればと思う。そしたらハコの大小もそうだし東京だけでなく大阪でも公演が組まれて関西のファンもアクセスしやすくなるし。そしたら今度はあのカッコいいTシャツを着て参戦する。次作を含めて次にどのように音楽性を拡散するのか深化するのか、いま旬な大物のファンでいられることは本当に楽しい。ジョンウェットンが亡くなってしまって、退屈になった私だけど、スティーヴンウィルソンがいるじゃないかって。

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2018年10月28日 (日)

IT BITES "LIVE IN LONDON"

あ~あ~、また2週間もブログ更新が滞った。いろいろ地域の所用が忙しいのと、どうやら風邪をひいたのか鼻水鼻詰まりが不快で睡眠の邪魔になってよく眠れなくて疲れが取れないのもあって。来週にはスティーヴンウイルソンの来日公演で東京六本木まで遠征しないといけないから早く治さないと。でも今日の日曜日が珍しく公休で、地域の所用のヤマ場を越えたので今ホッとしているところ。書きかけていて途中でストップしていた記事を書きあげる。書きかけていたのは以下のイットバイツの蔵出しライヴBOXネタ。

昨年くらいだったか、イットバイツのボブダルトンがフェイスブックでライヴ音源幾つかあるしCDにして出そうかな、みたいなことを書いていた。勿論フランシスダナリー在籍時のオリジナルイットバイツのライヴ音源である。そうこうしてるうちにようやく商品化作業に入ったことを知らせてくれていたが、ココにようやく5枚組CDボックスとして陽の目を見た。今のところサイト限定500セットの生産との事で、今後一般市場に出回ることになるかどうかはファンの反応次第といったところか。ファンからしてみたら普通に市場流通してしかるべき商品だとは思うんだけど、案外オリジナルイットバイツってこういう流通の仕方が多いよね、メジャーな実力あるのにひっそりファンベースでリリースみたいな。

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現行イットバイツとは違ってフランシスダナリー在籍時のオリジナルイットバイツのライヴが3種、封入されている。86年の1st発表時のライヴ、88年の2nd発表時のライヴ、そして89年に3rdを発表した後、翌90年の解散直前のライヴである。それぞれの収録内容はこんな感じ。

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その音楽性も演奏技量もルックスも含めて一般にアピールできるだけの親しみやすさすら備えた完全無欠のプログレッシヴ・ポップ・ロックバンドなんだけど、その完璧さの割には売れなかったなぁってのが残念なバンドではある。やはり80年代後半という時期でプログレっぽいポップってのが上手くフィットしなかった一例だったかもしれない。かく言う私も当時は注目はしたし2ndと3rdはリアルタイムでCDを所有して聴いていたけれども、じゃぁドハマリしたかと言えばそうでもなかった。何年も経って、今世紀になってからのKINOや現行イットバイツの登場によって再注目した時に、やはり素晴らしいバンドだったなぁって俯瞰して思えるようになったのが正直なところである。

収蔵された3公演の内容について軽くレビューを。

 Recorded Live at the Marquee on 21st July 1986

まずは86年デビューアルバム時のライヴからマーキーでのライヴCD1枚分。もうこの時点で後に確立し行くイットバイツのプログレポップロックの要素がほぼ出そろっている。デビューアルバムの曲が後々までライヴの重要レパートリーになってるから余計にそう感じる。ポップ感覚の中に見えるスランシスダナリーの、アランホールズワースのファン気質が滲み出るようなギターが早くも炸裂している。音質も十分良好。ストレスなく聴ける。初期のライヴ音源として非常に貴重である。

 Recorded Live at the Astoria on 13th May 1988

大名作の2nd、ワンスアラウンドザワールド時のライヴCD2枚分。これはもう名曲の嵐で充実の内容。今回の蔵出しライヴ音源集の中では一番安定の典型的イットバイツが楽しめる。ここに完成したイットバイツ流のプログレッシヴ・ポップ・ロックがメンバー各人の見事な演奏技量で披露される。そしてまた、ライヴならではのちょっとしたお遊びも気が利いていてサービス精神も旺盛。ジミヘンドリックスのパープルヘイズの一節が聴こえたり、大曲ワンスアラウンドザワールドでは、フランクシナトラが歌ったことで有名なニューヨーク・ニューヨークが挿入されていて、そこら辺のエンターテイメント性も素晴らしい。それにしても、ここでも強調したいのは安定のプログレポップ感覚の中で炸裂するフランシスダナリーのギタープレイである。ポップ曲にホーさん風ギター、この違和感こそがオリジナルイットバイツを、オリジナルイットバイツたらしめる重要なファクターであったことが分かる。現行のジョンミッチェルをフロントマンに据えたイットバイツではこの感じが無いからね。普段聴きにはこの88年アストリア音源がベストだ。

 Recorded Live at Hammersmith Odeon on 7th April 1990

3rdアルバムのイートミーインセントルイス発表後のライヴから、オリジナルイットバイツ終末期と言ってイイのかな?そういう90年ハマースミスでのライヴ音源。これは上記88年の充実のアストリア音源とは違う意味で聴きどころ満載。分裂前のオリジナルイットバイツの姿をリアルに収めている。豊かなプログレポップ感覚からストレートかつハードな方向性にシフトした3rdの曲を多く演奏していて、更には幻の4th用に準備していたと思われる楽曲が既にライヴで演奏されている。Feels Like Summertimeに関しては以前よりライヴで演奏されていたのは知られていたけど、なんと後にソロに転向したフランシスダナリーのソロデビュー作に収録されていたWelcome To The Wild Countryが、この90年時点ではイットバイツとしてライヴ演奏されていたのが今回のライヴBOXの一番の驚き。という事はこの曲も、もしイットバイツが続いていれば4thアルバムに収録されたのだろう。90年代当時にこの時期のライヴ音源を使ってメジャーリリースされた公式ライヴ盤サンキュー・アンド・グッドナイトというのがあった。さすがメジャーからの公式リリースって感じの最高音質かつ盛大な音像のライヴ盤であった。そこではオミットされていたと思われるこれらの当時未発表曲が演奏されたライヴ音源が今回リリースされた意味はファンにとっては大きい。例によって後からだから何とでも言えるんだけど、この90年ハマースミス音源はある意味でオリジナルイットバイツが分裂する萌芽が見て取れるという貴重な音源である。

以上、3種の音源を軽くレビューしてみた。音質については、上記で触れたメジャーからの公式ライヴ盤サンキュー・アンド・グッドナイトほどでは無いにしても、いずれも充分公式リリースに相応しい音質である。何よりも余計な編集や選曲からカット、ってのが無いリアルな当時のライヴの様子があからさまになって認識を新たに出来る部分も多い。

フランシスダナリーは来年2019年初頭にはイットバイツのデビューアルバム再現ライヴを英国で行うらしい。2016年にはかつてのイットバイツ曲を再録したアルバムをリリースし、イットバイツ曲再現ライヴで来日公演まで実現してくれた。変なこだわりなくイットバイツ曲をライヴ演奏してくれるのは嬉しい。かといって別にイットバイツに戻って欲しいとも思わない。我が道を歩んでくれればいいと思うし、現行イットバイツもジョンミッチェルとジョンベックで安定のプログレポップを表現してくれればいいと思う。それぞれがそれぞれに活動するほどに、ある種の不遇だったオリジナルイットバイツの素晴らしさが更に更に正当に再評価されることに繋がればもっと良いと思うのである。

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2018年10月16日 (火)

STEVE PERRY "TRACES (Signed Deluxe CD + Socks + Keychain + Patch)"

寝て起きたら靴下に嬉しいプレゼントが入ってる、それがクリスマスの幸運のお約束である。とんでもなく暑かった夏もすっかり終わって、今ではすっかり朝晩は寒いくらいになってきた。もう少ししたら街はクリスマスの飾り付けが始まるだろう。まさに靴下の出番の季節である。

なんと25年振りとなるスティーヴペリーの新作が遂に届けられた。リリース情報が出てリーダートラックのNo Erasin'を聴くと気持ちのイイ期待通りのポップロックだったものだからやたらと盛り上がってしまった。オレってそこまでペリーが好きだったっけ?って思いつつ国内盤を待たずにペリーの直販サイトで限定盤を予約した。待ちに待った。国内盤の方が先に市場に出回ってイライラしながら、そしてようやく到着。

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ご覧の通り、ジャケにサイン入りってのが欲しかったんだけど、そうすると靴下、キーチェーン、パッチが付いてるやつを注文するしかなかった。日本円にして7000円以上したかな。靴下これ何に使うんだよって話である。ジャケにスティーヴペリーのサイン入り。

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直販サイトからの直輸入あるあるというか、私が単に毎度のごとく運が悪いだけなのか、予想通りCDを封入するパッケージがひん曲がって到着www。

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まあいい。よくある事なので気にしない。サインの入ったブックレットが綺麗であればそれでイイ。国内盤はボーナストラック2曲入りとの事だったが、こちらの限定盤はボーナストラック5曲入りの全15曲。

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さていよいよ、音の内容である。1曲目は上記で触れたリーダートラックNo Erasin'、2曲目はミディアムテンポでぺリーの歌唱を聴かせる曲、3曲目はムーディなバラードっぽい曲、とここまでは良かったんだけど、この後がだな・・・・。

なんというかメロディアスなのはイイんだけど、ひたすらにバラードっぽい曲、レイドバックした曲が続く・・・。ロックヴォーカリストのスティーヴペリーではなく、歌手スティーヴペリーの素晴らしい歌唱を聴かせることに重きを置いたような楽曲が続くのだ。さてこれをどう感じるか、である。

いつにも増して深みを感じるスティーヴペリーの歌唱が楽しめると、そう捉えられたら本作は100点満点である。そう捉えられたらね。でもそう捉えられない人にとっては退屈である。ジャーニーからニールショーンの暑苦しいギターを除いた程度のジャーニー的サウンドであればだれもが期待通りっ、って膝を打つだろう。でもそうではなかった。

本作を楽しむためには、ここにいるのはジャーニーのスティーヴペリーでは無い、という当たり前の現実をきちんと受け入れなければならない。ジャーニーはジャーニーでアーネルピネダという素晴らしいヴォーカリストを得て、イイ意味で相変わらずのジャーニーサウンドを響かせてライヴツアーに忙しい。なのでジャーニーを楽しみたいならジャーニーを聴けば良い。本作は独立したソロ歌手スティーヴペリーである。そう思えば楽しめる。きっと聴くほどに深みを感じるであろう。あ、でも6曲目のSun Shines GrayはNo Erasin'と並んで本作では貴重な気持ちのイイポップソングだ。

寝て起きたら靴下に幸運が入っている。しかしその前に気持ち良く寝付かなければならない。そう、本作は気持ち良く寝付ける音楽なのだ(嫌味じゃないよwww)。本作を聴いて、仕事の疲れを癒して、気持ち良く寝て、起きたら幸運が訪れる、その為の入れ物として靴下が必要なのだ。スティーヴペリーの最新ソロアルバム靴下盤、そういう事なのですよ(笑)。

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2018年10月11日 (木)

レッド・ツェッペリン 「永遠の詩(狂熱のライヴ)」(LED ZEPPELIN "THE SONG REMAINS THE SAME")

この秋、雨が多くないかい? 週末の泊まり勤務連勤前の貴重な公休は今日もシトシト雨降りで外出もせず家籠り。その代わり朝もしっかりゆっくり寝たし疲れが取れた感じがする。寝不足が重なってここんとこずっと眼が充血していたのが今日はなくなってるし。

ところで楽しみにしているスティーヴペリーの新譜もイットバイツの蔵出しライヴCDもまだウチには届かない。どちらもアーティスト直販サイトで注文したから配送に時間がかかってるのかな。スティーヴペリーは既に国内盤も出てしまってるし、イットバイツはサイト限定500セットがウチには届いていないのに西新宿の某店には入荷していると知ってしまっては気ばかりが焦る。サイト直販はこれだから困ったもんだ。

そこで今日は例によって購入したっきり放ったらかしにしていたツェッペリンの永遠の詩(狂熱のライヴ)を取り上げる。拙ブログではツェッペリンは取り上げたり取り上げなかったりだけど、私はツェッペリンに関しては熱狂的な時期があったのでこれまでのジミーペイジリマスターは全てデラックスBOXで買っていた。それが今回は通常盤CDでの購入。財政が辛いからってのもあるけど、もっと正直に言うと、2007年リマスターの時点での映像版の方を未だに未開封なのだwww。12年前のやつを未開封なのに今回また映像つきBOX買うのはさすがに我ながらアホらしいと思ったので、まずはCD版で。まずはってwww・・・。いやね、タワーレコードオンライン見ていたら72年のライヴBOX国内盤が1万円近くディスカウントして売ってるから、だったら1~2年待ったら永遠の詩のデラックスBOXも安くなるんじゃないかなと思ってだな・・・。

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もう学生の頃からツェッペリンは散々聴いてきたし、あらゆるブートにも手を出して、ブートコレクターになった時期もあった。ツェッペリンのライヴについてはかなり詳しいつもりである。私より詳しい人がどれくらいいるか知らないけど、年単位ではなく、月単位でもなく、一日単位で語れるぞ。そんな私からすると、昔は唯一のライヴ盤だった本作は今となってはライヴパフォーマンスとしては平均点で、実際にはZEPの歴史の中でもっと凄いライヴパフォーマンスはいっぱいあったと言い切れる。もちろん悪くはない。コレはコレでツェッペリンの立派なライヴ盤である。しかし同じ73年ツアーだけで考えても、本作が収録された73年夏の北米ツアー最終盤のマジソンスクエアガーデン3Daysよりも、Bonzo's Birthday Partyとして有名な73年5/31の演奏の方が素晴らしい。ちなみに山ほど所有していたZEPブートは殆ど手放したけど、未だ73年5/31のBonzo's Birthday Partyは所有している。これは9CDBOX。

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更にもっと言うなら73年は春の欧州ツアーのほうが遥かに凄い。それはブートのライヴ盤まで手を出しまくったZEPマニア的には常識である。うーんそうだな、73年春の欧州ツアーで言えば3/21、3/22、3/24のドイツでのライヴパフォーマンスはZEPの全ライヴキャリアの中でもハードロックバンドとしてのグルーヴ感が頂点を極めた演奏が聴ける。それを知ってしまってるだけに本作は私の中では平均点、となってしまう。本作はあくまでも映画「永遠の詩(狂熱のライヴ)」のサウンドトラックとして捉えるべきである。

さて今回の2018リマスターの音質だけど、久しぶりに2007年リマスターをラックから引っ張り出して聴き比べてみた。

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聴き比べたと言っても一曲目のロックンロールだけだけどwww。2007リマスターはドラムやギターが前に出て来て迫力ある音像に仕上がっていたけど、今回の2018リマスターはオリジナルの音に近い自然な音像に仕上げたのかなって気がする。オリジナルを手放しているのでもう分からないけど。どっちが好きかはこれも人それぞれ。迫力が欲しい人は2007リマスターがイイだろうし、自然な音像が良ければ今回の2018リマスターだろう。

あ、そう言えば71年BBCセッションズのBOXと、72年のLAライヴBOX、まだ開封してないや(コラッ)www。

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2018年10月 5日 (金)

THE STORM "THE STORM"

仕事とは別に「地域の所用」の忙しさもあってなかなかブログが手に付かない。手に付かない理由はもう一つ、やっぱりジョンウェットン大先生が逝去されてからのネタ切れ感があって、なんかこう拙ブログの軸を失った感じがつまらない。先日TaaさんのジョンウェットンファンHPがプロバイダ終了の関係で閉鎖されるとのお知らせもあって、なんか益々、拙ブログももうイイかななんて思う瞬間もあったりして。まぁでも少なくとも来年2019年の6月、先生の生誕70年を記念するジョンウェットンメモリアルBOXが発売されるまではどうにか踏ん張ろうと思うのである。

スティーヴペリーの新作が発売されて、直販サイトで限定盤を予約していたので発送連絡があった。数日後には靴下(笑)共々到着すると思うけど、先行して先ほど限定盤購入特典で全曲分のmp3が送られてきた。早速聴こうかとも思ったけどせっかくなんでブツの到着を待つことにする。まぁ今日聴いたとしてもすぐにブログは書けないし。そこで今回はとりあえずジャーニー繋がりで、先日W.E.T.の1stを買った時に一緒に中古で購入した掲題のザ・ストームの1stを取り上げておく。

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レイズドオンレイディオの後、ジャーニーは解散状態になって、ジョナサンケインがジョンウェイトとベイビーズを復活しかけたところにニールショーンが合流してバッドイングリッシュが登場、大ヒットを記録した後に、同じく元ジャーニーのグレッグローリー、ロスヴァロリー、スティーヴスミスが、スティーヴペリーのように歌えるヴォーカリスト、ケヴィンチャルファントとギタリストのジョシュラモスを加えた5人編成で結成されたバンドである。わざわざ拙ごときが説明しなくても皆さんご存知でしょうけど。

発売当時はこの手の本格的アメリカンな産業ロックに飽き飽きしていたのでスルーしていたんだけど、今となってはあの時代の産業ロックはとてもクォリティが高くて、偏見なく気持ち良く聴けるようになった。そんな今になって欲しくなって買おうと思ったら、再販してないらしく中古市場でエライ高値がついてプレミアCDとなってしまっているのがこのストームの1stなのである。随分長く中古で探し続けたんだけど、国内盤帯付きはタマにオークションで見かけても嘘みたいな高値で落札されるから眺めるだけの状態だった。まぁ輸入盤でも別にイイかと思って、それでも中古としては結構なお値段だったけどこの際購入したのである。

内容はそれはもう期待通りの、ジャーニー直系のしっかりしたアメリカンロック。ほぼ全編メロディアスで、時にハードで、期待を裏切らない。曲によってはケヴィンチャルファントだけでなくグレッグローリーもリードヴォーカルを務めている。実はこのストームは2ndの方は中古屋さんでいつでも叩き売り価格で見かけるので、私もずっと前に購入してあって、天気の良い日にはよく聴いていた。それもとても気持ちのイイ産業ロックで、でも少しユルすぎるかなって感じのメロディアスに偏った作風であった。この1stはもう少しハードよりの曲もあって全体のバランスが良い。まぁ後になってからの話だから何とでも言えるんだけど。少なくともジャーニーとその幻影を追いたい人にはバッドイングリッシュと並んで必携の作品ではある。

あ、やっぱり送られてきたスティーヴペリーの新作全曲mp3、あとでちょっと聴こうかな(笑)。ブログ執筆に備えてね。

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2018年9月29日 (土)

W.E.T. "W.E.T."

本日土曜は公休なんだけど明日の日曜にはまたもや強力な台風24号が西日本を直撃するようで、9月の台風21号直撃の日に暴風雨の中で勤務だった日に続いて今回もよりによってキッチリ出勤日となっている。とにかく公共サービス系の仕事なので、台風が来るから仕事休みとかは無い。21号の時はマジで生涯でこんな凄い暴風雨は初めて経験したってくらいの勢いだった。その傷跡が癒えない街の風景も残っているのにまたかよって感じ。なんかもう既に明日の出勤が気が重い。休みの今日も朝から雨模様なので特に出掛けるとかも無し。オカンと食材の買い出しを済ませて後は家でまったりと過ごす。

先月のサンズオブアポロ来日公演の余韻が残る中で、とんでもない実力を持ったヴォーカリストであることを認識したジェフスコットソートをもう少し聴いてみようと過去の参加作品を調べていた。昔よく聴いていたイングヴェイのヴォーカリストだったっていう、それ以外のイメージが無かったから。お仲間の方々から種々紹介頂いて、タリスマン、ソウルサーカス、W.E.T.等々。まだ他にもあるんだろうし、クイーンのトリビュートライヴでクイーンを歌いまくるDVDがある事まで知って、さてどれにしようか興味津々で調べたりサンプル的にYoutubeで音源を聴いた結果、やはりメロディ派の私なのでここはW.E.T.の1stを聴いてみようと決めた。ちょうどDUオンラインで会員限定で輸入品中古品10%オフのセールに合わせてW.E.T.の1st輸入新品とザ・ストームの1st輸入盤中古を購入。ストームはまた別の機会に取り上げるとして、今回はW.E.T.を聴いた印象を。

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北欧メロディアスハードのWORK OF OUT、ECLIPSE、そしてジェフスコットソートのTALISMAN、この3バンドのメンバーが合体したという事で、それぞれの頭文字を取ってW.E.T.と言うバンドなんだそう。この手のサウンドの再生産がお家芸となっているフロンティアーズレコーズからの作品。CDプラスPV収録のボーナスDVD付き。2009年作品だけどよくぞ新品が残っていたものだ。

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早速聴いてみたけど、楽曲はまさにメロディアスハードそのもの。メロディ派にとっては全く期待通りの納得の逸品。どこにでも転がっていそうなメロディアスハードって気がしないでもないけど(笑)、そんな中でもサウンドプロダクション含めた部分で一級品だと思う。ただ、とにかく全編メロディアスハードなんだけど哀愁強めかな。哀メロが多すぎて胸焼けがする。そんな中、ラスト曲のIf I Fallが、これがもう個人的には理想的な爽快なハードポップ曲で何度でも聴きたくなる素晴らしい名曲。歌い方の一部にスティーヴペリー的に聴こえる部分があって、あぁなるほど、それでニールショーンがジャーニーのヴォーカルに据えようとしたんだなってのが改めて分かる気がした。出来ればこの手の爽快ポップ曲がアルバム中にもうあと1~2曲あると、個人的には非常にバランスのとれた最高級のメロハー産業ロックとして歓喜出来たかもしれない。そこだけちょっと惜しかった。

そうそう、それより何よりジェフスコットソートのヴォーカルである。ここではサンズオブアポロの1stでのヘヴィでダークな曲調に合わせた歌い方とは違って、色彩豊かなメロディをハード曲、バラード曲、爽快ポップ曲それぞれに合わせて見事な歌唱力で、自由自在に歌い上げている。さすがの実力ってものが再認識できた。こうなるとサンズオブアポロでの歌唱はやはりジェフスコットソートの実力の一部でしかないんだなって気がする。来年2019年に予定されているサンズオブアポロの2ndでは、ヘヴィでダークなプログレメタルだけでなく、是非このジェフスコットソートの豊かな才能を生かした色彩感を加えた新作を届けてくれることを個人的には期待している。

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2018年9月23日 (日)

エアプレイ 「ロマンティック」(AIRPLAY "AIRPLAY")

本日2本目のブログ記事。
というワケでプログレやHR/HMを聴ける季節になったんだけれども、これだけは、っていう夏の猟盤の残りを取り上げておく。それが掲題のエアプレイ、ジェイグレイドン自らの手による2018年最新リマスター。

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今回のリマスター盤の日本盤は7インチ紙ジャケという、例によって収納に困るサイズ。リマスターって何回目だっけ?って感じだけど、今も持っているのは2006年時点のリマスター紙ジャケ国内盤(下記写真の左側)。それ以前の旧規格のプラケCDも持っていた気はするけど多分処分したと思う。

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国内では「ロマンティック」っていう何それ的な邦題が付いているけど、それはそれで定着してしまっているところが日本における独自のエアプレイ人気を物語っている。70年代後半から80年前後のアメリカ西海岸人脈でTOTOのメンバーやビルチャンプリンも参加していて、そういう方面からのファンのアプローチもあると思う。私的には最初はデヴィッドフォスターの都会的なシャレオツなサウンドに惹かれてBGM的に聴くようになり、そのデヴィッドフォスターが参加していた伝説のバンドのエアプレイってことを知って、じゃあ聴いてみようみたいな、そういう遡り方だったと思う。そしたらTOTOのメンバーも参加していることを知ったという感じ。

なので初めて聴いた時には1曲目のストランデッドの決して都会的シャレオツでは無いうるさいハード目のロックサウンドにちょっと驚いたものだ。、2曲目では、あぁTOTO繋がりを感じるなというのもあった。よく言われる凝ったコード展開、実は難しい曲を表面上は耳触りよく聴かせてくれるから、じっくり聴くも良し、BGMとして気分よく聴き流すも良し、という非常に重宝する作品である。

今回の2018リマスター国内盤紙ジャケは、シングルカットされた国内盤シングルのジャケ復刻付き。マニアも納得の逸品となっている。

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それにしても、She Waits For Meの邦題「彼女はウェイトフォーミー」ってwww。彼女は・・・から後は英語そのままというアレwww。「彼女はウェイトフォーミー」www。何度見つめてもちょっとウケる安直な邦題・・・「彼女はウェイトフォーミー」って(笑)。そして曲自体も80年(昭和55年)前後の日本のアイドル歌謡にもありそうな曲調で、タイトルも「彼女はウェイトフォーミー」www・・・って日本のアイドル歌謡っぽくてウケる。そして懐かしい。

最新リマスターによる音のどうこうとか、旧盤との聴き比べはしません(笑)。ジェイグレイドン自身による何度目かのリマスターという事で、元から作り直したいと思っていたというから、その時代時代の最新機材で音をアップデートできるなら何度でもリマスターしようという、まぁそういう事である。今回は低めの中音域を太くしたかったとのこと。なのでジェイグレイドンにとっては2018年時点の最高のエアプレイに仕上げることが出来たのだろう。その通りと素直に聴くも良し、いやいや旧盤の方の音が好きっていうのもありだと思う。もうそう言うのは聴いた人それぞれの感じ方でイイと思う。今回の国内盤ライナーに角松敏生が文章を寄せていて、これがなかなか納得できるいい文章だった。これは他のミュージシャンのリマスター作品にも言えることだけど、結局最初に聴いたサウンドには、その時の聴き手の思い出込みの感慨が加算されるから、一概に最新リマスターだから最高、とはならない。ジェイグレイドンにとって最新リマスターが最高。でも聴き手によっては聴き手の思い出込みの旧盤が好き、それでイイではないか。ま、私の場合はエアプレイはリアルタイムではなく後追いだったので、最新リマスターを気分よく聴かせて貰いますよ。

それにしても、「彼女はウェイトフォーミー」ってwww。

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【Short Review 38】 ザ・シー・ウィズイン 「ザ・シー・ウィズイン」(THE SEA WITHIN "THE SEA WITHIN")

やっと朝晩はひんやりと感じる涼しい季節になってきた。泊まり勤務の連勤が続いて今朝は久々の日曜公休。布団にこんもりと籠って朝9時まで寝てしまったのでとても寝起きが爽やか。ちゃんと疲れが取れた感じがする。酷暑が過ぎてようやくHR/HMやプログレを聴こうかって気になってきた。そこで夏に購入してチラッと聴いたっきり放ったらかしにしていたザ・シー・ウィズインをしっかり聴き直したので取り上げてみる。

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メンバーの顔触れだけで期待感だけは限りなく増大するバンド/プロジェクトである。ロイネストルト、ヨナスレインゴールドのフラワーキングス組にイエスシンフォニックやキャメル、ルネッサンスでも鍵盤を担当していたトムブリスリン、こっち側目線で言うならば(笑)2011年以降の再編U.K.のドラマー、マルコミンネマン、そしてダニエルキルデンロウという大物揃い。さて実際のサウンドはどうか、というところだけど・・・、

う~ん・・・、イマイチ。ショートレビューで済ます。あくまでも私個人の感性に基づいた感想なのでご勘弁を。メロディ派の私からすると、良質のメロディはあるんだけど、そこに焦点は当たっていなくて、ロイネストルトが強調するアートロック、と言われれば、あぁそうなのねって感じのごった煮的サウンド。そのやりたい放題感をそれなりにうまくまとめてアートロックとしているのは分かる気がするんだけど、それを好んで聴けるかどうかは聴き手次第。アヴァンギャルドとか辺境各国プログレとか、様式美的なものを逸脱するものを何でもプログレとして楽しめる人には面白いと思う。私でいうと、プログレ探求を楽しんでいた25年くらい前であれば面白いと感じただろう。でも今の私はもうそう言うプログレ探求はやめてしまってるので、こういうのは正直疲れるwww。

音楽以外にも自分の人生を賭けて悔いのない生き甲斐のようなものがある私には、自分の趣味としての音楽的素養を拡げることに喜びを感じる時間も金も無いwww。だったらわざわざブログに取り上げるなよって話だけど・・・。いや、またまた2週間近くご無沙汰になってたからさ(笑)。

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2018年9月12日 (水)

サンズ・オブ・アポロ 2018年来日公演初日(大阪) SONS OF APOLLO JAPAN TOUR 2018 (Sep 10, 2018 @ BIG CAT OSAKA)

激務だった8月の勤務の疲れを癒すべく、公休と有休を繋げて4日間のミニ夏休みを頂いたけど、それも今日が4日目の最終日。今日も外はどんより曇りで時々雨が降る。4日間のうち3日間は雨が降っていて天候には恵まれなかったなぁ。でも逆にそれで無理に外出することも無くいい休養にはなった。やっぱり連休は大事。原則連休の無い24時間365日のシフト勤務なだけに3ヶ月に1回くらいは上手く有休を駆使して連休を作らないと身体も気持ちも持たない。

今年ももう後半になったけど、ようやく今年3回目のライヴ参戦。一昨日のサンズオブアポロ大阪公演のレポ、昨日は疲れていて書けなかったので今日なんとか書く。最近はライヴも金銭的事情や地理的事情で厳選してしか行けなくなって、でもその分一回一回の思い入れは深く持てる。それでは今回も個人目線の行動記録風の参戦レポで。

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2018年9月10日(月)、ミニ夏休みの2日目だけどこの日も朝から雨模様。出かける意欲が失せる。それに何よりサンズオブアポロはプログレメタルと言ってもドリームシアターに比べてメタル寄りで、酷暑の夏の間は全く聴く気がしなかった。正味な話、サンズオブアポロのアルバムはブログを書くために3回ほど聴いて、その後はそれっきり聴いてなかった気がする。そしてオールスタンディングのライヴとあって楽しみなはずのライヴ参戦も少し気が重い。最寄りの駅まで徒歩25分は天気が良ければウォーキングかねて歩くんだけども雨だしクルマで駅まで行くことにする。隣駅の近くに終日300円という格安の駐車場があるのでそこに停めようと思ったらなんと満車。仕方ないから最寄駅に引き返して終日700円の駐車場にクルマ停めて大阪へ出発。

暑苦しいとはいえライヴ参戦する以上は改めて聴いておかなければと、ここ数日は頑張ってサンズオブアポロ(以下、SOAと略す)のアルバムを聴いていた。あと事前にセットリストをチェックしておいたのでドリームシアターのフォーリングイントゥインフィニティの2曲、それからクイーンにヴァンヘイレン。準備は完璧。私はいつでもライヴに行くときはセットリストは事前に知っておきたい派なのだ。だってライヴ行って知らない曲が多かったら楽しめないから。

大阪駅で降りて梅田周辺を少し徘徊。DU大阪店を覗いたけど特に欲しい中古CDはなかったので心斎橋へ向かう。一緒に参戦するお仲間のM女史とU女史と合流。心斎橋の有名洋食店の明治軒で食事しようってことになってたけどU女史が下見してくれていて、残念ながら15時20分でランチ営業を終わるとの事に微妙に間に合わないことが分かり場所変更。そのままライヴ会場のBIG CATがあるアメリカ村方面へ。ライヴ会場すぐ近くにちょうどイタリアンの店がカフェタイムという事で営業していたので入店。店内を見渡して、内装がなんか既視感があるなぁと思ったらサルバトーレだった。サルバトーレの京都店は今年の正月にお仲間との新年会2次会で楽しんでいたから。ピザやパスタを食しながらドリンクカフェでコレでもかってくらいソフトドリンクを飲みまくって1時間半ほどお喋り。そういやこの日も女子会+オッサン一名状態だったなぁwww。17時から先行物販があるのでサルバトーレを出てBIG CATへ。小洒落たショッピングモール風の商業施設で、私の知っている30年くらい前のアメリカ村とは隔世の感がある。シャレオツだ。

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BIG CAT到着。

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物販はTシャツ2種(各4000円)と、あと地味にギターピック3枚セット1000円が売っていた。黒のTシャツばっかり集めてもしょうがないので今回物販は買わないつもりだったけど、ついつい女史お二人につられてTシャツ購入。一旦別の階に降りてサイゼリアで開場まで時間潰し。そろそろ行きましょかと開場時間の18時に上に上がると既に入場開始していた。私の整理券番号はとっくにに呼び出しが過ぎていて、81番の整理券番号も全く意味をなさなかった(苦笑)。入場してドリンク代別途600円(100円値上げしとるやん!)でペットボトルの特茶を買ってフロアへ。まだまだ前方が空いていたんだけど、立ちっぱなしで開演まで待つのシンドイし、後ろのPAブースのあるところに陣取り、もたれかかって待ち時間を過ごす。買う気の無かったTシャツにちゃっかり着替えて3人お揃いで記念撮影。写真撮ってくれた方、ありがとうございました。

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チケットとチラシ。

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PAブース内にセットリスト用紙があったので凝視したけど、やはり事前にチェックしていた通りのセットリストらしい。そして定刻通り19時過ぎ、メンバー登場していよいよ開演。ここからはセットリストに沿って。

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God of the Sun
オープニングはアルバム通りの1曲目から。さすがはメタル系のコンサート、この時点からスゲー盛り上がり。ちょっと心配だった音圧とか音のバランスは非常に良好なよう。耳が痛くなるようなことはなく優れた音響だったように思う。

Signs of the Time
2曲目はアルバム中では結構好きなこの曲。後方PAブースに陣取っていた私は早くも前方真ん中辺りへ移動。「ホーードン」とか「サインズォブザターーイム」とか、合唱しまくってやった。シャウトするの、気持ちイイ。

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Divine Addiction
ヘヴィなオルガンとギターが印象的なグルーヴィな曲。ゆっくり体揺らしてノル。

Just Let Me Breathe (Dream Theater cover)
ここでマイクポートノイとデレクシェリニアン在籍時のドリームシアターのファーリングイントゥインフィニティから。SOAの楽曲の中に紛れても全く違和感が無い。今のドリームシアターではまず聴けない楽曲だと思うのでコレは嬉しい。

Labyrinth
再びSOAから。この辺りから演奏が完璧なのは当然として、ジェフスコットソートのフロントマンとしてのパフォーマンスがとても優れていることに気付き始める。

Bass Solo
ビリーシーンのベースソロ。メンバーの中では一番ネームヴァリューがあるのかな。声援多し。
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Lost in Oblivion
演奏は完璧なんだけど、ちょっとしんどくなってきたぞオールスタンディングwww。

The Prophet's Song / Save Me (Queen cover)
ここでジェフスコットソートのソロコーナー。クイーンのフレディマーキュリーをリスペクトしているようで、一人多重コーラスでProphet's Song、続いてロン "バンブルフット" サールがギターで伴奏付けながらSave Me。コレが素晴らしい。曲もイイんだけどこの曲を歌い上げるジェフのヴォーカルパフォーマンスが素晴らしいのだ。まるでフレディマーキュリーが歌っているかのような豊かな表現力。ここに至ってジェフスコットソートのヴォーカリストとしての本当の実力を思い知らされた気がした。もともとクイーンをほとんど聴かない私がライヴの3日ほど前に慌てて予習したSave Me、100年前から知っていたかのように恥ずかしげもなく大声で歌ってやったぜ。

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Alive
ジェフスコットソートのヴォーカルを気に入ってしまった私には、このヴォーカル中心の曲はとても心に響いた。とにかくジェフのヴォーカル、素晴らしいよ。

The Pink Panther Theme (Henry Mancini cover) 
ギターのロン "バンブルフット" サールのコーナー。でもマイク、ビリー、デレクも演奏を付けている。曲はピンクパンサーのアレ。これちょっとジョンウェットンファン的には笑えるというか泣けるなぁ、あの時を思い出して。2013年のクラブチッタでのUKのライヴね。あ、いや、違った、今自分のブログにリンク貼ろうと見直したら、2013年のUKじゃなくてその翌日のエディジョブソン40周年ライヴの方だった。

Opus Maximus
そしてライヴも大詰め。SOAデビューアルバムの最高の名曲。このバンドの全てが詰まった名曲だと思う。完璧な演奏で再現。見事。素晴らしい。

Figaro's Whore (Keyboard Solo)
Lines in the Sand (Dream Theater cover)
 
デレクシェリニアンの鍵盤ソロから本編ラストは再びドリームシアターのコレ。フォーリングイントゥインフィニティでは一番の名曲だね。そしてこの曲はSOAにもあっていると思う。ギターもバンブルフットが見事に表現しきっている。

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Encore:

And the Cradle Will Rock... (Van Halen cover)
アンコール1曲目はヴァンヘイレンのカヴァー。この少しルーズなノリがかえって心地よい。

Coming Home
ラストは再びSOAから。最後の最後まで疲れを知らないかのようなジェフスコットソートのヴォーカルパフォーマンス、そして楽器隊の完璧な演奏で終了。

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以上、演奏予定は1時間半との事だったけど実際にはみっちり2時間。大満足の濃厚なライヴだった。とにかく悪い意味でのツッコミどころが一つも見つからない完璧、見事な演奏だった。そりゃデレクシェリニアン、マイクポートノイ、ビリーシーンについては私もその実力は分かっていたけど、バンブルフットは今回初めてだったので注目していた。そしてこれまた完璧。素晴らしいギタリスト。もっと評価されていいと思う。そして何よりジェフスコットソートだ。何この見事なパフォーマンス! 最初から最後まで歌も、それからフロントマンとしての立ち振る舞いや観客の盛り上げ方、パフォーマーとしても一流だと思う。SOAアルバムではヘヴィでダークな曲調が多いせいでヘヴィな歌い方に終始していて、そこが個人的には一本調子に感じて好きではなかったが、今回のライヴを観て、ヴォーカリストとしての底知れない実力を思い知った気がした。マジでフレディマーキュリー級のヴォーカリストだと思う。ジェフ個人的には25年振りの来日との事だったが、今回でジェフのファンが大幅に増えたのではないかと思う。

何年も前にこのSOAと似た様なメンバー編成でPSMS(ポートノイ、シェリニアン、マカパイン、シーン)というバンドというかプロジェクトがあった。私は行ってないけど来日公演もあった。しかしPSMSとSOAではやはりこちらの思い入れに差が出る。PSMSはメンバーのネームヴァリュー的には一枚上の豪華さを感じるけど、オリジナル曲やオリジナルアルバムは無かった。SOAはオリジナルアルバムを作ってライヴをやっている。どうしてもその辺でこちらの思い入れに差が出てしまう。SOAは多忙なメンバーの集まりではあるが、それでも2ndアルバムの制作を予定しているという。次作では是非、今回思い知らされたジェフスコットソートのヴォーカリストとしての豊かな表現力を生かせるような楽曲も作って欲しいと思う。もしそうなったらSOAはさらにワンランク上のレベルに上がる気がするのである。

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2018年9月 6日 (木)

イエス feat. ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン 「ライヴ・アット・ザ・アポロ 2017」(YES FEATURING ANDERSON RABIN WAKEMAN "LIVE AT THE APOLLO")

個人的に勝手にミニミニ夏休みまであと少し。一昨日から昨日にかけての泊まり勤務では今世紀最凶台風とも言われる台風21号の京都への直撃を受ける中での業務となり、なかなかの酷い目に遭いつつどうにか業務終了。その時は必死だったから何とも思わなかったけど、振り返ってみたら怖かったなぁって。台風がかすめたとか暴風域に入っていたとかじゃなくて、モロ直撃の中での業務だっただけに台風の凄さの実感度合いが高い。仕事帰りの車の中から見る景色も、塀が倒れていたり信号機が斜め向いていたり有り得ない光景があちこち目に付いて、帰宅すると自宅の屋根の一部もひん曲がっていたり・・・。さっきは休日恒例のウォーキングで近所を歩いてきたけど、倒木が何か所かであったし、ご自宅の庭の木が倒れたのか、お車が破損してる方もいらっしゃった。今年の関西、西日本はどうしたんだろうってくらい、大阪北部地震、西日本豪雨、そして今回の台風21号直撃といろいろ今後の教訓になる年になりそうだ。前向きに行こう、前向きに。

YES feat. ARWのライヴ盤が映像&CDで無事に公式発売された。映像を1回、CDを3回ほど視聴したのでそろそろブログ書く。

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昨年2017年3月の英国マンチェスターでの収録という事で、昨年4月の来日公演の直前という事もあってセットリストも同じで日本のファンにはいい記念にもなる内容でのリリースになる。

内容そのものはセットリスト含めて来日公演と同様なので、実物を観てしまってるので全曲レビューまではしない。改めて公式発売された商品としての完成度や気が付いたことを書き記しておく。ちなみに昨年2017年の来日公演のVIPレポはコチラライヴのレポはコチラ

まず映像、映像としての品質は勿論の事、カメラワーク含めて痒いところに手が届く完璧なる逸品である。突っ込みどころは見当たらない。ライヴ演奏の見どころをキッチリ捉えていて全くストレスなく楽しめる。また音質は、ミキシングをトレヴァーラビン自ら担当したとあってこれもさすがの高品質。唯一個人的な好みのアレで言うなら、And You &  IとAwakenの鍵盤のサウンドをもう少しだけ大き目にミックスしてくれると嬉しかったかな、ってくらい。

演奏内容については実物を観てるし、オーディエンス録音のライヴ音源も散々聴いてきたので、逆に公式盤だからこそ確認できる細かいニュアンスなんかを確認しながら楽しんでみた。オープニングや楽曲本編前のちょっとしたイントロのイントロ?なんかは映画音楽作曲家トレヴァーラビンの本領発揮っていうか、まさに映画のサウンドトラックのような壮大なアレンジのフレーズが組み込まれたりしていて楽しめる。Cinemaはさすがに9012LIVEのライヴ盤に比べるとちょっとユルイかなって気がしないでもないが、さすがにそれはトレヴァーラビンだって還暦くらいの年齢なんだから許容範囲だろう。それでもハウ爺ほどのハラハラ感は全く無いしwww。トレヴァーラビン期の楽曲についてはもとより完成度は高いながら、リックウェイクマンが演奏に加わることにより、より一層カラフルにアップデートされている。Owner of a Lonery HeartやRhythm of Loveにおいて大きくフィーチャーされてるリックウェイクマンの鍵盤ソロは言うまでもないが、それ以外にも例えばHold Onなんかでもトレヴァーラビンのギターの出番を邪魔しない程度にリックウェイクマンがカラフルなフレーズを挿し込んだりしていて、90125期の曲には更なる伸びしろがあったことを思い知らされた。あ、ちなみに客席練り歩きはカットされている。最後に加えておくと、これまでのARWの記事でも触れてきたけど、ARWを支えるリーポメロイとルーモリノの働きが素晴らしい。特にドラムのルーモリノの、ブルーフォード期の楽曲はブルーフォード風に叩いてくれていて、これが完璧。特にHeart of The Sunrise。是非この顔触れでの新作スタジオ盤を出して欲しい。

あとは今後の新たな展開があるかどうかだな。このARWのライヴツアーはこの映像商品を持ってある種の完結である。これ以上のプロダクトはもう無いに違いない。何年もかかって制作されている新曲もブート対策で一切演奏していないし、今年9月から始まったYES50周年記念ツアーでも新曲はセット入りしていない模様。また当初50周年ツアーは100公演などとマネージメントからアナウンスされていたが、当の本人たち、トレヴァーラビンやジョンアンダーソンが、我々の年齢を考えてくれ、ソロ活動もある、無理!! みたいな否定的コメントが出ているようだ。そこら辺もしかしてブライアンレーンとメンバー本人たちの思惑がズレてるんじゃないかとちょっと不安になる。そういえば8月にはYESの50周年記念BOXもリリースするかのようなアナウンスもあったような気がするが、いつの間にかARWの公式サイトから記述がなくなっている(苦笑)。

来年2019年に予定されているという来日公演も、同じことの繰り返しではなく出来れば新たな出し物と共に来日して欲しいと願っている。

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