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2013年6月11日 (火)

エイジア新編成の記念すべき初ライブ音源レビュー(Jun 5, 2013 Milton Keynes, England)

2013年1月にスティーブハウ脱退と新ギタリスト、サム・クールソン加入がアナウンスされてから約半年、6/5に英国Milton Keynesで待望の新編成エイジアがライブデビュー。早速6/5Milton Keynes音源を入手。

これまで各メンバーは予定されていたそれぞれの活動に忙しく、ジョンウェットン先生はUKのショートツアー、DISTRICT 97のライブへの客演、スティーブハケットのGenesis Revisited英国ツアーへの客演、ジェフダウンズはイエスのThree Album Tour、カールパーマーは自身のトリオ、カールパーマーバンドでのツアーと、エイジアとしての具体的な動きは無く、おそらくその間にサムクールソンは頑張ってエイジアでのライブデビューに向けてレパートリーを練習していたのだろう。そしていよいよ6/5英国Milton Keynes、6/7Swedenと続くのだが、上記のようにオリジナルの3名はそれぞれの仕事に忙しく、直前の先生のツイッターなんかを見ていると、どうやら今回のライブに向けてサム入りの4人でのリハーサルは前日のみだった模様。大丈夫かいなとひそかに心配しつつ音源を聴いてみたので以下、セットリストに沿ってレビュー。サムの新加入ということでサムのギターがエイジアサウンドの中でどうかという観点が中心になります。

Wildest Dreams

オープニングは昨年の30周年記念ツアーと同じ入場曲に導かれて、Wildest Dreamsでスタート。ギターはほぼハウ爺のフレーズを無難になぞっている。申し訳ないがハウ爺とは違って運指にハラハラすることがないので極めて安心して聴ける。カールのドラムソロがオリジナルアレンジとは違う音色使いあり。

Only Time Will Tell

ファンが聴きたいか否かに関わらずもはやド定番のこの曲、サムは1月のバンド合流時から練習していただけあってこれも全く無難な出来。ハウ爺のフレーズを忠実になぞっている。

Face On The Bridge

XXXからのこの曲、若きギタリストだからこその切れが増していてバンドの演奏全体が引き締まって聴こえる。非常に充実した演奏。この出来ならこれから先もライブの定番として残っていいと思う。ここでのギターソロの部分はいよいよサムの個性発揮、ハウ爺のフレーズをいい意味で逸脱し、駆け上がるギターフレーズも一気に速弾き決めてみせる。曲後半部のギターソロもストラトキャスター独特のクリーンで太い音色でサムが独自にインプロヴァイズ。サムのギターで大正解、素晴らしい出来。

Don't Cry

この曲は近年のハウ爺のギターでは、もう出だしからトローンとしたスチールギターで我々をズッコケさせてくれてることも多かったが、そこはやはり今回からは若いお兄ちゃん、ここでもやはりキレのあるギターワーク。イントロでのカールのドラムが近年の演奏よりも若干オリジナルアレンジの叩き方に近付いている。そんなわけでこの曲が本来持つ魅力であるメロディアスでノリノリな感じが出ていて、これもサムのギターでクォリティUP。良い。

An Extraordinary Life

お? イントロでギターでぶっとい音出してる。それ以外はある程度ハウ爺のフレーズをなぞっている。しかしここでもハウ爺には申し訳ないがサムの運指というかタイム感が非常に安定しているのでやはり曲が引き締まってノリも良い。この辺で先にハウ爺とハウ爺のファンには一回ゴメンナサイと言わなきゃいけないかな。それくらいサムのギターが素晴らしい。但しこの演奏のエンディングで先生のヴォーカルとジェフのヴォコーダー?のアンサンブルが乱れた。リハ不足の影響か、勿体ない。

Guitar Solo

サムのギターソロ。ここではさすがにキャラが違うのでハウ爺との比較は意味ないだろう。ストラトキャスターで好き勝手に弾きまくっている。なんか最近の新日本プロレスで前IWGPチャンピオン棚橋選手のエアギターみたいなフレーズと音色。ハウ爺のような味わいあるアコギではないのであまり面白くない。ここら辺はせっかくのソロコーナーだから今後サムが工夫していけばいいだろう。

Open Your Eyes

オリジナルのイントロではハウ爺のギターがシタール的な音を出すけどそのギター部分はここでは丸々端折っていてジェフのキーボードとヴォコーダーのみとなっている。それ以外はハウ爺のフレーズをなぞっている。中間部のギターソロはタイム感ばっちりなのでジェフのキーボードとぴったりユニゾン決めている。なお、ここで先生やってくれました、盛大な歌詞忘れ(苦笑)。いつものことなのでこちらは特に驚かない。曲後半部のギターソロはサムのやりたい放題。独自にインプロヴァイズして弾き倒し。若いってイイ!

Heroine
Ever Yours

フェニックスからのヒロインとオメガからのエヴァーユアーズ、アコギとピアノでしっとり決めてます。ヒロインはスタジオライブでやったのが海外盤の1stの30周年BOXSETで確認できたが、エヴァーユアーズとともに正式なライブでは初演奏となるかと思う。ちなみに海外盤の1stの30周年BOXSET、もはやウチの中のどこにしまい込んだかも覚えていない(笑)。

I Know How You Feel

これは昨年のツアーと同じ、先生とジェフのデュオ。

My Own Time

私の大好きなこの曲、アレッ、イントロでギター全然聴こえない。先生の歌が始まったらコードのアルペジオをやってるがサビになるとまたギターのフレーズは聴こえない。もしやこれはサム君、練習が追い付かなかったのかな。曲後半部でもギターはリフを繰り返すのみ。ここで気が付くハウ爺のありがたみ。ハウ爺独特のメロディアスなフレーズを曲の合間合間でトリッキーに絡ませる、あれってエイジアサウンドの実は重要なサウンドキャラクターだったんだと実感。サム君これからでいいからイイ感じにこの曲に貢献できるように頑張って!!

The Smile Has Left Your Eyes

私の大好きな2部構成。前半は先生の歌とジェフのピアノでしっとり。ところが音響トラブルか、いきなりピアノの音が大きくなるのはご愛嬌。そんなことよりも重要なのは前半から後半へのブリッジ部のギターソロ。ここをどう決めるかで印象が違う。82年ヨーロッパツアーや2010年オメガツアー以降のハウ爺のソロよりも実は90年エイジアでのパットスロールのフレーズが好きだったりするのだが、ここでのサムのギターソロは明らかに90年のパットスロールに近い。モスクワライブでも聴いて参考にしたのかも。私はこのメロディアスなフレーズのほうが好きなので言う事なし。これがこの曲の完成版だって。

Days Like These

オリジナルアレンジと大きく変わるところはなし。曲中のギターソロもほぼスティーブルカサーが弾いていたオリジナル通り。

Time Again

毎度おなじみ、エイジアのテクニカルでカッコいい部分を凝縮した曲。ここでどのくらいサムのギターが曲に馴染み、また個性を反映できるかが見もの。イントロから近年のハウ爺とは異なるバッチリのタイム感とスリルある演奏。ほぼハウ爺のオリジナルフレーズを再現している。90年エイジアのパットスロールよりは上回っている。中間部ギターソロはハウ爺のオリジナルフレーズは無視で自由にフレーズを組み立てている。但しオリジナル4のアレンジを聴きなれているこちらは少し違和感を感じる。それは仕方ないか。一つだけ残念なところはブレイク部分の鍵盤、ベース、ギターが細かく一音ずつ鳴らすところ? あそこではギターはサボっている。それ以外は言うこと無し。

Go

ここら辺の曲はオリジナルがハウ爺ではないからギターもそれなりにサムの個性を出してもいいのではないかと思うのだが、曲自体がカチッと決まったフォーマットで遊べる部分が少ないからかサムのギターもオリジナルアレンジの域を出ない、あるいは超えていない無難な演奏。最後のギターソロで少し自由に弾いているが残念ながらそのフレーズには驚きは感じられない。

Holy War

オメガ収録の名曲、これもすっかり今のエイジアではライブの定番になったようだ。オリジナルではギターはソロの部分くらいしか見所ある出番はないが、ここではサムが歌メロのサビで自分なりに曲にスピード感が出るような8分のコードカッティング?でバッキングしている。逆にドラムソロ部分でハウ爺がトリッキーに絡んでいたフレーズはサムは演奏せずバッサリ削除。マイオウンタイムでも言ったがここら辺がハウ爺の存在感だったなぁと改めて感じる。

Drum Solo

ドラムソロはまぁカールのコーナーなので改めてここでは言及なし。例の細かいシンバルさばきで客を笑わせつつ楽しませている様子。

Sole Survivor

ある意味エイジアのギタリストとして、これこそオリジナルを超える必要はなくあのワウ踏みでギュワンギュワン鳴らしながらオリジナル通りできるか。サムの対応の仕方に注目だが果たして、最初のイントロは脳髄舐めまわすような感じはなく、あら残念と一瞬思ったがギターメロディを奏でるところではギュワンギュワンいわせてる。それ以外のところでは普通にギターを歪ませながら対応している感じ。ハウ爺が味付けした個性には足りないが、しかしスピードとタイム感は申し分ないので出来としては個人的には十分OKと思う。

Heat Of The Moment

エイジアの代表曲かつアンコールラスト曲のここではイントロのギターリフ、歌メロのサビでのギターの3連フレーズ繰り返しも無難に滑らかに演奏している。この滑らかさは近年のハウ爺では怪しかったのでここでのサムの演奏は非常に気持ちいい。単純に言うとノリがよく楽しい。ギターソロはこの大ヒット曲に敬意を表してかオリジナルの雰囲気を踏襲している。最後は大合唱の掛け合いは先生がやたら大声で煽りまくっていて、先生自身も余程楽しめたのであろう。そこが今回のサムクールソン入り新編成に対する先生自身の満足度を物語っているのではないか。

以上、えらく長文になったが改めて総じていうと、ハウ爺に代わって25歳のピッチピチのギタリストが入ったことで演奏のもたつきが無くなりノリがいい。聴いていて単純に気持ちがいい。それがイイところ。マイナス面はやはり上記でも述べたがハウ爺独特の細かくメロディアスなギターをトリッキーに曲中に差し込む、あの感じをサムが再現できていない部分では何とも言えない喪失感も感じる。あの、時に不要では?とも思えたハウ爺のフレーズは今となってはエイジアの重要なサウンドキャラクターであったのだ。ここら辺の喪失感を今回の新編成で、あるいはサムクールソンがどのような新しい風を入れて凌駕していけるか、ライブを重ねて工夫していってほしいところ。そして何よりも新曲、新作をどのようなサウンドで新生させるのか、その時に真価が分かるだろう。

それにしてもジェフのイエスでの忙しさを考えると、新作を作ってる時間あるのかな? 未だに新作制作の具体的スケジュールは伝わってこないし、ちょっと心配。

追記:この音源の音質の話を忘れていました。音質最高です。最近のオーディエンス音源ってクォリティが凄いよホンマに。

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