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2013年9月29日 (日)

LEVIN MINNEMANN RUDESS Special Edition

注文していたLEVIN MINNEMANN RUDESSのCDが、ドリームシアターの新譜国内盤が発売されるタイミングで我が家に到着してしまった。もう少し間が空いてくれたら両方満喫できたのに。でもDTの新譜がメロディが良くてあまりにも気に入り過ぎたので、逆に最近あまり聴かないようにしてる。メロディで気に入って毎日のように繰り返し聴き過ぎると胸焼けがしてアッという間に飽きてしまうから。そういうの、ありません? メロディ派の人で。

それでその間にLEVIN MINNEMANN RUDESSを聴いてみた。これがまた相当気に入ったので、全曲レビューまではしないけど記事UPします。メンバーの名前の並べただけなので改めて言うまでもないがメンバーは、先日7人編成で再編が発表されたKING CRIMSONのトニーレヴィン、ドリームシアターのドラマーの椅子を射止めたマイクマンジーニと並んで、当代随一の実力派ドラマーでエディジョブソンのUKやその他あちこちから引っ張りだこのマルコミンネマン、そして現代最高のキーボーディスト、ドリームシアターのジョーダンルーデス、以上3人による全14曲の作品。

公式サイトで直接注文したスペシャルエディションでジャケにメンバー3人の直筆サイン入り、そしてインタビューやジャムセッションを収録したDVD付を購入。

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なんていうか・・・なんて言ったらいいのか上手く表現できないがとにかく力作である。メンバー構成からすんごい複雑なテクの応酬みたいなサウンドを想像していたが、もちろんそういう曲もあるけど、何て言うかそれだけに収まらない多彩な音楽性とカラフルな色彩感と適度な聴きやすさ、そして若干の開放感も盛り込んだ、非常に商業作品としても聴きどころのある作品に仕上がっていると思う。

ドリームシアター関連プロジェクトでトニーレヴィンとジョーダンルーデスも参加しているLTE(リキッドテンションエクスペリメント)があったが、アレとも一味違う。あそこまでうるさくない。いや、あれはあれで好きですけど(笑)。LTEからメタルっぽさを抜いて夏でも気持ちよく聴けるジャズフュージョンっぽさも内包しつつプログレ感を強めた感じとでも言うか。

プログレ、ジャズ、フュージョン、その他いろいろな音楽性をつまみ食い程度に借りてきながら作ってみましたって感じじゃない。テクニカルで複雑なジャムセッションを記録しておきました、聴きたい人は聴いて下さい的な上から目線な作品でもない。

ジャムセッションしながら作ったのかも知れないが、それでこの充実した仕上がりだとしたら、やはりマニア向けの音楽だけではなくある程度商業的にメインストリームに近いポジションを経験してきたメンバーだからこその重厚さでもあり軽快さでもある。あとこれにヴォーカルでも加わったりしたらそれこそ十分に歌入りのプログレ作品として通用する。ラスト14曲目の8分の長さの曲での6分ごろから出てくるのはキングクリムゾンの宮殿か?エピタフか?ポセイドンか?っていうあからさまにソレっぽい豊潤なメロトロンサウンド。これが今作の答えなのかもしれない。現代にも通用するプログレ作品を作りましたと。これは長く愛聴出来そうです。

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2013年9月22日 (日)

DREAM THEATER "DREAM THEATER"

もう15回は聴き込んだドリームシアター2013年の新譜「ドリームシアター」、そろそろ自分なりのレビューを展開させてもらいます。

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堂々とバンド名を冠したセルフタイトルはバンドのアイデンティティをここに改めて確認し、これまでのバンドの歴史で幅広げしてきた多くのリスナーにドリームシアターらしさというものを見せつける意気込みを感じる。前作 "A DRAMATIC TURN OF EVENTS" とその後の大規模なワールドツアーにおいてバンドはマイクポートノイの脱退という大事件を悠然と乗り越えて見せただけに今作への期待は高い。どのような方向に向かうのか、マイクマンジーニとともに曲作りから開始する初めての作品でもあるだけに期待と心配が両方ある。

バンドはこれまでの20年以上の歴史の中で、常に何らかの進化を志してきたことはファンなら承知の通りである。マイクポートノイの脱退と、マイクマンジーニの加入によるバンドの継続は、この進化というものがある種のキーワードであり、進化の捉え方と囚われ方の相違があったと思う。

プログレ、HR/HM、スラッシュメタルまで満遍なく取り込んだデビューアルバムから、超名作として歴史に残り、ファンの間で常に比較対象となってしまった "IMAGES AND WORDS" 。テクニカルでメロディアスなプログレメタルの確立は、当時この路線を継続してくれるものと思っていたファンの期待をおそらく意図的に裏切ることでバンドは進化の意志表示を明確にしたのだろう。そしてその強力な推進者はマイクポートノイであったはずである。時代の最先端を積極的に取り入れてきた結果、ある時はへヴィかつラウド、ある時はトータルコンセプトアルバム、またあるときは実験的なサウンド、トゲトゲザクザクしたサウンド、MUSEが流行ればMUSE的な曲を取り入れ、COLDPLAYが流行ればCOLDPLAY的な曲も実践する、挙句には "BLACK CLOUDS & SILVER LININGS" ではメロディの無い「語り」のようなものまでマイクポートノイ自ら取り入れ、とにかく作品ごとに音楽的な変化を進化として提示してきた。そしてその後のツアー終了をもってのポートノイ脱退である。

数年のブレイクを主張したポートノイには新たな音楽的進化を示せるアイデアが無かったのではないかと推測する。バンドが停滞を迎えたのではなくポートノイ自身がアイデアの枯渇によって停滞してしまったのではないだろうか。ブレイクを主張したポートノイに対し、他のバンドメンバー4名は何の躊躇もなく継続を決めた。米国でビルボードチャート初登場6位という過去最高のチャートアクションもあり売上が上り調子であったことも要因としてあるだろう。ポートノイは常に新たなアイデアを提示しなければならない、音楽的に進化しなければならないという考え方に囚われていたのであろう。しかし継続を主張したバンドは、この進化というものを別の捉え方をしたと思う。力量あるレコーディングエンジニアの起用による音像の改善である。それが功を奏したのが前作 "A DRAMATIC TURN OF EVENTS" だったのだ。音楽的には、ドラマーが交代してもドリームシアターらしい音楽は出来るという事を証明したかったのか、新たなアイデアといったものは無くこれまでのバンドの成長を俯瞰できる内容であった。だがポートノイ主導の時によくあったのがベースの音が聴こえない、キーボードの存在感が小さい、これらはへヴィなギターとドラムによる強力なリフをビッグにするための補完としてベースとキーボードを使っていたため。この音像の改善によりベースの存在感がよりリスナーの耳に感じられ、キーボードの存在感も広がりを見せたことにより、結果として初期の透明感まで若干取り戻すという成果が上がった。音楽的進化ではなくサウンドの改善がポートノイ脱退とバンドの継続のカギだったと私は解釈している。

クソまじめな前置きが長くなってしまったが、いよいよ新作 "DREAM THEATER" である。メロディ派のワタクシ個人的にはバンド史上最高傑作、感じたまんまに全曲レビューいきます。

1. FALSE AWAKENING SUITE
  i. Sleep Paralysis
  ii. Night Terrors
  iii. Lucid Dream

ライブでのオープニングをイメージしたというインスト曲。まさにこれから始まる音楽の序曲というか勇壮でテクニカルな演奏がいきなり耳を捉える。重厚な曲であるが時間は3分足らず。序曲としてはちょうど良い。

2. THE ENEMY INSIDE

今作のセルフタイトルを冠したアルバムの、まさに挨拶代わりの一発。最初の先行配信でもあったことから、まずはこれを聴いてくれというバンドの意向が表れている。正直言うとこれが先行配信された時、イントロのへヴィで疾走感全開のギター、ツーバスで高速で手数の多そうなドラムから始まる、ここ10数年くらいのドリームシアターらしいへヴィな曲想は、あ~、またこの感じね、っていう聴き終わった時にちょっと疲れる気がして良い印象は無かった。しかし今回のアルバム全体を聴き終わってメロディのしっかりした曲が半分以上を占める状況を把握した時には一転、この曲が最初でなくてなならないと感じてしまった。この調子の良さ(笑)。音質がトゲトゲザクザクしていないのと、ヴォーカルがわりとメロディアスで、さらに曲の長さが6分台なのでへヴィではあるが耳に馴染みやすい。ドリームシアターの成長の歴史を6分台に凝縮した曲。

3. THE LOOKING GLASS

このイントロ、もう明らかにアレでしょ、RUSH。もっと言うならRUSHのちょっとメロディアスな名曲 'Limelight' のセン狙ってません?(笑) でもヴォーカルが始まるとそこはやはりドリームシアターの世界、メロディアスでキャッチーな曲は非常に聴きやすい。もう少し胸にグッとくるメロディも欲しかったし、終わり方が唐突感があるのがちょっと残念。でもそれはこの先の曲で払拭され杞憂となります。

4. ENIGMA MACHINE

"TRAIN OF THOUGHT" 収録の名曲 'Stream of Consciousness' 以来の本格的インスト曲。へヴィでテクニカルなバンドの側面を前面に出した曲ではあるが6分台の短さの中に叙情的なギターソロも盛り込み、やはりバンドの歴史を凝縮した感あり。それにしてもエネミーなんとか、とかエニグマなんちゃら、ってタイトルの曲はたいがいへヴィな曲だな。タイトル見ただけで想像つくよ。

5. THE BIGGER PICTURE

今作の印象を特徴づける壮大なバラード。分厚いオーケストラルなキーボードとギターで壮大に始まり、そこからピアノとヴォーカルでしっとり歌が始まる。それにしてもラブリエの歌の表現力は今更言うまでもないが素晴らしい。再び壮大なサウンドでラブリエが歌い上げるがメロディが突き抜けきらない。もっと来い、もっと胸にグッと迫ってくれって思っているところでギターが。ギターソロがオイシイところ持っていきます。素晴らしい哀メロを落ち着いたロングトーンで泣かせてくれる。ゲーリームーアに迫れるんじゃないかってほど胸に迫る。ここから曲後半に向かってはいったん軽快な、初期ドリームシアターのような雰囲気も盛り込みつつヴォーカルメロディもギターもキーボードもベース、ドラムも一丸となって感動的に壮大に盛り上がるエンディングへ。この曲がラストでも良かったんじゃないかと思ったが、いやいや待て待て、最後の曲にはもっと大きな感動があるのですよこれが。

6. BEHIND THE VEIL

ピンクフロイドか?って思わせるような始まり方から一転、ドラムがとてもグルーヴィなリズムを刻みカッコいい曲となる。一瞬のブレイクでマイアングのベースがカッコよく鳴り響くあたりも含めて今作は音像の中に音数をギチギチに詰め込むのではなく、若干余裕を持たせたアレンジで各楽器の存在感がしっかり示されているあたりは個人的には好感が持てる。この辺がポートノイ時代の音づくりとの違いである。そしてギターソロでは速弾きで弾きまくり。とにかくこの曲でも6分台の中にバンドのいろんな面を凝縮している。

7. SURRENDER TO REASON

これまた来た(笑)。2曲もやりますか、イントロがあからさまにRUSHの雰囲気。あったよなぁRUSHのこういう曲。曲を思い出せないけど。しかし悪く言ってるのではない。今回はバンドがデビューの頃にRush meets Metallicaと言われた出自を改めて潔く主張している。しかしそのまんまRUSHではなくヴォーカルが入るとこれもドリームシアターの世界、歌メロがメロディアスでサビメロが哀メロで胸に迫る。そしてここでも更なるオイシイ哀メロのギターソロをペトルーシが決めてくれる。美味しいところ持っていくのは、そりゃ本人がプロデューサーなんだから良しとしよう。でもメロディアスで間延びしてる曲ではない。インスト部の充実もかなりのもの。これも6分台の長さにメロディ、複雑なインスト、いくつもの異なる展開を組み合わせ凝縮している。曲の最後でも胸に染みる歌メロとギターのメロディが絡み合って素晴らしいが最後の最後は再びRUSHです(笑)。

8. ALONG FOR THE RIDE

鳥のさえずりみたいな効果音からアコースティックギターが始まりヴォーカルが絡むしっとりしたバラード。このスタイルの曲では再びラブリエの歌の表現力が際立つ。美しいメロディを見事に表現しきっている。だがこの曲での特筆は後半に登場するジョーダンルーデスの見事なキーボードソロである。私のようなプログレものには何とも言えない郷愁を感じる音色とメロディ、どこかで聴いたなぁ、なんだっけなぁって。で、思い出した。ELPのラッキーマンでのキースエマーソンのムーグソロ、アレだ。

9. ILLUMINATION THEORY
  i. Paradoxe de la Lumiere Noire
  ii. Live, Die, Kill
  iii. The Embracing Circle
  iv. The Pursuit of Truth
  v. Surrender, Trust & Passion

いよいよこのセルフタイトルのアルバムの最後を飾る20分超えの大作。壮大なキーボードで始まり、この時点でワクワクする期待全開。そしてへヴィなギターと、ツーバスではあるがグルーヴィなドラムがリズムを刻み、キーボードが様々な音色を駆使してソロを決める。そしてすぐさま展開が変わりヴォーカルが入って・・・・、とまあ5部構成の曲だから細かく解説してられないのでご容赦を。中盤ではストリングスによる何とも言えない美しい展開が心を奪う。ベースがブイブイ言わせて静寂を断ち切り再び複雑なインスト、ヴォーカルが入り再び複雑でテクニカルなインストを経て曲はクライマックスへ。壮大なキーボードからラブリエの感動的な歌唱、そしてその感動の歌唱が絶頂に登り詰めたところでギターソロと溶け合うこの瞬間、私は昇天してしまった。美し過ぎ、感動的過ぎ。そしてギターへバトンタッチ、このギターソロもロマンティックで感動的なメロディを奏でて大団円。この15分過ぎからの、荘厳なる夕日を仰ぎ見るかのような、心が満たされきって言葉も出ないくらいの感動、ここで私は遂に成仏してしまった。

以上、各曲ごとのレビューは冷静に書いたつもりだがとにかくメロディ派である私としては完全にドリームシアターの最高傑作である。色彩感と透明感が初期DTを取り戻したというより遥かに凌駕しているし、更にはその後の進化と成長の遍歴を余すところなく凝縮している。前作 "A DRAMATIC TURN OF EVENTS"での音像の改善は更に推し進められ、合わせて前作から見られたペトルーシのメロディへのこだわりが見事に昇華している。それにしてもジョンペトルーシという人はとてもロマンティックな人なのではないか。ペトルーシ&ルーデスのデュオライブで演奏していた、ペトルーシの奥様レナに捧げたThe Rena Songのロマンティックなメロディなんかはなかなかロックを聴いていても出会えるメロディではない。そんな作者だからこそ 'ILLUMINATION THEORY' 後半のあのメロディが作れるんだろう。

最後に、某B誌の半端なレビューなんか私には何の関係も無いし、ネットユーザーの評価も概ね高評価である。「進化より深化、成熟」を選んだドリームシアターを私は断固支持する。

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2013年9月15日 (日)

2013秋の大散財祭り(ロードトゥレッド改め、赤字への道)

毎年の事ではあるが、なぜ秋になるとボックス物とかデラックスエディション物が次々と登場するのか。昨年も金策が大変で実際購入を断念したものが何点かあった。今年2013年も過去にもまして大変に事になりそう。いろいろありすぎて忘れてしまいそうなので「2013秋の大散財祭り」と題してリストアップしておく。ただし断念する可能性もあり。

●KING CRIMSON / THE ROAD TO RED(輸入盤アセンブル国内仕様)
●KING CRIMSON / USA 40周年エディション(国内盤ダブル紙ジャケ)
●KING CRIMSON / RED 2013年ミックス(国内盤)

まずはなんといっても尊師による信者への厳しい修練の、今度こそ最後の集大成となるか、クリムゾンの3点。ロードトゥレッドも遂に国内仕様の発売予定が告知された。これにて国内盤での購入決定。特典目当てでDUで買います。

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詳細はまだWHDのサイトにもユニオンのサイトにも出ていないが、それだけにこの豪華特典付きという国内仕様の値段がいくらになるのか、今は想像したくない。場合によってはレッドをパスするかもしれない。

●YES / CLOSE TO THE EDGE(CD & Blu-Ray)

クリムゾンの40周年エディションシリーズでお馴染みポーキュパイントゥリーのスティーブンウイルソンによるオリジナルマルチトラックからのニューミックスという事でそりゃ買うしかないだろって。国内盤が出るのかどうか告知が無いのでまだ注文はしていない。DVD-AヴァージョンとBlu-Rayヴァージョンがあるので収録内容をよく確かめてBlu-Rayヴァージョンでいく。

●STEVE HACKETT / GENESIS REVISITED:Live At Hammersmith

あの素晴らしかった来日公演の思い出が甦る、ハマースミスでのライブ。ジョンウェットン先生がアフターグロウを歌っているのも収録されているので買い。こちらは国内盤を待たずにハケットオフィシャルで注文。ハケットのサイン入りらしいので。

●ASIA / 詠時感~時へのロマン プラチナSHM-CD

もう何種類目よ、手を変え品を変え。買うしかないやん。

●DREAM THEATER / LIVE AT LUNA PARK デラックスエディション

これは困る。発売フォーマットがBlu-ray単品、DVD単品、そしてこのデラックスエディションはBlu-Ray + DVD + CD って。当然デラックスエディションを買うけどBlu-RayとDVDを組み合わせてしまうことないやろって。おかげで高いの。定価1万4千円超え、26%オフのアマゾンで予約。

●BECK,BOGERT,APPICE / LIVE IN JAPAN 40周年デラックスエディション

こんなのまで来たか・・・。40周年だったとは。

●ERIC CLAPTON / UNPLUGGED DELUXE

なんだよ20周年でも30周年でも無いやないか。21周年で出すか? これも大好きな作品だから買うしかない。サーカスを聴くたびに泣ける・・・。

●THE BEATLES / ON AIR:LIVE AT THE BBC VOL.2

嬉しいけどなんで今年なのって。買うしかないやん。おまけに94年のLIVE AT THE BBCもリマスター再発って・・・。

以上、合計で金額がいくらになるか怖くて計算できません。まさにロードトゥレッドならぬ、「赤字への道」であります(※某マイミクのEさん、このフレーズ、使わせて頂きました!)。

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2013年9月 8日 (日)

MOON SAFARI "HIMLABACKEN VOL 1"

まさに待望の、と言っていいムーンサファリの新譜ヒムラバッケンVol.1、発売早々に買っていたけどレビューするのが難しいというかなんといっていいか分からなくて今日まで記事UPできずにいたけど、そろそろ行きましょうか。

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私はムーンサファリについては完全に後追いで、今年一月のフェスティバル前座での来日公演の評判をネットで目にしてから初めて3作目の "LOVER'S END" を購入し、更に来日公演のツイートまとめを読んで観に行かなかったことを猛烈に後悔するという、他にもこういう人いるんじゃないだろうか。

2作目のプログレ大作もまだ未購入ではあるが3作目ラヴァーズエンドの素晴らしさは特筆ものであった。おそらくこれからもライブで演奏されるであろう 'A Kid Called Panic' と 'Heartland' は早くもバンドの代表曲として認知されるくらいの傑作であった。ついつい今回の新作にもこのレベルの曲を期待してしまったのが、記事UPが遅れた理由でもある。

さて、ヒムラバッケンである。ライナーによるとこのタイトルの意味はスウェーデン語で天国の丘というような意味らしい。ジャケはラバーズエンドほどアレではないが相変わらずの無造作というか愛想の無さ・・・。曲ごとの印象を簡潔に述べてみる。軽めの全曲レビュー。

1. Kids

美しく穏やかなコーラスが期待を煽る、アルバムの序曲の趣き。

2. Too Young To Say Goodbye

前曲Kidsから続くこの曲は早くもムーンサファリらしさ全開の佳曲。ギターの美メロが高く飛翔し美しく駆け回る。このバンドは複数の人がリードヴォーカルを取るのか、前作のリードヴォーカルとは違う人がやってるような感じ。分かりやすいメロディと複雑なアレンジを無理なく融合する感じはこのバンドの持ち味だろうか、とにかくギターソロの美しさが最後まで印象に残る。前作ラヴァーズエンドの 'A Kid Called Panic' あたりの位置付けになろうかという名曲。でも 'A Kid Called Panic' には負けてるっていうか地味。

3. Mega Moon

あぁ~、こういう感じね・・・。こういう感じは個人的にはあまり好みではない。誰が聴いても分かるQUEEN風味。クイーンをあまり聴かないもんだから個人的に響かない。8分超の長さからしてバンドとしてはこういうのもやりたかったんだろう。バンドの振り幅を広げることに着手しているのかも知れないが、この手の曲はロビーヴァレンタインで十分に味わったのでもういいですって感じ。ゴメンナサイ。ちなみに私はハードポップの最高峰は今でもロビーヴァレンタインだと思っています。

4. Barfly

イントロの出だしがへヴィな重たいリフで始まる。正直ムーンサファリにこういうのは期待していないのでiPhoneで聴いてるとスキップしそうになる。しかしそれが現代の音楽リスニングの良くないところ。最初はスキップしまくっていたのだがここ数日お出かけ時やウォーキング時にちょっと辛抱してスキップせずに聴いてみたら、何の事は無い、これがムーンサファリらしい名曲と言える内容。イントロの重さでスキップするのは勿体ない、その後に待ってるサファリらしさ全開のメロディアスで爽やかなアレンジは何度でも繰り返し聴きたくなるくらい。くれぐれもイントロだけで曲の印象を決めつけてはいけない。

5. Red White Blues

何とも言えない憂いと甘酸っぱさを湛えた始まりの歌メロとそれを支える控えめかつ効果的なアレンジが素晴らしい。最初は地味な曲だなぁと思うかも知れないが聴けば聴くほど曲の良さがじわじわと心に響いてくる。ここでもギターのメロディが印象に残る。

6. My Little Man

ちょっと一休みって感じの小曲。ビートルズっていうかポールマッカートニーの作りそうな曲。

7. Diamonds

ポップで優しい、子供をあやすようなメロディのピアノとギター、でもその演奏は実際には難しいことをやってるんだろうなぁっていう、これまた複雑な曲を分かりやすく聴かせるサファリのある意味の凄みを感じる。ヴォーカルも本当にワクワクさせるようなメロディを奏でている。

8. Sugar Band

今作を締める10分近くの大作。静かで優雅なピアノのイントロから同様のヴォーカルメロディが重なり、そのあとちょっと壮大に展開しかける、このしかける感じ、壮大になりきらないところがウーーン残念。でも中盤のキーボードとギターによるインストセクションは一つの聴かせどころ。この手のプログレ的展開は最近の若いバンドは当たり前のようにさらっと消化するんだなぁ。今のイエスがもしこれをやったらそれこそ「全盛期を思わせる曲!!」とかいって絶賛されるだろう。更に曲後半には再び少し憂いを帯びた印象的なギターソロが登場する。いずれにしてもこれまた佳曲ではある。

9. Kids(Learning tracks)
10. My Little Man

最後2曲は国内盤ボーナストラック。ここでは割愛。

以上、ボートラ除けば全8曲。正直言うと最初の印象としては地味だなぁと感じる。地味だと感じるポイントは個人的に以下の2点。

・ラヴァーズエンドにあった 'A Kid Called Panic' 'Heartland' のようなつかみとして印象に残るワクワクするような躍動感に満ちた曲が無い。
・音質というかミックスのやり方の問題なのか、スネアドラムの音がサウンド全体の中に埋もれていて、これによって全体が地味に感じる。

この2点によって前作ラヴァーズエンドのワクワク感、豊かな色彩感が損なわれている。もっとも、バンドがそれを志したのならそれはそれでいいのだが。

但し、以上の印象は「最初の」印象である。聴けば聴くほどメロディとアレンジの素晴らしさは印象に残り始める。一聴して聴き流してはならない。結論として本作も我々リスナーがムーンサファリに期待する音楽を十分に体現してくれている傑作と言える。あとは今年来日したばっかりなのに早くも来日待望論が沸騰している来日公演、この発表をワクワクしながら待つのみである。

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2013年9月 1日 (日)

KING CRIMSON "June 28, 1974 Casino Asbury Park, New Jersey"

最近、10月発売予定のKING CRIMSONの THE ROAD TO REDを検索フレーズとして、拙ブログへアクセス頂いている方が多いようだ。トラックリスト含む正確な情報は公式のDGM Live! に公表されたのでそちらを見て頂くのが一番なのだが、それはそれとしてそれ以上の情報を求める方が多いのだろうか。

「国内盤は出るのか出ないのか」について情報をお探しの方が多いのだろう。残念ながら私は業界関係者でもなんでもないので何にも知りません(苦笑)。

私自身もロードトゥレッド24枚組の国内盤があるのかないのか、あるならそれまで待つし、無いならDGM直販で予約してしまいたいしハッキリしてくれよって、そういう話である。何しろ昨年の太陽と戦慄15枚組BOX国内盤にはヤラレましたから。無いものと思ってDGM直販で予約したら発売がかなり近付いたころにWHDとディスクユニオンからあの価格で国内盤リリース情報が来たから。ダブル買いで仕方なく輸入盤は未開封で中古屋さんに売り飛ばして少しでも資金の回収を試みるという涙も出ない寒い努力をした、アレをまた繰り返したくないのである。今回はそういう訳で輸入盤の予約をせず、ギリギリまで国内盤があるかないか、待ったるかという事である。

そんな駆け引きをしていても面白くないので、ロードトゥレッド24枚組のある意味で中核を成すと言える74年6月28日のアズベリーパークのライブを取り上げてみます。

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1 Walk On: No Pussyfooting
2 Larks’ Tongues In Aspic (Part II)
3 Lament
4 Exiles
5 Improv: Asbury Park
6 Easy Money
7 Fracture
8 Starless
9 21st Century Schizoid Man

この日のライブと、ライブアルバム"USA"がどういう関係なのか、尊師がはっきり言わないもんだから長らく議論になってきたと思う。議論の流れはかつては、

「USAのほとんどは74年6月30日プロヴィデンスからのテイク、一部(インプロヴィゼーションの'Asbury Park')が74年6月28日のアズベリーパーク。」

と言われていたが最近では、

「USAのほとんどは74年6月28日アズベリーパークからのテイク、最後の'21st Century Schizoid Man'だけが74年6月30日プロヴィデンスのテイク。」

という定説になっているようだ。いずれにしてもUSAは74年6月28日アズベリーパークと74年6月30日プロヴィデンスからのテイクをもとに一部でヴァイオリンとピアノをエディジョブソンがオーバーダブという事で、作りこまれたライブアルバムであることは疑いようが無い。

個人的には数年前にDGMからのダウンロード販売で購入したこの6/28アズベリーパークが一番のお気に入り。音質的には尊師フリップのギターの切れ味、ジョンウェットンのベースのガリガリ、ブリブリという凶暴な演奏、野性味すら感じるブルーフォードのドラム、これらが非常に鋭いキレッキレの音質でミックスされているのが特徴。USAの30周年エディションを聴いてみると結構派手目な音質に作られているがその分だけ締まりと鋭さが劣っているように感じる。

今度のロードトゥレッドBOXにはこの6/28アズベリーパークが2種類収録されるようだ。一つはもちろん上記の音源だがもう一つが未発表ミックスとのこと。わざわざ同じライブを2種収録するところが尊師とファンの思い入れを考慮したものなのか、結果的にロードトゥレッドBOXのキモになっているところに何らかの意思があると思うべきだろう。

このアズベリーパークのライブを聴きながら、ロードトゥレッドBOXの国内盤があるのかないのか、ハラハラしながら待たしてもらおうじゃありませんか、ぇえ?

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