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2013年12月 1日 (日)

KING CRIMSON "THE ROAD TO RED"(レッド - 40th アニバーサリーボックス~ザ・ロード・トゥ・レッド 日本アセンブルパッケージ)レビュー③:ライブ(サウンドボードカセット)編

キングクリムゾンのファンでライブアルバム "EARTHBOUND" が実は好き、あるいはたまに無性に聴きたくなる、そういう人が必ず居るのではないか。ジョンウェットン系クリムゾンファンの私でもその傾向は強い。いや下手すりゃ "EARTHBOUND" が一番強烈に印象に残ってるライブアルバムかも知れない。マルチトラックレコーディングのテープではなく、サウンドボード落としのカセットテープが元音源と思われるその音像は、決して録音状態も良いとは思えない。時に歪んだその音像は本来は公式な商品化に耐えうるものではなかったであろう。音質だけで言えば後にDGM Liveから商品化されたこの時期の別日のライブ音源でもっと優れたものはいくらでもある。

演奏そのものも、特にその1曲目 '21st Century Schizoid Man' に至ってはぶっ放し気味のメルコリンズのサックス、十二分にタメにタメた、原曲のイメージと全く異なるイアンウォーレスのドラミング、明らかにヤケクソのように咆哮するボズバレルのヴォーカル、そんな3人にこれまた怒りを込めたかのようにギターを弾きまくる尊師フリップ、これらが商品としては劣悪の範疇にならざるを得ない音質で記録されているのである。ところがこの音質で聴けるこの演奏が、キングクリムゾンの本来の音楽性である知性と気品ある破壊性を逆に破壊していて、その暴虐的な魅力がこちらの耳を離さない、そんな憑りつかれ方をしてる人は必ずいるはずである。私を含めて。

エディジョブソン来日公演やJWS2013で大忙しだったのに加えて、素晴らしい全ディスクレビューを掲載されたbeatleg誌によってもう自分が触れる必要もないだろうというのもあって中断していたロードトゥレッドのレビュー記事。やっぱり途中で終わるのは良くないので続きを再開しようと思うんだけど、再開するにあたって何故にアースバウンドに触れたかというと、今回は掲題の通りサウンドボード落としカセット音源に焦点を当てたから。音質的には前回のレビュー②:ライブ(マルチトラックレコーディング)編の方が良いに決まってるし、音質が良ければ演奏も良く聴こえるに決まっている。そこだけが注目ならマルチトラックレコーディングテープのライブ音源だけを聴いてれば良い。74年クリムゾンのサウンドボード落としカセット音源を聴くにあたっての私の興味は、あのライブアルバム "EARTHBOUND" を聴いて感じる暴虐的な魅力に近いものを74年のクリムゾンで感じてみたいという、その一点なのだ。

何回も深くは聴けてないけど以下該当のサウンドボード落としカセット音源10CD、頑張って聴きましたよ一通り。

DISC 1 : Veterans Memorial Coliseum, Columbus, OH April 28, 1974
DISC 4 : Hofheinz Pavilion,Houston, TX June 5, 1974
DISC 5 : Tarrant County Convention Centre, Fort Worth, TX June 6, 1974
DISC 6 : Fairground Arena, Oklahoma City, OK June 7, 1974
DISC 7 : Civil Auditorium, El Paso, TX June 8, 1974
DISC 8 : Coliseum, Denver, CO June 16, 1974
DISC 9 : Performing Arts Centre, Milwaukee, WI June 22, 1974
DISC 10 : Aquinas College, Grand Rapids, MI June 23, 1974
DISC 13 : Convention Center, Quebec City, Quebec June 25, 1974
DISC 14 : Kennedy Centre, Washington,DC June 27, 1974

全ディスクレビューはやりませんよ(笑)。それが欲しい人はbeatlegを読んでください。
繰り返しになるけど今回の記事での私の焦点は、ライブアルバム "EARTHBOUND" を聴いて感じる暴虐的な魅力に近いものを74年のクリムゾンで感じられるかどうかというその一点。サウンドボード落としカセット音源ならそれに近いものを感じることが出来るかも知れない。それで、結果、さすがにアースバウンドとはメンバーも違うしメンバーの音楽性も演奏技術も違うから全く同じ魅力を感じることは無いけれども、暴虐的な演奏という意味で結構耳を引く音源が一つあった。以下の分。

DISC 5 : Tarrant County Convention Centre, Fort Worth, TX June 6, 1974

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74年6月6日のテキサス、フォートワース音源。しかもサウンドボード録音で収録が欠けている部分をオーディエンス録音のブートレッグで補填している。この時期珍しくイージーマネーから始まるセットリストはフラクチャーに至るまで最初から迫力があるがそれだけなら他日の音源も迫力ある。この時期のクリムゾンにハズレは無いんだから。特に凄いのはトーキングドラムから戦慄パートⅡ。どうしたの?機嫌でも悪いのか?ってくらいの超高速演奏のトーキングドラムで既に血管が切れそうになる。戦慄パートⅡに至っては途中から意味があってやってるのかどうなのか分からないが不協和音とも思えるようなキレッキレのヴァイオリン?ギター?メロトロン?・・・耳で聴く分には判別もつかないようなキレ気味の演奏は迫力というか恐さすら感じる。そういうのを聴いてみたかったのだ、74年編成のライブで。これこそがこの時期実際には複雑であった人間関係の不協和音や葛藤が演奏で剥き出しになったような姿のように感じる。というワケでサウンドボード落としカセット音源分で何か代表一つって言われたら個人的にはこの74年6月6日のテキサス、フォートワース音源を挙げる。私のiPhone(iPod)にも残留決定。

スゲー端折ったかも知れんけど拙ブログでのロードトゥレッドのレビューはもう終盤戦、あとは74年7月1日ラストライブとレッド2013ミックスを次回軽くやって終わります。さっさと終わらせないと、他に購入したっきり聴けていない、開封すらしていないブツが溜まってきてるから。特にイエス危機のスティーブンウィルソン2013ミックスは語るに足る出来栄えだからな。

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