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2015年2月22日 (日)

LONELY ROBOT "PLEASE COME HOME"

普段は余程の事が無い限り国内盤を購入する私だが今回はなんかいろいろストレスが多くて少しでも早く聴きたいものは聴きたいと思ってEU盤で買ってしまった、JOHN MITCHELL の新プロジェクトLONELY ROBOTのデビューアルバム。デビューと言ってもこのプロジェクト名で次があるのかは定かではないが。

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我らがジョンウェットン人脈として認識していたジョンミッチェルも今ではIT BITESの立派なフロントマンかつメインソングライターとして知られるようになった。そのイットバイツは数か月前に確かジョンミッチェルとジョンベックで新作の曲作りを開始したというような、ミッチェル本人のつぶやきをツイッターだったかフェイスブックだったかで見た覚えがあったがいつの間にかイットバイツは開店休業状態で後続情報は伝わって来ず、ミッチェルはこのソロプロジェクトを開始し新作を完成させたようだ。なんでもジョンベックの方はFISHの長期ツアーに参加することになったとの事で、この分ではおそらくイットバイツの新作への動きは当分先になりそう。

このジョンミッチェルって人は自らOUTHOUSE STUDIOSというスタジオを主宰していて、実はいろんなミュージシャン、バンドの作品のミキシングやマスタリングも手掛けている。エイジアの最近作グラヴィタスもミキシングはジョンミッチェルがOUTHOUSE STUDIOSで行っている。今作ではソロプロジェクトという事もありドラム以外ほぼ全ての楽器を自ら演奏し、アレンジ、プロデュースも行っていて、そういう意味ではビリーシャーウッドと同じようなマルチな活動が出来る才能を持ち合わせていることが分かる。但しその結果生み出されてくる音像に関してはワタシ的には断然ジョンミッチェルの仕事ぶりの方が好みである。英国ならではの湿り気のある音像がやはり私好みなのだ。英国で湿り気がある音像と言ってもその音像はどこまでも耳触りが良く土の匂いは無い。

既に購入して一週間で6回くらい通しで聴いた。かなり気に入ったのでここは久々に全曲レビュー行ってみよう。でもエイジアじゃないから内容は簡易版で。ちなみにEU盤ジャケはデジパック。結構安っぽい作りであまり好きではないが。

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装丁によっては3月に発売予定の国内盤に買い替えるかも知れない(笑)。でも音の内容は素晴らしい。簡単に言ってしまえば想像通りの音像とメロディ。想像通りってのはKINOとかジョンミッチェル加入後のイットバイツの系統のサウンドって事。

① Airlock
オープニングナンバーは爪弾かれるピアノの音色から一気にシンセとギターで大仰なメロディを奏でて壮大に盛り上げるといういかにもプログレ的始まり方のインスト曲。FROSTのJEM GODFREYって人が中心になっている感じ。そう言えばFROSTっぽい感じもする。いかにも過ぎて、あからさま過ぎて、ツボにハマるというよりちょっと笑ってしまう。

② God Vs. Man
最初にPVが公開された本作のリードトラック。ちょっと重めのギターリフが始まり、アレアレ期待するサウンドと違うかなと一瞬思わせるがヴォーカルが始まると静かな展開となりメロディが哀感を湛えていて、それにジョンミッチェル自身の声質がマッチして静と動を対比させた曲構成、そして泣きのギターまで入りこれまたあからさまなプログレ的資質。でもシリアスな雰囲気は決して笑えない。いい曲だと思う。

③ The Boy In The Radio
個人的には本作の中で最初に私の耳を捉えた曲。キャッチーでちょっと郷愁を誘うメロディが素晴らしい。得にサビメロは魅力的で何度でも繰り返し聴きたくなる。さらに展開して開放的な歌メロとそれに続くのびやかなギターソロ、言うことないではないか。絶品。

④ Why Do We Stay?
静かで優しいメロディのバラードっぽい曲。パワーバラードでは無い。女性ヴォーカルの人とのデュエット曲。しっとり聴かせるメロディがイイ。泣きが入るギターソロも曲にマッチしている。

⑤ Lonely Robot
本作のタイトル曲であり8分超えの大作。コレも使い古された言葉である静と動の対比ってヤツ?(笑)。静謐な部分とへヴィな部分が交互に展開し、でもそれが小難しく感じないのはあくまでもメロディが充実しているからだろう。

⑥ A Godless Sea
前曲の静謐な部分をさらに拡大して、曲タイトルの情景がまさに頭に思い浮かぶような曲。こういった曲作りはKINOやイットバイツではあまりなかったような。ミッチェルの才能の幅広さを提示して見せたよう。

⑦ Oubliette
イントロのメロディアスな多重ギターによるテーマメロディが印象に残るが、その後に続く歌メロも優しいメロディで展開し、そしてここでまた女性ヴォーカルとのデュエットとなる。今作ではこういった女性ヴォーカルの起用が見られるが、効果的ではあるものの、そんなに必須とも思わないのは私が単にジョンミッチェルの声質が好きだからかも知れない。

⑧ Construct/Obstruct
これはもうイントロの感じからして今作で一番イットバイツとの親和性を感じさせるアレンジ。このままイットバイツの曲ですよと言われても、あぁなるほどと納得できてしまうだろう。もちろん悪い意味では無い。いい曲である。

⑨ Are We Copies?
ちょっと暗めのメロディとアレンジ。個人的には一番聴かなさそうな曲。でもアルバムに一曲くらいはこういう曲もアクセントとして入っていても良いだろう。

⑩ Humans Being
柔らかで優しくて暖かなメロディがポールマッカートニー的なバラード曲。この人は立派な英国ロック界におけるメロディメイカーとして成長しているんだと思う。それが端的に感じられるメロディ、そして名唱である。

⑪ The Red Balloon
本作を締める静かな子守歌風の小曲。感想は特になし。

後はボーナストラックが3曲、⑩と④と⑥の別ミックスなのでここでは割愛。

以上、ジョンミッチェルと言うミュージシャンのすべてを提示したと思われる素晴らしい作品である。そしてまたKINOやイットバイツに似ていることはそのまま彼こそが現行イットバイツのメインソングライターであり屋台骨であり主柱であることの証左でもある。イットバイツのファンは新作がかなり先になるであろうことを残念に思う必要はない。この作品が十分にその穴を埋める充実した作品であるから。

次はアレだな、レヴォリューション・セインツの新譜が超楽しみ。いやいやオイオイ、クリムゾンのスターレスBOXのレビューの続きはどうしたってか? 皆様、無かったことにして欲しいんですけど・・・・(笑)。

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