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2015年9月30日 (水)

「ロジャー・ウォーターズ ザ・ウォール」コンサート映画 9月29日 限定公開(ROGER WATERS THE WALL IN CINEMAS WORLDWIDE TUEDAY 29 SEPTEMBER @ イオンシネマ京都桂川)

1988年3月、大阪のとある私立大学の2回生だった私は生まれて初めてロックコンサートというものを体験した。それまでプロ野球とかプロレスは観戦に行ったことはあったけどロックコンサートは一度も行ったことが無かった。何度も言ってきたが83年にエイジアのアルファから洋楽に入っていった私は当時の全米TOP40クラスの産業ロックをラジオで沢山聴いてエアチェックしてカセットテープに録音し、レンタルレコード屋でレコードを借りたり友達と貸し借りしたりした。そのうちプログレに興味を持ち、大学生になってプログレに深入りし始め、88年3月といえばCDレコードショップでバイトを始めた頃である。

会場は大阪城ホール。ステージには見た事も無いような巨大な円形スクリーンが配置されクリアな映像がバンドの音と見事にシンクロしていた。コンピュータ制御された照明装置が一糸乱れぬ生き物のように細かく動いてステージを華やかに彩る。大阪城ホールの館内後方から意味も無く飛行機の模型がステージに向かってきて小さく爆発した。アブドーラザブッチャーの曲の演奏中には巨大なブタの風船が登場して意味も無く宙を移動していた。コンサート終盤にはディスコのチークタイムみたいに意味も無くミラーボールがキラキラ輝いて回転していた。

これが私のロックコンサートの初めての体験であった。言うまでもない、当時フロイドサーカスと揶揄されたピンクフロイドの16年ぶりの来日公演である。それはロジャーウォーターズの居ない、デヴィッドギルモアが主導するピンクフロイドだった。コンフォタブリーナムはメロディの綺麗な浮遊感のあるバラードやなぁと思った。ランライクヘルは踊りながらピョンピョン飛び跳ねながらめっちゃ盛り上がった。次の日、CDレコードショップのバイトの出勤で店長から「どやった?」って訊かれて、「でっかいスクリーンに映像が映し出されて、照明が凄かったですわ。小っちゃい飛行機の模型が爆発して、ブッチャーの曲の時にはでっかいブタが出てきましてん。ワハハハハ!」って答えた。これが感想の全てであった。ちなみにアブドーラザブッチャーの曲とはOne Of These Days(邦題:吹けよ風、呼べよ嵐)である。古くからのプロレスファンなら分かるよね。

あれから約27年、ロジャーウォーターズによるピンクフロイドの大傑作、ザ・ウォールのライヴを生のライヴではなくコンサート映画という形ではあるが体験できるという事で喜んで映画館に向かった。

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2015年9月29日の20時、この日限定で世界同時上映という事で日本では東京・板橋、横浜・港北、大阪・茨木、京都・桂川、この4ヵ所のイオンシネマで京都人の私としては超ラッキー。この作品はきっとそのうちDVDとかブルーレイとかそういう映像ソフトとして発売されるだろうけども、このウォールショーは来日公演が無いし、それならせめて設備の整った映画館の大きいスクリーンで、最新鋭の音響機材で視聴したいと思った。しかしコレ、宣伝が行き届いてないのが良くない。私でさえ偶然フェイスブック友達の呟きを見て初めて知ったくらいだから。2週間くらい前にチケット予約した時点でも席は山ほど余っている感じだったし。そして当日、桂川のイオンシネマに行ってみたら他の映画に比べて特に宣伝にリキ入ってないし、そもそもホントに上映あるの?ってくらい看板もフライヤーも何もない。上映時間直前になってやっと掲示板の一番下に地味に表示された。

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20時の10分くらい前に受付を済ませる。チラシ的なものを頂く。この映画の記念になるブツとしてはこれくらいかな。

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館内に入場。案の定ガラガラ。東京、横浜、大阪はどうだったんだろうか。
そして20時、イオンシネマのスタッフの人が前説を始める。なんか噛み噛みで失笑をこらえるのに苦労した。そして上映開始。コンサートそのものは全て収録されていて、部分部分ロジャーが戦争で亡くなった祖父と父親のメモリアルを訪問するロードムービー的な演出となっている。映画として意識された作りで、そういう前提でコンサートを観るから説得力もある。コンサート映像はそれはもう映画館で見るから迫力満点。音響設備も素晴らしい。実際のステージの巨大な壁や円形スクリーンに映し出される映像、バンドメンバーの演奏も最高。この作品の元々のコンセプトから少し新たな意味合いを加えて反戦のメッセージ性の強い演奏と映像の展開で、それを何とか理解しながら視聴すると非常に胸に響く。80年のピンクフロイドのウォールツアーにおけるアールズコートでの演奏映像に合わせて現在のロジャーが歌うところなんかジーンとくる。ウォールはサウンドだけをCDとかで聴いていると正直退屈だったりする。アナザーブリックインザウォールパート2を聴いたらとりあえずヘイユーに飛ばすか、とかコンフォタブリーナムはまだかとか思いながら聴いてしまいがちだが、こうして音と映像を駆使しつつとにかくメッセージ性が強いからぐいぐい引き込まれる。それが頂点に達したのはまさにコンフォタブリーナムであった。壁の上でギターソロを決めるのはデイヴキルミンスター。ジョンウェットンのバンドでギターを弾いてくれていた彼は今やロジャーウォーターズの大ツアーで準主役級の活躍である。そういう意味でも嬉しい。ここの場面はデヴィッドギルモアの特別参加した日の映像を使ってくれると嬉しいかなとか事前には思っていたが、この強いメッセージ性をストレートに感じるためにはキルミンスターで良かったんだと思う。これでギルモアの登場となったらウォーターズとギルモアの共演ということに興味が移ってしまって大事な意味が薄れてしまうかも知れないから。約2時間20分の上映が終わった時には言葉も無いくらい深い満足感であった。

27年前の88年3月、デヴィッドギルモア主導のピンクフロイド来日公演では、円形スクリーンの映像、爆発する飛行機の模型、巨大なブタの風船、コンフォタブリーナム、ランライクヘル、これらの演出演奏は意味の無いサーカスで見事なエンターテイメントだった。

そして今回のウォールコンサート、飛行機の模型が飛んできて爆発することもブタの風船が登場することも意味が込められていることを実感した。反戦の痛烈なメッセージが発せられて演奏されるコンフォタブリーナムではマジで涙を流し深く胸と打つ。ランライクヘルでは反戦の怒りを込めた勇気が湧き上がって震えるほど感動した。

今更これこそが本当のピンクフロイドなどと講釈を垂れるつもりはない。演奏演出を魅せて聴かせるギルモアフロイドもアレはアレでいいと思う。ロジャーウォーターズが表現する音楽は、かつてのフロイド時代のレパートリーを含めてロジャーウォーターズの思想性とメッセージを表現するための音楽であり別の道を歩んでいることが正解であるとさえ思えてしまう。これでいいのである。2006年からの狂気ツアー、2010年からのウォールツアーで巨大な興行的成功を収めているんだからロジャーもこのタイミングでソロアルバムを出せばギルモアフロイドやギルモアのソロ以上の成功を収めるのが目に見えているのに、それをしないのもまたロジャーらしくて良いではないか。

でも最近、新作のアイデアが浮かんできたとの事で早ければ2016年にはロジャーウォーターズの新作のニュースが聞けるかもしれない。楽しみにしていよう。

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2015年9月25日 (金)

今日は一日プログレ三昧 The 4th (NHK-FM 9月21日 午後0時15分~午後10時45分) joshoつぶやき抜粋

2015年9月21日、NHK-FMにてプログレファン待望の「今日も一日プログレ三昧 The 4th」が放送された。大体2年に一度のペースのこの番組、プログレファンには待ちきれないほどの楽しみではあるが、私も番組自体が楽しみであるのみならず、その際にワイワイと仲間内で呟きまくるのも楽しみだったりする。ツイッターではタイムラインが大変な勢いで流れてしまうが、私のある意味本拠地のミクシィ上では少人数のマイミクさんの仲間ウチで楽しく盛り上がり、後でその呟きを読み直しても個人的には面白かったので、備忘録兼ねてここで自分のミクシィ呟きを再掲しておくことにしました。再掲するにあたって若干編集しています。なお、登場するマイミクさんはイニシャルにしておきます。番組開始から時系列で掲載します。

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josho : 朝から家の掃除、所用のお勤め1時間、ジョギング50分、シャワー浴びてヒゲ剃ってベストコンディション。謹んで普段は使わないラジカセを出してプログレ三昧の準備万端。

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Gさん : はじまりました。o(^-^)o
Kさん : 山田五郎氏のプログレ三昧の言い方はWetton先生の言い方を踏襲していますね。(爆)

josho : 祝日昼間に国営放送で22分の「錯乱の扉」がオンエアされるという至高の時間
Gさん : きましたね。音量全開です。(^_^)v
Hさん : この曲で始まるとは。\(^o^)/
Eさん : クリススクワイア亡くなった今年ですから…天国のクリスさんにお知らせしたいです(/_;)

josho : SOONのところでクリススクワイアを偲んで酒を飲む。
Hさん : クリスを追悼して、今回はYesで始まってYesで終わる…かなと予想したり。

josho : スターレス高嶋、出だしからクドいなぁ(笑)。期待通り。
Hさん : 一人だけ半袖。(^^;;
Kさん : KC/REDの全曲を自分でOAしたばっかりじゃん!
josho : 今日既に「レッド」という単語を何度も連呼してるから、笑えてしょうがないです。

josho : そうそう、80'sクリムゾンはアブセントラヴァーズで聴くと殊のほかカッコイイのよ。
Gさん : あのライブ盤イイよね。(^^)
Eさん : よく聞き直します<(_ _)>
josho : あのライブ盤はドラムがバシバシ迫力ある響き方してるから、それでスタジオ盤とは違う迫力を感じるんですよね。

josho : Aさんおめでとう!! これで僕のリクエストは無くなりました多分(笑)。全く同じような文脈でU.K.のCarrying No Crossをリクエストしてたので。
Eさん : おお、The only things you need のリクエスト、Aさんだったんですか…。おめでたいですね。私はKENSOなのでもうしばらくあとかと…。
Kさん : 僕も似たような文章でCNCをリクエストしてました。JWファンの現在の先生の健康状態に対する思いは同じなんですね。
Eさん : > Kさん クリスさん亡くなった後ですから…やはりお大事にして頂きたいですよね…。
Aさん : たぶん流れ的にノリのいい曲をかけたかったのではないでしょうか。高嶋さんにデンジャマネーじゃないのかとつっこまれて思わずにやり。

josho : やっぱりカッコいいよなぁU.K.。そこからミッシングパーソンズのオンエアを強要する高嶋氏(笑)。

josho : いやぁ、アタマ一時間が王道プログレ連発で楽しめましたね。イタリアものはちょっとアレなので昼飯食います。でもPFMの「友よ」は大好きですねん。
Hさん : そんなjoshoさんにアルティ・エ・メスティエリをお薦めします~。
Eさん : 僕もトイレ&ドリンク休憩しました(笑)。まあ、公共放送ですから、この選曲は致し方ないっす(笑)。

josho : すっかり休憩タイムに入りました。焼酎炭酸割り、チョリソー、マルちゃん緑のたぬきの関西ヴァージョン。

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josho : ラッシュとドリームシアターはプログレの範疇を超えてるね、いい意味で。全てが名作。ラッシュは入口としてはライムライトとトムソーヤがイイ。
Hさん : どちらも大大大好きなバンドです♪  ラッシュのライブ、海外に聴きに行きたい。
josho : > Hさん ラッシュはもう日本には来ないだろうからLAとかでやるときに思い切って行ってしまった方がイイかも知れないですね。

josho : ん~ん、厳しいなぁ、ボリビアのプログレ・・・。
Hさん : 私も…。(^^;;
Eさん : 南米系はどうしても音質が悪いですからね…その点で厳しくなってしまうかもです。
josho : つーか中古で100万円もするプレミアレコードをNHKもよく用意したなと。
hnさん : 多分、分かんないですね。どこで売ってるのかな。

josho : トントンマクート? 分かんねぇ・・・。それより「ドクター.Zのこれじゃない感」ってのが笑えた。持ってたよオレ、ドクターZの紙ジャケCD。一回も聴いたことが無いというね。

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josho : バロックプロジェクトはヤバいぞ。
Eさん : 結構良かったですよね。イタリアさすがですねー。
Hさん : 初めて聴きました。テンション上がりました。こういうの好きです。o(^▽^)o

josho : スティーヴンウィルソン、超お気に入り。ブログで取り上げてないのは下手に軽々しく語る気になれないから。前にどっかのコミュで小バカにしてる古いプログレに囚われたオッサンがいたなぁ。好き嫌いは勝手だが。
Hさん : スティーブ・ウィルソン、良いですね! ポーキュパインツリーしか聴いた事無かったです。
josho : > Hさん 多分ソロの方が古いブリティッシュプログレっぽいと思いますよ。特に前作が。
Eさん : > Hさん 正直申すと…ポーキュパインツリーが…だったのでスティーブウィルソンもノーマークだった私です…。
josho : > Eさん 実は私もポーキュパインツリーはちょっとアレだったんで・・・・、ところが一転してソロの「レイヴンは歌わない」が素晴らしかったんです。
Eさん : > joshoさん さっきスターレスさんが言ってたアルバムでしょうか…。今度予算組んで購入致します<(_ _)>。
josho : > Eさん あ、多分そうかな。今年のよりも前作がって言ってましたね確か。だったら「レイヴンは歌わない」(邦題)ですね。
Hさん : > Eさん 私もポーキュパインは…だったので、目からウロコです。スティーブン・ウィルソン、イイ! CD欲しくなりました。

josho : キャメルかぁ。どれも好きやけどニッチなところで、ステーショナリートラベラーのロンググッドバイがドツボだったりする。メロディが素晴らしい。

josho : このプログレ10大バンドを選ぶ話、居酒屋トークみたいで面白い。今度飲み会でやりたいな。
hnさん : そうすっね。カンサス、キャメルは亜流なのかな。

josho : スターレス高嶋のプログレ10大バンドは爆笑の連続で面白かった。なんだ?ちりめんじゃこみたいなヴォーカルって。
hnさん : うんうん、ウケましたね。実はクルマ運転中でした。
josho : > hnさん 運転中に高嶋アニキの放言を聞くのは危険です(笑)。無事故で何よりでした。

josho : 始まってからまだ4時間半しか経ってないのか・・・。ちょっと疲れてきたな(笑)。面白トークで笑わせてもらわないと。
Hさん : Twitterのダウンタウン松ちゃんの呟きをリツイートしたりして気を紛らわしてました。(^^;;
josho : > Hさん パソコンでゲームしてました。

josho : お、そう言えばロカンダデッレフォーテは持ってるぞ。目が覚めた。そう言えばこれはイタリアものではかなり好きだった。いや待てよ、ロカンダのCD、家のどこにあるのか分からん。中古屋に売ったかな?
Kさん : 僕も好きです。イ・プーと一緒にクラブチッタでライブを観ました。
Eさん : 僕は別の日行ったので見てないんですよね…でもきれいな曲多くていいですよね。

josho : ロバートフリップは甘党だったのか! 今度来日した時、だからってみんな和菓子スイーツの贈り物ばっかりフリップに押し付けるなよ。
Gさん : ウェットンのお茶菓子友達。良く一緒にケーキつついてたみたいよ。
Iさん : だいじょぶ。。全部持って帰りますよきっと。。。
josho : > Gさん あぁ、確かに。コーヒー飲んでましたね。
josho : > Iさん 君に言うとんねん。これはイイこと聞いたと思ったやろ。ぁあ?(笑)

josho : おぉ~、はいはい、スチュアート&ガスキンのニューエルサレム、これはよく聴いたな。あのCD、これまた家のどこにあるのか分からん・・・。中古屋に売った気がする(苦笑)。
Gさん : 私は紙ジャケで再発された時に買いました。デイヴ・スチュワート&バーバラ・ガスキンイイよね~。(^^)

josho : ちょっと休憩やな。さっきオカンが「その番組どこの放送局?」って怪訝な顔して聴いてきた。「NHKやで!」って威風堂々と言いました。

josho : ルネッサンス、実は四季のNorthern Lightsが一番好きやなぁ。
Eさん : 僕は…オープニング・アウトですね…ミーハーですみません<(_ _)>

josho : さすがクリススクワイア特集、THE SYNからくるところが凄いね。NHKでTHE SYNやで。後でCD聴こう。
Hさん : 取り上げ方がマニアックですね。(*´∀`)

josho : シベリアンカートゥルを使ったベースの四変化、分かりやすかった。ベースって地味なんじゃなくて大事なんだなってよく分かる。最後のポールマッカートニー風が分かりやす過ぎて吹き出した。ビートルズやウイングスも聴いてる人はよく分かると思う。
Eさん : 他のイエスのメンバーはどう思いながらレコーディングしてたのかな、とつい思ってしまうんですよね。ああ、またやってるよ、とか思ってたんでしょうか…でもそんな個性的なプレイを刻みつけていたイエスというバンドがやっぱりスゴいと思うのです。

josho : クリススクワイアのHold Out Your Hand、これがオンエアされるとPVのビルブルーフォードの、ヨソ見しながら愛想笑いしてチャランポランなドラム演奏が脳裏に浮かんでニヤけてしまう。

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てな感じで10時間、ここに再掲したのは私の呟きにとそれに反応頂いたマイミクさんとのやり取りの抜粋。他にもマイミクさんの呟きに私が反応したりと、ワイワイと面白い10時間でした。次はまた2年後かな。ジャンルを衰退させていることに気付かない自称マニアにはなりたくない。それまで少しでもジャンルを拡げることにお役に立てればいいけどね。

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2015年9月17日 (木)

3(KEITH EMERSON, CARL PALMER, ROBERT BERRY) "LIVE IN BOSTON"

かつてアントニオ猪木は2台のバスを走らせようとした。1983年、今の新日本プロレスブームとは比較にならないくらいの大ブームで人気絶頂、まさに全盛期で我が世の春を謳歌していた新日本プロレスに起こった内紛劇の大波を被った猪木は、内部クーデターにより自らが設立した新日本プロレスの社長の座を追われた。僅か3ヶ月後にテレビ朝日の後ろ盾を受けて社長には復帰したものの内紛の余韻が燻り続けていた。そんな中、84年に新日本プロレスから分派した新団体ユニバーサルプロレス(UWF)が姿を現す。当時は不透明であったが後にこの新団体UWFには猪木自身が一枚噛んでいたことが関係者の証言により史実として明らかになる。商魂逞しい猪木の目的の一つは2台のバスを走らせてダブルで儲ける、簡単に言えばそういうことになる。2台のバスの内訳は以下。

①号車 : 新日本プロレス & テレビ朝日
②号車 : UWF & フジテレビ

ところがこの目論見は②号車からフジテレビが降りてしまったことで暗転し頓挫。猪木の目的は未達のまま猪木の手を離れた②号車のUWFは異なる方向へ変質し、肝心の①号車の新日本プロレスも衰退に向かってしまう。この後の史実の裏側についてはこのブログの主題ではないので割愛する。

さて、偶然にもちょうど同じ時代に音楽界のしかも我らがエイジア界隈で似たような事例が起きた。1982年に記録的大ヒットで華々しいデビューを飾ったエイジアが我が世の春を謳歌していたはずの翌83年、2ndのアルファの売上とツアーのチケット売上不振によりアル中を抱えるジョンウェットン大先生が解雇された。ところが僅か数ヶ月後の84年初頭にジョンウェットン復帰、同84年9月には鋭く対立するスターギタリストのスティーヴハウ脱退という内紛劇の末にハウとスティーヴハケットの双頭バンドGTRが姿を現す。この時、2台のバスを走らせようとした人物は誰か。70年代イエス、そしてエイジアの敏腕マネージャー、ブライアンレーンである。商魂逞しいブライアンレーンの目的は、エイジア内紛の状況を逆手に取り2台のバスを走らせてダブルで儲けること、簡単に言えばそういうことになる。2台のバスの内訳は以下。

①号車 : ジョンウェットンのエイジア & ゲフィンレコード
②号車 : スティーヴハウのGTR & アリスタレコード

まず②号車のGTRは86年に見事デビューアルバムで成功を収めた。しかし折角の成功にもかかわらず双頭の片方のスティーヴハケットが②号車から降りてしまう。ブライアンレーンはハケットの代わりに有望な若手のロバートベリーを②号車に乗せて第2期GTRとして継続を図るが途中で頓挫、②号車は停車してしまう。一方の①号車の方はと言えばエイジアの渾身の力作アストラがアルファにも増しての売上不振で途中停車してしまった。何とかしたい商魂逞しいブライアンレーン、①号車にカールパーマーを残し、EL&Powellからコージーパウエルに逃げられてしまったキースエマーソンを同乗させ、更に一旦②号車に乗せていた若手ロバートベリーを②号車から降ろして①号車に乗り換えさせた。これにて①号車を内訳を以下の様に修理した。

①号車 : 3(スリー) & ゲフィンレコード

こうして88年に再発進した①号車であったが残念ながらブライアンレーンの奮闘空しく、3は大きな成功を収めることは出来ず再び停止してしまった。ブライアンレーンが必死で再発進させた①号車の停止目前の貴重な記録が今回のブログの主題の3(スリー)の2枚組ライヴ盤である。前置き長いって?(笑)

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なんか私の中では3(スリー)と言えば苦闘するブライアンレーンっていう、そういうイメージが真っ先に浮かんでしまうのである。ロバートベリーの才能を前面に押し出したそのサウンドは産業ロックそのもの。味付けをキースエマーソンがやりましたって感じでEL&P~EL&Powell~3(スリー)という系譜に並べるには若干無理のある産業ロックサウンドは当時リアルタイムで聴いたときはあぁ厳しいなぁと思ったものだった。今になって時代性を気にせずに聴くと非常に良く出来たプログレ風味の産業ロックとして、何のことはない私の大好物ではないかと思えてしまうのはちょっと調子が良すぎるかね。

内容に関してはFM放送音源でブートでも出ていた音源。これがPre-FMマスターであれば嬉しいんだがそこはちょっとわからない。ラジオ放送用のトランスクリプションディスクからDJコメント部分を取り払っただけのような気もするし。でも一応フェイスブック上ではエマーソンもベリーも今回のCDを喜んで紹介しており、そういう意味では公式盤と言って差し障りは無さそう。演奏曲は3(スリー)のアルバム曲中心に、オープニングと中盤と終盤にEL&Pの有名曲を配するというファンからしたら期待通りのセットリスト。

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ベースを弾くベリーに加えてサポートギタリストとコーラスシンガーを加えて万全の布陣で展開される演奏も全く問題なし。例によって走り気味のカールパーマーのドラムはともかくとして。曲がりなりにもメンバー公認で貴重なライヴ盤が発売されたことは素直に喜びたい。

ロバートベリーの才能がこのまま埋もれていくのが勿体ないと思っているのでこのような発売がロバートベリー再浮上の何かのきっかけになるともっと嬉しいんだけどな。ちなみにロバートベリーが幻の第2期GTRやEL&Pへの提供用に書き溜めていた楽曲群は95年に "PILGRIMAGE TO A POINT" というタイトルでベリーのソロアルバムとして残されている

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自主制作レベルの音質ではあるが楽曲の充実度は素晴らしく未だに私の愛聴盤である。

というワケで3(スリー)の話がしたいのかブライアンレーンの話がしたいのかよく分からない内容になってしまったが、本稿での猪木とブライアンレーンの2台のバスを走らせた話から勉強出来たことがある。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」

ハハ、失礼しました~。
と言っておきながらブライアンレーンの名誉のために蛇足ながら付け加えておく。2台のバスのうち折角アリスタレコードに乗ってもらった②号車について、第2期GTR崩壊後に修理を施して以下のようにした。

②号車 : ABWH & アリスタレコード

②号車にスティーヴハウをキープしつつ今度はジョンアンダーソンと復縁して70年代のイエスの仲間を②号車に乗せて、ガッチリ稼ぎ、更には8人イエスにまで展開して大儲けしたところはさすがだなと。昨年のリックウェイクマンのソロピアノ来日公演のパンフにブライアンレーンの名が記載されていたそうで老いてなお抜け目の無さがオイシイ人物である。

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2015年9月14日 (月)

MR.MR. "PULL"

何年か前にイエスの情報サイトでトレヴァーラビンがレコーディングに参加していたミスターミスターの幻の4作目の作品がリリースされるってのを目にしていた。そのままスルーしていたんだが最近になって突然気になって欲しくなった。買おうと思ったらもう普通には売っていないようでアマゾンなんかではとんでもない値段が付いている。よくよく調べたら中心メンバーのリチャードペイジのサイトで直販していることが分かり何とか購入できた。それがこのPULLと名付けられた作品である。

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私が購入できたのは上記のような、リチャードペイジ、スティーヴジョージ、パットマステロットの3名の直筆サイン入りCD。現在ではこのサイン入りCD+音源ダウンロード付の少しお高くつくヤツしか売ってないようだ。ちなみに本作においてなぜグループ名の表記が MR.MISTER ではなく MR.MR. なのかはよく分からない。

ミスターミスターと言えば私の大好きな80年代にキリエとかブロークンウィングスという2曲のNo,1シングルヒットを放ったという、そのイメージが全てであった。個人的には特に思い入れは無く、あぁ学生の頃にテレビやラジオで良く流れていたなぁっていう、そういう感じでしかなかった。後は現キングクリムゾンのパットマステロットが在籍していたという、知識として知っている程度。その2大ヒット曲を収録しているのはバンドの2ndにあたる85年の "WELCOME TO THE REAL WORLD"で今年になってリマスター再発されているようだ。今回衝動買いした幻の4作目 "PULL" は元々は89年ごろにレコーディング完成済だったのをレーベルが売れそうにないからとおクラにしてしまったという悲しい作品で、それをリチャードペイジが20年の歳月を経て2010年に自力で発売にこぎ着けたという執念の作品である。

さて内容であるが、上記でも言ったようにミスターミスターにそれほど深い思い入れが無いので、あくまでもプログレ好きなこちら側からの観点で聴いてみた。まず当時のレーベルがおクラにしてしまったことについては納得出来てしまう。キリエ的なポップでキャッチーな曲は皆無。そういう曲を1~2曲入れなければ発売しないぞと、89年頃ならレーベルがそんな風に言いそうな時代でありそれを拒むならおクラにされるのも仕方ないだろう。プログレっぽいという言い方は短絡的過ぎるかも知れないが、でもリチャードペイジがとにかくやりたいことをやってしまいましたって感じの非常に凝った曲作り及び音作りがなされている。メロディだってポップでキャッチーではないがそれなりにメロディアスな面もあるしプログレ好きなこちら側から言わせてもらうとかなり面白い。少なくとも私個人的には2作目よりじっくり興味深く聴ける。ドラマーのパットマステロット曰く、本作こそがミスターミスターの最高傑作と断言している。

そのパットマステロットのドラミングは、本作に至ってなるほどこの後キングクリムゾンのドラマーに抜擢されたことが納得できるキレの良さを感じる。キングクリムゾンのマニア的観点だとビルブルーフォードが偉大過ぎてどうしても、地味なポッチャリにしか存在を感じてもらえないがいやいや、このミスターミスターの4作目を聴けばさすがクリムゾンのドラマーになっただけのことはあると逆に納得できてしまうという、パットマステロット再評価に役立つ効果がある。

トレヴァーラビンが参加していることについては全編ではなく1,5,6,11曲目の4曲のみにギター、もしくはベースでの参加になるので大きな影響を及ぼしているとは思えないのだが、確かに1曲目からアコギをツーーーンって引っ張るあの感じのサウンドがラビンっぽいなぁとは思える。その先入観からかも知れないが同時代のイエスのビッグジェネレーターっぽくも感じる。ビッグジェネレーターからポップさを引いてちょっと面倒臭くした感じ。クレジットを確認したところ、バンドと共同でプロデュースしているのがPaul De Villiersという人物で、この名前どっかで見たことあるなぁと思ったらほら案の定、イエスのビッグジェネレーターでトレヴァーラビンと共にプロデュース並びにエンジニアを務めた人物だった。なぜか私がビッグジェネレーターを思い浮かべてしまったのかはそこら辺が関係するかもしれない。でもそれ言い出したらミスターミスターの85年の2ndもPaul De Villiersが共同プロデュースだけど。イエスにミスターミスターの2ndっぽさが持ち込まれたのか、ミスターミスターにイエスのビッグジェネレーターっぽさが持ち込まれたのか、そんな観点から本作を聴いてみると面白いと思うし私は結構楽しめる。

それで改めてイエスのビッグジェネレーターも聴き直してみたが、アレって案外音質がよろしくないなぁと感じた。逆に同じ時代に制作された本作は非常に音質が良い。本作の音質が素晴らし過ぎて、ビッグジェネレーターを聴くとアレッって思ってしまうくらい。

忙しい時や疲れてる時はポップでキャッチーな曲を手早く聴きたいが、時間のある時は本作のようなよく作り込まれた楽曲群は聴いていてとても楽しめる。ミスターミスターはキリエが全て!みたいな先入観を捨てれば十分傑作と言えるでしょう。

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2015年9月11日 (金)

思い出話

こないだの週末から何か悪いもんでも食べたのか便の具合がひどく、何を食べても水を飲んでも10分もしないうちに超特急・・・と言う状態になり求職どころではなくブログもほったらかしで凹んでた。つぶやく元気もなくて、3日前に近くの町医者で薬を処方してもらうも改善せず、6日間も超特急が続くとさすがにビビってしまい、ちょっと大きめの総合病院で検査を受ける。多分面倒なことでは無さそうとの事で、町医者でもらった薬とは違う薬を貰って、いつまでも家に籠ってられないので腹抱えながらハローワーク通い再開。ブログも再開。

時間ばかりあるもんだから何やかんやと前職の会社での15年間のいろんな出来事を思い出したりしてた。そう言えば先日来マスコミで報道されている超大企業の某芝がずさんな会計の問題で大揺れしていて、更に加えてツイッターを眺めていて、ふとあるミュージシャンの名前が目に止まっていきなり学生の頃のことを思い出してしまった。TELEVISIONの来日公演に花田裕之とかのルースターズっていう日本のロックバンドが出演するとの事。この名前と某芝の問題を見てヒマな私の頭脳がいきなり学生時代に京都のCDレコードショップ十字屋ポルタ店でアルバイトしていた2年間へトリップ。

88年から約2年近くこの京都のCDレコードショップ十字屋ポルタ店で大好きな音楽に囲まれてバイトしていた。今にして思えばあの仕事は非常に楽しかった。バイトだから責任が無いってのもあるが。その頃は音楽メディアがレコードからCDへのシフトがかなり進み始めたころ。店にはかろうじてレコード棚もあって少しだけレコードも売りつつ売上のほとんどがCDになり始めていたかな。店では発売されたばっかりのTOTOのセブンスワンを宣伝兼ねて鳴らしまくっていた。その時に頭に刷り込まれたTOTOのセブンスワンは未だにTOTOの全作の中で一番愛着がある。3曲目のアンナを聴くと当時の失恋の思い出が鮮明に蘇るという、良くありがちな体験もアリィの。

バイトを始めた当時の女性店長さんがルースターズの大ファンで花田裕之は勿論の事、初期メンバーの大江慎也のソロとかもフォローしていてそこら辺りを語らせたら超一流みたいな店長だった。オフコースやチューリップの全盛期の当時で言うニューミュージックは大好きだったが日本のロックにはまるっきり興味が無く、88年と言えばエイジアは活動休止中でその間にプログレにハマり始めてた頃だった私には逆に新鮮に店長の話を聞いていたものだった。

ちなみにバイトの先輩にはプログレに凄い詳しくて、ジャズもクラシックも詳しくて、バイトながら正社員の方々を差し置いてお店のクラシック&ジャズの正担当者として君臨している心優しい方もおられた。なんと京大を中退されたこの先輩は過去の音楽やプログレの枠に囚われずにその時メジャーな音楽もしっかりフォローされててドナルドフェイゲンにも詳しいしスクリッティポリッティにも詳しくてなんでも詳しいという尊敬すべき先輩で、私はこの先輩の影響を受けて、プログレだけでなくHR/HMもAORもブルースロックもジャズもフュージョンもクラシックも聴くようになった。やがて先輩は十字屋の正社員になって転勤。先輩にいろいろ教えて貰ってエイジアやプログレに限らず貪欲に何でも聴こうとしていた私がなんと後任のクラシック&ジャズの担当者としてその後1年以上頑張らせて頂いた。なので実はいろんな音楽聴けるのですよ私は。

で、話は逸れたが花田裕之の名前で思い出したこのバイト時代、加えて某芝の件で今でも覚えている痛快な出来事がある。これが今回のメインの話。確かその88年の夏ごろだったか、今は亡き忌野清志郎のRCサクセションが某芝EMIからCOVERSという色んなロックの名曲を日本語でカヴァーしたアルバムを発売することになった。当時良く売れていたRCの新譜とあって店でも売上をしっかり上げるためサンプルカセットが店に届いた段階から前宣伝で大いに店頭演奏して煽っていた。ところがである。突然に某芝EMIから発売中止の周知が回ってきた。後に新聞広告でも発売中止が大々的に発表された。理由がどうやらこのカヴァー集の中で反原発を歌った曲があるとの事で、原発ビジネスで大いに儲けている某芝EMIの親会社である某芝から圧力がかかったらしいとの事。

さぁ、これで火が点いてしまったのはRCのファンだけでは無い。我々CDショップ側も、私のような日本のロックに全然詳しくないバイト店員含めて全店員が義憤に燃えてしまった。某芝の野郎、絶対許さへんで!!・・・みたいな感じで。私は反体制を売りにしてちゃっかり世の中の体制の中でCDレコードを売って儲けているミュージシャンはあまり好きではない。矛盾してるから。だがこのRCの場合は明確に発売中止と言う圧力がかかったのである。原発云々では無い。大企業の圧力で音楽が踏み潰されることがイチ音楽ファンとして許せなかったのである。

(あ、ちなみに私はこのブログもSNS上も含めてネット上で政治的な発言や思想信条に関する発言は一切しませんので悪しからず。私には今まで学んできてこれからも学び続ける明確な思想信条哲学があるしそれに基づいてマジメに醒めたりせずに政治にも向き合っていますし人生にも向き合ってます。しかしその政治や思想哲学に関してアレが気に入らないだのコレが気に入らないだのネットで匿名でまき散らすことを潔しとしないので。やるなら直接会って一対一の誠実な対話でやるし、そういう主義です。)

怒りに燃えるお店のスタッフを前にして、ウチの店を担当していた某芝EMIのセールスの方はさすがに申し訳なさそうで少し気の毒だったが・・・。何とかならんのかこの話って憤っていた頃、このRCサクセションのCOVERSが某芝とは無関係の別のレコード会社から発売されることが決まった。またまたファンだけでは無く我々ショップの店員もこれで燃え上がった。売りまくるでぇ~って。そして発売。売れる売れる、店が儲けるとか何とかもあるが、義憤に燃えていた我々としても売れまくる状況にますます燃え上がる。そして見事にRCのCOVERSはオリコンチャート1位を獲得。この事を知った時は正社員の店員さんも私のようなバイト店員も含めて拍手喝采、実に痛快な気分だった。ざまぁみろ某芝って。再び某芝EMIのセールスさんには気の毒だったが(苦笑)。結構仲良くしてもらってて欲しいCDのサンプル盤とか貰っていたりしたし(笑)。

世の中いろいろある。それぞれにステークホルダーもいて正義感がいつでも真っ直ぐ通用するとは限らない理不尽さにも社会人になってから、また会社組織でエラくしてもらってからも嫌と言うほど味わった。だからこそ、あの時は痛快だったなぁと。

今回のブログ更新はウイルス性腸炎で調子の悪いお腹を抱えていつもと違うアレだったが次回からはまた普通に気になった音楽について喋り倒しまーす。

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2015年9月 2日 (水)

THIS OCEANIC FEELING "UNIVERSAL MIND"

予想外に気に入ったジェフダウンズとクリスブレイドのプロジェクトDBAの2ndがダウンズによると仕上げの段階に入ったようで年内発売予定との事。やはり高校や大学時代をあの80年代の深~いエコーの効いたスペーシーかつゴージャス、キラキラ、ポップな音像を聴きながら過ごした関係で今でもあの感じの音楽を聴くとついつい心が動く。DBAはまさにプログレ風味を加えた80年代ポップサウンドでドツボだった。2nd発売が待ち遠しいところであるがその前にクリスブレイドがDBAとは別プロジェクトを始動していた。それが今回取り上げる THIS OCEANIC FEELING の "UNIVERSAL MIND"。

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参加メンバーはクリスブレイド(Vo,Key,G)にアッシュソーン(Dr)、このトレヴァーホーン界隈の2名に近頃休眠中のイットバイツのメンバーで、リックウェイクマンやスティーブハケットのバンドでも重宝されている凄腕ベーシスト、リーポメロイ(Bass)が合体した3名。確か7月に発売されていたようだが引越しのどさくさでウッカリしていて8月になって慌てて注文。お取り寄せ状態だったのがようやく到着。パッケージは3面見開きデジパック。内側はこんな感じ。

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外側は以下。

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早速開封して早くもへヴィローテ。DBAを聴いて気に入った人や、私のように未だに80年代的な音像に何とも言えない感慨を抱く人にはすぐにでも聴いて欲しい。予想通りの期待を裏切らない、そういうサウンドである。収録曲は以下のような序曲的なオープニングから終幕の短い最終曲まで含めて全12曲。胸にキュンとくるメロディと音像満載。

① Lie Detector
② Put Down The Gun
③ Radio
④ Logotherapy
⑤ Universal Mind
⑥ Intensive Care
⑦ Wake Up
⑧ I Play Debussy
⑨ Johnny Tragic
⑩ Karma Camera
⑪ Season Of Light
⑫ Finale

DBAによく似ているがそれだけで済ませてしまうと面白くないので、敢えてDBAと比較して言ってみると、やはりドラマーとベーシストが参加してるだけに打ち込みやシンセベースでは無い分、人手によるノリというかグルーヴ感と言うかドライブ感が増している。DBAよりはちょっと薄めのプログレ風味で、いくつかの歌メロや鍵盤のメロディは深く胸を打つセンチメンタルな美しさもあり、そこら辺を気に入る人にはクセになると思う。私はクセになってる。

①はいかにも大味なプログレ的に始まり②でバグルス的ポップになるがここで印象に残るのはドラムとベースが起こすドライブ感。この時点でDBAとは似て非なる感がある。PVも制作された本作リードトラックの③はクリスブレイドの素晴らしいメロディ感覚が味わえるが、加えて鍵盤の音色使いと残響音の生かし方が80年代的で感動的ですらある。リーポメロイのベースが曲を引っ張っているとさえ感じる軽快な④、これまたヴォーカルと鍵盤にたっぷりエコー感を聴かせた空間を気持ち良くゆったり漂うような⑤⑥⑦⑧(←おいおい端折り過ぎ?笑)、再びアップテンポなバグルス的な⑨を経て⑩、これが私の今作一番のお気に入り。たまらなく郷愁を感じる美しいヴォーカルメロディ、その後ろで響く鍵盤のメロディも美しいし、更にはベースのメロディまで美しい。ちょっとなんか現実を離れたいときにはピッタリのあまりに美しい曲。この曲がずーーっと続いてくれてもイイくらい。しかし続く⑪も美しい。8分半の大作ながらプログレと言うよりは美味しい歌メロと美しい鍵盤の音色使いが延々続く感じが凄く浸れる感じ。最後⑫はムーグ的なシンセのメロディが軽快に鳴り響いて終了。

この作品は耳に馴染みやすくて聴き易いキャッチーなメロディと音像が満載なので、例によって気に入ったからと言って毎日聴くとすぐに胸焼けを起こして飽きるから気を付けなければならない。DBAの時もめっちゃ気に入った後、わざと1年くらい聴かないようにした。そのお蔭で飽きずに今でも月に一回くらい聴ける愛聴盤となっている。大事に聴くようにしたい。そして続くDBA2が超楽しみでもある。

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