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2015年11月29日 (日)

LIFESIGNS "LIVE IN LONDON - UNDER THE BRIDGE" (DVD & 2CD)

随分待ったなぁって感じのライフサインズのライヴ盤がようやく完成の知らせがあって、それから更に待たされた感があったがようやくウチにも到着。

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事前にサイン入りで注文してあったのでジャケ内側にメンバー5人のサイン入り。なんで5人かっていうとライフサインズでは何らかの拘りがあるのかエンジニアのスティーヴリスピンも正メンバーと言う扱いになっているから。また当初メンバーだったニックベッグスはプログレ界隈ではすっかり売れっ子状態で、スティーヴハケットのバンドやスティーヴンウイルソンのバンドといった英国の大物のライヴやスタジオレコーディングに引っ張りダコなのに加えて、間もなくTHE MUTE GODSというバンドと言うかプロジェクトで新作を発表する予定になっていて、このライヴ制作時から今に至るまで既にグループを離れている。

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ライヴ映像DVD+音源CD2枚。

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どういうワケか私の場合こういう海外からの直輸入での購入時は、流通経路において粗雑な扱いを受けてるのかパッケージがヘコんでいたり傷付いていたりってことが多いのだが、今回もご多分に漏れずパッケージがひん曲がって到着・・・。今ではもうそういうのは覚悟の上だからあまり気にならなくなった(苦笑)。

一般流通はまだしてないのか今のところバンドの公式サイト直販でしか購入できない模様。これから先に一般流通するのかも分からない。なにしろこのライヴ盤の制作も今流行のファンからの資金提供で実現したものだから、こういったアンダーグラウンドな扱いになるのはやむを得ない。でも楽曲自体はデビュー盤で証明済のメジャーなプリティッシュプログレ。尖がった方向に行ったり、へヴィだったり、暗黒がどうのこうのとか強調してみたり、そういった余計なヨソ見をしていないバカ正直な気品のあるプログレが、逆に今どきの耳には懐かしさを通り越して新鮮に感じる。最初に聴いたときからこれは是非ライヴで観てみたいと思わせる楽曲と演奏であったが、何しろ内容のメジャー感とは反対に市場価値としては物凄くマイナーで、細々とした活動ゆえにおそらく来日公演なんてのは無理だろう。それだけにこのライヴ盤はありがたい。

早速映像を謹んで拝見した。ロンドンのアンダーザブリッジという小洒落たライヴイベントスペースでの撮影で、少ない観客を前に地味な存在感そのままの堅実なライヴとなっているようだ。エンジニアのスティーヴリスピンを別にして、当初の鍵盤のジョンヤング、ベース&スティックのニックベッグス、ドラムのマーティビードルのトリオ編成から、ニックベッグスが離脱して果たしてどのような演奏になるのか少し心配しつつ注目していた。デビュー盤を聴いて私的には正統派英国プログレサウンドのなかにニックベッグスのスティック&ベースの存在感が際立っていると感じていた。聴き馴れた「普通の」(?)プログレに少しでも新たな色と言うか存在感を感じるとすればニックベッグスが弾きだすサウンドの存在が該当したので。バンドとしてはニックベッグスの後釜にベーシストとギタリストの2名を加入させて4人編成になり普通のバンド形態となった。やはりニックベッグス一人の存在感を埋めるには2人必要だったのだろう。それだけニックベッグスは才能ある人物だという事である。いまになってニックベッグスのカジャグーグー在籍時の80年代の映像を観たが、あの頃ただのアイドルポップグループみたいに思っていたあのカジャグーグーは、映像で見せるそのルックスとは裏腹に実は実力派のバンドだったんだなぁと観る目を改めなければならない。

で、話が逸れたが今の4人編成によるライフサインズのライヴである。ギターのNiko Tsonev、ベースのJon Poolについては腕は確かなようで、よく構築されたライフサインズのサウンドを堅実に再現している。二人がかりでニックベッグスの穴を埋めてるんだから当然と言えば当然であるが。地味なルックスに堅実な演奏は、バンドの地味な存在感が更に深まったと言えそう(ホメてるのか?)。地味だ地味だと私がそう感じてしまっているからかも知れないが、本作ライヴ盤で演奏されるライフサインズとしての未発表の新曲やジョンヤングの過去曲も若干地味に感じてしまうかな? 実際このライヴ盤を一通り堪能した後、デビュー盤のスタジオCDを無性に聴きたくなって、そして聴いてみて改めて豊かな音像やニックベッグスの演奏含めて素晴らしいと感じてしまったから。

いずれにしてもこうしてライヴ盤を残してくれたこと自体は良かったので、こうなると次はこの4人編成ライフサインズとしての新作スタジオ盤を聴いてみたい。名作と言える前作をどのように凌駕して見せるのか、そこら辺が注目(少し心配?)である。ジョンヤングの活動という事で少しはQEDGマネージメントも関わっているようなので、この際は全面バックアップして、もう少しグループの露出や商品の流通をメジャーシーンに浮上してやってもらえると嬉しいんだが。

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2015年11月23日 (月)

YES "FRAGILE" (Definitive Edition Steven Wilson 2015 Mix) CD & Blu-Ray

スティーヴンウイルソンの手によるイエスの最新ミックスのシリーズもこれで4作目、今回はこわれもの(FRAGILE)がリリース。今回もCD&Blu-Rayで購入。

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これまで以下の3作が発売されてきた。

"CLOSE TO THE EDGE" (Definitive Edition Steven Wilson 2013 Mix) CD & Blu-Ray
"THE YES ALBUM" (Definitive Edition Steven Wilson 2014 Mix) CD & Blu-Ray
"RELAYER" (Definitive Edition Steven Wilson 2014 Mix) CD & Blu-Ray

それぞれにそれまでのリマスター作品とは異なる新ミックスにより、今まで聴こえなかった音やコーラスが聴こえてきたりして新鮮な感動を覚えた。過去のリマスター盤と軽く比較して聴いてみたりもしたが、よく考えてみれば新たにマルチトラックマスターからミックスし直しているのだからリマスターでは無くてリミックス、音が違ってて当たり前なので、もうあまり聴き比べは意味無いかなと思って今回は過去の各種リマスターとは聴き比べはしない。

ちなみにどこかのSNSで、なんかスティーヴンウイルソンを目の敵にしたいのか、このスティーヴンウイルソンによる一連のイエスの最新ミックスシリーズについても、違いの分からないものをリマスターだリミックスだと何種類も買わされて迷惑、みたいなことを書いてる人がいたが、おそらく真面目に聴いていないのだろう。ちょっと真面目に聴けば明確に違いがあることは私のようなショボいオーディオで私のバカ耳で聴いても分かるのに何言ってんだって(苦笑)。人それぞれ好き嫌いがあるのは仕方ないが、マジメに聴かずにデマをまき散らすのはよろしくないですぞ。

さて、今回のFRAGILE、私としてはこの作品のこれまでの各種リマスターでは2006年に発売されたMobile Fidelity(MFSL)のリマスターCD(下の写真)が最高の音質だと思っている。

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クリアでキレがあって申し分のない音質でコレを超えるものは無い。ライノリマスターもこれには敵わない。これさえあれば音質的には他の商品は不要。なので今回のスティーヴンウイルソン2015ミックスと音質を比較するのはあまり意味が無い。そもそもリマスターとリミックスは別物なので。既存のミックスでの最高音質はMFSLで決まり、それでイイだろう。今回の2015ミックスは既存ミックスとの違いとボーナストラックに注目である。

それで、改めてそういう観点で聴いてみたところ、今回は私のバカ耳ではミックス違いは少し分かり難かったがやはりありました。1曲目のラウンドアバウトから違う。曲中盤の静かなところで明らかに既存ミックスには無かったベースの音が聴こえる。ハッキリわかったのはココくらいであとは正直分かり難い。もともと私自身が本作に思い入れが実は無いもんだから違いを見つける努力が足りないかも知れない(笑)。だって本作ではラウンドアバウトとハートオブザサンライズ以外は普段からあまり聴かないから。キャンズアンドブラームスとか無益の5%とか、聴かないもん(笑)。

次にボーナストラック、ライノリマスターのシリーズで未発表曲or別バージョンは出尽くしたと思っていたし、いつかどこかで読んだエディオフォードのインタビューでも既発曲の別バージョンはあっても未発表曲の類はないとの発言があったのだが、なんと今回初登場の 未発表曲が発掘された。

All Fighters Past

と言うタイトルが付けられた曲、これは奇跡の発掘と言ってしまっていいだろう。インフォによると海洋地形学の「神の啓示」と危機の「シベリアンカートゥル」の一部が含まれているとの事であった。聴いてみた感じ、最初はその2曲の一部?っていうのは分からなかった。そうと意識してよく聴くと確かに前半のジョンアンダーソンの歌メロが神の啓示に出てくるメロディだというのが分かる。しかしシベリアンカートゥルは?、もう一度、いやさらに2、3回聴き直してやっと分かった。途中からの鍵盤ソロにあたる部分のバックのリフが確かにシベリアンカートゥルのイントロの進行と同じだと分かる。最初に聴いた時に分からなかったのは、曲のテンポが神の啓示ともシベリアンカートゥルとも全く異なる、軽快なテンポの、ある種イエスらしい氷の上を滑るかのようななめらかな進行だったからだろう。正味2分半のデモトラックではあるが、だからと言って軽く見てはならない。なんといっても全盛期のラインナップ、アンダーソン、ブルーフォード、ハウ、スクワイア、ウェイクマンの5名による未発表曲である。これは歴史的発見ではないか。これがこのまま何らかの形で熟成されていたとしたら、ラウンドアバウトやハートオブザサンライズに匹敵する代表曲になったかも知れないとさえ思える。エディオフォードが未発表曲は無いと言ったのは、この All Fighters Past に入っていたアイデアは結局この後にシベリアンカートゥルと神の啓示に結実したからもう無い、と言う解釈だったのかも知れない。しかしここで聴かれる曲は私にはそうと言われなければ分からなかったくらいに最初は全く別の曲のように感じたし、この発掘、これだけで個人的には本作の価値は十分過ぎる。

まだまだ未発音源があるんだなと分かったからにはこれからも期待したくなる。次は何が来るか、海洋地形学か究極かドラマか。Awakenの鍵盤モラーツバージョンとかの音源が残っているならスティーヴンウイルソンには是非めざとく見つけてもらって表に出して欲しい。

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2015年11月22日 (日)

GREG LAKE & GEOFF DOWNES "RIDE THE TIGER"

DBAの2ndの購入を国内盤の発売まで待つことにしたら、先にライドザタイガーが到着してしまった。こちらは当初11月下旬に発売予定だったのが前倒しになったもの。

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エイジア活動休止中の1989~90年にかけて、グレッグレイクとジェフダウンズが組んだプロジェクトの幻の音源で、確か当時も音楽雑誌でこの二人がライドザタイガーというバンドを組んだ、みたいに書いてあったのを読んだ記憶がある。その頃はエイジアの活動は全く先が見えなかった頃で、レイクはEL&Powellが頓挫してEL&P再結成からもケツをまくって悪い意味で唯我独尊状態。一方のダウンズもプロデューサーとして深く関わったGTRの2ndが頓挫してジョンウェットン大先生とエイジア復活を試みるがこれまた頓挫状態。その状態でこの二人が組むというのも、この時期の狭いプログレ人脈内での組み合わせ変更では最も想像し難い組み合わせだなぁと思ったものだ。顔ぶれの組み合わせとしては83年のエイジアインエイジアで縁はあったものの、音楽的な意味では素人目には相性が合う気がしないから。しかしこの頃はエイジアのライヴ映像ってのはまさにレイク入りのエイジアインエイジアしかなかった頃なので、私もVHSの商品を買って繰り返し観ていたのでそういう意味では有り得る組み合わせでもある。

また、当時は伝わって来なかったが後にエイジアのバイオ本を読んで、このプロジェクトにキングクリムゾンの初代ドラマー、マイケルジャイルズが参加していた的なことが書いてあってホントに?とか思っていたが、今回の本作の内ジャケにこの通りキッチリとクレジットされている。

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レイク、ダウンズ、ジャイルズ、顔ぶれとしてはなかなかの夢のトリオとさえ思えてしまうが音の方は果たして・・・。

今回のこの作品の収録曲の一部はグレッグレイクの複数のオフィシャルブート作品で陽の目を見ていたので大体の想像は付いていた。多分デモテープ品質だろうと(笑)。全7曲の収録曲と、後に発表された既存の作品との関連をイエスの情報サイトで確認しながら聴いてみた。

① Money Talks
私自身は初めて見る曲名だったが、グレッグレイクのオフィシャルブートに収録されているらしい。私が持っていない方のオフィシャルブートだろう。後に再結成EL&PのBLACK MOON収録のPaper Bloodに改作して収録されている。聴き比べてみてなるほど歌詞や曲調が流用されてるなと感じたが、逆にそうと言われないと気付かないかも知れない。

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② Love Under Fire
これはもうタイトルですぐ分かる、ペイジアのAQUAに収録されていたな。私の手元には無い。中古屋に売り飛ばしてしまったから(笑)。これも私の持っていない方のグレッグレイクのオフィシャルブートに収録されているらしい。今となってはジョンペインが歌うバージョンよりも作者のレイクが歌う本バージョンの方がしっくりくる気がする。後付けな言い方だけど・・・。

③ Affairs Of The Heart
これもタイトルですぐ分かる、再結成EL&PのBLACK MOONにて再録されている。EL&Pバージョンではファンにラッキーマンやセラヴィをイメージさせたかったのかアコギ演奏をバックにレイクが歌うアレンジだが、原曲にあたる本作品ではダウンズのキラキラかつ盛大な鍵盤をバックにレイクの歌にエコーを効かせて壮大なバラード風に歌っている。

④ Street War
私には馴染みの無いタイトルだが、イエスの情報サイトによると再結成EL&Pの2作目、IN THE HOT SEAT収録の同名曲が、この曲の改作にあたるらしい。Youtubeで聴いて確認してみたが類似点があまりよく分からなかった。本作のバージョンは非常に勇ましい曲想で、むしろジョンウェットンが歌ったらエイジアのアストラあたりに収録されていても自然に感じるような雰囲気の曲。っていうか再結成EL&PのIN THE HOT SEAT持ってないのかって? ええ、持ってませんよ(笑)。当時CDショップで試聴だけして、こりゃダメだ、と思って購入を見送っていて、その後も手に入れておこうとすら思わなかったので(笑)。いずれ資料として中古で買っておこうかな(笑)。

⑤ Check It Out
私がかろうじて持っている方のグレッグレイクのオフィシャルブート(下の写真)にそのまま収録されている。メロディ、アレンジ共に抑揚のないロックって感じで個人的にはつまんない曲だ。

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⑥ Blue Light
こちらも前曲と同様のグレッグレイクのオフィシャルブートにそのまま収録されている。これもあまり面白くない暗めのバラード。

⑦ Love Under Fire (alt. mix)
上記②の別バージョンであるが、このバージョンがそのまま上記写真のオフィシャルブートにそのまま収録されている。

以上、あくまでも幻のデモ音源、歴史に埋もれた資料音源としては非常に有用であるが、言うまでもなく作品としては正直面白くないブツである。更に言うならドラムが⑦以外は打ち込みっぽく感じて、ホントにマイケルジャイルズなの?って感じ。そうなのだとしても、それなら期待する「クリムゾンのマイケルジャイルズ」的な、宮殿やポセイドンで聴かれるドラミングでは全く無いおとなしいプレイである。

存在していることが分かっていて聴けなかった音源がこうして陽の目を見たという意味では良い時代になったものである。こんな感じでXYZとかWWBも公式に出て来てほしいな。

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2015年11月19日 (木)

【Short Review 8】 ザ・ビートルズ 「1+」 <デラックスエディション> (THE BEATLES "1+") CD+2Blu-ray

出れば買うしかない、ビートルズに関してはそういう事である。ビートルズ「1」が2015ミックス&映像集で発売された。

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大体だな、BBCライヴ第二弾もジャパンBOXも購入しただけで開封すらしていないという始末。そのくせ財政難で購入を見送ったUS・BOXはいずれ買おうと企んでるし。でも今回はさすがに開封した。もちろん映像集のほう。ビートルズの映像自体はアンソロジーのDVDで散々観たし、アレでお腹一杯だったりするので、改めてMVだけというのは案外物足りなさを感じたりもする。各MV自体も色んな機会に観てきた映像だし特に新鮮味はないが、なんとまぁ映像の綺麗な事。まるでつい最近撮影したかのような綺麗な映像に生まれ変わっていて、21世紀の映像技術には有難みが一杯。

もともとビートルズに深く詳しかったわけでもない。高校の頃、エイジアが世界で一番売れていた頃に同じクラスの同級生でビートルズキチガイみたいなのがいて、エイジアなんかよりまずはビートルズを聴けよ、とか言うもんだからじゃあ貸してくれと言ってビートルズのレコードを貸してもらったのがキッカケだった。確か日本編集の20曲入りベスト盤みたいなヤツだったと思う。まぁ、悪くは無いなと思いつつBGMとして聴くにはお手軽で聴きやすい音楽だとも思った。そのうちジョンレノンに興味を持ち始めたのである。

昔からビートルズといえばジョンレノン派なのでジョンの若くて元気いっぱいな頃の映像も最高だし、内省的な表現を始めたジョンも好きだし、ジョンレノンの変化が色々楽しめて非常に楽しい。レヴォリューションが特に好きで今回も何度もリピートしてしまった。やはり変な話ポールは今も健在だし、でもジョンはもういないから余計にジョンの元気な映像ってのは感慨深いものがある。それは音源も同様。アンソロジーの時に散々観たくせになぜか今回も最初にフリーアズアバードから繰り返し観てしまった。あの曲イイよなぁ。ジョンの残した音源ってのもあるけど、そこに加えられたポールが歌う部分のメロディがこれまた何とも言えず心に染みるメロディで、一度機会があれば自分で演奏して歌ってみたいくらい、マジで。

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2015年11月13日 (金)

TODMOBILE "ÚLFUR"(CD+DVD)

私はAwakenフェチである。イエスの全レパートリーの中で一番好きな曲はRoundaboutでもHeart of The SunriseでもClose To The EdgeでもAnd You And Iでもない。ダントツでAwakenである。そんな私が今まで視聴してきたイエスのAwakenライヴ演奏の中で最高のAwakenに巡り合った。このAwakenに勝るAwakenは無い、そう言い切れるAwakenのライヴ演奏が収録されているのが掲題の作品である。

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どう発音するのか分からないが北欧も北欧、国土の一部は北極圏に入っているという国、アイスランドのロックグループ、TODMOBILEのÚLFURというアイスランド盤の作品である。

コレを知ったきっかけは、ホンの数日前に拙ブログに時々勝手に名前を載せているマイミク某Mちゃんがミクシィ日記で本作を購入した感想を記されたことによる。某Mちゃん曰く、

「めちゃ感動的・・・・、原曲よりもさらに荘厳・・・・。」

云々と。この日記を拝見しただけでAwakenフェチの私はもうメロメロ。更にYoutubeにUPされている該当のAwakenのライヴ演奏を視聴して完全に昇天。何よそれ、ナニナニ?とすぐにタワーレコードオンラインやディスクユニオンオンライン、アマゾンなんかを調べるがどこにも載っていない。さすがにアイスランド盤ってのは扱ってないらしい。急いで某Mちゃんに食い付いて、販売しているお店を教えてもらう。店名を聞いてなるほどと納得。西新宿のガーデンシェッドである。メジャーどころのプログレは置いておいて、とにかくマイナーな各国プログレに強いこのお店、しばらく行ってなかったなぁ。もう京都に帰って来たので気易く行ける機会もなくなったが。それで早速ガーデンシェッドのWebページから注文。幸い在庫有りとの事でその日のうちに代金を振り込んだらすぐに発送してくれて翌日にはウチに到着。素晴らしい対応の速さ。

このTODMOBILEのCDアルバムには1曲でジョンアンダーソン、2曲でスティーヴハケットがゲスト参加している。一応本編のCDも聴いてみたが、メロディアスハードというにはそこまでハードではないし、メロディアスシンフォというにはそこまでプログレ的でもないし、まぁメロディアスロックという感じでいいのかな。そんな印象。ジョンアンダーソンの参加曲はいかにもジョンの作品だなって感じの穏やかな曲。スティーヴハケットの参加曲はこれまたハケットのメロディアスなギターソロが聴こえた瞬間にハケットらしい曲だと感じる。ちなみにハケット参加2曲のうちの1曲、Midnight Sunはハケットの最新作ウルフライトのタワーレコード限定盤にボーナストラックとして収録されているのと同じである。

それよりもライヴDVDである。このDVDには2013年アイスランドにてTODMOBILEがジョンアンダーソンをスペシャルゲストとして行われたライヴが収録されている。ジョンアンダーソンとの共演曲は以下の5曲。

Awaken
Roundabout
State Of Independence
Heart Of The Sunrise
Owner Of A Lonely Heart

DVDのアタマからいきなりAwakenである。あとの4曲は置いておくとして、とにかくAwaken、TODMOBILEのバンドメンバーに加えてオーケストラ、女声合唱団との共演で、その演奏はAwakenの極致!! 痒いところに手が届きまくる分厚く塗り込まれた豊潤なサウンドはあまりに感動的で、後半のパートでは感極まって泣きそうになる。曲のアレンジは勿論イエスの原曲に従ったアレンジで進行するのだが、リックウェイクマン風のキーボードの音色に加えてそれを補完するオーケストラ、そして原曲にある女性コーラスのパートはキーボードではなく生の女声合唱団で再現するのだからその荘厳さはハンパない。

イエスのAwakenのライヴ演奏については今まで公式ライヴ盤やブートのライヴ盤でいろんな年代のヴァージョンを聴き尽くしてきた。77~79年ツアー、91年UNIONツアー、96年のKEYS TO ASCENSION、99年LADDERツアー、02~03年ツアー、13年THREE ALBUMツアー等々。どれも素晴らしい演奏ではあったが、それがライヴ盤として発売されると、どれも少しずつ何かの不足を感じてしまって実は細かいストレスを感じていた。例えば77~79年であればそもそも鍵盤のパイプオルガンの音色が再現できないし、91年以降は肝心なところでパイプオルガンの音色がミックスが引っ込み気味だったり、鍵盤によるコーラスパートの再現が不足気味に感じたり、極めつけは近年のハウ爺のハラハラするギターワーク(苦笑)。しかし今作のTODMOBILEとジョンアンダーソンのヴァージョンはその全ての音色やバランスが完璧。ギターも完璧(笑)、ハラハラする心配もない。完璧どころかオーケストラや女声合唱団が加わることで期待値を上回った盛り盛りの演奏で、上記のあらゆる細かいストレスが吹っ飛ぶ。今のジョンアンダーソンが歌うから少しキーは下げられているが、そんなことが全く気にならないくらいの見事としか言いようがない演奏である。

なお、本作DVDはPAL形式なので国内の普通のDVDプレーヤーでは再生できない。ユニバーサルプレーヤーかパソコンでの再生が必要。私はパソコンで再生している。パソコンで再生する場合は言うまでもないがパソコンのショボいスピーカーではこの荘厳で豊潤なサウンドのAwakenは楽しめない。パソコンにイヤホン挿して存分に楽しむべきである。また、この映像はジョンアンダーソン公式やYoutubeにもUPされているのでそちらでも十分楽しめるが、くれぐれも音はパソコンにイヤホン挿して聴いて下さい。こんな素晴らしいAwakenは是非とも所有していたいと思う人は、この珍しいアイスランド盤の本作品を購入してみても良いのでは(笑)。

(2015/11/15追記:ガーデンシェッドさんの在庫分は売切れたそうです。)

嫌なことも辛いことも全部忘れてしまえそうなこの素晴らしいAwaken、私は所有出来て幸せである(大ゲサか!)。

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2015年11月11日 (水)

【Short Review 7】 ジェフ・ベック 「ギター・ショップ」 (JEFF BECK'S GUITER SHOP WITH TERRY BOZZIO AND TONY HYMAS)

随分前から予告されていたテリーボジオの作曲シリーズボックスがようやく発売のアナウンスがなされた。まぁまぁ良心的な価格かなと思ったら何の事は無い、ワードレコーズお得意の通販限定ボックスも発売との事で何と大2枚! この限定ボックス予約者のみ12/18の発売日に開催のテリー参加の発売記念イベントに参加申し込みもできるという事で一瞬ニヤけたが、いや待て待て、私はもう東京には居ないのだから無理。なので通販ボックス購入も喜んで断念(笑)。大2枚はキツイよ。テリーとセーソク先生とのトークセッションが収録されたボーナスDVDだけ欲しいけどな。それには大2枚の通販限定ボックスじゃないと手に入らないし困ったものだ。

その収録内容をぼんやり眺めていて、ふと目に止まったのがジェフベックのギターショップ期の曲があるらしいこと。それで、そう言えばジェフベックのギターショップのCD持ってたなぁと思って懐かしくラックから引っ張り出してきた。

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このCDはまさに89年当時リアルタイムで入手したもの。学生の頃で京都のCDレコードショップでバイトしてた頃にレコード会社のセールスさんが店に届けてくれたサンプル盤で、他の店員さんで欲しがる人がいなかったから有難く頂いて持って帰ったものである。

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ジャケットデザインが当時なんか緊急発売だったのかなんだったのかはっきり覚えていないんだけど、発売当初の国内盤は取り急ぎのような小包のようなシンプルなジャケで、一通り売れた後にギター工場のイラストみたいなジャケに変更になって流通し始めた。結局そのギター工場のイラストジャケが正式なジャケだったらしく、後の流通盤も全てイラストのジャケで流通しているようだ。私の持っているサンプル盤は当然その初回盤の小包ジャケで、ある意味で今となっては貴重なブツになるのかも知れない。

拙ブログでは今まであまり触れてこなかったが、当時はエイジアやイエスやプログレ以外でもなんでも貪欲に聴こうとしていた時期なので、実はジェフベックも結構CDで揃えていた。後に金欠になった時に殆ど中古屋に売ってしまったけど、未だにジェフベックグループのオレンジアルバムとBBAのライヴインジャパンと、このギターショップは大事に手元に持っている、それほどお気に入りの作品だったりする。もちろんU.K.のテリーボジオが全編ドラムだけでなく作曲にプロデュースに全面参加してるからって言うのもあるが、何よりも内容が個人的に好みで、R&Bでもなくフュージョンに流れるのでもなく、ギンギンにロックしてるから。テリーボジオの強烈なロックドラムが炸裂しまくってるし、あるいはトリッキーな曲もあるし、また一方ではTwo Riversのようなバラードって言ってしまうと陳腐な表現だけど、素晴らしく綺麗な音で本当に美しい曲もあるし。当時は大学の4回生で、就職活動に疲れた時なんか繰り返しこの美しいTwo Riversを聴いて気持ちを癒したものだ。今もそういう意味では再就職活動に悪戦苦闘中なので久しぶりに聴いてみようかなって感じ。

ボジオについてはもう所謂バンドでの活動はしないって事なので、ジェフベックとの再競演っていうのも期待は出来ないだろうけど、今となっては一度はベックとボジオが競演するライヴを体験してみたかったなぁと思う。

ちなみに2016年のビルボードライブでのテリーのソロ公演には行こうかどうしようかまだ考え中だけど、サインを貰えるようならこの貴重なジャケに貰おうかな。

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2015年11月 8日 (日)

ジョン・ウェットン 「ライヴ・ヴィア・サテライト」 (JOHN WETTON "LIVE VIA SATELLITE")

ジョンウェットン大先生自らの監修によるライヴアーカイヴがリリース。1998年6月2日、スウェーデンのストックホルムでのアコースティックライヴと、2002年12月5日、米ワシントンDCのXMサテライトラジオでのアコースティックライヴをセットにした2CD。国内盤の発売を待って無事に購入。

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ちょうど私のロスト10イヤーズを埋める時期のライヴで個人的にはありがたい。98年ストックホルムは今までマスターが見当たらなかったそうで初登場の音源だそう。02年のXMに関しては当時サイト直販みたいな感じで出ていたのかな。私はロスト10イヤーズ期なので存在は知っていたけど未入手だったもの。2000年代前半はアコースティックライヴ盤も大概乱発されていたから嫌気がさして購入する気にならなかったってのもある。今回はキチンと先生監修のもとでのリリースなので安心して購入させて頂いた。

内容的には正直あまり興味の湧くものではないが(苦笑)、先生監修である以上はコレクションしておくのは当たり前。ストックホルムはアークエンジェル後のライヴで、XMはその2作後、シニスターとロックオブフェイス後のライヴではあるがセットリストが似通っているのも興味が湧かない要因である。更にいうなら先生自身の不摂生でアル中エスカレート中で体重激増中の時期のライヴとあって、今回聴いてみてもやはり若干覇気が感じられない。特に02年XMのほうは時折声が辛そうに感じる。そういう先入観で聴いているのもあるかも知れないが・・・。

アコースティックライヴ盤としてはやはり95年の "AKUSTIKA-LIVE IN AMERIKA" が内容的には決定盤だったと思うし、その思いは今聴いても変わらない。音質の良さで言うなら98年の "SUB ROSA LIVE IN MILAN" が決定盤だったと思う。この2作品さえあればアコースティックライヴ盤としては事足りてるってのが正直なところ。今回の2CDのライヴではアコギ以外のバックに演奏テープ?を使っていたりするのもグレッグレイクのカラオケショーを思い出して少し萎える(苦笑)。何とか聴きどころというかコレクションとしての貴重さを見出すならXMの方で 'The Water Is Wide' っていう、国内盤ライナーによるとスコットランド民謡のカヴァーを披露していることくらいか。これは他のライヴ盤では聴けないものと思われる(ロスト10イヤーズがあるので私の認識不足ならゴメンナサイ)。

あとこの作品、ちょっとわがまま言わせてもらうならジャケがニューヨークミニット同様にダサいし他のジャケ案は無かったのかと。先生が決めたジャケなら仕方ないけど・・・。あと国内盤で先生の解説文の和訳を付けて欲しかったなと。

繰り返し聴くような作品ではないが、でも闘病中の先生が監修してリリースしてくれたものだけに大切にはしたい。これまでの無頓着に乱発されてきた怪しげなライヴ盤を、しっかり先生監修のもとでこうして整理して再発してくれる分には、その姿勢としては正しいと思うしこれからも公式商品として耐えうるライヴアーカイヴ素材があるならぜひリリースして貰えればと。個人的に先生ソロライヴで出して欲しいのは94年来日公演の、もっと音の良いライヴ盤とかライヴ映像、それとライヴレコーディングしていたはずの2012年来日公演、この2点を出してくれると嬉しいな。

今年の先生関連のリリースはコレで打ち止めになると思われる。未だ闘病中だけに過剰な期待は禁物だし来年もまずは病の平癒を祈ることが最優先なのでファンとしては寂しさもあるけど、また元気に我々の前に姿を現してくれる日が来ることを楽しみにしていましょう。

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【ディスクユニオン大阪店オープン記念猟盤】 EDDIE JOBSON / ZINC "Turn It Over" (12inch Promo EP)

2015年11月6日(金)、関西の音楽ファン待望のディスクユニオン大阪店がオープン。早速開店日に出撃してきました。

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川崎や横浜で暮らし、東京で仕事をしていた25年間、ディスクユニオンは自分の音楽生活に欠かせないお店だったが関西には今まで無かった。身近にあるのが当たり前だったものが京都に帰ってきたら無いというのは、いくらインターネット全盛でネット通販で欲しいモノが買えるからといってもそこはやっぱり、たまにはお店に行って品物を見ながら猟盤するっていう楽しみもあるわけで、寂しいよなぁと思っていた。ところが私の帰郷とほぼタイミングを同じくしてDUが大阪に出店っていう情報が伝わってきて、まるで私の帰郷に合わせたかのような関西出店に心躍る思いだった。

オープン2日目がロック中古盤セールって事だったので2日目の11/7(土)に行こうかと予定していたがどうしても外せない所用が入ってしまい、結局初日に駆けつけた。物凄い人出でお会計のレジの為に整理券が発行されるというとんでもない事態。いかに関西圏の音楽好きがDUの上陸を楽しみにしていたかが分かるし関西ではテレビのニュースにまでなって、ちょっとした社会現象になっている。今どきCDショップが新規出店なんてあり得ないどころか、閉店が続いているような世相。そんな時に新規出店してしかもあの凄まじい大繁盛ぶりは、音楽ファンへのアプローチの仕方を工夫すればまだまだ可能性のあるビジネスモデルを構築できるという事を証明したようなもんだろう。

凄い混雑だったのでじっくりとは見れなかったが、お店はいわゆる新品はホントの最小限だけを置いていて、あとはロック、ジャズ、クラシックの中古LP、中古CDが店の大半を占める形態だったような気がする。実際それであの大混雑だったのだから関西の音楽好きもその部分に期待していたんであろう。私もそうである。長く東京の新宿、渋谷、御茶ノ水のDUを利用してきた(あと横浜関内店や、閉店したけど厚木店や稲田堤店も利用していた)から、どうしてもそこら辺と比べてどうかという目で見てしまうが、いやいや、十分満足できる規模と品揃えであったと思う。自分の感覚で言うとそりゃ細分化された新宿各店程ではないにしても、少なくとも渋谷店よりは大規模、御茶ノ水店とも対抗できるくらいの規模だったかな。あとまぁアレはDUのアイデンティティなのか、棚と棚の間の通路が狭い(笑)。その点は、それだけ多種多様な中古商品をお店一杯に展開しているからだろうと好意的に捉えておこう。CDレコードアクセサリーもブックユニオンも併設していて細かいマニアへの気配りも効いている。

で、今回私はとりあえず中古レコード箱を掘って、中古レコードを一枚購入させて頂いた。それが掲題の品。

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エディジョブソンのソロ、グリーンアルバムからの米キャピトル盤3曲入り12インチEP。A面に Turn It Over、B面に Listen To Reasonと Green Face。プロモ盤だから普通にマーケットで見かけることはまず無いし探すとしたらebayで探すしかないんだが、今回コレを初めて現物で発見したので喜んで購入。ナニが何でも欲しかったのかといえばそこはまぁアレだが、珍しいのとDU大阪店オープン記念のご祝儀という事で(笑)。中身はこんな感じ。

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国内盤の緑色のレコード盤より少し色の濃いレコード盤に加えて非常に綺麗なプロモフォトとプレスリリース資料みたいなのが付属している。

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資料の内側と裏側も載せておきます。

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けっこう希少価値ありでしょ。あと他にも私の食指が動いたものとしてはBRUFORDの多分ONE OF A KINDの全然ジャケが異なるプロモ盤みたいなのがあったんだけれど、それはパスした。

あとついでと言ってはなんだがDU大阪店限定のレコスケ君トートバッグを購入。LPがたくさん入るトートは個人的には使い道があるので(謎笑)。

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まずはオープンと同時に行ったので、混雑でじっくり猟盤出来なかったので、またご祝儀相場が落ち着いてからゆっくり猟盤に行きたいと思う。いずれにしてもアレだけの大繁盛はオープンご祝儀というだけでは済まない需要があったんだと思うし、そこに着眼して関西初の出店をしてくれたDUさんには感謝と同時に今後の更なる発展を願いたい。新宿並みにジャンルごとに小分けして特化した店舗展開やちょっとしたイベントやサイン会やインストアライブなんかが出来るところまで行けるよう音楽ファン側も盛り上げていきたい。

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2015年11月 1日 (日)

アンダーソン・ポンティ・バンド 「ベター・レイト・ザン・ネヴァー~真世界への旅」 初回限定プレス盤DVD付 (ANDERSON PONTY BAND "BETTER LATE THAN NEVER")

イエスを離脱して以来の、本格的なバンド活動になるのか、それともソロプロジェクトの一環でしかないのか、もちろん前者であると思いたいジョンアンダーソンとジャンリュックポンティのコラボによるアンダーソンポンティバンド(以下APBと表記します)の新作がリリースされた。Kickstarterによる資金集めにより制作された作品ではあるが、日本ではレーベルのしっかりしたサポートにより通常盤とDVD付限定盤に加えて2016年来日公演も調整中というリキの入った環境でのリリース、結構楽しみにしながら購入した。当然DVD付初回限定盤で。

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スリップケースに入った仕様の限定盤、ケースからプラケのCDを取り出すんだが、スリップケースをシュリンクしてあるのでシュリンクのプラケの取り出し口のビニールだけをカッターで切り取って取り出すという、神経質なマニアのやりそうな方法で取り出す。疲れる。

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早速内容について、ジョンアンダーソンとヴァイオリンによるジャズロックの第一人者の組み合わせでどのようなケミストリーが起こるのかちょっと楽しみだった作品だが一曲ずつ簡単に感じたことを書きます。

① Intro
オッ、なかなか期待できるオープニング、カラフルでメロディアスでシンセが活きたサウンドでイエスみたいだなぁとちょっとワクワクする。何の事は無い、And You And I の前半のヴォーカルメロディが流用されてるからか。だから耳に馴染みやすかったんだと。しかもアンダーソンでもポンティでもなく鍵盤のWALLY MINKO作との事。でもなかなかイイ。イエスファンにもアピールできるオープニング曲。

② One In The Rhythm Of Hope
ポンティ作の過去作にアンダーソンのヴォーカルを乗せているとの事。まず最初に心配だったアンダーソンの喉というかヴォイス、あぁこれがジョンアンダーソンの声だなぁと実感できる。現行イエスでヴォーカルを務めるべノアデヴィッドやジョンディヴィソンが、ジョンアンダーソンの声にそっくりという評判で、私もそう思ったがやっぱりこうしてジョンアンダーソンの声を聴くとあのマジカルなヴォイスは唯一無二の声であることが分かる。それにしてもポンティのインスト曲に上手くヴォーカルの歌詞とメロディを乗せているなぁと。

③ A For Aria
アンダーソン作の新曲をAPBとしてアレンジした、純然たるAPBの新曲。前曲からのメドレーのような形で始まるバラード。アンダーソンならではの夢見心地な曲をポンティのヴァイオリンがさらに盛り立てて綺麗綺麗。

④ Owner Of A Lonely Heart
コレやるかぁ・・・って感じ。イエスでもトレヴァーラビンとトレヴァーホーンが苦心して作ったこの曲をすっかり自分の曲扱いのアンダーソンが能天気で笑える。どうやってヴァイオリンを絡めるのかという観点でしか注目できないが、聴いてみて、まぁこんな感じかなって感じ。悪くは無い。バンドメンバーはポンティ人脈のジャズフュージョン系凄腕ミュージシャンばかりだからピシッとしたサウンドがかえってまとまり過ぎてて面白くない気も・・・。

⑤ Listening With Me
これもポンティ作の過去曲にアンダーソンが歌詞を乗せて歌っている。私自身がついついイエスファン目線で聴いてしまうからか抑揚の無さがつまらなくてちょっと残念。

⑥ Time And A Word
イエスファンでもそれほどライヴで聴きたいとは思わないけどなぜかイエスでは時々ライヴでも取り上げられたりするイエス曲。アンダーソン本人には思い入れのある曲なんだろう。レゲエ調で、それはそれで面白い。それだけ(笑)。

⑦ Infinite Mirage
ポンティ作で、私が急いでAPBに備えて予習の為に購入して聴いた「秘なる海(原題:ENIGMATIC OCEAN)」収録のMirageという曲にアンダーソンが歌詞を付けて改題したもの。元曲がとても哀愁あるヴァイオリンのメロディが印象的で元から名曲であるが、う~ん、なんだろう、やっぱりアンダーソンが歌う以上はイエスファン目線で聴いてしまって、イエスっぽくも無いしポンティの原曲の良さが分かるだけという・・・。

⑧ Soul Eternal
前曲からメドレーになっているこの曲はAPB新曲。感想はフツウ(笑)。

⑨ Wonderous Stories
これもなぁ、アンダーソンは好きなんだろうなぁ。イエスとしては英国のシングルチャートを制覇した曲だからイエスファンへのアピールには使えると判断するんだろう。ジャジーなピアノで一味違う雰囲気が楽しめる。楽しめるというか、楽しいか? そこは人それぞれ。私はジャズも聴く人なので違和感は無い。しかしここでYour Moveの「トゥルッ、トゥルッ、トゥルッ、トゥルッ・・」を出すかぁ、好きやなぁジョンちゃん。

⑩ And You And I
そんなにイエス曲ばかりやんなくてもいいんだけど、やるならやるで期待してしまう。ところがイエスではこれから盛り上がるフレーズってところ、さぞかしポンティのヴァイオリンで綺麗に奏でてくれるのかなぁと楽しみにしていたら、その前に終わってしまったよ(苦笑)。

⑪ Renaissance Of The Sun
これもポンティ作の過去曲にアンダーソンが歌詞を乗せるパターン。ジャジーにしっとり演奏する。特に感想なし。

⑫ Roundabout
本作5曲目のイエス曲。そりゃやるわな。これもロンリーハートと同じ感想。凄腕ミュージシャンが演奏するからカチッとまとまった隙の無い演奏が逆につまらない。おそらくライヴで会場で実際に聴くともっとカッコ良く感じる気がする。

⑬ I See You Messenger
アンダーソン作でAPBとしての新曲との事だが、いやいや、ここでも「トゥルッ、トゥルッ、トゥルッ、トゥルッ・・」は登場するわ、あと他にもあからさまに「クジラに愛を」のフレーズも出てくるわで何とも・・・(笑)。自分の曲を自分で流用するのだから何の問題も無いんだけどね。

⑭ New New World
アンダーソン作のAPB新曲。いかにもアンダーソンらしい明るいメロディで、他の展開が無いからアンダーソン色全開で終わる。それだけ。

----- (Japanese Bonus Track) -----

⑮ Re-Rembering Molecules
ポンティ作の過去曲のリアレンジ。めっちゃテクニカルでアンダーソンの居場所は無い。コレはコレでカッコいい。

以上、総じて何とも言えないというか、少なくともアンダーソンとポンティが合体したことでなにかケミストリーがあったのかと言ったら、少なくとも本作だけで言うなら未だあまり感じられないかな。イエスの過去曲とポンティの過去曲にそれぞれがインプットしたリアレンジ曲が殆どで、それがメインで推すのなら物足りない気がするし。

まずはジョンアンダーソンの「ハーイ、みんな、僕、ジョンアンダーソン。僕は元気だよーー。」みたいなアンダーソンの健在ぶりを示す挨拶代わりの作品と捉えておくのが一番前向きな捉え方かなと。この内容だからこそ、次に期待したいというか、本当の意味でアンダーソン、ポンティの新曲群をバンドとして作ってくれたらどんなことになるのかなぁ、というのを楽しみにしていたいような、そんな期待が湧いてくる。

ちなみに本作はライヴ音源を元に制作されているので、付属のライヴDVDを観る方がよりAPBの本質をイメージできるかもしれない。既に始まっているアメリカツアーのセットリストは2部構成で以下のようになっている(某ライヴ音源DLサイトにUPされた2015年10月27日の音源から引用)。

Set 1

Intro
One in the Rhythm of Hope
A for Aria
Owner of a Lonely Heart
Listening With Me
Time and a Word
Infinite Mirage
Soul Eternal
Enigmatic Ocean (with drum solo)
I See You Messenger
New New World

Set 2 ( 71:17)

New Country
Never Ever
Wonderous Stories
Long Distance Runaround
Renaissance of the Sun
State of Independence
Jig
And You and I
Bass Solo
Roundabout
Re-Remembering Molecules (with Yours Is No Disgrace snippet)
Soon

2016年の来日公演が調整されているそうだが、多分実際にライヴを見た方が感動は大きい気がする。そこでファンからの前向きな反応があれば良いと思うし、その上で本格的な新曲ばかりの新作を期待したい。

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