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2015年12月13日 (日)

キング・クリムゾン 2015年来日公演 大阪初日 KING CRIMSON THE ELEMENTS OF KING CRIMSON TOUR IN JAPAN 2015 (Dec 12, 2015 @ Festival Hall OSAKA)

遂に生クリムゾンを体験しました。2014年にトリプルドラムを擁する7人編成で復活を遂げたキングクリムゾン待望の来日公演、追加公演含めて約2週間で10公演とプログレ系としては大規模なジャパンツアーは、世間の洋楽不況などどこ吹く風、堂々たる人気ぶりでプログレを愛するファンとしても嬉しい限り。1枚2000~3000円のCDは売れないのに15000円のライヴチケットはソールドアウト続出っていうのは、昨今の音楽ファンの特徴を端的に表している。生のイベント、ライヴ体験を重視してるって事だろう。それでは恒例の参戦レポいきます。

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2015年12月12日(土)、前々日までの東京4Daysについて色んなファンの方々のレポやSNS呟きを楽しく、羨ましく、そして4日間もその話題を眺めているだけのタマらない寂しさとで、結果モヤモヤした気分がようやく晴らせる日が来た。その評判もほとんどが驚異的に素晴らしいようなので私も朝から嬉し過ぎて、家を出る前なんか5~6回は所持品のチェックをしてチケットを忘れていないか確認するソワソワぶり。夕刻18時開演なのに昼の12時半には京都亀岡の自宅を出る。電車の中ではもちろんクリムゾンのライヴを聴き続ける。最近作のミニライヴ盤ライヴアットオルフェウム、95~96年ダブルトリオ期、それから一瞬だけ存在したフリップ、ブリュー、レヴィン、マステロット、ギャビンハリスンのツインドラム入り5人編成の2008年ライヴ音源等々。あまりクリムゾンばかり聴き続けるとライヴ観戦前から疲れてしまうので耳直しに先日ブログに書いた産業ロックのプロフェットを聴いたりしながらとりあえず梅田に到着。

余計なことに金かけてられないので牛丼のすき家でなんとか高菜マヨ牛丼とか言う、どんだけトッピングしてんねん的な濃厚な味の丼をチャチャっと食べる。この時点で15時30分過ぎ。せっかく梅田まで出てきたのでDU大阪店をのぞきに行きつつツイッターをチェックするとなんと先行物販が始まっているとの事。こりゃイカンとすぐにDU大阪店を出て歩いてフェスティバルホールに向かう。地下鉄で行っても良いんだがどうせ一駅だしさっき濃厚な牛丼食べたからカロリーをアレしたいしで歩くことにする。フェスティバルって実は今まで行ったこと無くて今回が初めて。ヒルトンの横から四ツ橋筋を真っ直ぐ歩いて10数分、水の都大阪ならではの堂島川の橋を渡ってすぐ、あっという間に到着。

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看板を探してイベント掲示板を写真撮る。

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ホールへ上がるクリムゾン(真紅)な階段を上がって開場前の先行物販へ突撃。今回はパンフとTシャツ1枚と決めていて、Tシャツ買うのに戦慄TにするかレッドTにするか迷ったけどやっぱりレッドが好きなのでレッドTを選ぶ。そこで徳島のK社長とT女史と遭遇。K社長から徳島の手土産を頂き恐縮。いつも申し訳なくも有難い。開場、開演まで時間があるのでK社長とT女史と拙の3人で地下のカフェへ。徳島にもプログレ好きが結構いらっしゃるようで話が弾む。やはりネットの力は大きい。ネットで知り合えてそして実際にお会いできて友達になれてとてもイイことである。私もここんところ求職活動に疲れて忘れかけていたが、関西で何か仲間内が集まれるイベントやりたいねって話になり、そう言えば関西版のジョンウェットンファンイベントやりたかったんだなぁと思い出す。何とか一日も早く身分を落ち着けてK社長やT女史のお力を賜りながらイベント企画をしたい。

開場時間も過ぎたのでそろそろ行きましょかと、カフェを出て入場。気合十分のスタッフの方々が厳重に撮影禁止のチェックをされている。おいそれとスマホも弄れないけど開演直前までミクシィで呟いて遊ぶ(笑)。

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そして定刻18時をちょっと過ぎてメンバー入場。さぁいよいよ。以下は当日セットリストに沿って自分なりのレポです。

(2015/12/22 修正追記 : 以下セットリストにつきましてThe LettersとEasy Moneyとの順番の記憶が定かではなく、当初はネット上の情報を引用して、Easy Moneyの次がThe Lettersと記載しておりました。この点につきまして私の友人のマイミク某iさんが、KCの某メンバーが使用した12/12大阪初日のセットリスト用紙を幸運にも入手され、それを見せて頂いたところ、The Lettersが先で、その次にEasy Moneyの順番であったことを確認しました。従いまして当ブログの以下のセットリストの順番も修正しました。)

Peace - An End
オープニングはジャッコがギターをポロンポロン引きながら静かに歌う。アレレッ、なんかミスったかな? 一瞬下向いてもう一回歌い直したぞ。

Larks’ Tongues In Aspic Part I
そして今回のライヴで一番生で聴きたかったコレ、戦慄パート1。君が代入り。東京4Daysでは日によってセット落ちしてたみたいなので不安だったけど無事にオープニングでやってくれる。もうこの時点で軽く目に涙が浮かぶ、超嬉しい。トリプルドラムは完全に機能している。このような曲こそトリプルドラムが必要だったのかも知れない。なんとなくだけど現行ドラマー3人の長男格のパットマステロットが昔のジェイミーミューアのような存在感かな。そして何より懐メロ感が無い。後で帰りの電車の中でも思い出してたんだけど、これはもうたまたま作曲して発表されたのが72年ツアーだったというだけのことで、実は未だに尖鋭的であるという事だと思う。ロックとしては進み過ぎたこの曲がやっぱり今でも尖鋭感を保ってることに驚く。この点は後でもう一回触れる。

Pictures Of A City
ポセイドン収録の、21世紀~の双子曲とも言われるメルコリンズ大活躍の曲。これも現代に現役感たっぷりに蘇ると、昔の曲だけどレトロ感まるで無し。とにかくカッコいい。

Epitaph
今回のツアーでは宮殿曲をやるぞと宣言していたがついに日本でもやってくれたエピタフ。クリムゾンの3大メロトロン曲(エピタフ、宮殿、ポセイドン)の一発目。素晴らしい。ドラムのビルリーフリンが鍵盤でメロトロンの音を奏でる。昔のメロトロン特有のちょっとしたザラツキ感も表現されていて素晴らしい。それからジャッコのヴォーカルは十分合格。曲のイメージをしっかり守れている。

Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind)
Meltdown
Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind II)

今回の新編成7人クリムゾンの新曲。3曲に分かれてるようだけど、この3曲で一つの組曲のような感じか。この次にレヴェル5をやったから余計にそう感じたかも知れないがインスト部はレヴェル5に似たダブルデュオ期のヌォーヴォメタルな感じ。間に歌モノを挟んでいる。まだ自分の耳が馴染んで無いのだけど、今後新作を制作してくれるならきっと作品の核となる名曲に仕上げてくれそうな気がする。

Level Five
これはもういう事なしのカッコ良さ。ヌォーヴォメタルを志したヘヴィなサウンドは尊師ロバートフリップにとって2000年以降のクリムゾンのイメージを体現した名曲としてのこだわりがあるんだと思う。だからこそ今ツアーではレギュラーの扱いなんだろう。

The Letters
この曲は個人的には実はスタジオ盤ではあまり聴いてなくて、これはヴォーカルのジャッコには申し訳ない・・・、69年オリジナルクリムゾンのツアーで既に演奏されていたレターズの原曲ドロップインでグレッグレイクが歌うヴァージョンに脳内変換されてしまった・・・。

Easy Money
ジョンウェットン大先生のソロライヴでは聴き飽きたイージーマネーも尊師のクリムゾンが演奏するとなれば気分的に別物として響く。演奏中は決して先生の顔は思い浮かびませんでしたよ。完全に新鮮なものとして感じたところが自分でも不思議。

The ConstruKction of Light
これもダブルデュオ期だったな確か。個人的には思い入れが無いんだが現行クリムゾンでもレギュラー曲として取り上げてるってことは尊師の思い入れがあるのだろう。

Red
やってくれましたレッド。今回の東京4Daysでも皆さんの呟き見てるとレッドをやったのかやらなかったのかが結構話題になっていた。結構いつの時期でもライヴのレパートリーに入っていたしディシプリン期でさえ演奏されていたからやってくれなきゃ困るっていう、聴く側の期待もあったりする。東京ではやらなかった日が多かったみたいなので、私の参戦した日にやってくれて、その個人的プレミア感で大歓喜(笑)。私個人的には前回で最後となったTaaさん主催のジョンウェットンセッションでベースでエントリーしようかなと思って練習をし始めていた曲だったので、トニーレヴィンのベースプレイに注目するつもりだったんだが、なぜかふと気づくとフロントのトリプルドラムばかり見てしまってトニーのベースプレイを見逃してしまった・・・。トリプルドラムの絡みを必死で確認するのに視力が疲れてしまったわ。レッドのヘヴィなカッコよさは失わないままで、トリプルドラムのドラミングがこれまでとは異なるリズムの取り方で、2015年に再び取り上げる意味を何か追及しているようにも思えた。

Hell Hounds of Krim
これは新曲と言っていいのかな? トリプルドラムのソロと言うかドラム3人のドラムバトル。この曲がという事ではないが今回のトリプルドラム、印象としてはギャビンハリスンがメインの気持ちイイフレーズを叩きまくり、ビルリーフリンがそれに続き、そしてパットマステロットはジェイミーミューア的に各種パーカッションに力入れながら実は後輩2人を見守りリードしている感じがする。今後さらに何らかの発展があるのかに注目したい。

21st Century Schizoid Man
そしていきなり21世紀。てっきりアンコールラストでやると勝手に思い込んでいたからビックリ。ダブルトリオの時もツアーの最後の方では演奏していたけど、やはりサックス入りは音の厚みが違う。ここでもドラムの一番わかりやすいフレーズはギャビンハリスンの担当だった気がする。大歓声で演奏終了。これでアンコール前のセットのラストかと誰もが思っただろうし私もそう思った。気の早い方はスタンディングオベーションを開始されていたが(笑)、何の事は無い、続いてあの悲しげなメロトロンフレーズが始まったではないか・・・・。

Starless
これがアンコール前のセットのラスト。これもジョンウェットン大先生のソロライブやU.K.でもたくさん観ることが出来たが、それを2015年に尊師が思い入れを込めてやるとは思わなかった。暗い美しさと激しいフレーズ、ここでもメルコリンズのサックスの存在感が非常に有効。これらのクリムゾンクラシックスを演奏するのにサックスは必須である。呆然と見とれている間に完奏。

本当に素晴らしいライヴ、これでアンコールは何やるんだろうとドキドキしながらも今度こそスタンディングオベーションで大歓声。そしてトニーレヴィンがカメラを取り出したところで我々観客も撮影OK。

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ステージがクリムゾン(真紅)な照明のままだから何か撮れた写真はイマイチ。そしてアンコール、あと何があったっけ、戦慄2と宮殿だなと勝手に想像する。両方やってくれるのか片方だけで終わるのか・・・・。

----- encore -----

The Talking Drum
大歓声に迎えられてアンコール。最初は何を演奏してるのか分からなかった(笑)が、途中からトニーレヴィンのベースプレイに着目してトーキングドラムだなと認識する。やった、じゃあこのまま戦慄2に雪崩れ込み決定だなと。それにしてもこの曲もトリプルドラムの役割分担と言うよりコンビネーションが複雑で、それが新鮮さをも生み出しているという効果。これは尊師の狙いだったのかも。

Larks’ Tongues In Aspic Part II
そしてキィーーーって気持ち悪い音色から重たいギターリフ。この戦慄2のカッコ良さはいつの時代も不変である。もうここでも私は茫然自失、素晴らし過ぎて言葉も出ないし息も止まってたかもしれない。さすがにこれで終わったかなぁと思ったら・・・。

The Court of the Crimson King
更にこれがアンコールラスト、宮殿だ。初期クリムゾンを象徴するメロトロンサウンド、もうなんか満足感と言うか満腹感でいう事なしの大団円。

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以上、セットリスト的には私が聴きたい曲は漏れなく演奏されて大満足。最低でも21世紀、宮殿、戦慄1&2、スターレス、レッドは観たいと思っていて、もしこのうち一曲でもセットに入ってないようだったら翌13日の大阪も当日券で行こうかと内心覚悟を決めていたが全部やってくれた。アタマの東京4Daysと大阪初日まででは一番美味しいセットリストになったのでもう腹一杯。トリプルドラムは恐らく機能していたと思う。恐らくっていうのはドラマー3人のドラミングを目で追うのが大変で正直追い切れなかったってのがあって。ジャッコのヴォーカルは、それはやっぱりグレッグレイクやジョンウェットンと比べるのは可哀想ってもの。十分に代役はこなせていただろう。メルコリンズの管楽器はやはりサウンド面で欠かせない重要なピースとなっていた。全体として、緊張感と重厚感と現役感と尖鋭感で疲れたくらいだったので私の参戦はこの一日だけで十分満足だった。

さて、今回の7人編成の復活クリムゾンのツアーで、演奏される曲がこれまでの尊師からは考えられないほどの、ファン目線からしたら大サービスの大盤振る舞いで、逆にその点をネガティブに捉えたい方もいらっしゃったようだ。懐メロツアーとか、昔の曲で金儲けとか・・・。ま、言論の自由だから言いたい人はなんとでも言えばいいと思う。ただ、70年代のバンドが2015年に70年代の曲を演奏してツアーすることが何か悪いことであるかのように言うのはおそらくやめた方がイイ。例えばクリムゾン的サウンドを精緻に模倣したサウンドが魅力のアネクドテンや、23年も前のアルバムのセルフカバー完全再現を売りに来日公演を行ったアングラガルドはじゃぁどうなんだって話になってしまう。誤解の無いように言っておくが私はアネクドテンもアングラガルドもクリムゾンも好きである。もし「プログレと言うジャンル」の繁栄を望むのなら、まずは「プログレと言うジャンル」の器と言うかパイを広げることを考えるべきだと思うし、その観点から今回のクリムゾンのジャパンツアー大盛況は大いに喜ぶべきことであると思う。全てのジャンルはマニアが潰す。排他的原理主義はジャンルの拡がりや発展を阻害しかねない。好きなジャンルだからこそジャンルのパイが広がることを容認して喜ぶべきじゃないかと。

トドメで言わせて頂くと、今回のクリムゾン、全然退化も後退もしていない。むしろ未だに戦慄1の尖鋭感があるのは恐るべきことである。曲が新しい古いではない。トリプルドラムにも何らかの意思が込められていると推測するが昔作った曲でもそれを進化させるのはまさにプログレそのものではないか。だから私も今回の参戦で全然リラックスした懐メロを楽しむ感覚が無かった。むしろ終演後はいい意味で疲れた。ロックのコンサートでねじ伏せられた感覚になったのは初めてかも知れない。それくらいに凄かったことをこのブログを使って強調させて頂きたいと思うし、手前味噌ながら共感していただける方も多いと思う。

・・・・・あまり堅いことを言うとjoshoらしくないという話もあるので(笑)、最後は物販で買ったブツを載せておこう。まずはパンフ2500円。

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7か条はあまり意味が分からない(笑)。
それからTシャツ。レッドメーターのデザインがカッコいい。Tシャツ背中は2015年の欧州、カナダ、ジャパンツアーの日程が全てプリントされている。

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大阪初日のチケットは一つ目バージョンでした(笑)。

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今年の私のライヴ参戦はコレで終わり。年末に最高峰のライヴを堪能出来て良かったです。また来年も素晴らしいライヴに出会えますように。

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