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2018年4月30日 (月)

キノ 「レディオ・ヴォルテール」(KINO "RADIO VOLTAIRE")

久しぶりに世間様の休日が自分の公休に当たり、気分がイイ。土日祝日の勤務は忙しいのが目に見えているから今日出勤の職場のお仲間は大変だろうなと思いつつ、午前は久しぶりにウォーキングで軽く汗をかいて気分爽快。でもこの後GWは5/3だけが公休で後はぜ~んぶ出勤という楽しくも何ともない1週間となる。その代わり5月はワガママに有休申請をして、オレは週末出勤ばかり当たってんだぜと、それとなく職場のエライ人に宣伝しまくってしっかり有給休暇の許可を頂いた。キャメルのクラヴチッタの遠征と、スポックスビアード奥本亮さんの大阪ライヴにバッチリ参戦予定という楽しみな5月である。ライヴに行くのも昨年9月のペンドラゴン以来で随分間が空いたなと。

さて、いよいよ13年振り待望の新作を発表したKINOを取り上げる。正直、う~ん、イマイチ、っていう第一印象からなんだかんだでもう5周くらい聴いて、いま6週目を聴きながらブログを書こうとしている。

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13年前の1st、PICTURE(ピクチャー)がとてもお気に入りで、この10年くらい飽きずに聴き続けているという個人的には超名盤であった。10年も飽きずに聴き続けられるってのは、35年以上飽きずに聴き続けている我らがエイジアのアルファと私の中では同等レベルと言える。13年前のデビュー時点でのメンバーは以下の4人であった。

JOHN MITCHELL (G, Lead Vo)
JOHN BECK (Kbd, Vo)
PETE TREWAVAS (B, Vo)
CHRIS MAITLAND (Dr)

当時で言えばトランスアトランティックが表のプログレスーパーグループで、KINOは裏のプログレスーパーグループと言えようか。アリーナのギタリスト、ジョンミッチェル、イットバイツの鍵盤ジョンベック、マリリオンのベーシスト、ピートトレワヴァス、ポーキュパイントゥリーのドラマー、クリスメイトランドと、地味めの職人たちが結成したスーパーグループ、そんなイメージであった。ライヴ活動をするにあたってドラムがイットバイツのボブダルトンに交代し、4分の2が元イットバイツとなったところからジョンミッチェルをフロントマンに据えた再編イットバイツに繋がって行ったことはファンなら周知の事実である。もちろんジョンウェットン大先生のファンであれば、ジョンウェットンのソロライヴのバンドメンバーとしてジョンミッチェルとジョンベックは重要なポジションを占めていたから、JW関連としても意識せずにはいられない。そのKINOの1stがあまりにも素晴らし過ぎた。メロディアス、プログレ、ハード、シンフォニック等々の要素が本当にバランスよく融合された作品で、その表現する言葉を更に熟考して探しているうちにブログで取り上げるタイミングを逸してしまった。そうこうしてるうちにまさかの今回13年振り2ndが出たもんだから、とりあえず2ndのレディオヴォルテールの各曲簡単レビューを行ってみる。今回のメンバーは、

JOHN MITCHELL (G, Lead Vo)
PETE TREWAVAS (B, Vo)
CRAIG BLUNDELL (Dr)
--- special guest ---
JOHN BECK (Kbd)

という編成。ドラムは今回はスティーヴンウィルソンのバンドで有名なクレイグブランデル。ペンドラゴンでも一時期ドラム叩いていた。フィルランゾンのソロアルバムの一部の曲でもジョンミッチェルと共に参加していたとか、そういうこと言い出すと某ユーライアヒープ宣伝部長が大騒ぎして面倒なのでそこはスルー(笑)。あ、一言だけ言っておこうか? フィルランゾンのソロアルバムを聴いた私の印象は一言、

「その感じはニールモーズで散々聴いたわ!」

以上(笑)。話が脱線したので戻すと、今回はジョンベックの一部参加、というか不参加がとても気になっていたけど、その心配は当たってしまった・・・。

① Radio Voltaire
オープニングナンバーは約7分の、伸びやかなギターと優しい歌メロが印象的な佳曲。非常に爽やかで、ギターソロの雄大さはまるでニールショーンの1stソロアルバムで聴けたそれの様。音質もジョンミッチェル印のマイルドで耳に優しくて、でも各楽器が分離良く聴こえる、私の好きな音質。KINOらしいかどうかは別にしてコレはお気に入りの曲である。

② The Dead Club
ヘヴィなリフとエキセントリックなメロディが印象的。特に個人的に好きな曲ではないけどアルバムに1曲くらいはあってもイイ。

③ Idlewild
静謐なピアノで始まり歌メロもとても綺麗なバラード。メロディが本当に味わい深くて、もしこの曲をジョンウェットンが歌ったら似合うだろうなぁとか、そんな風に妄想してしまった。本当に美しいメロディで、しばらく頭から離れない。仕事中も頭の中でメロディが流れ続けたくらいメロディが綺麗で、これは名曲だと思う。KINOらしいかどうかは別にして。

④ I Don't Know Why
上3曲はジョンミッチェルの曲だったけど、この曲はピートトレワヴァスのペンによる曲。最初パッと聴いて感じる印象はビートルズ的だなってところなんだけど、なぜか繰り返し聴きたくなる。歌メロがとても凝っていて、サビの部分の凝ったメロディがこれまた非常に印象的に脳内に残る。KINOらしいかどうかは別にして、とても気に入った。

・・・と、ココまでの4曲、それぞれにタイプが違っていて、KINOらしいかどうかは別にして、良質のメロディと、メロディを引き立たせるアレンジが印象に残る素晴らしい曲と、曲の並びだったんだけど・・・・。

⑤ I Won't Break So Easily Any More
疾走感のあるアップテンポな曲。悪くは無い。

⑥ Temple Tudor
ほぼ全編アコースティックギターとヴォーカルによるシンプルな優しいメロディの曲。悪くは無い。

⑦ Out Of Time
この曲も④と同様ピートトレワヴァスのペンによる曲。悪くは無いけど歌メロに耳を惹くものが無い。途中のインストセクションも地味。

⑧ Warmth Of The Sun
2分足らずの、ピアノとヴォーカルによる弾き語り風の曲。何かアルバム中のインタールード的な役割なのかな?

⑨ Grey Shapes On Concrete Fields
疾走する哀メロ風のサビが印象に残る。今作の中で肝となる曲の位置づけなのかも知れないけど私の中で深い感動には至らない。悪く無いし私の好き嫌いの問題でしかないんだけど、何が足りないんだろう?

⑩ Keep The Faith
ミディアムテンポの哀メロバラード。途中のインストセクションの盛り上げが一瞬オッ、と思わせるんだけど、うーん、もうひと捻りというか盛り上げが欲しかったかな。

⑪ The Silent Fighter Pilot
本編ラスト曲もピアノとヴォーカルの静かなメロディから始まる。途中からインストセクションで盛り上げにかかるんだけど、なんだろう、これまた深い感動に至らない・・・。

以上、本編11曲、ボーナストラック4曲はここでは割愛。
4曲目までは気分良く聴けるんだけど、5曲目からは上記ご覧の通り、悪くは無いんだけど深い感動に至らない。これ、ジョンベックが本格的に演奏に加わっていたら、ジョンベックがアレンジで才能を発揮していたらもっと素晴らしかったかも・・・、って感じてしまうところが個人的な感覚でジョンベックの不在感を増幅させてしまう。いや、繰り返しになるけど悪くは無い。悪くは無いんだよ。むしろイイ作品なんだと思う。ただ、KINO名義だとどうなんだ? となってしまう。これがジョンミッチェルのソロプロジェクトなら、ロンリーロボットの1st2ndに続く3作目なんだとしたら全然OK、今回も安定のクォリティの高さ、って平然と言えてしまう。ロンリーロボットはジョンミッチェルのソロプロジェクトと分かっているから、あれでKINOと再編イットバイツの主力であるジョンミッチェルによる高品質のプログレポップ作品と言えてしまう。しかし今回はKINO名義にしてしまっているから、1stの続きを作れとは言わないけど、ジョンミッチェルのソロプロジェクトとは違うところを明確に聴かせて欲しかったなぁと思ってしまうのだ。

ホント個人的なアレで申し訳ないんだけど、私の中では、

KINOの1st > 再編イットバイツ

ってくらいKINOの1stが大好きで、ちょっと今回は期待値が高すぎた。ロンリーロボットと何が違うんだ?って。いやロンリーロボットには無いタイプの曲は確かにあるんだけど、ここにジョンミッチェルとジョンベック、二人のジョンのケミストリーなるものが無いことが感じられてどうしても第一印象がイマイチ、となってしまう。まぁジョンベックのスケジュールが取れれば、それはもうイットバイツとしての活動になってしまうんだろうけど。

なお、今回も国内盤の発売を待って購入したんだけど、国内盤のライナーが、KINO結成の経緯をかなり詳細に書いてくれていて、当初ヴォーカルには誰の名前が挙がっていたとかドラマーは誰の予定だったとか、へぇ~そうなんだ的なウラ話が満載でなかなか楽しめた。

というワケで言うだけ言ってアレだけど、今年上半期で一番の楽しみだったKINOの2ndは、KINOらしいかどうかは別にして、悪くは無いよ、という事で(笑)。

追伸:「Wetton Mania 2」参加者の皆様へ
6/16の「Wetton Mania 3」開催に向けて、再び企画会みたいなの?を5/2(水)夜に心斎橋のスターレスで行います。もしよろしければ参集可能な方がいらっしゃいましたらお待ちしております。

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2018年4月24日 (火)

ザ・フー 「ライヴ・アット・フィルモア・イースト 1968」(THE WHO "LIVE AT THE FILLMORE EAST 1968")

はい、またもや10日以上のご無沙汰。ネタが無かったワケでは無いけどどう書くか考える暇が無くて。先月からオーダーして到着を待ちわびた品々が到着し始めた。田舎在住なのでCDの購入はどうしてもネット通販でのオーダーが中心になる。ちょっとでもお得に購入しようとすると、タワレコオンラインでポイント何倍とか、そういうタイミングを狙って遅れてオーダーするのでどうしても到着も遅れる。今日までに近所のコンビニにWHOのフィルモアイーストとKINOの新譜国内盤が到着していた。今日は公休で、日曜から月曜にかけての泊まり勤務で疲労困憊だったのに今朝はさっさと早起き。そしたらきっちりオカンからスーパーでの買い出し指令があり、ついでだから丁度良かったとスーパー買い出しからのコンビニでCD受け取り。今日は雨模様でウォーキングも出来ないので更にそのまま車でコメダに直行。スタバやタリーズに比べて明らかに割高感があるんだけど、コメダチケットを駆使すれば少しはお得感もあるし、何よりもあの店内でのリラックス感は考え事をするのにもってこいである。

さて、帰宅して午後はまずはWHOのフィルモアイーストを聴く。KINOも楽しみなんだけど、KINOを記事にするのはじっくり聴いてからにするのでWHOから。

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拙ブログでWHOを取り上げるの10年ぶりくらいかな。ってかそんなに長くやってんだこのブログ。もともとプログレに囚われずブリティッシュロック全般に造詣を深めようとしていた時期があったので、WHOも主な代表作は若い頃からCDで揃えていた。しかし何と言ってもライヴ盤のライヴアットリーズが素晴らし過ぎた。ここ何年かはWHOは聴いてなかったんだけど今回68年のライヴが公式発売されるとあって、久しぶりにWHOへの興味が再燃してきた。ツェッペリンにも言えることだけど、WHOにしてもライヴでこそバンド本来の凄みを味わうことが出来る。単なるロックンロールやビートポップ的な楽曲が、ライヴになるとそれこそ怒涛の、嵐のような、爆音サウンドになってその迫力にこちらは平伏すしかない、そんな感じである。

これまたツェッペリンにも言えることなんだけども、WHOのこの強力極まりないサウンド、その肝となっているのは手数の多いキースムーンのドラムと、そして歪ませた攻撃的なジョンエントウィッスルのベースである。ドラムとベースが生み出す強力なグルーヴは唯一無二である。って、ツェッペリンでも同じこと言ってたかなオレ(笑)。私のようなイエスのファン目線で聴いても楽しめる。明らかにクリススクワイアに影響を与えたに違いないジョンエントウィッスルのベースプレイは、そこだけ注目して聴いても楽しめる。1968年と言えばまだビートルズが存在していた時代であり、その時点でこのド迫力ライヴを各地で繰り広げていたことは、バンドの持つエネルギーがハンパなかったことを物語る。そりゃクリススクワイアも気にするわな。この時代だと例えばクリームであったりジミヘンドリックスにしてもその発散されるエネルギーが凄い。ここら辺を聴かないとブリティッシュロックなるものに言及するのは失礼にあたると思う。あまりブログでは取り上げてなかったけど結構聴くのですよこのあたりのバンドは。

本作でもリラックスやマイジェネレーションでのインストプレイは凄まじい。マイジェネレーションなんて30分超え。本作CD2枚組の2枚目はマイジェネレーションだけだし。ただのビートポップ的な曲でここまで凄まじいエネルギーを、それも30分超えで放出して見せるとは。凄いライヴ盤なので聴くと疲れる。なので個人的に毎日は聴けない。しかしこの凄さに久しぶりに触れてしまうとアレだな、スルーしていたライヴアットハルも聴かないといけないかな。っていうか実際のライヴを観てみたい気もするけど、既にキースムーンもジョンエントウィッスルのこの世にいない。だからこその伝説のライヴと言えるのかも知れないけど。

ブリティッシュロックを云々って言うならまずはこれを聴け!って言える価値のあるライヴ盤だと思う。

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2018年4月13日 (金)

スティーヴン・ウィルソン 「トゥ・ザ・ボーン」(STEVEN WILSON "TO THE BONE")

いかん、デュークスオブジオリエント、聴き過ぎて飽きてしもた(汗笑)。耳に残るキャッチーなメロディやアレンジがあって、一聴して気に入ってしまうとコレがあるから良くない。飽きる音楽と飽きない音楽、何が違うのだろう・・・。とりあえず自分が感じた素晴らしさを温存するためにデュークスオブジオリエントはしばらく聴かないようにする。

昨日は泊まり勤務明けで、昼にクリエイティブマンから3A会員宛へのスティーヴンウィルソンの来日決定メールに狂喜歓喜乱舞し、でも職場であまり寝れない慌ただしい業務だったもんだから午後から死んだように寝てしまった。途中トイレに行きたくなって2、3回起きたけどその後そのまま寝続けて、ちゃんと起きたのは今朝7時。つごう15時間も寝てしまったぜ。前にも言ったけどアラフィフでこの生活は良くない。泊まり勤務でどうしても週の半分は昼夜逆転の生活になってしまうし、体内時計みたいなのがホントにあるのなら、私の体内時計は狂いっぱなしなのだろう。気持ちで持ち堪えて日々の仕事や生活や地域の所用を頑張ってるけど、やっぱり2~3ヶ月に一回は様々な用事を後回しにしてでもこうして死んだように寝ないと身体と気持ちが持たない。おかげで今日は非常に頭スッキリ、体調がイイ。また、苦しみ続けた花粉症も随分楽になってきた。関東と関西ではスギ花粉の飛散ピークや終息時期が違うようで、川崎横浜にいた頃は毎年GWくらいまで辛くて機嫌も悪かったけど、こちらに帰ってきてからは4月中旬には楽になるし。今日は公休なんだけど、この際は休日恒例のウォーキングも休止して、一日中好きな音楽を聴きながら静養に充てることにした。

さて、クリエイティブマン3A会員のチケット申し込み開始と同時に、スティーヴンウィルソンのチケットをお仲間の分と一緒に申し込みを完了。抽選結果を待つのみだが、英国ほどは人気の無い日本なので、まぁハズレは無いだろう。今回も例によって東京のみだけど、今回ばかりは何を差し置いてでも東京まで遠征する。こないだのハケットすら大阪が無いからと見送ったのに。それくらい待望だったのだ。そして何よりもそのチケット代の安さに驚く。8500円って、キングクリムゾンの半分以下やないか。今や英国ではクリムゾンとスティーヴンウィルソンは同格、いやもしかしたら格上かも知れないのにコレはどうした事かと。8500円を激安と感じてしまう私の感性もどうかしてしまっているが。

面白いよね日本って。日本独自の「洋楽」ジャンルが存在するのだろう。日本独自の「洋楽」という概念というか評価基準の中で多分スティーヴンウィルソンは位置付けし難いんだと思う。でもこのカテゴライズし難さが、私には貴重に思える今日この頃な気分なのだ。スティーヴンウィルソンの新作トゥザボーンを、満腔の期待で迎えた2017年夏だったはずなんだけど、そう言えば改めて自分のブログを見返してみたら、この作品を取り上げてもいなかった。忙しさにかまけてたのもあるけど、違う理由も思いつく。来日決定のタイミングで改めて取り上げてみたい。

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個人的にはアランパーソンズにプロデュースを委ねてスタイルとしてのプログレに真正面から向き合った「レイヴンは歌わない」からマジメに聴き始め、90年代以降のロックの熱さや暖かみ、アンビエント感も加えた「ハンド・キャンノット・イレース」をとても気に入り、「4 1/2」で今作への期待を増幅し、来日を切望していたものである。本作はセーソク先生風に言うならば、プログレもしっかり消化しつつ音楽性をイイ意味で拡散する方向へ舵を切った清々しさがある。発売前よりスティーヴンウィルソン自らが、ピーターゲイブリエルのSOやケイトブッシュ、ティアーズフォーティアーズからのインスパイアを公言し、XTCのアンディパートリッジ作詞によるタイトル曲がオープニングを飾る本作は、80年代にプログレを消化して生み出されたポップ、ロックを、これまたプログレを飲みこんだスティーヴンウィルソンがさらに消化した、そういう作品であり、そこら辺に違和感や苦手意識の無い人ならばとても楽しめる作品となっている。

私が思うに、彼を楽しむうえで若干邪魔になっているのが、これまた日本独自の「洋楽」というジャンルの中で、「新世代英国プログレの旗手」みたいな言い方をしている方がいること、これが面倒というか邪魔をしている気がする。じゃぁプログレそのものなのかというと、面倒臭い70年代プログレにこだわるプログレ村の住人からするとそうでもないんだろうし、中にはあからさまに、なんでこのミュージシャンが70年代プログレバンドと同等の評価を受けてるワケ?ってムキになってネットやSNSでdisってるプログレオタな人もいる(そう言うのを目にするのがこちらも面倒なので、私はプログレコミュには入らない、苦笑)。いいじゃない、プログレ要素も消化してるし80年代ポップも消化した上で、その全てを自分のやりたい音楽を表現するツールとして使っている、スティーヴンウィルソンっていうジャンルのミュージシャンってことで(笑)。

それで、なぜか今まで本作を拙ブログで取り上げてなかったワケは、いろいろ忙しかったからってのと、あと、パッと聴いて気に入ったんだけども、それをパッと表現する言葉が浮かばなかったから、そんなところである。デュークスオブジオリエントはパッと聴いて気に入った。褒め言葉もすぐに浮かんだ。でもスティーヴンウィルソンの作品はいつも、気に入るんだけど、褒め言葉が上手く浮かばないのだ。この人多分プログレ好きなんだろうなぁって思うんだけど、それをツールとしてサラッと使ってる。この人90年代ブリットロックが好きなんだろうなぁって感じたけど、それもツール。そして今回80年代のちょっと凝ったポップロック、これも自分を表現するツールとして使ったのだ。だからカテゴライズ好きな日本ではカテゴライズし難い。自然とメディアで取り上げにくい。だから一般に評価が拡がらない。英国ではロイヤルアルバートホールを満員にしてみせる集客力があるのに、簡単に来日公演を企画できる呼び屋がいない。そんな感じだったのではないだろうか。一聴して気に入る音楽は毎日聴きたいけど、毎日聴くと飽きる。しかしスティーヴンウィルソンは一聴して気に入るけど、毎日聴くには頭が疲れる。その魅力は簡単に表現できないからよく考えて聴かないといけない。ついつい後回しになってブログに取り上げる機会を逸していた。でも逆に、すぐには飽きない。飽きない傑作、それが私のスティーヴンウィルソンの作品に対する結論である。

11月の来日公演まであと半年以上もある。バンドメンバーは今回も英国ロック界の実力者ばかり。エイジアとかウェットンファン的にはマルコミンネマンやガスリーゴーヴァンもいた2013~14年頃のバンド編成も魅力だったけど、2018年のバンドメンバーもベースには独特のオーラ全開のニックベッグスがいるし、鍵盤のアダムホルツマン、ドラムのクレイグブランデルと、ペンドラゴンやKINO、フロストもストライクな私には魅力あるメンバーばかりである。これから半年間、本作含めてスティーヴンウィルソンの近作をじっくり聴きながら、それはそれは楽しみに来日公演を迎えたい。

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2018年4月 7日 (土)

YES "FLY FROM HERE - RETURN TRIP"

あの、先に言っておくけど私は今回のハケット来日公演は行ってませんので(笑)。私のブログで参戦レポはありませんので悪しからず。今回はクラブチッタ川崎のみという事で、大阪も無いので早々に断念。行かない理由を100個くらい思いついたので、もう悔しくも何ともありませんし(苦笑)。2013年の全曲ジェネシスの来日公演と、2016年の半分ジェネシス半分ソロ代表曲+新作曲の来日公演、その2回でもうハケットは堪能し尽くしたから。

今回は先ごろPledgeMusic通販の形で発売開始されたイエスのフライフロムヒアの、トレヴァーホーンによるリードヴォーカル差替え版、"FLY FROM HERE - RETURN TRIP"を取り上げる。えっと、もうPledgeでオーダーした方にもディスパッチが始まってるのかな? 分かんないけど私の方は、3月下旬に渡英してイエスの50周年ロンドン公演&ファンコンヴェンションに参加された方に直接現地の物販で買って来てもらった。まず初めにその御礼をしなきゃいけない。いつも良くして頂いて本当に感謝しています。ありがとうございます。なんちゅうか、こんな時、ブログやってて良かったなぁと思う。拙ブログを通じてお仲間になって頂いた個性豊かで、かつ礼節もわきまえた良い人たちに巡り合えたことはホントに幸運で光栄である。

それでは作品に触れて行こう。

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パッケージはブック型のデジパック。このパッケージ、個人的には好き。ロジャーディーンのジャケは2011年版のフライフロムヒアと同じジャケだと思っていたけどちょっと違う。そしてブックレット内側はもうすっかりベノワデヴィッドの痕跡が消されているというね(苦笑)。

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それで、渡英して買ってきてくれた「世界で一番最初に手にした」方がロジャーディーンに突撃して、サイン貰ってきてくれた。ありがたい。

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さて、収録曲は2011年版の曲目にプラス1曲、ハウ爺のペンによる未発表曲が加えられている。

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既に本作の全編を数回聴き終わっているのだけれど、飽きるほど聴いたフライフロムヒアが、全く新鮮な感覚で聴ける。ベノワデヴィッドのヴォーカルを全てトレヴァーホーンのヴォーカルに差し替えただけでなく、またリマスターじゃなくてリミックスだから音の質感や、もっと言えばアレンジそのものが違う部分まで散見されて、そういう意味では何度でも聴き返して、その違いを楽しめる。歌詞が違っていたり、また演奏そのものもブックレット内のハウ爺のコメントにあるように、ハウ爺とジェフダウンズが新たに演奏を加えていたりする。曲ごとにこの部分が・・・、って言い出せばキリが無い。キリが無いくらいに全編で新しくなっている、そんな感じ。

ヴォーカルにに関しては、まぁ正直に言ってベノワデヴィッドの方が上手かなという気がしないでもないが、そこはやはり、本作は何と言ってもこれでホーン、ダウンズ、ハウ、スクワイア、ホワイトという、純粋なドラマラインナップとなったワケで、その強迫感から自然とそういう意識で聴くことになるので、イエスファンとしては今回の方が何か本物感を感じざるを得ない。2011年版をプロデュースしたトレヴァーホーンが改めてプロデュースし直して上塗りしたのは当然意図があってやってるんだろうから、そりゃ後出しジャンケンの方が強いに決まってる。ベノワデヴィッドには気の毒だけど。

曲に関して、2011年版の時に触れてなくて、その後聴けば聴くほど感じていたことを改めて記す。それはクリススクワイアのペンによるThe Man You Always Wanted Me to Be。当時から凡庸ながら暖かみを感じるイイ曲だなぁと思っていて、曲ごとに聴いた回数で言えばWe Can Flyの次くらいによく聴いていた。この曲は歌メロが優しくていいんだけれども、よくよく聴くとハウ爺のギターメロディの絡ませ方が絶品だと思うのである。特に2回目のサビに当たる2分45秒からの、歌メロの合間に入れるハウ爺のギターメロディ、これは歌メロの良さをさらに際立たせる、地味ながら最高の仕事をしている気がする。そう、ハウ爺は自分のペンの曲じゃなくても、こういう風に曲全体を考えてギターで彩りを加えて行く、その才能がもの凄くあるんだと思う。それはエイジアのアルファにも言えることではないかと。エイジアのアルファは、当時のハウ爺のインタビューで、このアルバムはギターアルバム・・・と言っていて、当時はエッ??って思ったけど、よくよく聴くとホントにギターが曲そのものやウェットンの歌メロを邪魔せずに引き立てているのが分かるようになった。その仕事ぶりを本作のThe Man You Always Wanted Me to Beでも感じるのだ。派手なリードギターやギターソロプレイでは無い部分でのハウ爺の仕事ぶりは素晴らしい。

次に今回初登場となった、2011年時点でセッションされていながら収録されなかった、ハウ爺作のDon't Take No For An Answerについて。いかにもハウ爺らしいアコギで始まるフォーキーな地味な曲で、歌メロも素朴で地味にイイ曲なんだけど、これもドラマラインナップが演奏してトレヴァーホーンがプロデュースすることで、シンセなんか結構派手に色づけされていて面白い。ハウ爺自らのリードヴォーカルはイエス曲とは思えない超低音で(笑)、ホーンがコーラス頑張ってイエスっぽくなっている。

全曲レビューしてもイイくらいに最近入れ込んで聴いているのだけれど、一応全曲レビューは2011年版の時にやっているのでもうイイ。一般に流通させないところは最低限2011年版への配慮だろう。でもそうは言っても今のところPledge通販で普通に手に入るので、ドラマラインナップによる、ドラマに続くアルバムとしての記念碑として持っていたい人はオーダーしてもイイと思う。これを聴くともう2011年版は聴かなくなる可能性があるけど(笑)。でも辛うじて最終曲のInto The Stormには作者としてベノワデヴィッドとオリバーウェイクマンのクレジットは残っているので、わずかながらの痕跡が残されて良かったんじゃないスか(笑)。。。

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2018年4月 4日 (水)

BS-TBS 「SONG TO SOUL エイジア/ヒート・オブ・ザ・モーメント」(2018年 3月18日 23:00放映分)

こんな事ダメなことなんだけど、先日の泊まり勤務で早朝の時間帯に眠くて眠くて仕方なくて、軽く寝落ちしながらの業務となってしまった。しんどくてもそう簡単に寝ない私が、その日は泊まり勤務の連勤で、しかも僅かながらの仮眠の時間にしっかり寝られず、さすがに疲れが溜まったのだろう。危うくお客様の前で白目を剥くところだったぜ全く。

泊まり連勤が終わって本日公休。花粉症の重症患者の私である故に、花見なんてもってのほか。この時期は出来るだけ雨が降って欲しいと心から願うものである・・・。それでも今朝は疲れてたからかぐっすり眠れてスカッと目が覚めた。外には出たくないけどウォーキングはしたいし・・・、と思っているところで例によってオカンから鬼指令。徒歩20分のスーパーでサランラップが安売りしてるから買って来いと。お一人様2本までだから、レジを2回通って4本買ってこいだと。ハラを決めて、頭にタオル巻いて、メガネかけて、マスクして、と花粉症対策の重装備でウォーキング兼ねて外出。外に出たからには桜を愛でながら歩こうじゃないかとアイホンのカメラ構えながらだったけど、何の事は無い、京都は連日の夏日だからなのか、もう桜は半分散っとるし全然写真映えしないのでガッカリ。スーパーのレジを2回通ってサランラップ4本買ってきたわな。

午後は地域の所用の事務作業を済ませてブログでも、と思っていたところでクリエイティブマンからキングクリムゾン来日決定のメールが。ひとしきりSNSで盛り上がり、SS席2万円に驚愕しつつ所用を済ませる。2万の席にするか1万6000円の席にするかは2~3日考えてからクリエイティブマン3A会員の最速先行予約に臨むことにして結論は後回し。大阪2DAYSあるけど、ま、大阪1日だけでイイかな。前回2015年は1万5000円だったのに何で5000円も上がってるんだとか色々思うけども行くという結論は動かないし、その頃にはやっと現会社に入社して初のボーナス支給もある事だしよく考えよう。

さて、ようやくというか一応は拙ブログでも取り上げないワケにはいかないだろう、先日のBS-TBS「SONG TO SOUL」のエイジア/ヒート・オブ・ザ・モーメント特集。録画しといたやつを2周ほど観た。これと言ってビックリするような内容では無かったけど、所々気になる話もあったので取り上げておく。

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スティーヴハウ、カールパーマー、ジェフダウンズ、ジョンカロドナー等々、日本の番組としては可能な限りのインタビューを試みていて、その意味では好感の持てる番組だったと思う。アメリカウケするビッグセールスを目指すスタジアムロックバンドにしたいA&Rジョンカロドナーと、メンバー、特にハウ爺やカールパーマーとの駆け引きがあったことは、ビジネスとミュージシャンの誇りの間でのアリがちな姿が垣間見えて興味深かった。

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バグルスのラジオスターの悲劇の特集の時にもあったけど、ジェフダウンズによる作曲の過程の解説も、おぉー、なるほど~、とちょっと感心する部分で、さすがに曲そのものを掘り下げる番組だけあって面白い。ポップな曲やなぁ~、と聴き流す曲が実際には凝りに凝ったコードを使った曲のストラクチャーを考えていたことには、改めてこの曲を聴き直すイイきっかけにもなる。

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しかしリアルタイムでツイッター等でウケて盛り上がっていたカールパーマーのコメント、へぇ~そんなんだぁ、と素直に受け取っていいのか、いやいやホンマかいな、と笑っていいのか、私のような音楽的素人にはよく分からない。

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プロのドラマーが言うのだから素直に受け取った方がイイのかなとは思うけど。確かにヒートオブザモーメントは途中えらいテンポアップするよなとは昔から思っていたけど、ワザとやっていたとはこれまた新しい発見。それでも自分のテンポを崩さないジョンウェットン大先生に対してEL&Pのグレッグレイクは一緒にテンポアップしてしまうと軽くDisってるのはやはり笑える。

バンドの結成に関するストーリーは普通に知られているエピソードが改めて語られる感じであった。

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なんかもっと、一番最初のスーパーグループ計画だった、リックウェイクマン、ジョンウェットン、カールパーマー、トレヴァーラビンの4人編成計画からどう変わっていったのかとか、そんな話があればオオッって前のめりになったんだけど、さすがにそこまでは無かったな。そもそもヒートオブザモーメントはウェットン/ダウンズ作だし、そんな編成だったらヒートオブザモーメントは生まれなかったわけだから。あと、なんでヒートオブザモーメントと、バグルスのラジオスターの悲劇は最初の歌メロが似ているのかとか、せっかく双方の曲の作者であるジェフダウンズが楽曲のストラクチャーを説明してくれてるんだから、突っ込んでみても良かったのでは?とか、そんなことを気にするのは私のようなバカなマニアだけか(笑)。

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