« YES "FLY FROM HERE - RETURN TRIP" | トップページ | ザ・フー 「ライヴ・アット・フィルモア・イースト 1968」(THE WHO "LIVE AT THE FILLMORE EAST 1968") »

2018年4月13日 (金)

スティーヴン・ウィルソン 「トゥ・ザ・ボーン」(STEVEN WILSON "TO THE BONE")

いかん、デュークスオブジオリエント、聴き過ぎて飽きてしもた(汗笑)。耳に残るキャッチーなメロディやアレンジがあって、一聴して気に入ってしまうとコレがあるから良くない。飽きる音楽と飽きない音楽、何が違うのだろう・・・。とりあえず自分が感じた素晴らしさを温存するためにデュークスオブジオリエントはしばらく聴かないようにする。

昨日は泊まり勤務明けで、昼にクリエイティブマンから3A会員宛へのスティーヴンウィルソンの来日決定メールに狂喜歓喜乱舞し、でも職場であまり寝れない慌ただしい業務だったもんだから午後から死んだように寝てしまった。途中トイレに行きたくなって2、3回起きたけどその後そのまま寝続けて、ちゃんと起きたのは今朝7時。つごう15時間も寝てしまったぜ。前にも言ったけどアラフィフでこの生活は良くない。泊まり勤務でどうしても週の半分は昼夜逆転の生活になってしまうし、体内時計みたいなのがホントにあるのなら、私の体内時計は狂いっぱなしなのだろう。気持ちで持ち堪えて日々の仕事や生活や地域の所用を頑張ってるけど、やっぱり2~3ヶ月に一回は様々な用事を後回しにしてでもこうして死んだように寝ないと身体と気持ちが持たない。おかげで今日は非常に頭スッキリ、体調がイイ。また、苦しみ続けた花粉症も随分楽になってきた。関東と関西ではスギ花粉の飛散ピークや終息時期が違うようで、川崎横浜にいた頃は毎年GWくらいまで辛くて機嫌も悪かったけど、こちらに帰ってきてからは4月中旬には楽になるし。今日は公休なんだけど、この際は休日恒例のウォーキングも休止して、一日中好きな音楽を聴きながら静養に充てることにした。

さて、クリエイティブマン3A会員のチケット申し込み開始と同時に、スティーヴンウィルソンのチケットをお仲間の分と一緒に申し込みを完了。抽選結果を待つのみだが、英国ほどは人気の無い日本なので、まぁハズレは無いだろう。今回も例によって東京のみだけど、今回ばかりは何を差し置いてでも東京まで遠征する。こないだのハケットすら大阪が無いからと見送ったのに。それくらい待望だったのだ。そして何よりもそのチケット代の安さに驚く。8500円って、キングクリムゾンの半分以下やないか。今や英国ではクリムゾンとスティーヴンウィルソンは同格、いやもしかしたら格上かも知れないのにコレはどうした事かと。8500円を激安と感じてしまう私の感性もどうかしてしまっているが。

面白いよね日本って。日本独自の「洋楽」ジャンルが存在するのだろう。日本独自の「洋楽」という概念というか評価基準の中で多分スティーヴンウィルソンは位置付けし難いんだと思う。でもこのカテゴライズし難さが、私には貴重に思える今日この頃な気分なのだ。スティーヴンウィルソンの新作トゥザボーンを、満腔の期待で迎えた2017年夏だったはずなんだけど、そう言えば改めて自分のブログを見返してみたら、この作品を取り上げてもいなかった。忙しさにかまけてたのもあるけど、違う理由も思いつく。来日決定のタイミングで改めて取り上げてみたい。

Img_3914_640x480

個人的にはアランパーソンズにプロデュースを委ねてスタイルとしてのプログレに真正面から向き合った「レイヴンは歌わない」からマジメに聴き始め、90年代以降のロックの熱さや暖かみ、アンビエント感も加えた「ハンド・キャンノット・イレース」をとても気に入り、「4 1/2」で今作への期待を増幅し、来日を切望していたものである。本作はセーソク先生風に言うならば、プログレもしっかり消化しつつ音楽性をイイ意味で拡散する方向へ舵を切った清々しさがある。発売前よりスティーヴンウィルソン自らが、ピーターゲイブリエルのSOやケイトブッシュ、ティアーズフォーティアーズからのインスパイアを公言し、XTCのアンディパートリッジ作詞によるタイトル曲がオープニングを飾る本作は、80年代にプログレを消化して生み出されたポップ、ロックを、これまたプログレを飲みこんだスティーヴンウィルソンがさらに消化した、そういう作品であり、そこら辺に違和感や苦手意識の無い人ならばとても楽しめる作品となっている。

私が思うに、彼を楽しむうえで若干邪魔になっているのが、これまた日本独自の「洋楽」というジャンルの中で、「新世代英国プログレの旗手」みたいな言い方をしている方がいること、これが面倒というか邪魔をしている気がする。じゃぁプログレそのものなのかというと、面倒臭い70年代プログレにこだわるプログレ村の住人からするとそうでもないんだろうし、中にはあからさまに、なんでこのミュージシャンが70年代プログレバンドと同等の評価を受けてるワケ?ってムキになってネットやSNSでdisってるプログレオタな人もいる(そう言うのを目にするのがこちらも面倒なので、私はプログレコミュには入らない、苦笑)。いいじゃない、プログレ要素も消化してるし80年代ポップも消化した上で、その全てを自分のやりたい音楽を表現するツールとして使っている、スティーヴンウィルソンっていうジャンルのミュージシャンってことで(笑)。

それで、なぜか今まで本作を拙ブログで取り上げてなかったワケは、いろいろ忙しかったからってのと、あと、パッと聴いて気に入ったんだけども、それをパッと表現する言葉が浮かばなかったから、そんなところである。デュークスオブジオリエントはパッと聴いて気に入った。褒め言葉もすぐに浮かんだ。でもスティーヴンウィルソンの作品はいつも、気に入るんだけど、褒め言葉が上手く浮かばないのだ。この人多分プログレ好きなんだろうなぁって思うんだけど、それをツールとしてサラッと使ってる。この人90年代ブリットロックが好きなんだろうなぁって感じたけど、それもツール。そして今回80年代のちょっと凝ったポップロック、これも自分を表現するツールとして使ったのだ。だからカテゴライズ好きな日本ではカテゴライズし難い。自然とメディアで取り上げにくい。だから一般に評価が拡がらない。英国ではロイヤルアルバートホールを満員にしてみせる集客力があるのに、簡単に来日公演を企画できる呼び屋がいない。そんな感じだったのではないだろうか。一聴して気に入る音楽は毎日聴きたいけど、毎日聴くと飽きる。しかしスティーヴンウィルソンは一聴して気に入るけど、毎日聴くには頭が疲れる。その魅力は簡単に表現できないからよく考えて聴かないといけない。ついつい後回しになってブログに取り上げる機会を逸していた。でも逆に、すぐには飽きない。飽きない傑作、それが私のスティーヴンウィルソンの作品に対する結論である。

11月の来日公演まであと半年以上もある。バンドメンバーは今回も英国ロック界の実力者ばかり。エイジアとかウェットンファン的にはマルコミンネマンやガスリーゴーヴァンもいた2013~14年頃のバンド編成も魅力だったけど、2018年のバンドメンバーもベースには独特のオーラ全開のニックベッグスがいるし、鍵盤のアダムホルツマン、ドラムのクレイグブランデルと、ペンドラゴンやKINO、フロストもストライクな私には魅力あるメンバーばかりである。これから半年間、本作含めてスティーヴンウィルソンの近作をじっくり聴きながら、それはそれは楽しみに来日公演を迎えたい。

|

« YES "FLY FROM HERE - RETURN TRIP" | トップページ | ザ・フー 「ライヴ・アット・フィルモア・イースト 1968」(THE WHO "LIVE AT THE FILLMORE EAST 1968") »