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2018年10月28日 (日)

IT BITES "LIVE IN LONDON"

あ~あ~、また2週間もブログ更新が滞った。いろいろ地域の所用が忙しいのと、どうやら風邪をひいたのか鼻水鼻詰まりが不快で睡眠の邪魔になってよく眠れなくて疲れが取れないのもあって。来週にはスティーヴンウイルソンの来日公演で東京六本木まで遠征しないといけないから早く治さないと。でも今日の日曜日が珍しく公休で、地域の所用のヤマ場を越えたので今ホッとしているところ。書きかけていて途中でストップしていた記事を書きあげる。書きかけていたのは以下のイットバイツの蔵出しライヴBOXネタ。

昨年くらいだったか、イットバイツのボブダルトンがフェイスブックでライヴ音源幾つかあるしCDにして出そうかな、みたいなことを書いていた。勿論フランシスダナリー在籍時のオリジナルイットバイツのライヴ音源である。そうこうしてるうちにようやく商品化作業に入ったことを知らせてくれていたが、ココにようやく5枚組CDボックスとして陽の目を見た。今のところサイト限定500セットの生産との事で、今後一般市場に出回ることになるかどうかはファンの反応次第といったところか。ファンからしてみたら普通に市場流通してしかるべき商品だとは思うんだけど、案外オリジナルイットバイツってこういう流通の仕方が多いよね、メジャーな実力あるのにひっそりファンベースでリリースみたいな。

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現行イットバイツとは違ってフランシスダナリー在籍時のオリジナルイットバイツのライヴが3種、封入されている。86年の1st発表時のライヴ、88年の2nd発表時のライヴ、そして89年に3rdを発表した後、翌90年の解散直前のライヴである。それぞれの収録内容はこんな感じ。

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その音楽性も演奏技量もルックスも含めて一般にアピールできるだけの親しみやすさすら備えた完全無欠のプログレッシヴ・ポップ・ロックバンドなんだけど、その完璧さの割には売れなかったなぁってのが残念なバンドではある。やはり80年代後半という時期でプログレっぽいポップってのが上手くフィットしなかった一例だったかもしれない。かく言う私も当時は注目はしたし2ndと3rdはリアルタイムでCDを所有して聴いていたけれども、じゃぁドハマリしたかと言えばそうでもなかった。何年も経って、今世紀になってからのKINOや現行イットバイツの登場によって再注目した時に、やはり素晴らしいバンドだったなぁって俯瞰して思えるようになったのが正直なところである。

収蔵された3公演の内容について軽くレビューを。

 Recorded Live at the Marquee on 21st July 1986

まずは86年デビューアルバム時のライヴからマーキーでのライヴCD1枚分。もうこの時点で後に確立し行くイットバイツのプログレポップロックの要素がほぼ出そろっている。デビューアルバムの曲が後々までライヴの重要レパートリーになってるから余計にそう感じる。ポップ感覚の中に見えるスランシスダナリーの、アランホールズワースのファン気質が滲み出るようなギターが早くも炸裂している。音質も十分良好。ストレスなく聴ける。初期のライヴ音源として非常に貴重である。

 Recorded Live at the Astoria on 13th May 1988

大名作の2nd、ワンスアラウンドザワールド時のライヴCD2枚分。これはもう名曲の嵐で充実の内容。今回の蔵出しライヴ音源集の中では一番安定の典型的イットバイツが楽しめる。ここに完成したイットバイツ流のプログレッシヴ・ポップ・ロックがメンバー各人の見事な演奏技量で披露される。そしてまた、ライヴならではのちょっとしたお遊びも気が利いていてサービス精神も旺盛。ジミヘンドリックスのパープルヘイズの一節が聴こえたり、大曲ワンスアラウンドザワールドでは、フランクシナトラが歌ったことで有名なニューヨーク・ニューヨークが挿入されていて、そこら辺のエンターテイメント性も素晴らしい。それにしても、ここでも強調したいのは安定のプログレポップ感覚の中で炸裂するフランシスダナリーのギタープレイである。ポップ曲にホーさん風ギター、この違和感こそがオリジナルイットバイツを、オリジナルイットバイツたらしめる重要なファクターであったことが分かる。現行のジョンミッチェルをフロントマンに据えたイットバイツではこの感じが無いからね。普段聴きにはこの88年アストリア音源がベストだ。

 Recorded Live at Hammersmith Odeon on 7th April 1990

3rdアルバムのイートミーインセントルイス発表後のライヴから、オリジナルイットバイツ終末期と言ってイイのかな?そういう90年ハマースミスでのライヴ音源。これは上記88年の充実のアストリア音源とは違う意味で聴きどころ満載。分裂前のオリジナルイットバイツの姿をリアルに収めている。豊かなプログレポップ感覚からストレートかつハードな方向性にシフトした3rdの曲を多く演奏していて、更には幻の4th用に準備していたと思われる楽曲が既にライヴで演奏されている。Feels Like Summertimeに関しては以前よりライヴで演奏されていたのは知られていたけど、なんと後にソロに転向したフランシスダナリーのソロデビュー作に収録されていたWelcome To The Wild Countryが、この90年時点ではイットバイツとしてライヴ演奏されていたのが今回のライヴBOXの一番の驚き。という事はこの曲も、もしイットバイツが続いていれば4thアルバムに収録されたのだろう。90年代当時にこの時期のライヴ音源を使ってメジャーリリースされた公式ライヴ盤サンキュー・アンド・グッドナイトというのがあった。さすがメジャーからの公式リリースって感じの最高音質かつ盛大な音像のライヴ盤であった。そこではオミットされていたと思われるこれらの当時未発表曲が演奏されたライヴ音源が今回リリースされた意味はファンにとっては大きい。例によって後からだから何とでも言えるんだけど、この90年ハマースミス音源はある意味でオリジナルイットバイツが分裂する萌芽が見て取れるという貴重な音源である。

以上、3種の音源を軽くレビューしてみた。音質については、上記で触れたメジャーからの公式ライヴ盤サンキュー・アンド・グッドナイトほどでは無いにしても、いずれも充分公式リリースに相応しい音質である。何よりも余計な編集や選曲からカット、ってのが無いリアルな当時のライヴの様子があからさまになって認識を新たに出来る部分も多い。

フランシスダナリーは来年2019年初頭にはイットバイツのデビューアルバム再現ライヴを英国で行うらしい。2016年にはかつてのイットバイツ曲を再録したアルバムをリリースし、イットバイツ曲再現ライヴで来日公演まで実現してくれた。変なこだわりなくイットバイツ曲をライヴ演奏してくれるのは嬉しい。かといって別にイットバイツに戻って欲しいとも思わない。我が道を歩んでくれればいいと思うし、現行イットバイツもジョンミッチェルとジョンベックで安定のプログレポップを表現してくれればいいと思う。それぞれがそれぞれに活動するほどに、ある種の不遇だったオリジナルイットバイツの素晴らしさが更に更に正当に再評価されることに繋がればもっと良いと思うのである。

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