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2019年1月29日 (火)

ザ・ビートルズ 「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)<3CDデラックス・エディション>」(THE BEATLES "THE BEATLES and ESHER DEMOS")

本日公休。今月は我が地域は統一「外」地方選挙で私も地域の為に大忙しだったのでここ10日ほどはブログも放ったらかしとなった。その選挙も一昨日に終わって少しホッとしている状態。しばらくゆっくりしたいなと思うけど出来るかな。早速今晩も地域の所用があるし。泊まりの連勤終わりでメッチャ寝て、いろいろやりたいことがあったからいつもより早めに起きたけど、しっかり食材の買い出しでオカンの運転手としてスーパーを2件ハシゴしたのでそれだけで午前を費やしてしまった。

楽しみな新譜を待っているんだけど、ジョンウェットン大先生ムック本もスティーヴハケットの新譜もトレヴァーホーンの80's曲オーケストラアルバムも、み~んなタワレコオンラインで注文したので配送中の到着待ち。到着したとしてもそれからある程度聴いてからのブログ執筆になるから、そんなの待ってたら更にあと何週間もブログ放ったらかしになる。なのでここら辺で何か書いてブログ更新しておこうという事で、未だにスーパーデラックスBOXのセッション音源が聴けていないビートルズのホワイトアルバム50周年盤の、3CD盤の方を取り上げておこう。

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当初はスーパーデラックスBOXだけ買っていたんだけど、とても好きな作品なので普段聴き用に後で3CD盤も買っておいたのだ。家で普段聴きするのにいちいちスーパーデラックスBOXを慎重に開封するの、邪魔くさいからねww。それで実際この3CD盤を自宅やウォーキング時に頻繁に愛聴しているのでせっかくだからブログにも記録を残しておこうと思って。凄く詳しいレビューや分析はビートルマニアさんたちにお任せするとして、私はホントに軽くライトに取り上げる。

ホワイトアルバムって昔は、焦点の定まらない、メンバー間の分裂が垣間見える、等々あまり評価の高くない作品だったそうで、確かに自ら興味を持って聴かなければ2枚組である必要があったのかと思うくらいの散漫で退屈な作品に感じたのかも知れない。私も20年くらい前に初めて聴いた時は退屈だなぁと思った気がする。でもなんだろう、世間の評価も年を経るごとに高まり、「散漫」は「ヴァラエティに富んでいる」と読み替えて前向き評価が拡がったようで、私もそんな目線で聴くようになっていたのだ。

そして今回の50周年記念盤、プロデューサー、ジョージマーティンの息子のジャイルズマーティンによるリミックスが施されての登場となったので、これは本当に楽しみにして購入したのだった。そして実際聴いてみての印象は、もうこれは目からウロコが落ちるレベルのリミックス効果の素晴らしさ。1曲目のバックインザUSSRからまさに昨日今日レコーディングしたばかりかと思うほどの、まるで目の前で演奏してるかのような鮮度抜群の素晴らしい音質。中低音が豊かに鳴り響き、個人的にも好きなミキシングの音像だ。ブラックバードのようなアコギの曲もよりクリアーに聴こえるし、何か全く新たな気分でホワイトアルバムが聴けてしまう。ビートルズ程の存在になると、ファンの間ではオリジナルの音が聖典扱いとなって、リミックス効果というものを素直に認めたくない方々もいるのだろう。私自身はそこまでのマニアでは無いので、音の良いホワイトアルバムとして気分よく聴ける。まさに21世紀のホワイトアルバム決定盤として、ジャイルズマーティンの仕事は評価されていいと思う。

話を戻して収録内容についてなんだけど、さっきも言った「散漫」は「ヴァラエティに富んでいる」と読み替えて楽しめる私である。それだけに何度聴いても飽きない。ビートルズファンの方でも昔っからホワイトアルバムが好きな人は、そういう観点で楽しんでおられるのではないかなと思うのだ。私が洋楽を聴くようになったのは高校2年生の時で83年のエイジアのアルファからだけど、そんな私にビートルズを聴けと言ってビートルズのベスト盤のLPレコードを貸してくれた当時のクラスメイトは、当時カセットテープのウォークマンでよくホワイトアルバムを聴いていたように思う。例えばレッドツェッペリンで言えば2枚組のフィジカルグラフィティが私の中では同じ印象である。ホワイトアルバムとフィジカルグラフィティは私にとって「ヴァラエティに富んでいる」作品として共通の魅力を感じる。前作の金字塔的アルバム、サージェントペパーズはプログレの原点という捉え方も出来たが、このホワイトアルバムに収録された「ヴァラエティに富んでいる」楽曲群は、ハードロック/へヴィメタルの原典とも言えるヘルタースケルター、プログレというかアヴァンギャルドの先駆けと言えるレヴォリューションNo.9、ブルースをジョンレノンが解釈したヤーブルース、フォークタッチのブラックバード等々、本当に様々なスタイルの楽曲が楽しめる。私が時々言う、プログレが好きな人もHR/HMが好きな人もそのスタイルを遡ればビートルズに辿りついてしまう、という事を素直に認めないとホント損するよって言いたいね。プログレもHMもビートルズがココで提示したものの枝葉の発展形、そう言っても全く差支えないと思う。その意味からもホワイトアルバムはあらゆるロックファンに対して間口の広いアルバムだと思うのだ。

今回の50周年盤で、スーパーデラックスBOXだけでなくこの通常盤というか3CD盤に普通にイーシャーデモの全27曲がまるまる収録されたのには驚愕した。まあデモ音源はデモ音源なので普段聴きで何度も聴こうとまでは思わないけど、当たり前のようにイーシャーデモを公式発売してくれたのにはファンには最高のプレゼントだろう。ジョージハリスンの自宅スタジオでメンバー4人で一気に録音したデモテープ27曲、そこにはホワイトアルバムで完成に至った曲以外にも、後に大傑作アビーロードにて完成収録された曲もあれば、ポールマッカートニーの1stソロで発表されたジャンク、ジョンレノンのソロ2ndイマジンに収録されたジェラスガイの原曲チャイルドオブネイチャー等々、魅力的で興味深い音源が満載。その事実自体が、実はホワイトアルバムに向けて制作された楽曲群のクォリティの高さを物語っていると言えるのではないか。

以上、私はビートルマニアではないでの細かいツッコミは勘弁してねwww。後はアレだ、スーパーデラックスBOXのセッション音源集、これも相当楽しめる音源集のようなのでいつか是非このブログでも取り上げたいと思う。

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2019年1月18日 (金)

ジェネシス 「ライヴ・イン・シカゴ 1977」(GENESIS "LIVE... CHICAGO '77")

泊まり勤務の連勤を乗り切って本日公休。今日も午前中から寒風を突いてウォーキングを9000歩ちょっと。だったらあと少し歩いて1万歩にしろよってアレだけど、ここら辺でやめるのが丁度イイのだ。敢えて丘の上まで上り下りを歩いたけど、今日はそれほど不整脈というか心臓の負担を感じなかった。回復に向かってるのかなと思いたいけどどうだろう。午後からは久々に何の予定も無いので家カフェだ。先週に知り合いから頂いたラスクをかじりながら安いコーヒーをすすってブログを書く。

それでまあ今月末までいろいろ忙しくてだな、やっぱりまだビートルズのホワイトアルバムのデラックスボックスのセッション音源集が聴けてないのだよ。なので通常の2CDとイーシャーデモだけ記事書こうかと思ったけど、私はそんなにビートルマニアでは無いので怖いマニアさんから面倒なツッコミ入ったらウザいから書くのをためらってしまう。なので今回もチャチャっと、年末に買っていたジェネシスのキングビスケットラジオショー音源を取り上げておく。

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ブートやアンダーグラウンドで出回ってるラジオショー音源を公式化?してる国内レーベル、ALIVE THE LIVEからのリリースとあってついつい疑心暗鬼になる。権利関係はクリアしてるのかなとか、アーティストサイドの許可は?とかいろいろ気になるのと、同じく同レーベルが昨年リリースしたイエスの74ボストンガーデンが、ネットで出回ってる内容すらカヴァーしきれてない収録内容だったので益々購入意欲が湧かないのが個人的に正直なところ。以前に国内でもソニーからグレッグレイクやGTRのキングビスケット音源がリリースされていて、その時は公式盤としての扱いで何の心配もなく買った気がするんだけど、その時とは同じ気分では無い。ちなみにそのGTRのキングビスケットも今度ALIVE THE LIVEからのリリースが予告されたようだ。で、昨年末はジェネシスで76年のハマースミスと77年のシカゴがリリースされた。76年ハマースミスはビルブルーフォード入りの有名な音源だけど、収録内容的にはやはり以前にネットで入手した音源の方が完全収録に近い音源だったと思うし、それと比べて収録曲が劣っていたからスルー。77年シカゴの方はたまたま音源としては所有してなかったので、お試しで買ってみた。

77年と言えば毎度言う事だけどジェネシスの全作品中で私の一番大好きなWIND AND WUTHERINGのツアーとあって興味が湧く。77年は別の日のステレオサウンドボード音源をブートで持ってた気がするけどそれと本作は別日のようだ。セットリストというか収録内容はもう言う事なしの、個人的には最高の収録内容である。

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音質的には・・・、う~ん、どうなんだろう。ブートとかネットで転がってる音源を聴いたことが無いので、これがベストなのかどうかが分からない。ラジオショー音源なのでサウンドボードでちゃんとミックスもされているのだけど、静音部ではヒスノイズのような音が聴こえる。それが気になりだしたら聴く気がしない。それを気にしなければ演奏内容的にはジェネシスには当たりはずれが無いので充実の演奏が楽しめる。そうだ公式ライヴ盤のセカンズアウトと比べてみようと思ったら・・・、なんとセカンズアウトが無い。何かの時に中古屋さんに売ってしまったようだwww。多分ライヴBOXが出るときに、それを買うから売ってしまおうと思って売り飛ばして、結局そのライヴBOXを買ってないとか、そういうアレなんだろうww。また気が向いたら買っておこう・・・、と思ったら中古でメッチャ価格高騰してるwww。

話が逸れたけど内容だ。鍵盤の嵐のAll In a Mouse's Nightはやっぱり素晴らしい。あとアレだ、Firth of FifthとかAfterglowを聴くとどうしてもジョンウェットン大先生の雄々しい歌声が頭の中に浮かんでしまうのはもう私の病気みたいなもんだろう。先生ヴァージョンの方が私の脳内ではしっくりくる。

という事で、私のようにこの日の音源を持ってない人にはお奨めだけど、既にブート等で持っている、あるいは公式ライヴ盤で充分満足、という方には不要でしょう。なお、同レーベルからロキシーミュージックの74年ニューキャッスル音源が発売されている。74年ニューキャッスルと言えば勿論我らがジョンウェットン大先生がベースを弾いているライヴだ。以前にブートで出回った音源だけど、収録内容が上回っているそうなので追って購入予定。後はイエスの74年や78年もラインナップされているけど、多分所有してる音源やブートの方が勝っている気がするので消極的様子見ですwww。

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2019年1月10日 (木)

「イエスタディ・アンド・トゥディ(50周年記念トリビュート・トゥ・イエス)」 "YESTERDAY AND TODAY : A 50TH ANNIVERSARY TRIBUTE TO YES"

今日の京都亀岡はまさに極寒。雪とかは降ってないけどどんより曇ってて、朝の最低気温は氷点下、昼間になっても気温3度くらいで、家の中にいても吐く息が白い。パソコンで文章を書くのも指先がかじかんでいて何か変な感じ。それを嘆いたりしたら北国の方に怒られるけど、それにしても寒い。とても外に出る気がしない中で敢えてウォーキング約8000歩。寒い中で動いたからさぞかしカロリーや脂肪を燃焼したに違いないと、一人満足して帰って来たのである。ビートルズのホワイトアルバムを取り上げたいのだけど、まだ通常盤とイーシャーデモしか聴けてなくて、デラックスボックスのセッション音源集が聴けてないので後回し。今日は手軽に掲題のイエス50周年トリビュート作を取り上げる。

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故クリススクワイアのトリビュート作の時や、他にも時々言ってるけど私はトリビュート作品とかトリビュートライヴとかは殆ど興味が無い。だけど本作とクリスのトリビュート作はイエスオフィシャルでも普通に宣伝してるから、ある意味イエス公認なのと、実際にイエスの過去現在のメンバーが参加しているからついつい買ってしまった。どちらも昨秋の似た様な時期に発売されていたけど、本作の方は国内盤の発売を待って購入したので聴くのが遅れた。

クリスのトリビュート作はビリーシャーウッドの制作総指揮だったけど、こちらはフィルコリンズの息子サイモンコリンズが参加していたSOUND OF CONTACTのメンバーだったDave Kerznerが制作総指揮。各曲でイエスメン以外にも様々なプログレ系で名を馳せるメンバーがゲスト参加している。全曲レビューはしないけど個人的に気になるところを掻い摘んで。

①Machine Messiahでは鍵盤はジェフダウンズ本人、ヴォーカルは元スポックスビアード初代ドラマー兼2代目ヴォーカリストのニックディヴァージリオが参加。殆どオリジナルに忠実な演奏。②Yours Is No Disgraceでは鍵盤がトニーケイ本人。ビリーシャーウッドがベースでジェイシェレンがドラム。これもほとんどオリジナルに忠実に。⑤Soonはソーニャクリスティーナを含めて現行カーヴドエアが丸々参加。雰囲気は捉えているけどソーニャのヴォーカルは違和感あるかな。こういうもんだと思えば悪くはないけど、あの巨体をユラユラと揺らして歌うソーニャの姿が目に浮かんで怖いwww。⑥Cinemaではマルコミンネマンがドラム、ビリーシャーウッドがベース、そしてなんとスティーヴハケットがギター。ギターはもう一人参加しているのでどの程度までがハケットなのかは分からないけど、部分部分で如何にもハケットな感じのキュ~~ンみないなチョーキングっていうの?あれが聴こえてその瞬間にハケットの世界になってしまうのがウケる。⑦Changesではトムブリスリンがピアノ、ビリーシャーウッドがベースとサビのヴォーカル、そしてオリジナルではトレヴァーラビンが歌うリードヴォーカルは何とロバートベリー。昔っからトレヴァーラビンとロバートベリーはマルチミュージシャンとしての才能もヴォーカルの声も似ていると思っていたのでなかなか興味深い。トレヴァーラビンみたいに大スターになり損ねたロバートベリー。90年代のイエストリビュート作でもラウンドアバウトをとんでもないアレンジで披露していたね。で、ラビンに似てると思ってたロバートベリーのヴォーカル、やっぱり細かい節回しは違うなぁと改めて感じた。⑧I'm Running、それにしてもマニアックな名曲を取り上げたものだ。イエスらしいとは思えない曲だけど個人的には結構好きだったこの曲、ビリーシャーウッドがベースとコーラス、マルコミンネマンがドラム。これもほぼオリジナル通りに演奏。⑨Acoustic MedleyではYour MoveとAnd You And I、Wonderous Storiesのメドレー。ヴォーカルは一貫して現行イエスのジョンディヴィソン。普通に現行イエスのライヴでも歌ってるから何の違和感もない。⑬Starship Trooperでは元イットバイツのフランシスダナリーがギターとヴォーカルで。ダナリーのヴォーカルはなんか自分らしさを消してるというか、知らずにパッと聴くとダナリーだとは気付かないような個性の消し方がちょっと面白くないかな。

以上、こんだけ書くなら全曲一言レビューにしても良かったかなとも思うけどまぁイイや。全体的にオリジナルにほぼ忠実なので、安心して聴ける半面、驚きや面白みに欠ける気がする。この手のトリビュート作に対する私の姿勢は変わらずで、1回聴いたらもう聴かないかもwww。豪華メンバーゲスト参加という事でコレクションとして有用です。

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2019年1月 1日 (火)

トニー・バンクス 「キュリアス・フィーリング」(TONY BANKS "A CURIOUS FEELING")

2019年あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。

で、2連休、イイねぇ~スゲー楽。元旦の今日は朝ゆっくり寝て、午後イチで世間で言えば初詣的な用事でちょっとお出かけして気分を新たにして帰宅。出かける前はちょっと気が重かったけど、出先で地域のいろんな人と挨拶交わしたりしているうちに元気をもらった感じ。明日からの泊まり勤務に備えて今日はもうゆっくりするんだけど、なんかとても気持ちに余裕があるのでCD聴きながら2019年一発目のブログを書いておこうと思う。ここ数日は年末に買っていたビートルズのホワイトアルバム50周年盤と、ジェネシスのキーボーディスト、トニーバンクスの79年1stソロの紙ジャケCDを聴いていた。ホワイトアルバムの方はまだ本編聴いただけなので後に回して、まずはメッチャ気に入ったトニーバンクスの1stソロから。

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ジェネシスの作品は大体は揃えているし、数多くあるライヴ音源も主な有名どころはネットで殆ど入手しているほどなんだけど、メンバーのソロに関してはスティーヴハケットとアンソニーフィリップス以外はかなりの無関心であった。ピーターゲイブリエルのソロでさえお付き合い程度に1枚しか持ってないし、フィルコリンズに関しては、ブランドXは別にして、ソロ作は最近のベスト盤しか持っていないしね。ましてやトニーバンクスとマイクラザフォードは完全無視状態(失礼ww)。

今回ワサビレコードからトニーバンクスの1stソロがリマスター紙ジャケでリリースされるという事を知った。このレーベルの紙ジャケ再現度はなかなかのものだし、79年作品という事は私の一番好きなジェネシスの「静寂の嵐(WIND AND WUTHERING)」を含む70年代後半から80年までの時期なワケで、もしかしたらドストライクなサウンドかも知れないぞと思って、いろんなレビュー記事をネットで拝見してみた。どうやら私に合うっぽい。そして購入してみて1回聴いて完全に私のツボだった。これは素晴らしい。プロデュースは同時期のジェネシス同様デヴィッドヘンツェル、ドラムも同時期のジェネシスツアードラマーのチェスタートンプソン。素晴らしいので気に入った時だけやる全曲レビューだ。

From the Undertow
オープニングナンバーはジェネシスの「そして3人が残った」に収録されたUndertowの、もともとイントロだったけどジェネシスではカットされた部分を再構築したという鍵盤インスト曲。ピアノの残響音まで計算に入れて作り上げたかのような英国叙情の雰囲気を醸し出すオープニングから分厚い鍵盤サウンドに包まれる。いかにもトニーバンクスって感じ。早くも俗名「鍵盤の嵐ww」と言われたジェネシスの「静寂の嵐(WIND AND WUTHERING)」の分厚い鍵盤サウンドを思わせる。これで既に私は心をワシ掴みにされたようなもんだ。

Lucky Me
初期ジェネシスを思わせるアコースティックで穏やかなメロディのヴォーカル曲。本作でヴォーカルを務めるキムビーコンって人の歌唱はどこかピーターゲイブリエルやフィルコリンズが力んでない感じを思わせる。その意味でジェネシス的イメージを損なわない人選だと思う。ここでもバックで穏やかに盛り上げるコーラスと鍵盤サウンドはとても魅力的で、聴いてるとこちらの心まで優しくなる。

The Lie
ここでもピアノの響きまで大切にした始まり方はトニーバンクスならではで、派手目のシンセサウンドも含めてジェネシスのあの感じはトニーバンクスが持ち込んでいるんだなぁってのがはっきり分かる。若干ポップな基本ヴォーカル曲でメロディはとても聴きやすい。しかし合間で登場するトニーバンクスの鍵盤はどこまでもトニーバンクスらしさ全開。

After the Lie
前曲から繋がる形で静かなヴォーカルから始まる。最初だけ聴くと地味な曲なのかなと思うんだけど、気を付けて聴くと少しリズムチェンジがあったり転調があったり、また後半は耳を惹くシンセソロプレイもあってとても展開が豊か。

A Curious Feeling
アルバムタイトル曲は本作中一番ポップな曲かな。普通っぽいっていうか。褒め言葉になってない?www。

Forever Morning
前半(LPでいうとA面)最後はこれまた豊潤な鍵盤サウンドによるインスト曲。そりゃトニーバンクスのソロ作なんだからこういうのもアリだわな。様々なシンセの音色を駆使した夢見心地な美しい曲。

You
さあ、個人的にはイチ推し曲かな。静謐な雰囲気で静かなヴォーカルで始まるけど、途中からのリズムの躍動感と、その上を走るメロディアスな鍵盤ソロが素晴らしい。その部分だけで言うと④に似ているけど、テクニックではなくあくまでメロディ重視なソロプレイが見事。胸にグッとくるシンセソロのメロディがドラマティックに壮大に、これは素晴らしい!

Somebody Else's Dream
一転してゆったりした豪快なリズムで、ギターリフならぬ鍵盤リフの土台の上をヴォーカルが豊かに歌い上げる。こういう曲がある事で作品全体のアクセントにもなっているんだろう。

The Waters of Lethe
これもピアノから始まる鍵盤インスト曲。雰囲気重視のシンセの音色選びは今で言うならデヴィッドフォスタークラスだと思うね。

For a While
ユルい感じのゆったりした優しい歌メロの曲で、アレンジもそのセンを逸脱しないんだけど、歌詞は結構悲壮らしい。

In the Dark
最後はこれまた優しい歌メロ、優しい鍵盤メロディ、子守歌のようにしっとりと終わっていくと思ったらそこはトニーバンクス、分厚いシンセサウンドで一盛り上げして、そしてまた静かに終わっていく。余韻が美しい。

以上、全11曲、物凄くありきたりな言い方で申し訳ないけど、私の大好きなジェネシスの「静寂の嵐(WIND AND WUTHERING)」や「そして3人が残った(AND THEN THERE WERE THREE)」から豊かな鍵盤アレンジを抽出拡大したかのようなサウンドは、その感じが好きな人には堪らないだろう。これはトニーバンクスのソロだから、そこにスティーヴハケットのギターも無いしフィルコリンズのドラムやヴォーカルは無い。無い分だけジェネシスとは違うしそれは当然。でもそれでもジェネシスらしい雰囲気が充満しているのは、トニーバンクスのジェネシスサウンドへの貢献がいかに絶大であるかを逆説的に物語っている。もとよりジェネシスにおけるトニーバンクスの作曲面での貢献は分かっていたにもかかわらず、ハケット贔屓だったりアンソニーフィリップス贔屓だったりする私だけど、いやいやどうして、トニーバンクスのこの1stソロはやはりトニーバンクスのジェネシスにおける絶大な存在感を改めて気付かせてくれた。そして余談にはなるけど後年のマリリオンやペンドラゴンといったポンプ系への影響力は本作からも大きいことがよく分かる。

こうなると、同時期のマイクラザフォードの1stソロも欲しくなったけど、けっこう入手困難になってるっぽい。ワサビレコードさん、紙ジャケでどうですかね(笑)。

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