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2019年5月16日 (木)

KING CRIMSON "LIVE IN NEWCASTLE December 8, 1972"(THE KING CRIMSON COLLECTORS CLUB 48)

この歴史的発掘音源についてどう向き合おうか、居住まいを正してどんなふうにブログに書こうか、考えてるうちに疲れてしまって日にちが経ってしまった。たかが個人ブログ、どう書こうがそんなんええやんと開き直って適当に書くことにする。適当にな。

今年2019年、キングクリムゾンがデビューしてから50周年を迎えて突如、コレクターズクラブの48番目の音源として72年後半のジェイミーミューア在籍期のサウンドボード音源が発見されたのでリリースするとの驚きの発表があった。マジかよあったのかよそんなのって。散々リサーチして、もう無いだろうと戦慄40周年BOXが発売されてそれが集大成だとこちらも思っていたから。以前はコレクターズクラブでもなんでも、次々発売される過去音源や発掘音源にもう付いていけなくて下手すりゃうんざりしていたが、我らがジョンウェットン大先生が逝去されてからはこのような先生在籍時の発掘音源がリリースされるのは、ほんと宝物を見出すようでとても貴重で嬉しかったりもする。とにかく72年夏に先生ブルーフォードがキングクリムゾンに加入して、ジェイミーミューアもいたほんの数か月の短期間のライヴ音源は優れた音質のライヴレコーディングは存在していなくて、音の良いオーディエンス音源を探すしかなかった。でもそれを探してもやはり音質は劣悪なものばかりで、仕方ないと諦めているような状態であった。その意味ではビートクラブのスタジオライヴは貴重であった。かつて80年代後半頃だったか、ビートクラブの映像がレーザーディスクで発売された時は速攻で購入して、その為にLDプレーヤーを買って何度も何度も繰り返し観たものだ。あれからだけでも30年近く経って、辛うじて掻き集めたライヴ音源はコレクターズクラブで発売され、先述の戦慄40周年BOXで集大成され、そこでようやく存在したサウンドボード音源も約40分のみの収録とあって、まさかここにきてのサウンドボード音源の発見はKCファンへの、そしてウェットン大先生ファンへのとんでもない50周年プレゼントとなった。

1972年12月8日の英国ニューキャッスルでのライヴをレコーディングしたモノラルのサウンドボードテープが本作のマスターとなっている。国内盤で買うつもりだったんだけど6月発売で遅いなぁと思っていた、4月後半あたりから海外では購入し始めた人が写真入りでツイートし始めてたからもう待ちきれなくなって、輸入盤で買おうと急遽タワーレコードオンラインで注文した。1枚ものでDGM盤で安いし加えてそれをタワレコオンラインでクーポン使えばさらに格安になるので、京都ラーメンの第一旭でラーメン大盛りと餃子を注文するのを一回辛抱すれば買えるじゃないかと、私の中で貨幣価値のトレードが見事成立して購入www。国内盤は国内盤でまた買う多分www。第一旭でラーメン食べるのはまた今度にした。

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内容は以下の通りで、この後にLARK'S TONGUES IN ASPIC(太陽と戦慄)としてスタジオレコーディングされる楽曲群が全曲演奏されている。それ以前の過去曲は無しの、この時期のスタジオ盤発売前の新曲のみのセットリストという「攻めた」ライヴである。この事実だけでも凄い。当時の会場の客がどんな思いで聴いていたのか、想像がつかない。

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本作は、もしかしてステレオ収録なら尚更嬉しいなと思っていたが、そこまでは美味しくなくて、ブックレットに明確にMONOと明記されている。でもイイじゃない、それくらいで本作の価値は下がらないだろう。惜しむらくは最終曲の戦慄パート2が途中で収録が終わってしまっているところ。だけどそれでもこれまでで最長のサウンドボード音源でありやはり価値は落ちない。

で、今回せっかくなのでコレクターズクラブ24で発売されて、戦慄BOXにも収蔵された72年11月13日の英国ギルフォードでの約40分のサウンドボード音源も聴いてみた。押入れにしまい込んだままだった戦慄BOXを久しぶりに引っ張り出してだwww。

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出だしのヴァイオリンの響きとか拡がりがあって綺麗だなと思って、もしかしてこちらはステレオ録音かなと思ったけどいかがだろう。ただ、音量が大きくなると露骨に音が歪んで聴きづらくなる。何よりも40数分の収録なので、後半のトーキングドラム~戦慄2は録音されていない。

これに対して今回発掘のニューキャッスルは最後の戦慄2が途中までだけど72分みっちり収録。モノラルでそれなりに時代を感じる音質ではあるけど十分に各楽器の演奏ディテールまで確認できる。改めてこうしてこの時期の演奏を聴いてみると、いやいや、メンバー5人、戦ってるなぁって。攻めてるなぁって素直にそう感じる。1曲目の戦慄1からやはりこの曲のオリジナル演奏メンバーだけあって熱い演奏が聴ける。なかでも楽曲の中間部に入った時のウェットン大先生の、腹を下したかのような下痢ベース(失礼!www)の響きはキターッって感じで、もう先生最高。楽曲が生まれたその時期の演奏は、楽曲の様式をなぞってる感が無くて、攻めた演奏が結果として曲を熱いものにしていて、その熱さまで含めて出来上がっている様式はもはや誰にもマネ出来ないものだろうと思う。なんでそんなこと言うのかというと、現行の7人クリムゾンや8人クリムゾンでの戦慄1の演奏が完璧な完成形かつ発展形なんだと私は思い込んでいた。実際に2015年の7人クリムゾンの来日公演、そして昨年2018年の8人クリムゾンの来日公演でも戦慄1の演奏を目の当たりに観て聴いて、その凄まじさに息を呑む思いをしたから。でもやっぱり曲を生み出したメンバーがその初期衝動に基づいて演奏する圧のようなものは、このような古い録音でも十二分に感じ取ることが出来る。初期衝動は大事なのだ。話が逸れるけど同じキングクリムゾンのダブルトリオ期、VroomやThrakにおいても同様である。フルアルバムTHRAKに先んじて発売されたミニアルバムVROOMで聴ける楽曲の初期演奏の方が衝撃度が高かったではないか。あれと同じことが言える。初期衝動を記録したものには、いかに後年に他の超強力メンバーで完璧な演奏をしたとしても敵わない。音質の良し悪しも関係ない。無い物ねだりのこの72年録音の勝利である。

ブックオブサタディ、エグザイルズで聴ける若き日の先生の声には、またここで会えたねって感じで懐かしさと嬉しさが込み上げてくる。先生は逝去したけどこうして会えるんだよ。

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また、曲間で演奏される、ライヴならではのインプロヴィゼーションはおどろおどろしい。特に本作トラック7曲目のインプロは、呻き声とか叫び声とか、もはやお化け屋敷のBGMを超えた怖さがヤバいwww。この声は誰だろう、ジェイミーミューアかな。とにかくその阿鼻叫喚は、戦慄1のエキセントリックなパーカッションとは違う意味で、ほんの数か月で終わったミューア期クリムゾンの存在を強烈に印象付ける。

そしてそして、ミューア期サウンドボード音源としては初登場となるトーキングドラムと戦慄2である。これはミューア脱退後の4人編成でその熱さ含めて完成へと向かうんだけど、この5人編成で聴けるオリジナル演奏は、後の73~74年のブルーフォードとウェットンの爆音やりたい放題バトルとはまた異なる初期の荒々しさが感じられて非常に興味深い。

以上、さすがにもう発掘音源は出てこないかな。いや、まだ分からないぞ。またどこかの倉庫や当時のローディの物置から発見されるなんてことがあるかも知れないし。本作の音源の価値は、69年のクリムゾンで言えばイアンマクドナルドが所有していた69年12月フィルモアのサウンドボードテープにも匹敵する超貴重音源であった。何よりもジョンウェットン大先生の未発表ライヴ音源だし個人的にも拙ブログのネタ的にも嬉しかった。

大体言いたいことは書けたかな。適当だけどwww。この後いったん頭を切り替えて、トッドラングレン来日公演に備えるとしよう。

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