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2020年2月16日 (日)

PENDRAGON "LOVE OVER FEAR" レビュー①

さぁ! ペンドラゴンの新譜だ。いろいろやることがあって忙しいけど、何とか合間を縫って6~7回は聴いたかな。そろそろ自分なりの感想が書けそうになってきたのでブログ記事にしてみる。ちょっとここのところ右腕に疼痛があって、仕事にも所用にも遊びにも支障があるくらいの痛みになってきたので、ホントはブログ書くのも気が進まないんだけど、これだけは書いておきたいネタだし。次の公休日に病院に行く予定。ペンドラゴンの新譜についてはバンドの直販サイトで早々に予約オーダーしていたので随分早く到着していた。思ってたより早かったのでなかなかじっくり聴く時間が取れず、ここまで引っ張ってしまった。国内盤は今月末リリースのようなので、それよりも先にはレビュー書いてやろうと思ってね。

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今回私が購入したのはデカいハードブック仕様の、ボーナスディスクが付いた3枚組。

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ブックの中身を一部だけ載せておく。

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ストリーミング配信全盛の時代に、ストリーミングではなく敢えてフィジカルでのリリースのこだわるということで、このようなハードブック仕様にしたらしい。

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勿論これとは別に通常盤やLPレコードでのリリースもある。モノを持っていたい音楽ファンは確実にいるし、特に日本ではまだまだフィジカルリリースのの需要はあるのではないだろうか。

大好きなペンドラゴンだけに、今回はまず、CD本編の1枚目、全10曲を全曲レビューだ。国内盤の発売はまだだし、その意味では国内盤ライナーとかも読んでないわけで、事前の印象の刷り込みもなく先入観なしで純粋に私個人の感想になる。行くで~。

Everything
キッタァーーー! 素晴らしくポジティヴで躍動感のあるクライヴノーランの鍵盤とジャンヴィンセントベラスコのドラムで始まり、陽光が射すかのようなニックバレットのメロディアスなギターが胸奥に突き刺さる。それを効果的に支えるピータージーのベース。そしてお馴染みのニックバレット自身のヴォーカル。ヴォーカリストとして上手い下手を超えたペンドラゴンの声だ。完璧、みんなが大好きな、あの、あの、90年代のペンドラゴンだ。

Starfish and the Moon
ニックバレット自身による静謐なピアノと、こんなきれいな声出せたんだ、って改めて思うようなニックバレットのヴォーカルが映える美しい曲。まるで子守唄のよう。さらにニックバレットのギターの音色は、それこそキャメルのアンディラティマーを思わせる美しさ。まさにタイトル通り、スターフィッシュ(ひとで)と月夜が思い浮かぶ。鍵盤、ヴォーカル、ギター、すべてが徹頭徹尾、美しい。

Truth and Lies
少し哀メロ掛かった静かな立ち上がり。ニックバレットのアコギとヴォーカル。あまり過去のレジェンドなプログレバンドを引き合いに出すことが良いことだとは思わないんだけど、それでも敢えて分かるように伝えるには・・・、ハケット?あるいはハケット在籍時のハケット主導のジェネシス曲を思わせる。曲後半はこれまたいい意味でハケットのような、また下手すりゃデヴィッドギルモアか?ってくらいの美しいエレキのギターソロが胸に響く。このギターメロディをクライヴノーランの鍵盤が引き継ぐところなんか期待通りの最高レベル。

360 Degrees
ペンドラゴンにしてはちょっと異色、かつ注目できる楽曲だ。とても明るさと軽快さを感じさせる、庶民が踊りだすかのようなマンドリンのアレンジ。そしてなんとペンドラゴン初?のゲストミュージシャンによるヴァイオリンの登場。このヴァイオリンも大活躍。なんていうのかな、エディジョブソン的な感じではなくて、ホントご機嫌な感じのヴァイオリン。引き継ぐギターソロもメロディアス。楽しい民族音楽のような、それでいて最後の方は行進曲風にもなり、ここでも印象は極めてポジティヴ。

Soul and the Sea
ここでも前半からヴァイオリンが印象的に導入される。前曲とは印象は異なり哀メロ中心。曲中盤からのギターとヴァイオリンのソロプレイも哀メロが素晴らしい。

Eternal Light
この曲は1曲目と並んで本作の中核をなす楽曲かも知れない。オープニングはこれまた少し異色のアレンジで始まる。そして静謐なピアノ、美しいギターのアルペジオ、薄く広がるメロトロン風シンセによる男性コーラス風アレンジ、またアコギのアルペジオをバックにした今度は女性コーラス、70年代のジェネシスを感じさせる部分もあるが、すぐにペンドラゴン印な、あの、90年代ペンドラゴンとなる。遠く美しい風景を仰ぎ見るかのような美メロとアレンジが素晴らしい。これらの要素が入れ替わり立ち替わり展開するまさにプログレ風の8分越えの曲。まさにタイトルが「永遠の光」と言われて納得がいく。

Water
他の曲にも言えることだけど、静謐なアレンジ部分での音の響かせ方が見事だ。ギターの音の一音一音がとても美しく響く。タイトル通り、水の流れを思わせる始まり方。後半でのギターソロもお約束の哀メロのロングトーン。このギターの響かせ方も素晴らしい。スティーヴハケット、デヴィッドギルモア、アンディラティマー、そしてペンドラゴンのニックバレット、この4人に共通するものだ。また、言うまでもないがバッキングのクライヴノーランの鍵盤が大きく効果を上げていることはあえて強調しておこう。

Whirlwind
2曲目に続いて、再びニックバレット自身による美しいピアノで始まる。ほぼ2曲目と同傾向の静かな子守唄風バラード。ま、なんちゅうか、この同傾向で2曲は要らなかったかなww。ただ、ここでは後半にゲストミュージシャンによるサックス入り。その意味では異色だ。

Who Really Are We?
この曲だけ、近年というか2005年以降の、みんながあまり好きではないww、ダークでシリアスな時期のペンドラゴンの片鱗が見え隠れする8分越えの曲。でもこういう曲が支配的だった近作とは違って、作品中1曲だけであれば、それは逆にアルバムのちょっとしたアクセントになって良いwww。

Afraid of Everything
ここでもニックバレットの静かなエレキとヴォーカルで始まる。ホントに音に響かせ方が美しい。爪弾くギターの一音一音に必然性があると思わせてくれる。中盤からのバンド演奏になってのクライヴノーランのシンセソロのメロディも胸に染みる。その余韻のままフェードアウト。う~ん、ラスト曲で最後の部分、もうひと盛り上がり、欲しかったかなぁww。

以上、全10曲の全曲レビューは久しぶりだったかな。プロデュースはバンドリーダーのニックバレットと、そしてそして、私の大好きなカールグルーム。ミキシングもマスタリングもカールグルーム。盤石の体制だ。上記で何度も使ってしまった、音の響かせ方、っていうの、さすがだねカールグルーム。全体の印象としては、やはり①と⑥を中心として、とにかくポジティヴ。美メロは美メロでもダークでシリアスな哀メロばかりではなく、アレンジが明るいからワクワクする躍動感が印象に残る。90年代のマスカレードオーヴァーチュアや2001年のノットオブディスワールドに比肩するかと言われれば、うーん、そこまでは行かないかなってのが今の印象だけど、それでも2005年ビリーヴ以降のダーク&シリアス路線からは脱却してるのは明らかだし、繰り返すがみんなの大好きなペンドラゴンであることは間違いない。もっと聴き込めば、もっと印象が良くなるかも知れないし、ライヴで更に映える楽曲群かも知れない。

前作から6年ものブランクがあっての本作であったが、近年の、マスカレードオーヴァーチュア再現ツアーや2017年の来日公演含めた40周年ツアーでの、オーディエンスからの反響によって、バンドが本来の魅力を取り戻してくれたのだとしたら言う事はない。既に2020年英国欧州ツアーに向けてバンドはとても前向きなようだけど、残念ながら来日の予定はなし。バンドのfacebookで、「JAPAN AGAIN !!」ってリクエストしてみたけど、ん~ん、ちょっと難しいかも・・・、って返信だった。でもそれでも来日があるといいなぁ。

最後に、今回3枚組を購入したので、記事タイトルにレビューその①としてるけど、例によって本作レビューの第2弾があるかどうかは気分次第(笑)。ただ、CD2枚目と3枚目も少しだけ聴いたんだけど、これはこれで聴き応えがありそうだったし、2枚目3枚目を聴くことで、本編CD1枚目の印象が違ってくる気もしている。それが顕著に感じた場合はレビュー②がある可能性高しww。

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