2018年1月 2日 (火)

ダウンズ・ブレイド・アソシエイション 「スカイスクレイパー・ソウルズ」(DOWNES BRAIDE ASSOCIATION "SKYSCRAPER SOULS")

2018年、明けましておめでとうございます。新年一発目のブログ更新です。

フツーに大晦日から元旦にかけて泊まり勤務だったので、お屠蘇気分も何もない私であり、本日1/2が公休で明日はまた泊まり勤務と自分にとっては日常が過ぎて行くのみ。今日も朝起きて、家の掃除して、ウォーキングして、明日の仕事のお弁当用の卵焼きを焼いて、昼ご飯食べて、インスタントコーヒー入れてウチカフェしながらブログを書く、フツーの日常である。そんな日常を少しでも価値的に前向きに、何か1ミリでも前進できたと言える1年にすべく本年も頑張るのみである。でもそうは言っても1ミリでは無く今年こそは何らかの形で自らの財政状況を好転させて、買いたいCDを買い、行きたいライヴに金の心配せずに行ける、そういう状況を掴みとりたい。昨年も泣く泣く買い控えたCD、泣く泣くチケット確保を断念したライヴ、結構あるんだよ。なので今まで以上の気持ちと勇気と具体的努力をしていこうと深く決意している。大事なことは諦めないこと、投げやりにならないことである。

・・・あぁ~堅い硬い固い、そんなこと書いても誰も期待してないか(笑)。早速普段通りのブログ行ってみよう。今回は1ヶ月ちょっと前に国内盤も発売されていたDBAの3rd、ようやく記事書いてみる。

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今回はとうとう御大ロジャーディーンによるジャケとなり、いよいよその道に乗り始めたか?みたいな色んな意味でマネージメント的にもプロモーション的にもリキの入った体制となっている。

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レコーディングに参加しているメンバーもゲスト多数で、豪華とは言わないけどツウなファンからしたらオッ?って思うようなゲストも参加している。ドラムやベースは打ち込みでは無い。トレヴァーホーン界隈のアシュソーンが全曲ドラム、またベースもアンディホッジと言う人が担当。この時点ですでにエレクトロポップでは無くバンド形式を模して制作されているので若干のサウンドの肌触りの違いが予想できる。XTCのアンディパートリッジが参加しているのも意外だったし、ブリティッシュポップ界の有名人勢揃いな感じ。

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さて、内容である。既に通しで5~6回聴いていて、今も聴きながら書いてるんだけど、なぜか今作はすぐにブログ書きたいって気分にはならなかった。その理由が本作を聴いた私の感想にも通じるところではある。忌憚なく正直に書こう。ジェフダウンズは言うまでもないバグルス、イエス、エイジアの主力であり実力実績は言うまでもないし、クリスブレイドも作曲家として様々な賞を受賞しているそうで、またプロデューサーとしても実績があり、この2人が組んでクォリテイの高いものが出来るのは当然である。これまで拙ブログでも関連諸作を積極的に取り上げてきた(以下リンク)。

DBA1st
DBA2nd
PRODUCERS
THIS OCEANIC FEELING

今作も全体的にメロディ、アレンジ共に実に良く練られた楽曲が収められており、非常に完成度が高い。違いがあるとしたら打ち込みサウンドに代わってゲストミュージシャンに楽曲演奏が委ねられている点と、タイトル曲が18分もの大作となっていること、この2点が目に付く。プログレファンの観点からするとこれらの点は好意的なものとして受け取りたいところである。ましてジャケはロジャーディーンだし。

で、そんな評論家的な言い方では面白くない。私の正直な感想を書こう。まず、上記の2点だけど、それによって何かが劇的に変化したかと言ったらそうでもない。良く言えば打ち込みエレクトリックサウンドであろうと生バンドサウンドであろうとDBAとしてメロディ、サウンドは不変である。では、5回も6回も聴いてなかなかブログを書こうとしなかった理由は何かと言うと、ズバリ、私にとっての強力キラーチューンが無い、そういう事である。どんな曲をキラーチューンと感じるかは人それぞれだと思うので、あくまで私の感性で、と言うことになるんだけど例えばDBA1stに於けるRoad To Ruinのような飛翔感と弾けるようなポップ感覚に溢れた曲が無い。また、THIS OCEANIC FEELINGに於けるKarma Cameraのような胸に染み入って思わず遠くを見つめたくなるような強力な哀メロ美メロの曲が無い。かすってる曲は沢山あるんだけど。自分にとっての作品への入り口となるようなキラーチューンが残念ながら個人的には無かったのである。誤解の無いように言うと決して駄作では無い。いやむしろDBAとしての集大成とも言える最高作なのかも知れない。全てにおいて高水準な作品である。でも私には入口が無い。だから何度聴いても、悪くはないんだけど気が付くと終わっているような、そんな感じ。これで1曲だけキラーチューンがあると、途端に過去最高作!って大騒ぎするところなんだけど、そこのところが少し残念だった。従って今作を聴いていて気が付くと終わっていて、そしたら急にDBA1stのRoad To RuinやTHIS OCEANIC FEELINGのKarma Cameraを聴いてしまったよ。

以上、例によって上げてるのか落としてるのか、分からない書き方になったけど正直な感想でした。ジェフダウンズは今年も#YES50のツアーに、そしてその絡みでイエスのフライフロムヒアのトレヴァーホーンによるヴォーカル版の編集作業、またバグルスとしての新曲の制作、合間をぬってエイジアのライヴ、またパンパンに太った身体のダイエットと大忙しの日々になるようだ。ジョンウェットン大先生との未完のエイジア曲の完成はいつになる事やら、実現してほしいけど、実現してしまうともうホントにそこで先生の遺作扱いになってしまうのが寂しいような、難しい感情と期待を抱きながら今年もその動向に注目して行きたい。

最後になりましたが、今年も一年、書きたい時に書きたいことを書くだけの拙ブログですが、楽しんで下さる方がいらっしゃいましたら幸いです。何卒よろしくお願い致します。

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2015年12月30日 (水)

【Short Review 11】プロデューサーズ 「メイド・イン・ベイシング・ストリート」(PRODUCERS "MADE IN BASING STREET")

なぜこれをリアルタイムで買わなかったのか、なぜ来日公演に行かなかったのか、今になって悔やんでも仕方ないがやはり悔やまれる。トレヴァーホーン、ロルクレーム、スティーヴリプソン、アッシュソーンによるスーパーグループ、プロデューサーズの2012年発表のCDである。

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ここから派生したと言っても過言ではないDBAの1stTHIS OCEANIC FEELINGDBAの2ndと取り上げたからにはプロデューサーズも取り上げないワケにはいかないので最近購入した。内容は英国ポップ職人たちが顔を揃えただけのことはあるという期待通りのブリティッシュポップ。キャッチーでポップで80年代のキラキラしたエコーの効いたサウンドが英国ならではの若干の翳りを伴って展開されるという、私の好みからすればツボにハマったタイプの音楽である。

そもそもなぜ2012年時点でスルーしていたのか。本作ではブックレットには明確なクレジット表記がなされていないが、ジェフダウンズが全面的に全曲で鍵盤で参加している。その事に当時気付かなかったことが一つ。そしてもう一つ、2012年と言えば今でも鮮烈な印象として残っているトリオU.K.の来日公演があったり、エイジアのXXX発売と30周年ツアー来日公演があったり更には「詠時感~時へのロマン30周年BOX」(レビュー記事)が発売されたりで、U.K.とエイジアの事で胸がいっぱいになっていてプロデューサーズの事を余裕でスルーしてしまっていたのであった。ちなみにそのダウンズのDBAでの相棒クリスブレイドは本作の共同プロデューサーとしてクレジットされている。なのでDBAとTHIS OCEANIC FEELINGはまさしく本作品からの派生プロジェクトと言えるのである。

もっとイタいのはプロデューサーズの来日公演も完全スルーしていたことである。この時に参戦していれば、終演後サイン会でトレヴァーホーンのサインが貰えたはず。昨年のイエス来日公演VIPパッケージでドラマのレコーディング時のメンバーのうちの4人にドラマのCD紙ジャケにサインを貰っていたから、その前にトレヴァーホーンにサインを貰っていたらドラマのメンバー全員サイン入りジャケが完成していたことになる。実にもったいないことをした。

悔し紛れな事ばかり書いてしまったが、本作のショートレビューまとめ、これはDBAやTHIS OCEANIC FEELINGを気に入った人なら絶対に購入するべき申し分のない愛聴盤です。

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2015年12月29日 (火)

ダウンズ・ブレイド・アソシエイション 「サバーバン・ゴースツ」(DOWNES BRAIDE ASSOCIATION "SUBURBAN GHOSTS")

未だにキングクリムゾン来日公演のインパクトが残っていて、他のネタをなかなかブログに書く気が起こらず。それに私が参戦した大阪初日のレポをブログにUPして以来、拙ブログの一日ごとのアクセス数が跳ね上がって未だにアクセス数が高止まり状態っていうのはさすがキングクリムゾンというか、クリムゾンの人気の根強さに改めて感心するのみである。このまま今年は何も書かないでおこうかとも思ったが(苦笑)、書こうと思っていたことを忘れてしまうのもアレなのでパパッと追い込みで年末に幾つか記事を書いておきます。

先月11月末に買って、ブログのネタとして用意してあったがクリムゾン祭りでずっと後回しにしていたヤツがコレ、エイジア、イエスのジェフダウンズと、シンガー、プロデューサーとしてその界隈では有名らしいクリスブレイドによるダウンズ・ブレイド・アソシエイションのサバーバンゴースツ。期待して無かったにもかかわらず予想外に気に入った前作 PICTURES OF YOU から早3年、待望の2ndとなる。前作では略称のDBA名義だったが、なぜか今作は略称は使われておらずフルネーム表記となっている。まぁどっちでもイイ。以下本文ではDBAと略称表記する。

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さて、このDBA、プロデューサーズから派生した一回限りのプロジェクトかと思ったらしっかり2ndの登場と言うところが、本人たち自身も前作にある程度の手応えがあったのかも知れない。勿論それにサポートしてくれるレーベルが付いているってのも大きいだろう。しかも今作は我が国ではマイナーレーベルではあるが国内盤も発売されていて拙ブログとしても前作を褒めちぎったのが少しは役に立ったかな(笑)。

今作も期待に違わない充実の作品だったので軽く一言ずつ全曲レビュー行きます。

① Machinery Of Fate
オープニングナンバーはいきなりあからさまにバグルス的なエレクトリックポップなリズムと音像で始まる。ところがサビの歌メロが素晴らしく胸に染みる哀メロで、転調しながら哀メロを繰り返すところがクサ過ぎて最高。もうこの哀メロだけで100年くらいはセンチメンタルな気分に浸ることが出来る。早くもジェフダウンズとクリスブレイドのメロディセンス全開。素晴らしい。

② Suburban Ghosts Part 1 And 2
二部構成のタイトル曲は、ゆったりしたリズムでメロディアスな歌メロが浮遊感のあるアレンジでさらに際立つ。曲中で歪ませていないハモンドオルガンの音色の鍵盤ソロがホンの味付け程度にサラッと使われているところが逆にプログレっぽさを強調して無くて、とても贅沢な音作りだと思う。

③ Suburban Ghosts Part 3
二部構成の前曲に続いて同タイトルの第三部との位置付けだが、あまりその意味は分からない。歌詞のコンセプトに繋がりがあるのかも知れない。曲としては別物のような感じで、ここではエレクトリックポップというよりリズムはロックな感じ。やはりこの曲も哀メロをセンス抜群のスペーシーな鍵盤で穏やかに包んでいて、その手の音が好きな人にはどっぷり浸れる。なお、この曲では終盤に前作の1曲目オープニングの歌メロが再び登場する。

④ Vanity
深みのある鍵盤のみをバックにしたバラード調の曲。ここでも徹頭徹尾哀メロ。好きだなこの人たち(笑)。

⑤ Number One
この曲も哀メロを転調させながら繰り返す感じ。哀メロが続いてちょっと疲れてくるぞ(笑)。

⑥ Interlude
インタールードと言うからには1分ちょっとの短い曲であるがやはり哀メロ。

⑦ North Sea
暗めのメロディで進行しつつ、サビで開放的なメロディ展開にするところが如何にもメロディアスポップ職人の仕業って感じ。ここでもセンス抜群の鍵盤が非常に有効。とにかく鍵盤ソロまでサラッと美味しいメロディを使ってるところが贅沢だなぁ。この人たちはどんだけメロディが湧いて出てくるのか、頭の中を覗いてみたいくらい。

⑧ One Of The Few
ゆったりした哀メロバラード調の曲で④に似てるかな。

⑨ Time Goes Fast
これも哀メロなんだが非常にエモーショナルなメロディで結構印象に残るぞ。速弾きとかそういうんじゃないダウンズならではの鍵盤ソロもあって楽しめる。

⑩ Live Twice
途中のたっぷりとエコーを効かせたヴォーカルが如何にも80年代的で、そう言えば他の曲も全部80年代的だなと改めて気付かされる。そう、この作品は80年代サウンドそのものなんだって。

⑪ Dreaming Of England
ベースでリーポメロイが参加している。コレも浮遊感のあるメロディアスな曲でちょっと飽きてきたかな(オイオイ)。

⑫ Finale
最後は①のインストをリプライズ。結局①が本作で肝であったことを自ら明かしてしまったようなものだが、上で絶賛した哀メロのコード進行がこれでもかと味わえて後味が素晴らしい。

以上、聴き通すと哀メロナンバーがズラッと並ぶもんだからちょっと飽きが来てしまうのが惜しいところ。途中途中で違う趣向のメロディとか、前作のRoad To Ruinのような高く高く突き抜ける飛翔感のあるメロディが一曲でもあれば、もう私の好みからすれば完全無欠の最高傑作になったかも知れない。その辺りだけ残念。でもキラキラしたエコー感たっぷりのメロディアスな80年代サウンドが好きな人には必携の作品であると言い切ってしまおう。

まさかの2枚目まで出してしまったんだから小さな会場とか、それこそビルボードライヴとかでいいからDBAとして来日してくんないかな。ジェフダウンズはともかく、クリスブレイドの実力はもっともっといろんな人に知ってほしいと思う。

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2015年9月 2日 (水)

THIS OCEANIC FEELING "UNIVERSAL MIND"

予想外に気に入ったジェフダウンズとクリスブレイドのプロジェクトDBAの2ndがダウンズによると仕上げの段階に入ったようで年内発売予定との事。やはり高校や大学時代をあの80年代の深~いエコーの効いたスペーシーかつゴージャス、キラキラ、ポップな音像を聴きながら過ごした関係で今でもあの感じの音楽を聴くとついつい心が動く。DBAはまさにプログレ風味を加えた80年代ポップサウンドでドツボだった。2nd発売が待ち遠しいところであるがその前にクリスブレイドがDBAとは別プロジェクトを始動していた。それが今回取り上げる THIS OCEANIC FEELING の "UNIVERSAL MIND"。

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参加メンバーはクリスブレイド(Vo,Key,G)にアッシュソーン(Dr)、このトレヴァーホーン界隈の2名に近頃休眠中のイットバイツのメンバーで、リックウェイクマンやスティーブハケットのバンドでも重宝されている凄腕ベーシスト、リーポメロイ(Bass)が合体した3名。確か7月に発売されていたようだが引越しのどさくさでウッカリしていて8月になって慌てて注文。お取り寄せ状態だったのがようやく到着。パッケージは3面見開きデジパック。内側はこんな感じ。

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外側は以下。

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早速開封して早くもへヴィローテ。DBAを聴いて気に入った人や、私のように未だに80年代的な音像に何とも言えない感慨を抱く人にはすぐにでも聴いて欲しい。予想通りの期待を裏切らない、そういうサウンドである。収録曲は以下のような序曲的なオープニングから終幕の短い最終曲まで含めて全12曲。胸にキュンとくるメロディと音像満載。

① Lie Detector
② Put Down The Gun
③ Radio
④ Logotherapy
⑤ Universal Mind
⑥ Intensive Care
⑦ Wake Up
⑧ I Play Debussy
⑨ Johnny Tragic
⑩ Karma Camera
⑪ Season Of Light
⑫ Finale

DBAによく似ているがそれだけで済ませてしまうと面白くないので、敢えてDBAと比較して言ってみると、やはりドラマーとベーシストが参加してるだけに打ち込みやシンセベースでは無い分、人手によるノリというかグルーヴ感と言うかドライブ感が増している。DBAよりはちょっと薄めのプログレ風味で、いくつかの歌メロや鍵盤のメロディは深く胸を打つセンチメンタルな美しさもあり、そこら辺を気に入る人にはクセになると思う。私はクセになってる。

①はいかにも大味なプログレ的に始まり②でバグルス的ポップになるがここで印象に残るのはドラムとベースが起こすドライブ感。この時点でDBAとは似て非なる感がある。PVも制作された本作リードトラックの③はクリスブレイドの素晴らしいメロディ感覚が味わえるが、加えて鍵盤の音色使いと残響音の生かし方が80年代的で感動的ですらある。リーポメロイのベースが曲を引っ張っているとさえ感じる軽快な④、これまたヴォーカルと鍵盤にたっぷりエコー感を聴かせた空間を気持ち良くゆったり漂うような⑤⑥⑦⑧(←おいおい端折り過ぎ?笑)、再びアップテンポなバグルス的な⑨を経て⑩、これが私の今作一番のお気に入り。たまらなく郷愁を感じる美しいヴォーカルメロディ、その後ろで響く鍵盤のメロディも美しいし、更にはベースのメロディまで美しい。ちょっとなんか現実を離れたいときにはピッタリのあまりに美しい曲。この曲がずーーっと続いてくれてもイイくらい。しかし続く⑪も美しい。8分半の大作ながらプログレと言うよりは美味しい歌メロと美しい鍵盤の音色使いが延々続く感じが凄く浸れる感じ。最後⑫はムーグ的なシンセのメロディが軽快に鳴り響いて終了。

この作品は耳に馴染みやすくて聴き易いキャッチーなメロディと音像が満載なので、例によって気に入ったからと言って毎日聴くとすぐに胸焼けを起こして飽きるから気を付けなければならない。DBAの時もめっちゃ気に入った後、わざと1年くらい聴かないようにした。そのお蔭で飽きずに今でも月に一回くらい聴ける愛聴盤となっている。大事に聴くようにしたい。そして続くDBA2が超楽しみでもある。

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