2017年7月 1日 (土)

DREAM THEATER "IMAGES AND WORDS 15th Anniversary Performance Live in Bonn Germany 6/16/07"(The International Fan Clubs CD 2007)

なんと本日2本目のブログ更新。
数日前、どうもここ数か月分くらいの疲れが溜まっていたのか、明けで帰宅して昼ごろから寝て、いつもなら夕方頃には起きるのにそのまま翌日公休日の朝10時半ごろまで寝続けるという、嘘みたいな寝かたをしてしまった。約20時間近く寝続けたことになる。途中何度か目は開いたんだけど、体が全然起きないっていうか、すぐまた横になって眠ってしまうという感じで。基本連休の無い不規則な勤務の仕事でなので、平均すれば週休2日ではあるものの、やはり徹夜に近い仕事して、帰ってきて昼間寝るという人間らしくないリズムに加えて、2ヶ月ほど前からいろいろ地域の所用も重なっていたので知らず知らず無理を重ねていたんだろう。その後もなんかしんどくて、ハイまた例によってブログはご無沙汰(笑)。疲れも溜まってんのかも知れないけど、ブログに書こうかなと思うネタも溜まっていて、もう収拾つかない。取り敢えず本日公休日、天気も悪くてウォーキングも断念なので頑張ってちょっとでもブログ記事を書いておこう。

ドリームシアターの2017年9月来日公演が決定した。個人的には期待していたアストニッシング再現ライヴでは無くて、イメージズ&ワーズ25周年記念の完全再現ライヴとの事でちょっと期待外れではあったものの楽しみではある。DTに関しては常に何かしら前進とチャレンジし続ける印象があったので、過去作の完全再現をメインにしたツアーってのは、アレアレどうなの?って気がしないでもないが、いつの間にか歴史の長いメジャーバンドになっていたワケで、たまにはこういう企画モノもありだろう。そう思ってこれはこれで楽しもうと思うのである。クリエイティヴマンの3A会員なので、大阪公演分のチケットは先行予約で既に確保済。後は9月までじっくり盛り上がって行こうじゃないか。その一環で今回は、いつかこのブログでも取り上げようと思っていたCDをネタとして記事UPする。

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今からちょうど10年前、ドリームシアターの2007年ドイツでのライヴで、イメージズ&ワーズの発売15周年を記念した完全再現ライヴのCDである。ブートじゃありませんよ(笑)。公式盤ですよ。但しドリームシアターのインターナショナルファンクラブCDってヤツで、会費を払ってファンクラブに入ってる人に配布されていたバンド公認の公式ライヴCDである。多分世界で3~4000枚くらいの生産だったのかも知れない。なので一般流通はしていないしオフィシャルブートのシリーズとも違うので持ってる人はそうは多くないと思われる。あ、別にコレクション自慢をしたいわけでは無い。今までブログで取り上げるタイミングが無かったのが、ちょうど今回のイメージズ&ワーズ完全再現ライヴの来日公演決定でこれは取り上げる絶好の機会だろうと思ってね。

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インターナショナルファンクラブのCD配布は多分この2007年のヤツが最後だったかな。オフィシャルブートシリーズが始まって、ファンクラブCDは終わった気がする。詳しく憶えてないけど今はもうファンクラブCDとかは無いと思う。

内容的には勿論言うまでもなく、イメージズ&ワーズの全曲ライヴ演奏収録で、これまた当たり前だけどキチンとライヴレコーディング及びミキシングが施された公式盤だから音質も公式盤品質。演奏はスタジオ盤通りのライヴ演奏に加えて一部アレンジが加えてある。アレンジを変更してるのではなくて、追加でフレーズや遊びが加えてある感じ。なのでライヴ盤としての付加価値も味わえる。個人的に出色だと思うのはポップでメロディアスなSurroundedの演奏。イントロにジョーダンルーデスによる美しいメロトロンのフレーズが加えられていて、アウトロにもジョンペトルーシのメロディアスなギターフレーズが加えられている。なので演奏時間はCDのトラックタイムで計13分に及んでいる。このSurroundedだけでも本商品を持ってる価値は大アリだと思う。

今回のライヴで92年当時と同じ高い声域をジェイムスラブリエが出せるかどうかが不安だけど、そこはまぁ25年も第一線で活躍している故、うまく誤魔化して歌ってくれるだろう(笑)。この15周年記念ライヴでもそうだから(笑?)。また、既に行われた同趣旨の欧州ツアーではアンコールで大曲A Change of Seasonsが演奏されており、来日公演でも演奏してくれるのでは?と期待できる。A Change of Seasonsもイメージズ&ワーズと同時期に作曲されてライヴでは演奏されていたから、イメージズ&ワーズ25周年に合わせて演奏するのは道理に叶っている。もうそんなこと言うなら、同じくイメージズ&ワーズと同時期に作曲されていたEveとかTo Live Foreverとかもやっちゃってよ、って感じ。特にEveの美しさはドリームシアターの全レパートリーの中でも超一級品だと思うし。

もう少しイメージズ&ワーズにこだわるなら、オフィシャルブートシリーズで発売されたイメージズ&ワーズのデモ音源集も取り上げますかね。いや、気が向けばだけど・・・(笑)。

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2016年12月31日 (土)

THE NEAL MORSE BAND "THE SIMILITUDE OF A DREAM"

誰でも出来ることなら好きなことを仕事にしたいと思うだろう。現実には好きなことを仕事にしてる人なんて殆ど居なくて、辛いことが多くて、それを口に出すか出さないかの違いはあれど、出来ればその現実を変えてでも好きな仕事をしてそれを生業としたいと、誰もが思うはずである。好きなことを仕事にしている人って、休みなんか無くてもイイくらい日々が楽しいと思えるだろう。しかし現実にはそんな人はそうはいないと思う。私も引き続き悪戦苦闘の中で、だからこそ人の心の痛みが分かる人間に成長しよう、もし倒れるなら前向いて倒れよう、などとカッコイイこと思いながら日々を生き抜いているのである。

世間では年末年始の休暇気分で過ごしている人が多いだろうが私は例によって土日祝日盆正月なんか一切関係ないシフト勤務な仕事なので、とっても平常運転モード(笑)。今日の大晦日はたまたま公休日だけど、明日の元旦はフツーに24時間勤務。なので今年もお世話になりましただの、明けおめだの、そういうアレをブログでもSNSでも書かない。

公休日の今日も朝ちょっとゆっくり目に起きて、午前中は休日の日課のウォーキング兼オカンに頼まれたスーパーでの買い物。そしてウォーキング中の約1時間40分で、好きなことを仕事にして、仕事を楽しんでいると思われる人の作品をみっちり聴いていた。ニールモーズである。ニールモーズバンドのCD2枚組新作、既に何度かウォーキング時に通しで聴いてるんだけども、なかなかブログで取り上げなかったのは、感想を書くのが難しかったから。でも何度も聴いたのでブログに書かないのも勿体ないし、年末のタイミングでチャチャっと取り上げておこう。

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ニールモーズについてはわざわざ解説の必要もないだろうが、元スポックスビアードの中心メンバーにして、一時引退の後にソロとして復帰してから現在に至るまでとんでもない勢いでクォリティの高いプログレ作を発表し続けている、まさに奇才である。先月のスポックスビアード奥本亮さんのライヴでも仰っていた、まさにキ〇ガイのような才能の持ち主である。

ソロとしての復帰以降、ソロ名義、トランスアトランティック、フライングカラーズ、そして現在のニールモーズバンド名義と、次々と創造しつづける音楽は、凄く大ざっぱに言えばどれがどう違うのか分からないくらい。いや細かくは区別できるんだけど。言いたいのはどれもクォリティの高い、プログレ、ハード、メロディアス、ポップが融合した高水準の作品ばかりであるという事。それぞれの名義によってプログレ度が高かったり、メロディアスハード度が高かったり、そういう区別は出来ると思う。私はと言えば、その余りにもハイスパートなリリースラッシュに金と時間が付いていけず、作品は買ったり買わなかったり。ソロ名義は数枚買ったけど、買ってないものもある。トランスアトランティックは大体買ってるけど一番最近のライヴ盤は買ってない。フライングカラーズは1stは買ったけど2ndは買っていない。ニールモーズバンド名義の前作は買っていない。程よい言い訳としては、高水準なんだろうけどもう同じような作品ばかりなので新しいの買わなくても十分です、みたいな。

ではなぜ今回購入したのか。それは元ドリームシアターのマイクポートノイの事前の煽りコメントにノセられたから。ニールモーズのソロ及び各種プロジェクトのほぼ全てに全面的に関わり続けているマイクポートノイ曰く、今回の2枚組コンセプト超大作はドリームシアター時代を含めた自らのキャリア最高の作品、とのコメントに、そ~こ~まで言うなら、と喜んで購入したのである。今年はドリームシアターも自らのキャリア史上最高最長の2枚組コンセプト作「ジ・アストニッシング」を発売しており、マイクポートノイがそれを意識したかしてないかは分からないけど、私の方が意識して期待してしまった。アストニッシングはホント聴きまくったからなぁ。全力でレビュー記事()を書いたけど、未だに拙ブログのアストニッシングの記事へアクセスが多くあるみたいだし。ところでドリームシアターは、アストニッシングのツアーに一区切りつけたのか、2017年前半はイメージズ&ワーズの再現ライヴツアーが発表されてしまった。それはそれで楽しみだけど、アストニッシングの来日公演を期待していた私としては、エェ~~ッ、って感じ。

話を戻してニールモーズバンドの2枚組新作である。何度も聴いたのになかなかブログに書かなかったのは、今回も高水準の大変な力作なのはよくよく分かったんだけど、ドリームシアターのアストニッシングほどドハマリはしなかったから。コンセプトメーカーは当然ニールモーズ本人なんだろうけど、バンド名義だけあって作曲、アレンジのみならずリードヴォーカルなんかも各メンバーで分け合っているようだ。それもそれでOKだけど、自分の聴感上そこはあまり重要ではない。メロディ派の自分の感想を正直に言うなら、この2枚組100分超え大作は、オープニングのLongday~Overtureの2曲にすべて集約されている、そんな感じである。ニールモーズ節と言える分かりやすくキャッチーなメロディで、オォッ、って思えるのだが、その後はこの2曲で提示されたニールモーズ節が、アレンジを変え、転調しながら繰り返し登場するのである。しかもそれがCD2枚100分超に渡って。だからダメとか言いたいのではなくて、素晴らしいメロディがコレでもかと出てくるのは好きだし、ある意味プログレ作品の王道ではあるんだけども、同じメロディの変奏が100分超に渡って出てくるのはちょっとシンドイなぁって(笑)。ドリームシアターのアストニッシングも同様の作りだけど、美味しいメロディは一つではなく、異なった数種の美味しいメロディが2枚組全体に散りばめられていた。だから飽きなかったと思う。

決して本作を否定してるわけでも貶しているわけでもない。繰り返すけど大変な力作である。ただ、それだけの力作として印象に残るか残らないかという意味では、今作はそれこそCD1枚組60分前後にまとめてくれた方がもっと印象に残ったかなって、そんな気がするのである。

ちなみに本作をリリースしたニールモーズ及びマイクポートノイは、早くも今度はフライングカラーズの3rdとなる作品の制作に取り掛かっているとの事。ほんと仕事好きなんだなぁって、そういうオチである(笑)。

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2016年8月23日 (火)

DREAM THEATER "THE ASTONISHING" Limited Edition Deluxe Box Set

ドリームシアターの歴史に残る超大作ジ・アストニッシングが発売されたのは今年2016年の1月、首を長~くして待ち続けたデラックスボックスセットが、発売日から約7か月も過ぎてようやく到着した。

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本作の内容については既に各方面で絶賛されているし(グズグズ言ってる方はそれはそれで良いし私の趣味趣向には何の影響もない)、2月から始まっているこの新作のみ演奏というワールドツアーも大好評のようで来日が待ち遠しい。但しどうも本年中の来日は無さそうで、それはイイから来年になってでもぜひ同内容で来日して欲しいものだ。私自身の本作の内容に関する感想は以前に延々と2回に分けて書かせて頂いた。今も印象は全く変わらず、私の中で大傑作である。該当の記事は以下。

ドリーム・シアター 「ジ・アストニッシング」(DREAM THEATER "THE ASTONISHING")レビュー①:ACT 1 編

ドリーム・シアター 「ジ・アストニッシング」(DREAM THEATER "THE ASTONISHING")レビュー②:ACT 2 編

なので今回はもう内容には触れず、今回到着したデラックスボックスセットのディテールを紹介する。Nomacsのオブジェの制作が遅れていたか何かで再三にわたって商品の発送延期連絡が届いていて、もう忘れた頃の到着であったが、そんなこと言い出したらエディジョブソン監修のU.K.コレクターズボックスなんかどんだけ遅れてるんだって話なので、それに比べればかわいいもんである。途中でお詫びなのか何かの間違いなのか2CDだけが届いたり、更にはこれまたお詫びの印かつ追加特典だったのかドリームシアター全員のサイン入りポスターが届いたりもしていた。それも含めて記事UPする。

とにかく収納に困る自由気ままな大きさのボックス(苦笑)を開けるとまずはNomacsのオブジェが登場。

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精巧なプラモデルみたいな感じで、こうして手にするとなかなかのコレクター気分を満足させてくれる存在感がある。

次に本作シナリオライターでもあるジョンペトルーシによる脚本?(笑)。

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ポスターサイズの大北アメリカ帝国の地図(だと思う)。

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映画の告知を模したようなポスター。

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ボックスの一番下に2CDパッケージと登場人物やいろんな場面のカード。2CDだけど3月だったか4月だったかに先行して単品で届いていたので、このボックスには入ってないのだろうと思っていたのだけど普通に入っている。まさか二重課金とかされてないだろうな・・・。そうでなければ、私は国内盤と海外盤単品と、そしてこのボックスにも入っていた海外盤と3つも本作を所有することになる。

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登場人物やいろんな場面のカードを広げてみた。しかし登場人物のカード、要るか?(笑)。

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最後に、これもボックス発送に先立って先行して追加特典として送られてきていたメンバー5人の直筆サイン入りポスター。こういうのは嬉しい。ただ、このポスターのサイズ感が変なので、飾るにしてもちょうどいい額みたいなのが無いので、そこは悩みどころ。

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以上、商品ディテールでした。こういうのは所有してしまえば後は何度もボックスの中身を開けてどうこうする事も無い。コレクターならではの持っているだけで幸せってアレだけど、個人的には繰り返しになるが本作は歴史に残る傑作だと確信しているので今回ばかりは限定ボックスを持っていたかったのですよ。あとはとにかく、来日祈願!!

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2016年8月 3日 (水)

LEVIN MINNEMANN RUDESS "FROM THE LAW OFFICES OF"

いくつになっても新たな職場に行くと、それはやはり自分の過去のキャリアや年齢に関係なく新人さん状態であり、覚えることはたくさんあるし見習い期間で不慣れな業務と不慣れな職場環境に緊張もする。おまけに業務のリズムも24時間半の勤務で翌日明けで朝帰宅、勤務日は土日関係ないシフト制と、今まで土日祝日休みの日勤業務で生きてきた身にはある種の環境の激変で、その対応にもまだ不慣れという、色んな意味で過渡期である。他人事風情に言うならば転職はしない方が仕事や生活リズムの継続性という意味でも好ましい気がする。

しかぁ~し、そこは前向きを身上とする拙の事、今までやったことのないリズムの仕事や生活にチャレンジすることで人生経験を豊かに出来るし、色んな経験や思いを味わうことで一人でも多くの人の気持ちや心の痛みが分かる人間になれるのだと、イイ方に気持ちを切り替えて取り組むのである。毎日が緊張の連続であるが故に真剣勝負、イイではないか、明けで朝に帰ってきて外が明るいうちから飲むビールの美味い事! そう言う楽しみを見出すことも出来るし。

そんなわけで、どうしてもブログの更新頻度が滞る。購入したCDやDVDも未だ未視聴なものが多い。観たいTV番組も録り溜め状態になってるからHD容量を空けるために明けオフ日や公休日はまずは録画したTV番組を観て行こうとするし。スティーヴハケットのリヴァプールのライヴDVD&CDも未視聴のままであるが、先週くらいに届いたLEVIN MINNEMANN RUDESSの新譜も未聴であった。そう言えば昨年からzealotsで予約していたU.K.のコレクターズBOX、予想通り盛大に発売が遅れているが、ついこないだも1週間以内に発送するというような話だったがこれまた案の定遅れて、エディジョブソンの言い訳コメントがzealotsに載っていたっけ(苦笑)。徹夜勤務でもうどの情報をいつチェックしたかも忘れてしまいそう。どうせ聴く時間もなかなかないので発売が遅れても何とも思わない。あとアレだ、ドリームシアターのジ・アストニッシングのボックスセットも随分発売が遅れたままだったなぁ。

今日は公休日だったのでオカンに頼まれたスーパーの買い出しや病院にオカンの薬を貰いに行く用事を、敢えて歩いてウォーキングを兼ねて行くことにした。往復1時間半、午前中に歩いたのだが当然ながら暑いのなんのって。そしてそのウォーキングタイムのお供として、ようやく上述のLEVIN MINNEMANN RUDESSの新譜を1周聴けた。なので早速その感想を簡単に。

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一応ボーナストラック3曲付きで本編14曲と合わせて全17曲入りCD&DVD付のデジパックというお腹一杯な商品。今回は公式サイトのプレッジではなく、値段を十分に吟味して一番安上がりかなと見込んでburning shedで購入したもの。

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キングクリムゾンも聴くし、ドリームシアターの大ファンだし、U.K.やスティーヴンウィルソン他で大活躍のマルコミンネマンもお気に入りドラマーだし、ってなるとこの組み合わせは個人的には美味し過ぎる。デビュー作となった前作がとても充実した内容だったがアレっきりのプロジェクトかと思っていたので、まさかこうして2ndが出るとは思わなかった。前作はサイン入りCDがあったけど今回はサイン入りCDは無かったのがちょっと残念。

それで内容なんだけど、まだ1周しか聴いてないからエラそうには言えないし第一印象でしかないんだけど、今回はちょっと聴く側にとっては難しいというか堅苦しい作品かなというのが最初の印象。前作には若干なりとも開放感やリラックスできる清涼感やメロディックな部分があって、商業ベースに載せられるメジャー感すら感じさせるさすがのサウンドだったと記憶しているんだが、今回はそれらの点が感じられなかった。そりゃぁトニーレヴィン、マルコミンネマン、ジョーダンルーデスって言ったらそれぞれの楽器のスペシャリストであり、バカテク満載の複雑な楽曲が来るのは予想通りといえば予想通りなんだけど、前作はその予想をイイ意味で覆すメジャー感が内包されていたと思う。今作はまさに”予想通り”のサウンドって感じ。複雑でヘヴィで、ましてそれを夏の蒸し暑い時にウォーキングしながら聴いたから、余計に暑苦しく感じてしまったのは自分の勝手な都合でしかないが・・・(笑)。前作はお試しで手の内をワザとカラフルに提供して、今作は本当にやりたいことをやってみましたって感じなのだろうか。聴き手に、少なくとも私には前作よりも緊張感を強いる作品に感じた。聴きながらなぜか久しぶりにLTE(リキッドテンションエクスペリメント)を聴きたくなったのは、メロディアスな要素が足りないからかも知れない。LTEはうるさいけど反面とてもメロディアスな要素もあったから。

少しネガティヴに書いてしまったかもしれないけれど、大変な力作であることは間違いない。これは敢えて強調しておかないと。決して駄作では無い。ただその力の入れ具合がピタッとハマる聴き手と、聴くときの気分によってピタッとハマらない聴き手が居るかなって気がする。私ももう少し時間があって気持ちの余裕があってじっくり聴く時間が出来れば、本作の真髄というものを堪能できるかもしれないし、まだまだ聴くのが楽しみではある。

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2016年3月 5日 (土)

DREAM THEATER "CLEANING OUT THE CLOSET"(International Fan Clubs Christmas CD 1999)

ドリームシアターのジ・アストニッシング全曲再現ツアーが始まった。ホントに全曲再現で、それ以外の過去の有名曲は一切演奏せず、アンコールも無いというこだわりのライヴは、今作におけるチャレンジの姿勢が本物であることを物語っている。普通ならファンの欲求に配慮して新譜中心ながらも過去の有名曲も演奏するだろう。しかしそうはしない、そこはバンドとファンの間の信頼関係が強固であるとバンド自身も信じているに違いない。私も既に某ダウンロードサイトで最新ツアーのライヴ音源を入手して、そのセットリストに驚くと同時にその姿勢やアッパレ、さすがはこの私がデビュー時から信じてフォローしてきたバンドだけのことはあると、非常に嬉しいし、自分がドリームシアターのファンであることを誰にでも自慢したいくらいである。勿論この作品のライヴは音源だけ聴いても面白くないのでビジュアル面も観たいところであり、その部分は年内にも実現するかもしれない来日公演を楽しみに待ちたい。

そんな私が、ドリームシアターに限ったことではないが、プログレにせよHR/HMにせよメロディ派のファンであることは何度も述べてきた。いろいろあって心が疲れてる時にはやっぱりメロディの良い曲を聴きたい。そこで今回はドリームシアターのメロディ派のファンにお勧めできるCDを取り上げる。ドリームシアターをしっかりフォローしてきた人にとっては持ってて当たり前かもしれないが、案外今となっては貴重品かも知れないCDである。かつて世界のファンクラブ向けにホンの数千枚単位で制作されたクリスマスCD、のちにファンクラブCDともと呼ばれていたブツである。多分90年代後半くらいから年会費を払ったファンクラブ会員向けに毎年制作、配布されていて2000年代中頃くらいまで続いたと思う。その後、Webで誰でも注文できるオフィシャルブートレッグシリーズが始まって、ファンクラブCDは無くなったのかな? 詳しくは忘れた。私も最初はこのファンクラブ向けCDの存在に気付いてなくて、99年になって存在に気付き、慌てて国内のファンクラブに入会して毎年購入していた。だから多分最初の1,2年分は未所有。以下のCDは99年のクリスマスCD(ファンクラブCD)である。

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99年だからメトロポリスパート2の前、フォーリングイントゥインフィニティまでの、レコーディングされていた未発表曲やシングルCDのみにカップリング収録されていた曲を全9曲まとめて1枚のCDにしたという、その時点でのアルバム未収録曲集である。

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(本品はCDとブックレットのみが届けられる仕組みだったので、プラケは自分で買いました。)

アルバム収録から漏れただけあって、割りとリラックスした楽曲が多い。もっともそれはドリームシアターのテクニカルでヘヴィでせわしないイメージからすれば、という話で実際には十分な力作ばかりである。実は私はこの作品を結構頻繁に聴いていて、下手すりゃDTの正規の作品群のいくつかよりもこのクリスマスCD1999の方が聴いてるかも知れない。さっき上で言ったように心が疲れている時には個人的にピッタリなのである。

中でもよく聴くのは1曲目の Don't Look Past Me、これは素晴らしい。ポップでキャッチーで、今のドリームシアターではまず聴けない軽快な曲。後にオフィシャルブートのイメージズ&ワーズのデモ集に収録されたかな。多分ライヴでは演奏されたことは無いと思う。テクニカルなギターソロもホントにメロディが良くて思わず口ずさみたくなる。疲れている心を前向きに起こしたいときにピッタリである。

そしてインスト曲 Eve、この美しさはドリームシアターの他のいかなる楽曲よりも美しい。とにかく美しい。初期のイメージズ&ワーズの頃で、まだ今ほどライヴでの演奏レパートリーが無かった頃はライヴで演奏されていた。コレを聴きたくてブートCDを買ったりしたものだ。後にアウェイクの国内盤にボーナスとしてシングルCDにも収録された。疲れている心を癒したいときにピッタリである。

他にもやはり初期のライヴで演奏されていた To Live Foreverの91年録音ヴァージョンと94年録音ヴァージョンや、鍵盤のケヴィンムーア脱退、デレクシェリニアン加入後の The Way It Used To Be なんかもキャッチーで聴き易い。探せばオフィシャルブートやシングルCDカップリングで集めることは出来るだろうが、このようにまとめてレア曲集として1枚のCDにしてくれているのは99年当時は貴重だったし今でも手軽に聴けるので有難い。

他にも数年分の貴重なファンクラブCDがあるが全て全世界で数千枚という極小生産だったと思うので、今では普通には手に入らない。多分ebayとかで丹念に探すしかないだろう。もしかしたらプレミア価格になってるかも知れないが。ファンクラブCDは他にも例えばイメージズ&ワーズ完全再現ライヴとか、オクタヴァリウム完全再現ライヴのDVDとかもあるので、また気が向いたら他のファンクラブCD(DVD)も取り上げてみたいと思います。

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2016年2月14日 (日)

ドリーム・シアター 「ジ・アストニッシング」(DREAM THEATER "THE ASTONISHING")レビュー②:ACT 2 編

そう言えばこのDREAM THEATER "THE ASTONISHING"海外盤の4000セット限定BOXがまだ届かない。BOXに含まれるノマックスのオブジェかなにかの製造が遅れてるというようなメールが届いていて発送されるのは3月とのこと。あとサイン入りポスターも入れる的なメールも届いた。楽しみなアイテムになりそう。

さて、なかなか面倒臭くて気が進まないけどアストニッシングのレビューパート②を書いてみる。ACT 1についてのレビューは以下。

ドリーム・シアター 「ジ・アストニッシング」(DREAM THEATER "THE ASTONISHING")レビュー①:ACT 1 編

この、まだ総括をしていないレビューパート①をブログにUPしただけで、それ以降の毎日の拙ブログアクセス数がハネ上がってて、やはり問題作だけあって評価の賛否両面含めて興味をお持ちの方が多いのだろう。前回既に書いてあるけど私は肯定派。これは傑作だと思っている。今回のレビューパート②は、世間の評価や雑誌のレビュー内容は一切参考にせず、”私がどう思って肯定派なのか”を最後に総括として書きたい。

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ACT 1では最後、ガブリエルがいよいよ革命の行動を起こす決意を固めたところで終わっていて、CDの2枚目、ストーリーの第二幕ACT 2ではその革命の戦いと終幕までが描かれている。ではまたパート①と同様に全曲を各曲歌詞の大まかな内容を[ ]内に書いた上でサウンドの印象をレビューと言う形で行きます。

ACT 2:

① 2285 Entr'acte
バンドとオーケストラが全開で第二幕を飾るインスト曲。壮大な明るい始まり方から重たい暗めのメロディ、それからまた大変気持ちのいいメロディ展開と、次々曲調が変わりつつ次曲へ。

② Moment of Betrayal
[ 反乱軍指導者アーリスへ、弟の救世主ガブリエルが自ら皇帝ナファリアスに会いに行くことを告げるがアーリスの様子がおかしい。アーリスは愛息ザンダーを救うために弟ガブリエルを皇帝の王子ダリアスに差し出すつもり。]
ドリームシアターらしさと言う観点から言えば異色と言える本作の中では、極めてドリームシアターらしいと言えるスリリングでテクニカルで歌メロは哀メロががった曲。過去作にもよくあったパターンの曲。ある意味安心もするけど、私個人的には、あぁまたこの感じねって感じ。今作の挑戦的な姿勢を支持する私にとっては逆にマンネリを感じてしまう。こういう曲をもっと入れてくれって思う人は多分本作の否定派なんだろう。

③ Heaven's Cove
[ 登場人物がそれぞれの思惑で集まるヘヴンズコーヴ円形競技場について描かれる。]
本作にて場面展開上ジョンペトルーシが多用しているアコースティックギターがココでは効果的に使われている。ジェネシス(スティーヴハケット)を思わせる幻想的なギターアルペジオから始まってヘヴィな展開のサウンドとなり最後は哀メロの歌が締める。

④ Begin Again
[ 皇帝の王女フェイスが救世主ガブリエルと出会ったことによって、平和を夢見て新たな人生の再出発を心に決める。]
とても美しいギターのメロディからチェロとピアノの伴奏とともに優しいメロディを静かに歌い上げるバラード。2分15秒辺りからの開放的かつ郷愁を誘うメロディは思わず胸にグッとくる素晴らしさ。最後のインスト展開は鐘の音まで聴こえて夢見心地。美しい。

⑤ The Path That Devides
[ ヘヴンズコーヴ円形競技場に救世主ガブリエル、反乱軍指導者アーリス、王子ダリアスがそれぞれの思惑で集まる。弟ガブリエルをダリアスに差し出そうとしていたアーリスは翻意し、アーリス自らダリアスに戦いを挑む。そしてアーリスが自らの命を犠牲にする。]
ストーリー通りに心の葛藤と戦いを描いたスリリングでテクニカルなサウンド。剣を戦わせるSEを含めながら展開される曲は哀愁の歌メロで終わる。

⑥ Machine Chatter
電子物体ノマックスが発する電子ノイズのSEのみ。

⑦ The Walking Shadow
[ 反乱軍指導者アーリスが王子ダリアスに殺され、憤るアーリスの愛息ザンダー。ダリアスは更に近づいてくる人影を救世主ガブリエルと思い込み襲撃する。しかしその人影は妹である王女フェイスであった。]
ヘヴィなサウンドに合わせて怒りのこもった絶叫調のヴォーカルで歌われる。ヘヴィなリフの上を短い鍵盤ソロが走りギターソロへ展開して足音のSE、再びヘヴィなサウンドとボーカル、そしてフェイスが傷ついて呻き声を上げるSEから次曲へ。

⑧ My Last Farewell
[ 倒れた王女フェイスに直面して救世主ガブリエルが嘆き絶望する。]
ピアノをバックに哀しげなメロディの歌が始まる。途中ドリームシアターらしいテクニカルなインストバトルが展開され再び哀メロのボーカル、再度激しいインストバトル、とこれも短い周期で次々と展開が変わる。展開が変わり過ぎるので曲としての印象が散漫になるが、それは何度も言うように1曲単位で聴かせるアルバムではないから仕方ない。

⑨ Losing Faythe
[ 娘である王女フェイスの傷ついた姿に狼狽する皇帝ナファリウス。自分が間違っていたこと、娘を信じなかったことを悔いる。そして救世主ガブリエルに歌を聴かせてくれるよう懇願する。]
皇帝と皇后がむせび泣くSEから、アコースティックギターをバックにしっとりと歌が始まる。ドラムのフィルインからバンドサウンドとなるが徹頭徹尾、美メロのボーカルを引き立たせるためのアレンジであり非常に美しいバラード。後半はストリングスや合唱も効果的に導入して心に染みるような曲。

⑩ Whispers on the Wind
[ 皇帝ナファリアスから歌を聴かせてくれるよう懇願された救世主ガブリエルであるが、傷ついた王女フェイスに直面した絶望の絶叫で声を失ってしまい歌うことは出来ない。]
わずか1分半の短いバラード。曲と言うよりはブリッジと言うか展開の一部。

⑪ Hymn of a Thousand Voices
[ 一人また一人と現れてきた民衆が救世主ガブリエルを勇気づけるように歌を歌う。民衆の歌声が大きくなり、ガブリエルは声を取り戻す。そしてガブリエルと民衆が歌を歌い、王女フェイスは蘇生する。]
ピアノとヴァイオリン、更にアコースティックギターで始まるバラード。途中から合唱が加わり壮大に盛り上がる。

⑫ Our New World
[ 救世主ガブリエル、王女フェイス、そして反乱軍指導者であった父アーリスを無くしたザンダーが共に新しい世界を作ることを誓う。]
ギターの明るいパワーコードが分厚く鳴り響き、希望を感じさせるキャッチー歌メロと綺麗なハモりがとても印象的な明るい曲。大陸的なアメリカンロックって感じ。こういうのも今までのドリームシアターではなかなか無かったよな。シングルカットしてもイイ感じだと思う。

⑬ Power Down
電子物体ノマックスがパワーダウンするSEのみ。

⑭ Astonishing
[ 亡くなった反乱軍指導者アーリスの魂が弟ガブリエルに愛息ザンダーを託す。ザンダー、ガブリエル、王女フェイス、皇帝ナファリアス、皇后アラベルがそれぞれに新たな道に向かう。抑圧の時代から平和な世界へ、そしてそれは驚くべき(Astonishing)素晴らしい世界になる。(・・・で、王子ダリアスはどうなったんだっけ?笑) ]
とても優しく落ち着いた美しいメロディの曲がしっとりと展開される。最後は合唱、オーケストラを伴って大団円。素晴らしいじゃないですか、気持ちいいハッピーエンドのエンディング。

以上、ディスク2、ACT 2の全曲レビューはここまで。ああしんど(笑)。さてここからは僭越ながら全体総括を書いてみます。ストーリーを別としたサウンドそのものの感想と、ストーリー込みの感想、その上で総括って感じで。

●●● サウンドについて ●●●

これはもう言及するまでもないことであるが、本作はあまりにも賛否が極端だったのでやはり最後に一言述べておきたい。ストーリー無視して音だけ聴けば当然これはちょっとどうよ・・・って感じるだろう。正直最初は私も「ん?」と思ったし、全力で駄作と言い切っている人がいるのも仕方ないと思った。要するにドリームシアターらしくないと。特にドリームシアターのへヴィメタルな側面を期待している人には物足りないだろう。私の場合は繰り返しになるが幸いヘヴィメタリックな音像はそれほど期待していないのでメロディが充実しているという点で満足した。例えばバンドの歴史の中で最もヘヴィメタリックな作品だったトレイン・オブ・ソートで、私が一番よく聴いた曲はストリームオブコンシャスネスだったりする。これだけで私の好みは分かって頂けるはず。未だにマイクポートノイが居ないから云々などという人がいるようだが、それはもうマイクポートノイが意識して作っていたサウンドの呪いにかけられているんだろう。ポートノイのサウンドとは、ドラムとギターで作るヘヴィなリフやフレーズを、鍵盤やベースに同じリフやフレーズを演奏させてヘヴィさを補完する、更にビッグにする、そういうサウンドづくりである。でもコレをやると音空間が音符とトゲトゲザクザクした音像で一杯一杯になり、スペーシーさや透明感が欠ける感じがして個人的にはあのサウンド作りには飽きていた。それにそういうポートノイの音作りは鍵盤とベースの存在感を希薄にしてしまうから好きでは無かった。だから今作の音像自体は私にはまったく問題なし。鍵盤もオーケストラも合唱もベースもちゃんと聴こえるしOKであった。ただ、ドリームシアターに対する先入観アリの状態で聴くと、即効性のインパクトに欠けるなぁと、それが最初の印象だった。一曲ごとのインパクトが足りず、一曲単位で起承転結が成り立っていない感じっていうの? だから一回聴いてインパクトが足りない、即効性が無い、そう感じてしまうワケだ。しかしこの点は本作がコンセプトアルバムであることを前提に理解すれば大した問題ではなくなる。数曲で一曲、あるいは全体で一曲というと捉え方をすれば十分理解できるし満足も出来る。ただ、あともう一点、過去作において例えばオクタヴァリウムのタイトル曲や前回のセルフタイトル作のイルミネーションセオリーといった20分超えの曲や、シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランスの42分のタイトル曲にあった「ラスト5分の超感動」が無い。この点は実は私個人的にはとても心動かされる点で、下手すりゃこの「ラスト5分の超感動」さえあればもうその作品は私の中で傑作扱いになってしまう。そこだけは残念だったかな。でもこれも仕方ない部分ではある。この「ラスト5分の超感動」は、それまでの曲展開で美しい部分、ヘヴィな部分、テクニカルな部分といった要素がしっかりと強調されているから感じる「ラスト5分の超感動」なんであって、本作がそういう一曲ごとの起承転結を前提にしていないサウンドである以上は無くても仕方がないのである。ということでサウンドに関しては色々理解した上で総じては満足、そんな感じである。

●●● ストーリーについて ●●●

まぁこれもいろいろ意見もあるだろう。典型的な意見としてはチープであるといった言い方もあると思う。私の場合、ドリームシアターのデビュー時からのフォロワーだけあって、ドリームシアターのやる事なら何でも肯定という、そういう立場からすればこのチープと捉えられかねないストーリーすらも前向きに解釈できてしまう。コンセプトアルバムだからと言って小難しく哲学的にすれば良いってもんではない。あまり哲学っぽさを強調したくってまわりくどいストーリーや歌詞になるとそれはそれでどうなんだ?ってなる。以前にネット上だったか雑誌だったかで、アメリカのファンに対してラッシュについて訊くと「Great !!」と回答するがイエスについて訊くと「Nonsence !!」と回答されるみたいな記事を読んだことがある。比較対象として相応しいかどうか分からないが、この話自体は何となく笑いながら納得できてしまう説得力がある。まわりくどすぎる哲学的歌詞は何が言いたいのか分からなくなってしまうから、言いたいことがあるならストーリーは分かりやすい方が良い。その点で本作は要するに音楽の素晴らしさが称賛される平和な世界が最高と、そういう事が言いたいのだろう。これは分かりやす過ぎて半笑いで済ませてはいけない。とても大事なことである。政治経済やイデオロギーとしての自由主義、資本主義、それに対する社会主義、共産主義は、それぞれの理想は素晴らしいと思う。しかしこれらの主義主張が、徹して一人の人間を幸せに出来るかといえばそうではないことは歴史上からも明らかである。資本主義からは格差が生まれるし、共産主義は例えばみんなが同じ仕事をして同じ収入を得て同じ生活をして人間皆平等にしたいんだろうしその考え方は高邁である。しかし明らかに欠落している視点があって、それは人間の心の問題である、同じ仕事をして同じ収入であれば、じゃぁちょっとでも手を抜いてやろうと思う心を持つ人だって出て来てしまう。一人一人の人の心を耕すのはコレまさに教育、文化を含めた人間主義である。政治経済のイデオロギーではどうにもならない。文化に含まれるのは音楽芸術である。音楽芸術は人の心を耕し、人の心を育て、人の心を結ぶ力がある。イデオロギー闘争に欠落しているこの部分をもしドリームシアターが今回言いたかったのであれば私としては最高に評価したい(なんで上から目線?笑)のである。

●●● 全体総括してみる ●●●

今回ドリームシアターは3つの挑戦をしたと感じている。

挑戦①:ドリームシアター的なサウンドイメージへの挑戦
これまでに拙が触れてきたとおり、また多くのリスナーが感じたとおり、今回のドリームシアターの作品はこれまでのドリームシアターとしてのアイデンティティだとリスナーが思っているサウンドイメージと大きく異なる。そうと分かってて敢えてこのような作品を提示してきたのだと思う。

挑戦②:現代のロック音楽文化への挑戦
今どきはiPhoneや携帯プレーヤーで自分の好きな曲をどんどんスキップしながら手軽に聴くという傾向が必然的に強くなっている。しかし本作は曲単位で聴くと「え?」って感じで曲が終わる、というか次曲に行ってしまう。一曲単位で聴き、一曲単位で評価を下す、そんな文化に敢えて反するような作品の作り方だと思う。

挑戦③:ロック音楽リスナーへの挑戦
私も今回ブログで2回に分けて長々と書いてしまったくらいである。上記でも述べたようにパッと音だけ聴いての即効性のあるインパクトはむしろ少なく、その良さを分かるにはじっくり聴き込むことを要求するような作品である。今どきのロックファンはクラシック音楽のリスナーでない限りはそんな聴き方はしない。そこを敢えて、これって問題作では?と考えさせてしまうことまで想定して本作を作ったのだとしたら私としてはアッパレとしか言いようがない。また、売れなくなってからやるのではなく、まだまだ現役メジャーバンドと認識されている現状でやって見せたところが、より多くのリスナーへの挑戦にもなる。

以上、要するに現状維持ではなく挑戦の姿勢を明らかにしたドリームシアターの本作、これは聴く側の受け止めて見せる器量まで問われているような、そんな作品と私は捉えた。そして私は私なりに正面から受けて立ったつもりである(←大ゲサ)。受け止めた私にとっては極めて心に残る作品となったことは間違いないと言い切れる傑作である。こうなれば当然日本でもこの作品の全曲再現ライヴが実現するだろうし、そのライヴを観てさらに本作の世界観を受け止めてみたい。

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2016年2月 8日 (月)

ドリーム・シアター 「ジ・アストニッシング」(DREAM THEATER "THE ASTONISHING")レビュー①:ACT 1 編

やってくれたなドリームシアター(笑)。もはや次元の違う傑作と感じる人もいるし、一方では駄作と決めつけてしまってる人もいるし。今年2016年にドリームシアターが提示してきた新譜「ジ・アストニッシング」、コンセプトに基づく壮大なロックオペラとの事だが発売されてから既に約10日、少なくとも日本国内では賛否両論が激しい。どうしても日本人的には英語のコンセプトや歌詞の内容よりもサウンドから入ってしまうから尚更である。ここまで賛否両論が極端な作品はバンドの歴史上初めてかもしれない。総じていうなら“問題作”扱いである。

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今までもドリームシアターが新作を発表するたびにある程度の賛否両論はあったと思う。それはやはりこのバンドが常にその時々の最高の実力者を揃え、プログレ、へヴィメタル、メロディアス、ポップといった様々音楽性を幅広げしてきたが故に、それぞれのサウンドを好むファンがそれぞれの角度から魅了されてきたという経緯が理由だろう。その各種要素を内包しながら作品を発表するわけだが、例えばへヴィメタルに振れればメロディ派は不満を感じ、メロディアスに振れればへヴィメタル派が不満を感じる。へヴィメタルとして認識される様式、プログレ的様式、その部分の好むリスナーは大きな変化を好まず、その路線をまっしぐらに突っ走ることを良しとする傾向にあるんだと思う。両面をバランス良く整えてメロディアスな要素も含みつつ作品を作るとどうにか最大公約数ドリームシアターらしい、そんな評価になる。それはもうこのバンドの在り様から致し方のないところである。

久しぶりにコンセプトアルバムとなった今作である。ドリームシアターでコンセプトアルバムと言ったら「メトロポリス・パート2:シーンズ・フロム・ア・メモリー」以来となる。「シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランス」のCD2枚目の42分の大曲もまぁ該当するか・・。今回コンセプトを発案しプロデュースしたジョンペトルーシによると、どうやら映画スターウォーズやテレビドラマのゲームオブスローンズから着想を得た架空のストーリーらしい。その良し悪しはともあれ超大雑把なストーリーの概要は、西暦2285年、皇帝が抑圧支配する大北アメリカ帝国に対し、レイヴンスキル反乱軍が対峙、皇帝の娘と、人の心に響く音楽を作り歌う反乱軍の救世主が恋仲になり、紆余曲折の末に最後は音楽の力により皇帝が改心して音楽が称賛される平和な世界に向かう、みたいな感じ?
登場人物相関図は以下。

Story

このようなストーリーを面白いと思うか陳腐と思うかは人それぞれである。私としては結局のところ何が言いたかったのか、あるいは私はどう捉えたのかを最後に述べたい。

また、サウンドに関してはとてもメロディアス。オーケストラと合唱を導入した作品全体の至る所に哀メロ、美メロ、感動的なメロディが配置され、へヴィメタリックなサウンドやダークなサウンドの割合は大きく後退している。これこそが賛否両論を生んでいるようだ。メロディ派の私は当然のように肯定派である(笑)。BURRNのレビュー点数がどうだとか、アマゾンやSNS上でどんな感想が上がってるかとか、そういうことは一切気にせず私がどう思ったかを書く。自分で言わせてもらうが私はドリームシアターに関しては筋金入りのファンだと思っているから。「イメージズ・アンド・ワーズ」からファンになったとか「メトロポリス・パート2・・・」からファンになったとか、そんなものではない。私の場合は89年、デビューアルバムが国内で話題になる前から先物買いのように輸入盤で逸早く購入して以来のファンだから、一見さんお断りとは言わないが、胸張って一言述べさせてもらう位の権利はあるだろう。

それでは非常に面倒臭いけど(笑)、ストーリーを掻い摘みつつ全曲レビュー行きます。各曲歌詞の大まかな内容を[ ]内に書いた上でサウンドの印象をレビュー。但し今作は1曲は短いがCD1枚目が20曲、CD2枚目が14曲、計130分もの超大作なのでこのブログ記事は2回に分けたいと思います。今回はまず全曲レビューパート1:ACT 1 編ということで。

ACT 1 :

① Descent of the Nomacs
民衆が音楽を楽しむ自由を奪う電子物体ノマックスが発する電子ノイズのSEのみ。

② Dystopian Overture
SEに続いて実質オープニングはいきなり合唱&オーケストラと共演しつつの壮大インスト曲。0分45秒からのドラマティックなメロディ展開が早くも胸を打つ素晴らしい哀メロ。日本人でこの部分に琴線を刺激されない人はいないだろう。この部分だけもっと聴いていたいくらいだが激しく美しく再び壮大に、どんどん展開は変わる。2分30秒あたりからは本作の肝となりそうなメロディ展開が登場。この美メロは本作中で何度か出てくる。プログレ的作品作りの典型パターンである。

③ The Gift of Music
[ 皇帝ナファリアスに支配された帝国で抑圧されながら慎ましく生きる民衆、その民衆のレイヴンスキル反乱軍の指導者アーリスが弟のガブリエルの音楽の才能を見抜き、自由を求める闘いの救世主と信じる。]
本作のリードトラック。ポップでメロディアスな歌メロが気持ちいい。しかし途中からは思いっきりスピーディーでギターソロ、鍵盤ソロ込みのテクニカルなドリームシアターらしい演奏。ドリームシアター流ポップソング。たった4分ちょっとの曲でこれだけの展開を詰め込んでしまうところが驚異的。

④ The Anser
[ 民衆を自由と開放に導く音楽を作り歌う才能を持つガブリエルは、自身が救世主としての任を負うべきなのかどうか葛藤する。]
ピアノとアコースティックギターの美しいイントロに導かれて歌メロが展開される。なんか結婚式のBGMに使えそうな優しさに満ちた美しさ。

⑤ A Better Life
[ 反乱軍指導者アーリスが支配者への闘いを挑むことを決意し、亡き妻エヴァンジェリンへ誓う。]
勇ましい反乱軍の行進の足音と戦士の号令のようなSEから始まる。こういうの入れるとどうしたってロジャーウォーターズのザウォールを連想してしまうのでハードルが上がってしまうぞ(笑)。チェロのイントロからへヴィなリズムに乗って哀メロの歌が始まる。ギターソロを挟んで荘厳なバラードへと進む。この歌メロも美しく叙情的。

⑥ Lord Nafaryus
[ 民衆の反乱とそれを託された救世主ガブリエルの存在を、皇帝ナファリアスが知ることとなる。皇帝ナファリウスはガブリエルの歌を確認し反乱軍を制圧することを決意したか? ]
ストーリー上で悪者のほうを描いたこの曲では、邪悪な歌メロとアレンジが物語を盛り上げている。しかし意外にも途中からガラッと曲調が変わりメロウな歌メロが引き立つ。わずか3分半のこの曲でさえもここまでコロコロ曲調が変わると一つの曲としての構成とかそういう問題ではなく、本作ではあくまでもストーリー展開中心で、音楽演奏はストーリーに付随するという形を徹底している感がより強くなる。各曲単位で云々する作品ではないことをリスナーが受け入れられるかどうか次第だな。

⑦ A Savior in the Square
[ レイヴンスキル広場にて民衆が集まり救世主ガブリエルの音楽に魅了される中、皇帝ナファリアスがガブリエルの歌を聴くため皇帝の息子である王子ダリアスと共に広場に現れる。民衆は沈黙する。]
とても優雅でメロディアスなギターソロから始まり、曲は邪悪な展開へ、再びメロウな歌メロ中心のバラードになる。これもやはり4分ちょっとの曲の中で曲調の変化が激しい。そしてやはりメロディ派の私にはギターソロと歌メロのメロディ感覚がストライク。

⑧ When Your Time Has Come
[ 救世主ガブリエルの音楽の素晴らしさに、皇帝の娘である王女フェイスが気付き魅了される。]
ピアノのきれいなイントロからシンセに引き継がれ、ここでも歌メロがメロウで優しい。ラブリエの声が無ければもはやドリームシアターとは思えないほどのメロウなポップソング。悪い意味で言ってるのではない。私はストライクだから。曲後半ではオーケストラと合唱を伴って美しい歌メロはさらに盛り上がる。

⑨ Act of Faythe
[ 皇帝の娘として何不自由なく暮らしてきたフェイス、辛い暮らしをしてきた民衆の存在に気付く。またその民衆はガブリエルの歌によって希望を失わずに結束していることに感銘を受け、自らの生きる道を見つける。]
美しいメロディのバラード。メロウな曲が続く。メタル寄りのファンの人はきっと退屈に感じるんだろう(笑)。じゃあメガデス聴いてろよって(笑)。でも次の曲はちょっとメタル寄りの展開があるよ、ちょっとだけだけど。

⑩ Three Days
[ 皇帝ナファリアスは反乱軍の救世主ガブリエルの歌を聴いて涙を流し感動する。しかし同時に自分以外の人間に注目が集まることが許せず、3日以内に皇帝に屈服することを要求、受け入れなければ街を破壊することを命令する。]
ストーリーを代弁するかのようなへヴィな曲調。でもこれくらいじゃメタル寄りのファンは納得しないだろう。私にはどうでもいいんだけど(笑)。最後はオーケストラを使った展開で締める。

⑪ The Hovering Sojourn
電子物体ノマックスが発する電子ノイズのSEのみ。

⑫ Brother, Can You Hear Me?
[ 反乱軍の指導者、兄アーリスが弟である救世主ガブリエルに、民衆で団結し決して皇帝の命令に屈しないことを誓う。]
反乱軍が行進する足音のSEに合わせて勇壮な行進曲風の曲が始まる。だからこれやるとロジャーウォーターズのザウォールを引き合いに出す人が出てくるから(笑)。まぁでも設定上しょうがないか。最後はメロウな歌メロを合唱付きで壮大に盛り上げる。

⑬ A Life Left Behind
[ 王女フェイスは皇帝の家を出ていくことを決意する。皇后アラベルは直接引き止めることはしないが、王子ダリアスにフェイスを監視することを依頼する。]
アコギからベースランが始まり、今までのドリームシアターには無かったような曲が始まる。なんだろうこういうの、ジャズ? いや違うか、分かんない。スティーヴンウィルソンのルミノールが私の頭に思い浮かんだけど。でもすぐに展開が変わり美しいメロディのバラードに。ここでのサビメロもとても魅力的な美しいメロディ。口ずさみたくなるような開放的な良質のメロディ。とにかく本作はメロディの宝庫である。

⑭ Ravenskill
[ 王女フェイスが変装して民衆の街レイヴンスキルを歩き、恋人ガブリエルを探す。反乱軍指導者アーリスは疑いの目を向けるがガブリエルはフェイスと共に手を取り合って、皇帝ナファリアスが音楽の力を理解してくれることを信じて戦うことを誓う。]
まるで環境音楽のような綺麗なピアノのフレーズで始まり、子守唄のようなヴォーカルが入ってくる。いやマジ、この部分だけ聞いたら子守唄だと思うだろう。それくらい優しく美しい。そして一転シリアスなバンドサウンドが激しく展開される。再び子守唄のような曲も戻り、最後はまたまた合唱付きで壮大に歌い上げて終わる。

⑮ Chosen
[ 救世主ガブリエルは音楽を忘れた皇帝ナファリアスを目覚めさせるチャンスがあると確信する。そして他に道がないことも確信し、王女フェイスとともに進む。]
綺麗なピアノから始まり、美しく、また壮大に盛り上がるバラード。このパターン多いな(笑)。いや私はOKだけど(笑)。ジョンペトルーシのギターソロも本当に素晴らしくメロディアス。他の曲とは違ってめまぐるしく展開は変わらず、落ち着いて浸れるバラードである。

⑯ A Tempting Offer
[ 王女フェイスを監視していた王子ダリウス、反乱軍指導者アーリス宅に現れ、アーリスの愛息ザンダーを捉える。そしてザンダーと引き換えに救世主ガブリエルを差し出すことを要求する。]
ストーリーに合わせて重々しい曲。最後は弦楽の哀しげな合奏で締める。

⑰ Degital Discord
電子物体ノマックスが発する電子ノイズのSEのみ。

⑱ The X Aspect
[ 反乱軍指導者アーリス、愛息ザンダーを救うために弟である救世主ガブリエルを皇帝側に差し出せば、革命の計画を投げ出すことになることを悩む。]
哀メロの曲が展開される。最後は本作中頻繁に出てくるテーマメロディがバグパイプ風の音で奏でられる。

⑲ A New Beginning
[ 王女フェイスが父である皇帝ナファリアスに対して救世主ガブリエルの助命を嘆願する。皇后アラベルも同調するがナファリアスは受け入れず。しかしアラベルがナファリアスに対して、かつては音楽を愛していたことを指摘する。ナファリアスは新たな始まりへのチャンスを与えることに決める。]
本作で一番長い曲、7分41秒!!(笑)。10分以上の曲や20分超えの曲があって当たり前だったドリームシアターの作品において、嘘みたいな話。もうこの時点で本作がこれまでのバンドの音楽性を考慮していない、チャレンジをしていることが分かる。久しぶりのドリームシアターらしいテクニカルでへヴィな曲調が始まる。しかし5分ごろからの展開がこれまたこれまでのこのバンドには無かったようなスクエアなリズムとギターソロ。いやぁ次々と裏切ってくれる、いい意味で。

⑳ The Road to Revolution
[ 王女フェイスは皇帝とのやり取りをガブリエルに伝え、一歩踏み出すことを決意する。一方王子ダリアスに向き合う反乱軍指導者アーリスは悩む。皇帝ナファリアスは考え直すことは時間の無駄と頑な。]
さあ、やっとACT1の最終曲。革命への夢を歌うような前向きなメロディの曲。ACT2でのクライマックスに向けてひと盛り上がりして物語第一章終了。

以上、ディスク1、ACT1の全曲レビューをストーリーを掻い摘みながらやってみた。シンドイよこれ(笑)。ここまででも既に分かる、今回ドリームシアターは今までの自分たちのイメージを見事に捨て去っている。非常にチャレンジングな姿勢がはっきりわかる。メロディ主体であること、バラードっぽい曲調が多いことは、そういう音楽性と意図したのではなくストーリーに基づいて音楽を作った結果たまたまこういうサウンドになったのだろう。それをリスナーがどう思うかは考慮していないと思う。単純に気に入ったかどうかで言えば私は気に入っているが、ストーリー含めて何をどう感じて気に入ったかは、またこの次、レビューパート2の最後に総括して述べたいと思います。ちょっと休憩させてくださいませ(笑)。

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2015年12月 1日 (火)

【Short Review 9】フライング・カラーズ 「フライング・カラーズ」 (FLYING COLORS "FLYING COLORS")

前後に何の脈絡もなく時々やってしまう「何を今更」シリーズ、フライングカラーズを今更ながらに購入。

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ドリームシアターを脱退後のマイクポートノイについては、自らが創立に関わったDTを脱退してしまったばっかりに何か心の穴を埋めるかのようにワーカホリック状態になっていて、もう全くフォローが追い付かない。それはスポックスビアード脱退後にソロとしてシーンに復帰して以来のニールモーズも同様。マイクポートノイとニールモーズはプログレ&HR/HM界隈では一番の働きもんだろう。トランスアトランティックだけは素晴らしい充実したプログレ作品を発表してくれていてどうにかフォローしているものの、それでも内容てんこ盛りのライヴ盤までは追い切れていなかったりする。買うだけ買って視聴していなかったり。メロディアス好きの私なのでニールモーズのソロも本当はフォローし続けたいがこれまた追い付かない。ましてやフライングカラーズなんてのは初めから私の購入ターゲット対象外になっていた。内容の良し悪し以前にもう聴く時間もないし話題を追い切れないから。

気が付くと既に2ndアルバムまで出しているとの事。たまたま他の何かを検索して調べていた時に偶然このフライングカラーズのレビュー記事を見てしまい、その一部に私の感性を刺激するフレーズが見当たってしまった。80年代ハード、ポップ、メロディが良い等云々。それなら1枚だけ聴いてみるかとタワーレコードの貯まっていたポイントを駆使してダーターで購入。もともと情報もそんなに追ってなかったので何となくの印象でこれもまたニールモーズとマイクポートノイの別プロジェクトなんでしょ? としか思っていなかったが実際には現ディープパープルのギタリスト、スティーヴモーズと、そしてニールモーズが曲作りの中心だという事らしい。そこへドラマーとしてマイクポートノイが合流と言う図式?

聴いてみて、一曲目の出だしで、あ、これは買って失敗したかな? と一瞬思ったがサビ部分がとても聴きやすくて、2曲目以降も落ち着いた80年代ハードロックとメロディアスな要素が融合していて確かに聴きやすい。少なくとも私の好みからすれば買って損したという気分にはならない。何かに例えるのはあまり好きではないが敢えて言うならトランスアトランティックの長尺で濃い楽曲をいい意味で短く薄めて大衆的にしたような感じ。それでも最終曲 Infinite Fire は12分に及ぶニールモーズ節満載の良質なプログレ作ではあるが。でもトランスアトランティックの20分超えや30分超えが当たり前の楽曲に比べれば短いし取っ付きやすい。その12分の Infinite Fire は、中間部にカッコいいギターソロやオルガンソロ、キメのユニゾンフレーズを挟みつつ、これでもかと繰り返される哀メロ美メロが素晴らしくて一度聴いたら忘れられない。最初からヘヴィローテになってしまった。

メンバーの顔触れが誰もが認める実力者ばかりなだけに、そういうミュージシャンがちょっと肩の力を抜いてキャッチーな曲を作ると、それはもう良いに決まっている。本当に実力のあるHR/HMグループほどバラードを作らせたら高品質のバラードを作ってしまうという方程式からしてもこの理屈は当てはまる。この作品は案外と言っては失礼だが、聴くこちら側も肩の力を抜いて楽しめる、でもしっかり作曲されていて演奏も充実していて、もしかしたら言う事なしの逸品なのかも知れないと、今更ながらに思えてきましたよ。2ndの購入も検討しないとな。

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2013年12月26日 (木)

DREAM THEATER "HAPPY HOLIDAYS FROM DREAM THEATER"

ドリームシアターから2013年クリスマスの素晴らしいプレゼントが届けられた。無料でtorrent配信による未発表ライブ音源13曲分。FLACファイルでの提供。

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キングクリムゾンのDGM  LIVEの音源配信と同じ方法で、でもこちらはタダ。ありがたいねぇ。ロバートフリップは同じ配信方法で様々な貴重ライブ音源を販売しているし、ドリームシアターもマイクポートノイ在籍時はこのような音源を次々とオフィシャルブートレッグCDとして販売していたが、今回はタダ。世界中で売れに売れているバンドの余裕というものを感じさせるし、また逆に世界中でサポートしてくれるファンへのバンドからの感謝の気持ちとも言えるだろう。

早速ダウンロード入手。FLACファイルをWAVファイルへ変換してCDR作成。ついでにiPhoneにも放り込んで今日は仕事の行き帰りずっと拝聴させてもらった。収録内容は以下(オフィシャルサイトからのコピーさせて頂きました)。

CD1:
01 Under A Glass Moon(Phoenix, AZ 12/4/11)
02 Forsaken(London, UK7/24/11)
03 Peruvian Skies(London, UK7/24/11)
04 Endless Sacrifice(Austin, TX 10/26/11)
05 Drum Solo(Austin, TX 10/26/11)
06 YtseJam (Austin, TX 10/26/11)
07 The Great Debate(London, UK7/24/11)
CD2:
08 Another Day(Austin, TX 7/7/12)
09 Through My Words/Fatal Tragedy(Montreal, QB 10/7/11)
10 To Live Forever(Huntington, NY 7/19/12)
11 Learning To Live(Tel Aviv, Israel 7/19/11)
12 The Count of Tuscany(London, UK7/24/11)
13 As I Am (Shibuya, Japan 4/24/12)

CDにして2枚分相当、現行メンバーでの2011年~12年のワールドツアーから先日発表された公式ライブ盤の LIVE AT LUNA PARK に収録されなかった曲を13曲収録。ルナパークを補完するライブ音源として、これでツアーでの演奏曲は全て網羅できるというコンセプトでもある。

オフィシャルのインフォでは最新スタジオ作 DREAM THEATER のミックスを担当したリチャードチッキが、これらのライブ音源もミックスしているとの事だがルナパークに比べれば荒っぽいミックス。いや個人的にはルナパークの綺麗にミックスされたサウンドも良いけど、このような未発表ライブ音源は少々荒っぽいミックスの方が迫力があって気に入っている。初期の名曲Another DayやTo Live Foreverなんかは久しぶりに聴けるし現行メンバーでの演奏って意味でも楽しめる。やはり初期の名曲は今こうして現行メンバーのライブで聴いても美しく素晴らしい。そしてオフィシャルライブ音源としては残されていなかった大曲The Count of Tuscanyのライブヴァージョンも貴重であり聴きどころの一つ。またラストのAs I Amは昨年来日公演の確か追加公演だったか渋谷での音源が収録されている。いずれの演奏も言うまでもなくスリリングかつ美しく完璧。新ドラマーのマイクマンジーニによって膨大なレパートリーを完璧に演奏して見せたその記録を残し、見せつけてくれたこともバンドのマイクマンジーニに対する評価が高いことの証左と言えるのではないか。

なんといっても無料だし年末に素晴らしいプレゼントを頂きましてとても楽しんでいます。DTファンの方は入手必須ですよ。

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2013年12月23日 (月)

DREAM THEATER "LIVE AT LUNA PARK"(ライヴ・アット・ルナ・パーク 2012 デラックス・エディション 2DVD+Blu-ray+3CD+Tシャツ)

購入してから全く観賞出来てなかったドリームシアターの前回ツアーからのライブDVD、ようやく本編を一通り観賞。

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デカいLPサイズで豪華ブックレット付のDVDとブルーレイと3CD、更にTシャツのデラックスエディション。収納に困るパターン。

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3CD用には紙ジャケが3枚付いてる。要らんかなぁ正直。

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それからTシャツ。こういうのって着るかどうか迷うんやなぁ。このままコレクションとして取っておきたい気もするし。

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さて内容はもう素晴らしいの一言。ちょっとギターの音が大きい気もするが、ジョンペトルーシが中心なんだからまぁいいだろう。演奏そのものの凄さは今まで過去いくつもあったライブ映像で分かっているだけに今回の注目はなんといってもマイクマンジーニのプレイ。

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2012年の来日公演を横浜アリーナで観たけど、やはりこのライブDVDを見ても印象はその時と一緒。自分はドラマーでもなんでもないのでドラムテクニックを詳しく語れるアレではないが、それでもテクニックが圧倒的で、マンジーニはマイクポートノイのプレイは簡単にコピーするだろうけど、逆にマイクポートノイはマンジーニのプレイは真似できないだろう。過去曲でのドラミングも完璧で、しかも右利きの叩き方と左利きの叩き方を自由自在に併用しながら、そしてお見事なシングルストロークを過去曲で演って見せる。それでもドリームシアターのドラムはマイクポートノイじゃないと・・・っていう人も未だにいるだろうけど私個人的にはこのままマイクマンジーニで行ってほしい。マイクポートノイはアレはアレで好きだったけどちょっと目立ち過ぎ。他で頑張ってくれたらいい。トランスアトランティックの新譜とか凄い楽しみだし。完璧テクニックに加えてマンジーニならではの個性は今後ますます表現されていくだろうし。

曲単位ではやはり A DRAMATIC TURN OF EVENTS の曲が際立って素晴らしい。過去曲とブレンドしたセットリストの中でこれだけ存在感を感じさせる楽曲群はやはり A DRAMATIC TURN OF EVENTS が名作であったことを改めて証明しているようだ。This Is The Life のライブでのジェイムズラブリエは名唱と言える。とにかくラブリエはここ数年の安定感が素晴らしい。ムラがなくなった。歴史に残る名曲となった Breaking All Illusions は今後もメトロポリスと並んで重要レパートリーとなり続けるだろう。

そして実質的リーダーとなったジョンペトルーシ、ムチムチの体でギターがおもちゃのように小さく見えるのはご愛嬌。高速フレーズもエモーショナルなロングトーンもすべてにおいて完璧。それはジョーダンルーデスもジョンマイアングも同じ。ジョーダンはもはやキーボーディストとしては現代最高峰の名を欲しいままにしていて、そんな最高のミュージシャンがドリームシアターに在籍してくれていることがありがたくもある。ジョンマイアングのベースは、自分もベースを買って素人なりに練習しているがとても真似の出来ない凄さ。

2014年からの ALONG FOR THE RIDE ツアーも発表され、来日公演はいつになるのか待ち遠しいが、よりメロディに重点を置いた最新スタジオ作 DREAM THEATER を引っ提げて、マイクマンジーニの更なる存在感が感じられたら嬉しい。

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