2018年6月20日 (水)

Wetton Mania 3 at Rock Bar STARLESS (Jun 16, 2018 @ OSAKA)

先日2018年6月16日(土)、個人的に本年最大のビッグイベント、「Wetton Mania 3」を無事に開催することが出来ました。お世話になった皆様に心より感謝致します。本当にありがとうございました。その後また泊まり勤務や地域の所用でフル回転でレポが遅れましたが、ここにイベントの模様を私目線ではあるけどレポします。

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今回はこれまでの「Wetton Mania」「Wetton Mania 2」での全員DJを中心としたイベント内容に加えて、初の試みとしてミニライヴを加えた。そこへ向けての準備や個人練習、合わせリハーサル等、いつも以上に忙しい状況になった。だからと言うわけでは無いけど、主催が私だからと言って何でも私でやるのではなく、また様々な得意分野や才能ある方々の集まりであることに気付いていたので、2度にわたる企画会(のような飲み会?)も行いつつ、ココは遠慮なくお仲間の方々のお力を借りつつ開催の方向へと持って行った。その細々とした部分は後で述べるとして、早速当日のレポ行ってみよう。

とにかく私の場合、仕事が24時間の泊まり勤務が基本なので、何かと細かいことに気付いても打ち手が後になったりすることもある。実は何週間も前から司会進行は私自身ではなく、Ichi**さんにお願いしようと心に決めていた。にもかかわらずご本人様への伝達はイベント2日前の夕方www。急な要請にも快く引き受けて下さったIchi**さんありがとう。いや、急でも引き受けて下さるという、私の己心の勝手な確証はあったんですけど。私のIchi**さんの仲だからね(ハ??)。そしてイベント1週間くらい前だったか、一緒にミニライヴをして下さるひと**さんが、足を捻挫されたというのを聞いていた。私も中学生の時に足首を酷く捻挫したのでその痛みは知ってるつもり。なので気遣いつつもイベントには間に合うだろうと勝手に思い込んでいた。前日になって、当日のライヴのリハを何処で何時に、みたいな打ち合わせをLINEでしているときに、ギブスで松葉杖で・・・、みたいなお言葉があって、え?それは重症じゃねぇか?となった。後で聞いたら実は剥離骨折と言うではないか・・・。ひと**さんの事だからみんなに迷惑かけまいと、無理して参加するおつもりなのかと思って、遠慮せず欠席された方が・・・、と申し上げたのだけど、いや参加するとの事。この時点で既に6/16(土)当日朝。ここで一気に普段ぼんやりしている私の頭が大回転を始める。リハ場所までご主人様がクルマで送って下さるというけど、日本橋のリハのスタジオから心斎橋のスターレスまで移動がキツいだろうと。タクシー移動すると仰るならそのタクシーにお仲間に同乗してもらって介添えが必要だ。では誰々にお願いしよう、ご主人様にも御礼のお声掛けが必要だ、とか一気に対応を頭ん中で纏める。こういう時、若き日から仕事や地域の所用で、自己中ではなく他者のために尽くすというか様々に訓練を受けてきたことが役に立つ。なので苦にもならない。ともあれ、日本橋のスタジオで2時間ほどリハ。このあとスターレスへの移動はem**さんとナゴヤ**さんに、ひと**さんの介添えを担って頂きつつ、私と綱**さんは歩きで千日前通りから道頓堀、そして心斎橋へ。なぜかスターレスで飲み会やるときの恒例となった、ロッテリアのバケツポテトとバケツチキン、そして関西風タマゴサンドを持ち込みフードとして調達しつつ「ごぶごぶ」のごとく歩く。スターレスに着き、今回初参加頂いた橋**さんとご挨拶。司会進行をお願いしたIchi**さん、今回は道に迷わなかったico**さん、再び埼玉から登場の、なぜか和服着流しのSさん、既に一杯ビールを引っ掛けてきた徳島のMi**女史と大阪の上**女史等々、続々合流。

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18時30分過ぎ、開宴。

Ichi**さん司会第一声、スターレスのマスターからの飲み放題システム説明、そして埼玉のSさんの発声で乾杯!

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今回、その才能を生かして素晴らし過ぎるフライヤーを作って下さった綱**さんが、参加者の皆様全員に記念にシリアルナンバー入り!、綱**さんの押印入り!のフライヤーを皆様にプレゼント。私には主催者という事で申し訳なくもシリアルNo.1のフライヤーを頂きました。

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更に店内には、綱**さんが描いたこのフライヤーの原画をジョンウェットン大先生の遺影のごとく展示。

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Mini Live : Starless in Starless

このあと早速ミニライヴの開演。いや普通はライヴはイベントの後半にやるだろうって、私が他人なら思うんだけど、一応人前で演奏したり歌ったりはそれなりに緊張するので、最初にライヴを済ませて、後は存分に飲みながらみんなのDJ聴きながら楽しみたいという手前勝手な希望で先にやらせてもらう事にした。セットリストは以下の2曲。

Woman(from JOHN WETTON "CAUGHT IN THE CROSSFIRE")
Starless(from KING CRIMSON "RED")

2月に東京で開催されたウェットンファンイベントJWMR2018でも同曲を演奏した。したと言っても私はインフルエンザで涙の欠場。今回がリベンジかつオリジナル編成。メンバー増強で鍵盤とヴァイオリン入り。メンバーと楽器編成は、

バスリコーダー、ハーディーガーディ : ナゴヤ**さん
フルート : em**さん
ヴァイオリン : 綱**さん
キーボード : ひと**さん
ヴォーカル : josho

編曲 : ナゴヤ**さん

まずは勿体ぶって演奏準備シーンから。

そしていよいよミニライヴ開始。まずはジョンウェットンのソロ曲ウーマン。

映像が途中で切れてるのが惜しいけど、ウーマンの間奏でキングクリムゾンのフォーリンエンジェルを挟んで再びウーマンに戻るという独自アレンジだったんだよ。続いてキングクリムゾンのスターレス。

以上、ミニライヴ終了。これでリラックスして酒が飲めるという話ですわwww。

DJ & Talk Time

ここから本イベント恒例のメイン企画、全員DJ。参加者の皆様がそれぞれにジョンウェットン関連曲を店内で流し、こだわりを語るコーナー。お一人2曲以内。ミニライヴ出演者は一人1曲。以下プレイリストに沿って。

埼玉のSさん
Time Again(from ASIA "ASIA IN ASIA" 映像)

出ました、ウェットン大先生がいないけどエイジアインエイジアにこだわるSさん、公式商品に収録されていなかった、実際のオープニング曲タイムアゲインをYoutube映像から。確かにあまり見慣れていないから新鮮。

Ichi**さん
Did It All For Love(from PHENOMENA Ⅱ "DREAM RUNNER")
Calling All The Heroes(from IT BITES feat. Marillion, Francis Dunnery, John Wetton, Geoff Downes, Jem Godfrey and Jason Perry)

産業ロック方面から攻める産業ロックマニアのIchi**さん、フェノメナⅡはイイとして、それキタかぁ~、さすがウェットンファンイベントって感じ。イットバイツの名曲をマリリオンのメンバーや先生ダウンズが参加して再録したヤツね。

橋**さん
In The Court of The Crimson King(from STEVE HACKETT "TOKYO TAPES" 映像)

今回初参加頂いた橋**さん、ようこそ! とにかくキングクリムゾンの「宮殿」から入ったそうで、その宮殿を先生が歌うスティーヴハケット&フレンズの大阪公演にも参戦していたそう。その思い出込みで挨拶代わりの一発。あの、リマスター再発盤の東京テープスDVDから。あの商品、箱が開け難いのよwww。

ico**さん
The Night Watch(from KING CRIMSON "RED  40th Anniversary edition" 映像)
Starless(from KING CRIMSON "RED  40th Anniversary edition" 映像)

ミーハーっぽく見えて実はクリムゾンを聴くico**ちゃん(いややっぱりミーハーだろ!)。クリムゾンのレッド40周年盤のDVD映像から長編2曲。持ち時間15分オーバーしたんじゃねぇか?(笑)。でもこの映像、持ってることに満足してしまって実はあまり観てなかったのでこの機会に楽しませてもらったのだwww。ありがとう。

上**さん
Arkangel(from JOHN WETTON "ARKANGEL")
You Against The World(from JOHN WETTON "ARKANGEL")

先生ソロではアークエンジェルがお気に入りだそうで、先生ファンの間でも結構人気がある。あの暗くて重厚な感じがイイのかな。実は私はあまりこの作品は得意では無い。でもそれだけに逆に聴きどころというか好きなポイントを人様から教えて貰えて、自分の見解を新たに出来るのもこのイベントの良いところでもある。家帰ってアークエンジェル聴き直してしまったもんな。

Mi**さん
Battle Lines(from JOHN WETTON "ANTHOLOGY THE STUDIO RECORDINGS")
Cold Is The Night(from JOHN WETTON "ANTHOLOGY THE STUDIO RECORDINGS")

酒のペースが速いMi**女史、今回も飛ばしてるww。同じウェットンファン仲間の徳島のK社長からプレゼント?された先生ソロCDから。特にコールドイズザナイトは、YoutubeにUPされてる多分ファンが作った独自映像を観ながら聴くのがお好きだそう。なのでお店のPCでYoutube映像を流して頂いた。映画好きなMi**さんならでは。

em**さん
God Only Knows(from JOHN WETTON "ROCK OF FAITH")

おぉ~、そうキマしたかぁ、分かる分かる。私もこれ好き。ロックオブフェイスのボーナストラック収録されたメキシコでのアンプラグドライヴからビーチボーイズ(ブライアンウィルソン)の超名曲カヴァー。先生が歌うとそれはもう先生の世界なんだよねぇ。やっぱり先生の声は唯一無二。

綱**さん
Open Your Eyes(from ASIA "LIVE MOCKBA 09-X1-90")

モスクワライヴにこだわりがある綱**さん、確かにこの頃の90年エイジアの演奏には勢いがある。私も90年にサンプラザで観たエイジア来日公演は今でも参戦したライヴの生涯ベスト3に入るから。

ナゴヤ**さん
Easy Money~Fallen Angel(from KING CRIMSON -Bootleg CD-)

マニアックぅ~。闇が深すぎる・・・www。先生やブルーフォード、デヴィッドクロス、ジェイミーミューアが入った直後のキングクリムゾン72年ズームクラブのブートCDから。この時点でフォーリンエンジェルの片りんを演奏していたんだという、そこを強調したいマニアっぷりは本イベントに相応しい。それを、オォーッ、って喜んで感心する私も闇が深い・・・。

josho
Daylight(from ASIA Bootleg CD "ALPHA WORKING TAPE")

そして闇が深い私が、闇の中から明るいデイライトを。私と言えばエイジアのデイライト、デイライト好きな私、デイライトのレコーディング途中、歌詞が決まっていない先生のガイドヴォーカル状態の音源をブートCDから。デイライトが自分にとっての世界一の曲なのだ。

ひと**さん
End of The World(from ASIA "OMEGA")

最後を飾ってエイジアのオメガからエンドオブザワールド。これ超名曲。ナゴヤ**さんから私の闇の流れを断ち切って頂き、爽やかにDJタイムを締めて頂いたのである。

夏**さん
Caught In The Crossfire(from JOHN WETTON "CAUGHT IN THE CROSSFIRE")

イベント終盤に駆け付けて下さった今回初参加の夏**さん、すぐにリクエストを強要wwして先生ソロのコートインザクロスファイヤー。お目にかかれて嬉しかったwww。

Rare goods exhibition

お宝自慢タイム。と言ってももうこのイベントも3回目なのでネタが尽きてくる。それでも色々持ってきて下さいましてスマホで写真撮りまくり。私は今回はエイジアのThe Smile Left Your Eyesの英国盤12インチシングル赤盤と同7インチシングルの青盤を披露。

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ナゴヤ**さん、いまとなっては意外にレアなエイジア初期3作のカセットテープ。

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初参加の橋**さんは、参戦したウェットン、エイジア関連チケットの半券。まずは目を見張るのが79年U.K.来日時の大阪公演のチケット半券。

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他にも数種。

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このうち、ICONの2006年ブルーノート大阪(現ビルボードライブ大阪)公演の半券、奥様と参戦されて同じものを2枚持ってるからと、なんと拙に譲って頂いた。

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ありがてぇ~。いやマジで、本当にありがとうございます。チケットコレクションに加えさせて頂きます。

徳島のK社長提供、景品争奪ジャンケン大会

徳島のK社長からエイジア2008年フェニックスツアーのオフィシャルブートBOX発売時の、DU特典だったかな? そのTシャツと、K社長オリジナル(笑)のイエスのフライフロムヒア-リターントリップのTシャツ、この2点争奪戦。まずはエイジアTシャツから。

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何とスターレスのマスター様がまず勝利。

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2点め、イエスのTシャツ。何とまさかのマスター2連勝www。ありえねぇ・・・www。でもネタとしてはめっちゃオモロイ。

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この後は皆様思い思いに雑談。参加者の中でウェットン度が一番薄いんですよぉ~、と仰るIchi**さん。

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そのワリにはなぜかウェットン大先生との2ショット写真を撮っているという言語道断ぶりwww。

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いつの間にかカウンター内に入ってしまってる私。何様のつもりか・・・。

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悠然とマスター交代状態でカウンター内から橋**さんと喋る私と、客席でうつむくマスター。この動と静、明と暗の対比はプログレッシヴである。

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つーか、マスターの聖域に入ってしまい、本当に失礼いたしました・・・。

宴の最後は、一本締めならぬ、三本締めならぬ、In The Dead of Night 締め!

誰や?リズムの合って無い人は・・・(笑)。

以上、無事に終宴。改めて今回はホントに企画段階からお仲間にいろいろ相談しながらやらせて頂き、快くお力を貸して頂いて、そういう意味でも充実したイベントになったのではないかと思います。ミニライヴにおいては曲のアレンジから演奏の指揮までとって頂いたナゴヤ**さん、フルートのレッスンに通い続けたem**さん、ミニライヴでのデヴィッドクロスを凌駕する泣きのヴァイオリンを披露するのみならず、フライヤーの制作等、多方面に渡って活躍頂いた綱**さん、足を負傷していたにもかかわらず松葉杖を突きながらも参加頂いたひと**さんと、サポート頂いたご主人様、急な司会依頼にもかかわらず見事に盛り上げて下さったIchi**さん、景品を提供して下さった徳島のK社長、そして今回も遠方からご参加頂いた皆様、大いに盛り上げて下さった皆様には感謝の思いで一杯です。本当にありがとうございました。しばらくは余韻に浸りながら、次回の開催については2019年の先生の70回目の誕生月の6月をメドに、皆様と相談しながらゆっくり考えて行きたいと思います。

追伸:
本イベントの2日後に、大阪を中心とする地震があり、本イベント参加者の方の中にも、怪我等は無いにしても家の中がグチャグチャになったとか、生活に苦労する場面に直面してる方もいらっしゃるかと思います。また、お世話になったスターレスのお店も商売道具に被害が出る等、苦難に直面しておられます。心よりお見舞い申し上げます。

しばらくはWetton Maniaの事は考えないつもりでしたが、苦難と闘う皆様及び我々でまた何か盛り上げていければと考えています。Wetton Maniaスピンオフ的な集まりをしてみたいなと。その際は皆様ご無理のない程度にまた盛り上げて頂ければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

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2018年4月30日 (月)

キノ 「レディオ・ヴォルテール」(KINO "RADIO VOLTAIRE")

久しぶりに世間様の休日が自分の公休に当たり、気分がイイ。土日祝日の勤務は忙しいのが目に見えているから今日出勤の職場のお仲間は大変だろうなと思いつつ、午前は久しぶりにウォーキングで軽く汗をかいて気分爽快。でもこの後GWは5/3だけが公休で後はぜ~んぶ出勤という楽しくも何ともない1週間となる。その代わり5月はワガママに有休申請をして、オレは週末出勤ばかり当たってんだぜと、それとなく職場のエライ人に宣伝しまくってしっかり有給休暇の許可を頂いた。キャメルのクラヴチッタの遠征と、スポックスビアード奥本亮さんの大阪ライヴにバッチリ参戦予定という楽しみな5月である。ライヴに行くのも昨年9月のペンドラゴン以来で随分間が空いたなと。

さて、いよいよ13年振り待望の新作を発表したKINOを取り上げる。正直、う~ん、イマイチ、っていう第一印象からなんだかんだでもう5周くらい聴いて、いま6週目を聴きながらブログを書こうとしている。

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13年前の1st、PICTURE(ピクチャー)がとてもお気に入りで、この10年くらい飽きずに聴き続けているという個人的には超名盤であった。10年も飽きずに聴き続けられるってのは、35年以上飽きずに聴き続けている我らがエイジアのアルファと私の中では同等レベルと言える。13年前のデビュー時点でのメンバーは以下の4人であった。

JOHN MITCHELL (G, Lead Vo)
JOHN BECK (Kbd, Vo)
PETE TREWAVAS (B, Vo)
CHRIS MAITLAND (Dr)

当時で言えばトランスアトランティックが表のプログレスーパーグループで、KINOは裏のプログレスーパーグループと言えようか。アリーナのギタリスト、ジョンミッチェル、イットバイツの鍵盤ジョンベック、マリリオンのベーシスト、ピートトレワヴァス、ポーキュパイントゥリーのドラマー、クリスメイトランドと、地味めの職人たちが結成したスーパーグループ、そんなイメージであった。ライヴ活動をするにあたってドラムがイットバイツのボブダルトンに交代し、4分の2が元イットバイツとなったところからジョンミッチェルをフロントマンに据えた再編イットバイツに繋がって行ったことはファンなら周知の事実である。もちろんジョンウェットン大先生のファンであれば、ジョンウェットンのソロライヴのバンドメンバーとしてジョンミッチェルとジョンベックは重要なポジションを占めていたから、JW関連としても意識せずにはいられない。そのKINOの1stがあまりにも素晴らし過ぎた。メロディアス、プログレ、ハード、シンフォニック等々の要素が本当にバランスよく融合された作品で、その表現する言葉を更に熟考して探しているうちにブログで取り上げるタイミングを逸してしまった。そうこうしてるうちにまさかの今回13年振り2ndが出たもんだから、とりあえず2ndのレディオヴォルテールの各曲簡単レビューを行ってみる。今回のメンバーは、

JOHN MITCHELL (G, Lead Vo)
PETE TREWAVAS (B, Vo)
CRAIG BLUNDELL (Dr)
--- special guest ---
JOHN BECK (Kbd)

という編成。ドラムは今回はスティーヴンウィルソンのバンドで有名なクレイグブランデル。ペンドラゴンでも一時期ドラム叩いていた。フィルランゾンのソロアルバムの一部の曲でもジョンミッチェルと共に参加していたとか、そういうこと言い出すと某ユーライアヒープ宣伝部長が大騒ぎして面倒なのでそこはスルー(笑)。あ、一言だけ言っておこうか? フィルランゾンのソロアルバムを聴いた私の印象は一言、

「その感じはニールモーズで散々聴いたわ!」

以上(笑)。話が脱線したので戻すと、今回はジョンベックの一部参加、というか不参加がとても気になっていたけど、その心配は当たってしまった・・・。

① Radio Voltaire
オープニングナンバーは約7分の、伸びやかなギターと優しい歌メロが印象的な佳曲。非常に爽やかで、ギターソロの雄大さはまるでニールショーンの1stソロアルバムで聴けたそれの様。音質もジョンミッチェル印のマイルドで耳に優しくて、でも各楽器が分離良く聴こえる、私の好きな音質。KINOらしいかどうかは別にしてコレはお気に入りの曲である。

② The Dead Club
ヘヴィなリフとエキセントリックなメロディが印象的。特に個人的に好きな曲ではないけどアルバムに1曲くらいはあってもイイ。

③ Idlewild
静謐なピアノで始まり歌メロもとても綺麗なバラード。メロディが本当に味わい深くて、もしこの曲をジョンウェットンが歌ったら似合うだろうなぁとか、そんな風に妄想してしまった。本当に美しいメロディで、しばらく頭から離れない。仕事中も頭の中でメロディが流れ続けたくらいメロディが綺麗で、これは名曲だと思う。KINOらしいかどうかは別にして。

④ I Don't Know Why
上3曲はジョンミッチェルの曲だったけど、この曲はピートトレワヴァスのペンによる曲。最初パッと聴いて感じる印象はビートルズ的だなってところなんだけど、なぜか繰り返し聴きたくなる。歌メロがとても凝っていて、サビの部分の凝ったメロディがこれまた非常に印象的に脳内に残る。KINOらしいかどうかは別にして、とても気に入った。

・・・と、ココまでの4曲、それぞれにタイプが違っていて、KINOらしいかどうかは別にして、良質のメロディと、メロディを引き立たせるアレンジが印象に残る素晴らしい曲と、曲の並びだったんだけど・・・・。

⑤ I Won't Break So Easily Any More
疾走感のあるアップテンポな曲。悪くは無い。

⑥ Temple Tudor
ほぼ全編アコースティックギターとヴォーカルによるシンプルな優しいメロディの曲。悪くは無い。

⑦ Out Of Time
この曲も④と同様ピートトレワヴァスのペンによる曲。悪くは無いけど歌メロに耳を惹くものが無い。途中のインストセクションも地味。

⑧ Warmth Of The Sun
2分足らずの、ピアノとヴォーカルによる弾き語り風の曲。何かアルバム中のインタールード的な役割なのかな?

⑨ Grey Shapes On Concrete Fields
疾走する哀メロ風のサビが印象に残る。今作の中で肝となる曲の位置づけなのかも知れないけど私の中で深い感動には至らない。悪く無いし私の好き嫌いの問題でしかないんだけど、何が足りないんだろう?

⑩ Keep The Faith
ミディアムテンポの哀メロバラード。途中のインストセクションの盛り上げが一瞬オッ、と思わせるんだけど、うーん、もうひと捻りというか盛り上げが欲しかったかな。

⑪ The Silent Fighter Pilot
本編ラスト曲もピアノとヴォーカルの静かなメロディから始まる。途中からインストセクションで盛り上げにかかるんだけど、なんだろう、これまた深い感動に至らない・・・。

以上、本編11曲、ボーナストラック4曲はここでは割愛。
4曲目までは気分良く聴けるんだけど、5曲目からは上記ご覧の通り、悪くは無いんだけど深い感動に至らない。これ、ジョンベックが本格的に演奏に加わっていたら、ジョンベックがアレンジで才能を発揮していたらもっと素晴らしかったかも・・・、って感じてしまうところが個人的な感覚でジョンベックの不在感を増幅させてしまう。いや、繰り返しになるけど悪くは無い。悪くは無いんだよ。むしろイイ作品なんだと思う。ただ、KINO名義だとどうなんだ? となってしまう。これがジョンミッチェルのソロプロジェクトなら、ロンリーロボットの1st2ndに続く3作目なんだとしたら全然OK、今回も安定のクォリティの高さ、って平然と言えてしまう。ロンリーロボットはジョンミッチェルのソロプロジェクトと分かっているから、あれでKINOと再編イットバイツの主力であるジョンミッチェルによる高品質のプログレポップ作品と言えてしまう。しかし今回はKINO名義にしてしまっているから、1stの続きを作れとは言わないけど、ジョンミッチェルのソロプロジェクトとは違うところを明確に聴かせて欲しかったなぁと思ってしまうのだ。

ホント個人的なアレで申し訳ないんだけど、私の中では、

KINOの1st > 再編イットバイツ

ってくらいKINOの1stが大好きで、ちょっと今回は期待値が高すぎた。ロンリーロボットと何が違うんだ?って。いやロンリーロボットには無いタイプの曲は確かにあるんだけど、ここにジョンミッチェルとジョンベック、二人のジョンのケミストリーなるものが無いことが感じられてどうしても第一印象がイマイチ、となってしまう。まぁジョンベックのスケジュールが取れれば、それはもうイットバイツとしての活動になってしまうんだろうけど。

なお、今回も国内盤の発売を待って購入したんだけど、国内盤のライナーが、KINO結成の経緯をかなり詳細に書いてくれていて、当初ヴォーカルには誰の名前が挙がっていたとかドラマーは誰の予定だったとか、へぇ~そうなんだ的なウラ話が満載でなかなか楽しめた。

というワケで言うだけ言ってアレだけど、今年上半期で一番の楽しみだったKINOの2ndは、KINOらしいかどうかは別にして、悪くは無いよ、という事で(笑)。

追伸:「Wetton Mania 2」参加者の皆様へ
6/16の「Wetton Mania 3」開催に向けて、再び企画会みたいなの?を5/2(水)夜に心斎橋のスターレスで行います。もしよろしければ参集可能な方がいらっしゃいましたらお待ちしております。

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2018年2月16日 (金)

フランシス・ダナリー 「ライヴ・イン・ジャパン」(FRANCIS DUNNERY "LIVE IN JAPAN")

実は4~5日前に腰を痛めていた。インフルエンザで寝てばっかりいて、そうすると腰が痛くなるってのはありがちなことだけど、これにピッタリはまってしまった。部屋で掃除機をかけているときにいきなりアレッってなって。でも今回はギックリ腰って感じでは無くて何とか動けるし仕事もこなせたのでまだマシだった。インフルから腰痛、それがようやく癒えて来て、仕事が公休の今日は天気も極寒から少し暖かくなったので久しぶりに1時間ちょっとウォーキングを敢行。無理しない程度に歩数で約6000歩ちょっと。ちょっとまだ腰に張りみたいなのを感じるけど十分にストレッチもして気分も快調。

例によって購入してチラッと聴いたっきり放置していたフランシスダナリーの一昨年2016年11月来日公演を収めたライヴ盤を、ウォーキングのお供に聴いた。更に帰ってきてからもう一回。今回はその簡単レビューでも。

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購入特典でファミリーツリーが付いていたけど、コレって来日公演時の物販で、国内盤CD購入者についていた特典と同じものかな(笑)。まだ余ってたのか(笑)。

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もう一昨年の事になるんだなぁ。昨日のことのように覚えている素晴らしい来日公演だった。私が参加した東京公演2日目のレポはコチラ。今回のライヴ盤は東京公演2Daysから編集されているそう。セットリストは全曲イットバイツの曲だったから当然このライヴ盤も全曲イットバイツ曲。2日目で演奏したThe Ice Melts Into Waterだけカットされている。

いつも言う事だけど自分が生で観たライヴである以上、その場でのライヴ体験に勝る感動は無いので、このライヴ盤を聴いて感じることは、あの日は素晴らしかったなぁって言う思い出が甦るという、それ以上のインパクトは正直無い。内容的には余計な装飾やオーバーダブは施していないようで、ダナリー自身がライヴレコーディング音源をミキシングしたサウンドは良く言えば生音重視のありのままを再現しようとしているように思える。悪く言えば音像が地味。イットバイツのサウンドイメージにあるカラフルさやキラキラ感やエコー感はココには無い。あえて無いのだろう。鍵盤の存在感が若干薄い。必要最小限の存在感になるような鍵盤引っ込み気味のミキシングを敢えてしている気がする。ここら辺の事は実際のライヴのレポでも少し触れたけど、これがダナリーにとってのイットバイツの音なんだと思う。ジョンベックの思うイットバイツの音とは違うのだと思う。なのでコレはコレでいいのだ。ジョンベックの思うイットバイツの音を聴きたければ現行イットバイツを聴けば良い、とても安心して聴けるイットバイツが聴けるから。

この人の場合、自分のやりたいことを正直にやっていく方向性は今後も変わらないだろうし、その姿勢の先にどのようなプロジェクトが控えているのか、クワイアを使った作品とかプログレオールスターズとか、国内盤ライナーには少し触れているけどそれがいつ実現するのかもダナリー自身の腹の内にしかない。それが具体化して我々の前に姿を現す日が来るのか来ないのか、こちらも焦らずのんびり待つしかないよね。

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2017年6月 1日 (木)

【Short Review 30】ザ・ロンリー・ロボット 「ザ・ビッグ・ドリーム」(LONELY ROBOT "THE BIG DREAM")

何かと忙しくてビートルズのサージェントペパーズ50周年BOXも未開封どころか未開梱状態で、おまけに数日前からどうしたことが頭痛がして気分も体力的にも一杯一杯。京都はここのところ連日気温30度超えで、もしかして軽い熱中症にでもなってたかな。昨日は24時間勤務明けで帰ってきてから昼間寝て、そのまま夜20時頃まで寝てしまい所用で出かける用事も遅刻。そのあと夜は夜でグッスリ朝まで寝れてしまって、やはり相当疲れていたようである。さすがにそんだけ寝たからか今日は頭痛も無く、朝は所用と買い物で時間を使い、出かけたついでに久々コメダで大ヴォリュームエッグサンドを食す。トレヴァーホーンの8月来日の知らせに関西系のウェットンファン仲間LINEグループで大いに盛り上がって急に元気が出てきた。9月には待望のペンドラゴン初来日もあるし、双方ともに東京のみのようで金策に頭を悩ませることになるがそれはそれ。あの時のドラマ紙ジャケにトレヴァーホーンのサインを頂く大チャンスである。

明日からまた土日含みの連勤が月曜まで続くので何かブログ書いておこうと思って、今回もショートレビュー。国内盤の発売がなぜか遅れていたジョンミッチェルのロンリーロボットの2nd。国内盤表記が「ザ・ロンリー・ロボット」だけど、「ザ」は要るのかな? よく分かんないけど。

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前作1stでは全曲レビューしてしまったけど今回はそこまでは・・・。時間が無いのでパパッと聴いた印象でご勘弁を。
全体的な音楽の方向性とか音の質感は前作とあまり変わらないかな。高品質の、歌モノ中心のプログレっぽくもありハードな質感もある。少し前作よりもハードなギターや、また逆に静謐な曲では情感豊かなギターソロが多めな感じで、ポップさや歌モノとしての親しみやすさは前作の方があった気がする。前作を聴いて感じたIT BITESやKINOとの親和性から少し離れて、これがジョンミッチェルなんだよと、そういう主張と捉えるのもありかも知れない。個人的お気に入りトラックは、

⑥ False Lights
⑧ The Divine Art of Being
⑨ The Big Dream
⑩ Hello World Goodbye

ってとこかな。どれもギターがウルサ過ぎず、かといって甘ったる過ぎるわけでもなく、若干のしっとりした情感もあって、前作からの違いを敢えて見出すならこのあたりかも知れない。

いずれにしても十分な力作であり、聴いて損はない。まだ何回も聴けてないだけに、聴けば聴くほどにまた更なる発見と言うか味わいが出てくるかも知れない。でもアレだな、あくまでも自分の好みだけで言うと、KINOは超えていない。ジョンミッチェルのこれまでの仕事の中では未だに、ロンリーロボットよりも、IT BITESよりも、FROSTよりも、KINOこそが彼のベストワークだと思っている。いつか真面目にKINOをこのブログで取り上げないとな。

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2016年11月 3日 (木)

フランシス・ダナリー 2016年来日公演2日目 FRANCIS DUNNERY Plays IT BITES "CALLING ALL THE HEROS" (Nov 2, 2016 @ TSUTAYA O-WEST SHIBUYA TOKYO)

元イットバイツのフランシスダナリーが、イットバイツ在籍時代の89年以来約27年ぶりの来日。今回はイットバイツの楽曲のみをプレイする2Daysと、おそらくソロ曲も含めると思われるアコースティックライヴで、東京のみ計3日間の来日公演スケジュール。その2日目に参戦。

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呼び屋が目白のワールドディスクと言う時点で大阪は無いだろうとは思っていたが、案の定、関西圏はなし。ビジネスとしてはそりゃ色々収支の計算もあって難しかったのかも知れないが、せめて大阪1日くらいはやって欲しいものだ。それでも観に行きたければ仕方がないので私も京都から東京へ参戦するしかない。地方から参戦となったらライヴ当日と、その日の夜は東京で1泊で2日間必要なので、仕事の勤務シフトを調整してもらって公休2連休とさせて頂いた。私の場合、80年代後半当時からイットバイツを聴いてはいたものの、89年の来日公演は参戦しておらず、そういう意味ではフランシスダナリーの来日はまさに個人的に待望であった。イットバイツセルフカヴァー作ヴァンパイアーズをほぼオリジナルに近いアレンジで制作した時点で、過去曲に向き合う姿勢を見せてくれたダナリーが全曲イットバイツをプレイするとは何とも魅力的ではないか。ジョンミッチェルをフロントに据えた現行イットバイツが休眠状態である以上は、イットバイツを楽しむ貴重な機会にもなるし。

それでは、25年に及ぶ東京生活を終了して京都へ帰郷したこの私が、約1年4か月ぶりに東京へ行くという個人的な感情も込めた参戦レポいきます。

2016年11月2日(火)、先週のリンゴスター大阪公演の日と同様に京都は朝から素晴らしい晴天。しかし全国の天気予報を見ると東京は寒いらしい。念の為にウインドブレーカーをトートバッグに放り込んで、いざ東京へ出発。新幹線に乗るのも久しぶり。今や給料は以前の半分という苦境の中で踏ん張っているので余計な金はかけられない。新幹線はもちろん自由席。でも平日昼間だから座れるしOK。東京で泊まる宿もビジネスホテルとかじゃなく、渋谷のカプセルホテルを予約。カプセルは東京で忙しく仕事してた頃もよく利用していたので勝手知ったるもの。何の違和感も感じない。車内でイットバイツを聴いてるうちに東京駅に到着。1年4か月ぶりの東京という事で何らかの感慨を感じるかなと思ったら以外に何もない。中央線に乗ってまずは新宿へ。アカシヤでロールキャベツシチューを食べる。ここでも例えば懐かしさが込み上げてきてセンチな気分にでもなるかなと思っていたがそうでもなく、まるで新宿の風景もディスクユニオン各店を覗いてみても昨日の今日みたいな感覚。特に買い物するでもなく地下鉄で渋谷へ。東京の電車乗るのも1年4か月ぶりなわけだが、ホントに込み上げるものが無い。むしろなぜか仕事でシンドイ思いや辛い思いをしたことばかりが思い出されてくる。いつも見た景色、風景が自分の中であまりにも今も変わらず日常的に感じて、ただ一つだけ、この地には自分が住む寝床となる自宅はもう無いんだなぁって言う、そこだけ何か寂しさを感じた。渋谷のカプセルホテルにチェックインして休憩。そして時間を見計らって外出して今回のライヴ会場O-WESTへ。しばらくして今回一緒に参戦する東京時代の音楽仲間のSさんと合流。これまた昨日の今日みたいな感覚で案外懐かしさが込み上げてこない。普段からSNSとかでやり取りしてるからかも。開場して早速物販へ。今回は10/31にタワーレコードでサイン会があったり、11/3のアコースティックライヴではミート&グリート企画があったり、もし自分も首都圏に住んでいれば間違いなく参戦したであろう2回ものサイン会にも、地方からの参戦ゆえに参加出来なかったのでその腹いせに、せめて物販で国内盤CD購入の場合にフランシスダナリー直筆サイン色紙プレゼントっていう、コレだけはゲットしておこうと思っていたので、あえてこの日の為に買って無かった1stソロのリメイク作をここで購入。しっかりサイン色紙も頂きました。あとファミリーツリーも。

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これで少しは溜飲が下がった。あとは開演までSさんとお喋り三昧。場内で流れているBGMがソフトマシーンのバンドルズだったりするところが、ホーさん好きなダナリーらしい。

そしてほぼ定刻19時、メンバー登場して開演。

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前日の初日公演では約90分の長さだったそうだが、この日は2曲追加で約110分に及ぶヴォリューム満点のライヴとなった。セットリストは以下。

01. I Got You Eating Out Of My Hand
02. Yellow Christian
03. Underneath Your Pillow
04. Feels Like Summertime
05. The Ice Melts Into Water
06. Vampires
07. Calling All The Heros
08. You'll Never Go To Heaven
09. Old Man And The Angel
10. Still Too Young To Remember
11. Screaming On The Beaches

--- encore ---

12. Once Around The World

いやもうそりゃイットバイツの名曲群の再現とあって内容的には最高に楽しめるライヴであった。ちょっとこじつけな言い方になるかも知れないけれど「フランシスダナリーにとってのイットバイツ」を見せて貰ったというか、「イットバイツは紛れもなくフランシスダナリーが中心核であった」ことを見せて貰ったというか、フランシスダナリーのライヴにおいて全曲イットバイツのナンバーであることが何の違和感もなく受け入れられる楽しさであった。80年代当時のイットバイツの音楽性を簡単に言い表すのにプログレポップというような言い方もあるが、そのなかでフランシスダナリーの曲作り、アレンジ、ホーさんことアランホールズワース好きが滲み出たようなギターフレーズは、エキセントリックな風味を醸し出していた。そのエキセントリックな風味で時々プログレポップ感覚からハミ出しかける様がまさしく「フランシスダナリーのイットバイツ」であったと思う。現行イットバイツが、まぁイメージだけどちょうどこのフランシスダナリーのエキセントリックさを排した、ワリとコンサバティヴな安心して聴ける聴き易いプログレを指向していて、もちろんそれはそれで私は好きなんだけれど、こうして「フランシスダナリーのイットバイツ」を聴くと、あぁ確かにオリジナルのイットバイツはこうだったなぁって感じ入ることが出来る。

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グズグズと理屈を言いたがるプログレもの的な書き方をしてしまったが、そうは言いつつCalling All The Herosでは私も一緒に気持ちよく合唱して盛り上がった。

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Still Too Young To Rememberに至っては、「ドンチュノウ、ドンチュノウ」とか「ナーナー、ナーナナー」とか軽く涙流しながら合唱してしまった。

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アンコールではみんなが期待する大作Once Around The Worldを完奏。終盤の子守歌的なセクションでは当然私は泣いてましたが何か(笑)。

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以上、大満足の内容で終演。フランシスダナリーは最後まで大変ご機嫌で笑顔で楽しそうだったのがとても印象的であった。

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売れることに興味が無いワケではないだろうが、とても自分のその時々の趣向に正直なのかマイペースな音楽活動故かどこか器用貧乏的な感じもするこの天才ミュージシャン、もっともっと注目されて欲しい。

終演後は、首都圏時代のウェットンファン仲間約10人で盛大に飲み会。ここでは本当に懐かしいお仲間の皆様と再会できてとても嬉しかった。半分これが楽しみで東京まで足を運んだようなもの。店の予約やメンバーの声掛けに尽力して下さったSさんやKさんやYさんには感謝が尽きない。東京方面でも音楽呑み仲間がいて、そして今は関西方面でも音楽呑み仲間がいる、そういう意味では帰郷して2倍楽しい思いが出来てるかも知れないなと思うとこれからもいろいろ苦しくても前向きに頑張れそうだな。

さて、怒涛のライヴ参戦シリーズ、次は大阪上本町でスポックスビアード奥本亮さんのプログレナイト、そして現行イエスの来日公演大阪、金欠と闘いながら楽しみますぜ。

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2016年10月15日 (土)

フランシス・ダナリー 「ヴァンパイアーズ」(FRANCIS DUNNERY "VAMPIRES")

つい1週間ほど前まで京都では最高気温が30度超えで蒸し暑くて、職場では9月いっぱいでのクールビズ終了の予定が急遽1ヶ月延長になったり、ところがここ1週間は一気に気温が下がって朝方の冷え込み厳しく、全くもって服装の調整が難しい。職場でも深夜から朝方の勤務時は暖房を入れ始める状態である。相変わらず職場での24時間シフト勤務や仮眠にうまく対応できず寝不足が重なるせいか休みの日もちょっとテレビを見ているうちにすぐ寝落ちする。基本的に土日祝日休みとかじゃないから、所謂連休ってのが無い。これがどうも今までの自分のリズムと違うのが大きい。一日休んだらすぐまた翌日仕事なので、落ち着いて休めないというかなんか休んだ気がしない。コレは今の仕事で自分はどうなんだろうなどと思ったりする瞬間もあるが、後ろ向きやネガティヴな考え方は極力しない主義なので何とかこの状況の中での小さな楽しみを見つけたり、例えば明けで帰宅した朝っぱらから晩酌ならぬ朝酌が出来るのも気分がイイではないかとか、前向きに捉えようと奮闘するのである。ブログを書くこともなかなか手が付かず、自分的にこのブログの使い方と言うか書き方も考えないとなぁとか思ったり。気合を入れて書こうと思わずに、なんちゅうかもっと気楽に、ちょっと出かけた話とかグルメネタとかもありかなとか。でないと気分的にブログ更新が負担になってきて面白くなくなってくる。何度も言うがコレ仕事じゃないんだしな。まぁそんな具合なので購入したCDを聴くどころか開封すらしていないものが溜まり始めてきた。

なんとか開封したものから取り上げようかという事で、今回はフランシスダナリーのイットバイツ時代の楽曲セルフカヴァー作である。

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本作は今年の前半にはダナリーのサイト等でリリースされていたが、来日話に合わせて国内盤発売の予定があったので、ずーっと国内盤待ちで買い控えていた。ようやく10月に入ってボーナストラック1曲込みで国内盤リリースとなったものである。

最近は家でじっくりCDを聴く感じではなく、アイホンに入れておいた作品を休日のウォーキング中に聴くというクセがついてしまって、それが主な音楽リスニングタイムになってしまっている。どんどんアイホンにCD音源を放り込むものだから、アイホンの容量がパンパンになってきて、とうとう容量不足みたいなメッセージが出始めた。アイホンも新しいの出たことなので容量の大きいのに機種変しようかと考え始める。

それで、本作であるがウォーキング中に3周ほど聴けた。収録曲は以下のCDパッケージ裏面より。

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言うまでもなくフランシスダナリー在籍時のイットバイツ初期3作からのセレクションで、全曲リ・レコーディングされたものである。楽曲のクォリティの高さは80年代当時から評価されていたし、それらの曲をほぼ原曲通りのアレンジで再録しているから、繰り返し聴けるクォリティではある。実際、音楽を聴く暇が無いだの未開封のCDが増えてきただの言いつつ本作はウォーキング時を利用して3周も聴いたんだから。

過去によく聴いてきた楽曲であり私の中でのイットバイツのリスニング歴は以前にこちらの記事でも書いたので全曲レビューはしないけど、感想と言うか第一印象は恐らく聴いた人すべてが同じ印象を持ったのではないか。それは音像についてである。先にも触れたとおりアレンジは全てほぼ原曲通りであるが、音像がとても素朴と言うか、80年代的なエコー感やキラキラ感が全く削ぎ落とされたようなサウンド。一例を挙げれば鍵盤サウンド、80年代の派手さやキラキラ感を避けてハモンドオルガン系のサウンドを多用していたりする。これが曲の良さを露わにするために敢えて狙った音像なのか、それとも金や時間をかけなかった結果としてこうなったのかは分からない。この音像と言う部分だけを捉えればポジティヴにでもネガティヴにでもどうにでも捉えられる。80年代的サウンドが好きな私は、本作を何度か聴いた後に改めて80年代のイットバイツ3作を聴きたくなってしまったのが正直なところ。しかし私としては決して本作の存在をネガティヴに捉えてはいない。もうプログレッシヴミュージックはやりたくないと言ってイットバイツを離れ、事実90年代以降はシンプルなロックやアコースティック路線に進んでいたフランシスダナリーが、いま改めてイットバイツ時代の楽曲に真正面から向き合ったことを素直に喜びたいのである。その歴史を踏まえた今のフランシスダナリーがイットバイツの楽曲を演奏するとこうなる、そういう事なんだと思う。

いよいよ待望のソロとしての来日公演が2週間後に迫ってきた。地方に帰郷した私が一番恐れていた、東京公演のみの来日スケジュール(苦笑)。仕方ないので東京公演のチケットを購入。東京で泊まることも考えれば2日分の休みを確保しないといけない。交通費と宿代もいる。その前にその日と翌日に仕事を休めるかはまだ判然とせず・・・(職場で申請はしている)。おまけに10月31日にはタワーレコード渋谷でサイン会、11月4日には南青山でミート&グリートもあるとの事で、あぁ東京方面に住んでいれば2回もサインを貰うチャンスがあったのに!! みたいな悔しい思いをしなければならないのも地方に帰郷してしまった私ならでは。でもそういう事まで覚悟しての一大決心で帰郷したのだからやむを得ない。

ジョンミッチェル入り現行イットバイツが休眠状態の現在、フランシスダナリーがイットバイツ楽曲再現ライヴをやるのはまさにタイミングとしてはベストと言ってもイイ。オールスタンディングなので腰の具合が心配とか、グズグズ言わずに思いっきり楽しみたい。

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2016年6月25日 (土)

イット・バイツ 「イート・ミー・イン・セントルイス」 (IT BITES "EAT ME IN ST.LOUIS")国内初版CDサンプル盤

元イットバイツのフランシスダナリーが、イットバイツ時代の曲をセルフリメイクした新作を完成させた。既にサイトでは発売されていて、国内盤も追ってリリース予定との事。合わせて本年11月には来日公演も決定し、フランシスダナリー及びダナリー在籍時のイットバイツ初期3作が改めて脚光を浴びる年になりそうである。なのでこのタイミングで私もイットバイツを取り上げてみたい。

私のイットバイツのリアルタイム体験は80年代後半、2ndのワンスアラウンドザワールドだった。当時はすっかりオールドファッション扱いのプログレをチョイお洒落にポップに響かせつつも、14分の大作も含まれた、しっかりした演奏技術と作曲能力が感じられる作品として一部で評判になっていたので、試しに買ったのであった。聴いて感じた印象は、あくまでも当時の感覚の話ではあるが、すっきりした音像で、悪く言えば軽くて、正直それほどインパクトは感じなかった。それはイットバイツの問題ではなく、私自身の聴く耳の問題だったんだと思う。その頃の私は80年代のエイジア、イエス、GTR、EL&Powellのヒットを受けて、そこから70年代へ遡って、後追いで70年代プログレにハマり始めてた頃だったから、その趣向で聴くと、やはり少し物足りなく感じたのであろう。

そんな中で89年に発売されたのがこの3rd、イートミーインセントルイスである。

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イエスがトレヴァーラビン主導のハードポップ路線のビッグジェネレーターで、90125に次いである程度のヒットを記録すると、私の周りではこのビッグジェネレーターが一つの基準のようになって(あくまで当時の話)、ワールドトレイドの1stや、今回取り上げるイットバイツの3rdの比較対象として語られてた気がする。曰く、ビッグジェネレーターに似てるね、って感じで。当時バイトしてたCDショップで、店長さんもそのような事を言ってて、私も同意していたものだ。上にも書いたように当時は2ndもそれほどインパクトを感じなかった中ではあったが、それに反してこの3rdは私の中でも要注目として発売を楽しみに待っていた。理由はとても調子の良いものである。その理由とは、ABWHを始動させてヒットさせた策士マネージャーのブライアンレーンが、イットバイツの3rdからマネージメントを買って出たこと、これが注目した理由である。マックというしっかりしたプロデューサーを起用し、バンドロゴやジャケットはロジャーディーンの起用と、イエスの新時代後継をイメージさせるような戦略展開にすっかりしてやられた私であった。CDショップのバイト店員だった私はレコード会社のセールスの人にサンプル盤をおねだりして、頂いたのが上記写真の国内初版CDのサンプル盤である。国内盤は海外とは曲順が違っていたのか、1曲目はシスターサラであった。

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何しろイエス後継の意味合いも込めて注目していただけに、この盤を本当によく聴き倒した。2014年にフランシスダナリー在籍期の作品がボーナストラック入りリマスター紙ジャケの決定盤として発売され、この3rdはかつての海外盤に準拠した曲順になっていたと思う。

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私はこういったリマスター再発紙ジャケで決定盤!みたいなのが出た時には、原則として旧規格盤はホイホイ中古屋さんに売り飛ばしてしまうんだが、この3rdの国内初版サンプルCDは未だに手放せない。なんとなく当時の思い出と、曲順に対する思い入れが出来てしまって、今でもシスターサラから始まる曲順じゃないと聴く気がしないのである。シスターサラの勢いあるハードな曲での始まりは、前作とは打って変わった印象で、その印象が強く脳裏にインプットされたまま最後まで聴いてしまう。だからこそ、スティルトゥーヤングトゥリメンバーのメロディアスなポップ感覚や、リービングウィズアウトユーの静謐な美しさも際立って感じられる。結果、プログレ的曲展開よりもかなりストレート&ハードに振れた作品イメージが、当時バイトしてたCDショップの店長も私もビッグジェネレーターに似ている、っていう当時なりの感じ方になったのであろう。

策士ブライアンレーンが売り出しにかかったからには、さぞかしABWHと抱き合わせにして、売れるに違いないし、イットバイツの前途は洋々であると思っていたんだが、こちら側の希望など関係なく、また期待したほどは大ヒットはせず、フロントマンのフランシスダナリーが脱退して、バンドは終焉を迎えるという悲しい末路となってしまった。

それから10年以上を経て、2000年代になってスーパーバンドKINOでジョンベックとジョンミッチェルが意気投合でもしたのか、ジョンミッチェルをフロントマンに迎えてイットバイツが再編された。改めて初期3作の楽曲群を演奏したライブ盤を聴いて今更ながら2ndの楽曲が気に入ったというか、プログレッシヴ・ポップ・ロックとしてのクォリティの高さに気付いたのは、その間に多くの様々な作品を聴いてきたからだろう。今になって80年代後半当時の自分の趣向を抜きにすると、俯瞰して正当に評価できるようになったというか。今では一番よく聴くのは2ndのワンスアラウンドザワールドになっている。

しかし、フランシスダナリー在籍時の初期イットバイツの、その末路まで含めての思い入れ込みで、この3rdの旧規格のサンプルCDが未だに大好きである。この3rdの後、脱退したフランシスダナリーが91年に発表したソロ1st、これも当時は待ちに待った発売であったが、それはまた別稿としたい。

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2015年9月 2日 (水)

THIS OCEANIC FEELING "UNIVERSAL MIND"

予想外に気に入ったジェフダウンズとクリスブレイドのプロジェクトDBAの2ndがダウンズによると仕上げの段階に入ったようで年内発売予定との事。やはり高校や大学時代をあの80年代の深~いエコーの効いたスペーシーかつゴージャス、キラキラ、ポップな音像を聴きながら過ごした関係で今でもあの感じの音楽を聴くとついつい心が動く。DBAはまさにプログレ風味を加えた80年代ポップサウンドでドツボだった。2nd発売が待ち遠しいところであるがその前にクリスブレイドがDBAとは別プロジェクトを始動していた。それが今回取り上げる THIS OCEANIC FEELING の "UNIVERSAL MIND"。

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参加メンバーはクリスブレイド(Vo,Key,G)にアッシュソーン(Dr)、このトレヴァーホーン界隈の2名に近頃休眠中のイットバイツのメンバーで、リックウェイクマンやスティーブハケットのバンドでも重宝されている凄腕ベーシスト、リーポメロイ(Bass)が合体した3名。確か7月に発売されていたようだが引越しのどさくさでウッカリしていて8月になって慌てて注文。お取り寄せ状態だったのがようやく到着。パッケージは3面見開きデジパック。内側はこんな感じ。

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外側は以下。

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早速開封して早くもへヴィローテ。DBAを聴いて気に入った人や、私のように未だに80年代的な音像に何とも言えない感慨を抱く人にはすぐにでも聴いて欲しい。予想通りの期待を裏切らない、そういうサウンドである。収録曲は以下のような序曲的なオープニングから終幕の短い最終曲まで含めて全12曲。胸にキュンとくるメロディと音像満載。

① Lie Detector
② Put Down The Gun
③ Radio
④ Logotherapy
⑤ Universal Mind
⑥ Intensive Care
⑦ Wake Up
⑧ I Play Debussy
⑨ Johnny Tragic
⑩ Karma Camera
⑪ Season Of Light
⑫ Finale

DBAによく似ているがそれだけで済ませてしまうと面白くないので、敢えてDBAと比較して言ってみると、やはりドラマーとベーシストが参加してるだけに打ち込みやシンセベースでは無い分、人手によるノリというかグルーヴ感と言うかドライブ感が増している。DBAよりはちょっと薄めのプログレ風味で、いくつかの歌メロや鍵盤のメロディは深く胸を打つセンチメンタルな美しさもあり、そこら辺を気に入る人にはクセになると思う。私はクセになってる。

①はいかにも大味なプログレ的に始まり②でバグルス的ポップになるがここで印象に残るのはドラムとベースが起こすドライブ感。この時点でDBAとは似て非なる感がある。PVも制作された本作リードトラックの③はクリスブレイドの素晴らしいメロディ感覚が味わえるが、加えて鍵盤の音色使いと残響音の生かし方が80年代的で感動的ですらある。リーポメロイのベースが曲を引っ張っているとさえ感じる軽快な④、これまたヴォーカルと鍵盤にたっぷりエコー感を聴かせた空間を気持ち良くゆったり漂うような⑤⑥⑦⑧(←おいおい端折り過ぎ?笑)、再びアップテンポなバグルス的な⑨を経て⑩、これが私の今作一番のお気に入り。たまらなく郷愁を感じる美しいヴォーカルメロディ、その後ろで響く鍵盤のメロディも美しいし、更にはベースのメロディまで美しい。ちょっとなんか現実を離れたいときにはピッタリのあまりに美しい曲。この曲がずーーっと続いてくれてもイイくらい。しかし続く⑪も美しい。8分半の大作ながらプログレと言うよりは美味しい歌メロと美しい鍵盤の音色使いが延々続く感じが凄く浸れる感じ。最後⑫はムーグ的なシンセのメロディが軽快に鳴り響いて終了。

この作品は耳に馴染みやすくて聴き易いキャッチーなメロディと音像が満載なので、例によって気に入ったからと言って毎日聴くとすぐに胸焼けを起こして飽きるから気を付けなければならない。DBAの時もめっちゃ気に入った後、わざと1年くらい聴かないようにした。そのお蔭で飽きずに今でも月に一回くらい聴ける愛聴盤となっている。大事に聴くようにしたい。そして続くDBA2が超楽しみでもある。

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2015年2月22日 (日)

LONELY ROBOT "PLEASE COME HOME"

普段は余程の事が無い限り国内盤を購入する私だが今回はなんかいろいろストレスが多くて少しでも早く聴きたいものは聴きたいと思ってEU盤で買ってしまった、JOHN MITCHELL の新プロジェクトLONELY ROBOTのデビューアルバム。デビューと言ってもこのプロジェクト名で次があるのかは定かではないが。

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我らがジョンウェットン人脈として認識していたジョンミッチェルも今ではIT BITESの立派なフロントマンかつメインソングライターとして知られるようになった。そのイットバイツは数か月前に確かジョンミッチェルとジョンベックで新作の曲作りを開始したというような、ミッチェル本人のつぶやきをツイッターだったかフェイスブックだったかで見た覚えがあったがいつの間にかイットバイツは開店休業状態で後続情報は伝わって来ず、ミッチェルはこのソロプロジェクトを開始し新作を完成させたようだ。なんでもジョンベックの方はFISHの長期ツアーに参加することになったとの事で、この分ではおそらくイットバイツの新作への動きは当分先になりそう。

このジョンミッチェルって人は自らOUTHOUSE STUDIOSというスタジオを主宰していて、実はいろんなミュージシャン、バンドの作品のミキシングやマスタリングも手掛けている。エイジアの最近作グラヴィタスもミキシングはジョンミッチェルがOUTHOUSE STUDIOSで行っている。今作ではソロプロジェクトという事もありドラム以外ほぼ全ての楽器を自ら演奏し、アレンジ、プロデュースも行っていて、そういう意味ではビリーシャーウッドと同じようなマルチな活動が出来る才能を持ち合わせていることが分かる。但しその結果生み出されてくる音像に関してはワタシ的には断然ジョンミッチェルの仕事ぶりの方が好みである。英国ならではの湿り気のある音像がやはり私好みなのだ。英国で湿り気がある音像と言ってもその音像はどこまでも耳触りが良く土の匂いは無い。

既に購入して一週間で6回くらい通しで聴いた。かなり気に入ったのでここは久々に全曲レビュー行ってみよう。でもエイジアじゃないから内容は簡易版で。ちなみにEU盤ジャケはデジパック。結構安っぽい作りであまり好きではないが。

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装丁によっては3月に発売予定の国内盤に買い替えるかも知れない(笑)。でも音の内容は素晴らしい。簡単に言ってしまえば想像通りの音像とメロディ。想像通りってのはKINOとかジョンミッチェル加入後のイットバイツの系統のサウンドって事。

① Airlock
オープニングナンバーは爪弾かれるピアノの音色から一気にシンセとギターで大仰なメロディを奏でて壮大に盛り上げるといういかにもプログレ的始まり方のインスト曲。FROSTのJEM GODFREYって人が中心になっている感じ。そう言えばFROSTっぽい感じもする。いかにも過ぎて、あからさま過ぎて、ツボにハマるというよりちょっと笑ってしまう。

② God Vs. Man
最初にPVが公開された本作のリードトラック。ちょっと重めのギターリフが始まり、アレアレ期待するサウンドと違うかなと一瞬思わせるがヴォーカルが始まると静かな展開となりメロディが哀感を湛えていて、それにジョンミッチェル自身の声質がマッチして静と動を対比させた曲構成、そして泣きのギターまで入りこれまたあからさまなプログレ的資質。でもシリアスな雰囲気は決して笑えない。いい曲だと思う。

③ The Boy In The Radio
個人的には本作の中で最初に私の耳を捉えた曲。キャッチーでちょっと郷愁を誘うメロディが素晴らしい。得にサビメロは魅力的で何度でも繰り返し聴きたくなる。さらに展開して開放的な歌メロとそれに続くのびやかなギターソロ、言うことないではないか。絶品。

④ Why Do We Stay?
静かで優しいメロディのバラードっぽい曲。パワーバラードでは無い。女性ヴォーカルの人とのデュエット曲。しっとり聴かせるメロディがイイ。泣きが入るギターソロも曲にマッチしている。

⑤ Lonely Robot
本作のタイトル曲であり8分超えの大作。コレも使い古された言葉である静と動の対比ってヤツ?(笑)。静謐な部分とへヴィな部分が交互に展開し、でもそれが小難しく感じないのはあくまでもメロディが充実しているからだろう。

⑥ A Godless Sea
前曲の静謐な部分をさらに拡大して、曲タイトルの情景がまさに頭に思い浮かぶような曲。こういった曲作りはKINOやイットバイツではあまりなかったような。ミッチェルの才能の幅広さを提示して見せたよう。

⑦ Oubliette
イントロのメロディアスな多重ギターによるテーマメロディが印象に残るが、その後に続く歌メロも優しいメロディで展開し、そしてここでまた女性ヴォーカルとのデュエットとなる。今作ではこういった女性ヴォーカルの起用が見られるが、効果的ではあるものの、そんなに必須とも思わないのは私が単にジョンミッチェルの声質が好きだからかも知れない。

⑧ Construct/Obstruct
これはもうイントロの感じからして今作で一番イットバイツとの親和性を感じさせるアレンジ。このままイットバイツの曲ですよと言われても、あぁなるほどと納得できてしまうだろう。もちろん悪い意味では無い。いい曲である。

⑨ Are We Copies?
ちょっと暗めのメロディとアレンジ。個人的には一番聴かなさそうな曲。でもアルバムに一曲くらいはこういう曲もアクセントとして入っていても良いだろう。

⑩ Humans Being
柔らかで優しくて暖かなメロディがポールマッカートニー的なバラード曲。この人は立派な英国ロック界におけるメロディメイカーとして成長しているんだと思う。それが端的に感じられるメロディ、そして名唱である。

⑪ The Red Balloon
本作を締める静かな子守歌風の小曲。感想は特になし。

後はボーナストラックが3曲、⑩と④と⑥の別ミックスなのでここでは割愛。

以上、ジョンミッチェルと言うミュージシャンのすべてを提示したと思われる素晴らしい作品である。そしてまたKINOやイットバイツに似ていることはそのまま彼こそが現行イットバイツのメインソングライターであり屋台骨であり主柱であることの証左でもある。イットバイツのファンは新作がかなり先になるであろうことを残念に思う必要はない。この作品が十分にその穴を埋める充実した作品であるから。

次はアレだな、レヴォリューション・セインツの新譜が超楽しみ。いやいやオイオイ、クリムゾンのスターレスBOXのレビューの続きはどうしたってか? 皆様、無かったことにして欲しいんですけど・・・・(笑)。

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