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2014年8月31日 (日)

ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE 2CD (2014 Remaster)

この美しいジャケ、超前向きサウンドを聴くたびに発売当時のワクワク感を思い出す。今やすっかりYESの傍流ではなく本流の歴史の一部として扱われているアンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ(ABWH)の唯一のスタジオアルバムが2014最新リマスターとして再発された。前の記事でも紹介したのと同様これもEsoteric Recordingsより。

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これが発売された89年といえば当ブログでも数回述べている通り、拙がまだ学生で京都のCDレコードショップ某J屋ポルタ店でバイトしてた頃。88年にイエスのビッグジェネレーターツアーの来日公演大阪府立を観に行って、初めてのイエスのライブを体験して、それはそれは感動してツアーTシャツも買って自慢げにそれを着用して店でバイトに励んでいた。その頃はインターネットとかはまだ無かった頃で音楽の情報源と言えば各種の音楽雑誌の情報が全て。自分はロッキングオンとミュージックマガジンとBURRN!の3種を欠かさず毎月購入して知識や見聞を広めながらCDレコード店でのバイト店員としての仕事にも生かしていた。そんな雑誌からの情報でジョンアンダーソンがイエスを脱退したことを知り、しかも旧イエス全盛期メンバーと合流したという情報を目にしてからはもうワクワク感全開。88年の来日公演に感動しつつも、70年代前半のFRAGILEやCLOSE TO THE EDGEを作り上げたメンバーが合流するとあっては果たしてどんなプログレサウンドが甦ってくるのか、期待は頂点に達しながら発売を待った。

CDレコードショップの店員であるから最新のオフィシャル情報が手に入る。レコード会社から全盛期メンバーによる”イエス”の新譜発売日が決定し、そしてAとBとWとHが笑顔で集合したグループショットを誰よりも早く目にしたときの嬉しさは昇天せんばかりであった。当時としては不可能と思われていた顔合わせでまさに夢が実現したと。そのグループショットを、店員だからこそ普通のファンより早く目にしただけにもう有頂天。やがてサンプルカセットが届く。その頃にはイエスと名乗れずメンバー4人の名前を並べたグループ名になっていたが特に気にならない。そして輸入盤すらも発売されていない、一か月以上前に店にサンプルカセットが到着した。多分自分は京都府民の誰よりもABWHの新曲を聴いたに違いない。このサンプルカセット、それこそテープが擦り切れるほど聴き倒した。

聴いた印象は、勝手に想像していたFRAGILEやCLOSE TO THE EDGEのようなサウンドとは異なるものであった。それでも当時としては異例の10分前後の組曲が復活し、あの頃よく言われていた「ワールドミュージック」的な要素を大きく取り入れたひたすら明るく前向きな曲調。ブルーフォードの手数の多いシモンズのドラム、ウェイクマンとしか認識できないならではの鍵盤ソロ、後にこの作品に多くの楽曲提供を行っていたことが分かったハウの貢献度、どこをどう取ってもかつての70年代プログレ時代の要素を含みつつ更なるワールドミュージックの要素を取り入れた、本物の前進するプログレッシブロックであると実感できた。やがて輸入盤が先行してリリースされた時にはもうすでにすべての曲が頭に入っていた。サンプルカセットを聴き過ぎたから。下の写真が当時の輸入盤CD。

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何度聴いても飽きなかったのはサウンドに新しい発見が一杯あったからだろう。単に昔のメンバーで昔のサウンドに回帰したのではない、その前向きさがますます気に入ったし、ありきたりに「クリススクワイアがいないから・・・」みたいなことを言う人も一部いるが、概ねこの前進したサウンドは当時も今も悪く言う人は少ないと思う。ポジティブでたくさんの音が塗り込められたサウンドに加えてロックのカッコ良さもある。

当時は好き過ぎて、メモリアルにという事で上記輸入盤だけでなく、「閃光」と名付けられた国内盤も買ったし輸入盤のLPレコードも買った。後に中古屋に売ってしまったけど。そして当然CDシングルも買った。1stシングル、'Brother of Mine' 輸入盤はアルバムCD未収録の 'Vultures In The City' 入り。これがまた名曲なのだ。アルバム未収録なのはやはり他の曲とはちょっとトーンが違うからだろう。叙情的に始まる曲は途中からジョンアンダーソン特有の明るいメロディへと昇華しウェイクマンの鍵盤が高く飛翔する感じは隠れた名曲と呼ぶにふさわしい。

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更には2ndシングル 'Order of The Universe' 輸入盤も買っていた。こちらは特に未発表曲は無いのであまり面白味は無い。

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更に3rdシングル 'Quartet(I'm Alive)' がなんと国内盤CDシングルで発売されていたのだがCDショップ店員で、ほとんど売れなかったその国内盤CDシングル、いつでも手に入るしと思っているうちになんとそのまま買いそびれて今日に至る。なぜ買わなかったかっていうと、当時にこれらのシングル3曲のビデオクリップ+'Heart of The Sunrise' のライブ入りの輸入盤VHSビデオを買ったもんだから、シングルCDは後でいつでもイイやと思ってしまったのだ。今じゃ当然だがほとんど見かけない。いや、あん時買っとけば良かったなと薄く後悔している。この曲、アルバムでは地味なのだがシングルヴァージョンのアレンジが素晴らしい。なんといってもシングルヴァージョンの曲中でハウのギターソロとウェイクマンの鍵盤ソロがメロディアスに絡み合う、あの展開がタマらない。これは名曲である。

で、思い出話が長くなったがリマスター再発、まずは2003年ごろに国内盤独自のリマスターが紙ジャケで出た。これは収録曲はオリジナル通りの内容。

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次に2010年にでたGonzo盤リマスター。こちらはウェイクマンのアナウンス、上記のシングルヴァージョンやシングルのみ収録の曲を網羅、さらに後に発売された未発表ライブ3曲セレクションしたボーナスCD付。

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そして今回の最新リマスターとなるのだが、今回が決定盤なのかどうかは微妙なところ。まず音質だが、もともとオリジナル時点から音は良かったし、あとのリマスター盤と聴き比べても私のバカ耳とショボいオーディオでは音量レベルの違い以外はよく分からない。音源的にすべてを網羅した2010年のGonzo盤と比べて今回のEsoteric盤はライブ3曲が入ってないのは構わないとしても曲順が変。それと、マイミクさんからコメント貰って気付いたが、なんとジャケ後ろの曲リストからBrother of Mineが漏れているという失態(音は入っています)。高級オーディオとかで聴いたら何かしらの違いがあるのかも知れないけど、まぁ自分的にはGonzo盤で事足りているかなって感じ。あとブックレットに使われているメンバー写真の解像度が悪いぞ・・・・。さすが海外独立系レーベル盤、この詰めの甘さが残念。

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