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2016年10月 6日 (木)

ANDERSON, RABIN & WAKEMAN AN EVENING OF YES MUSIC & MORE 2016 USA TOUR ライヴ音源(Oct 4, 2016 @ Orlando, FL USA)

ツェッペリンのコンプリートBBCもフランシスダナリーのイットバイツセルフカヴァー新作も後回しである。遂に待望の、ジョンアンダーソン、トレヴァーラビン、リックウェイクマンのプロジェクト、ANDERSON, RABIN & WAKEMAN(ARW)の大規模な北米ツアーがスタートした。その初日、2016年10月4日のフロリダ州オーランドのライヴ音源をいつもの某サイトで入手。今日は24時間勤務明けで朝帰って来たけど、この音源がUPされているのを確認して即ダウンロード。Youtubeには一部の演奏曲のオーディエンスショット映像がUPされているけどこちらはライヴ当日フルセットのオーディエンス録音による音源。あまりに内容が素晴らしいので緊急のレビューです。

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(上記写真はツイッターで拾ったもの)

既にARWのツアー公式サイトやニュースサイトで触れられている通り、サポートメンバー含めたメンバー構成は以下。

Jon Anderson: Vocals, guitar
Trevor Rabin: Guitar, vocals
Rick Wakeman: Keyboards
Lee Pomeroy: Bass, vocals
Louis Molino III: Drums

ベースはプログレ界隈でお馴染みリーポメロイ。イットバイツのベーシストかつ、リックウェイクマンやスティーヴハケットのバンドで重用されていたサウスポーの実力者。2013年のスティーヴハケット来日公演でもベーシストとして来日していたので直接目にすることが出来た。今回のARWへの参画は多分ウェイクマンからの推薦だろう。ドラムのルーモリーノ3世はトレヴァーラビンのお友達かな。トレヴァーラビンのソロアルバム、キャントルックアウェイの数曲でドラマーとしてクレジットされていたしその際のライヴでもドラムを担当していた。ということでARWへの参画はトレヴァーラビンの推薦だろう。

さて、ライヴの内容である。今回入手したこの素晴らしい超高音質オーディエンス音源で疑似体験してみたい。いやホント、音質は臨場感抜群で各楽器の輪郭もはっきりしていて、特に私好みの、ドラムの音がしっかり録られた音質なのでメリハリがあって良い。初日のセットリストは以下。70年代曲と80年代曲がバランスよくミックスされていて、選曲はARWならではって感じ。またきっと来日公演なんかもあるだろうからここでは詳しい全曲レビューとかはせず、曲ごとに掻い摘んで一言ずつ書く。

Cinema
オープニングはやっぱりこれでしょ。90125ツアーを思い起こさせるシネマ。その前のメンバー入場曲はストラヴィンスキーのアレではなく、おそらくこのツアー用に作ったBGMなのかな? パーペチュアルチェンジをオーケストラルにリアレンジしたような曲。そこからスピード感満載のシネマが始まる。ルーモリーノ3世のドラムがイイぞ。リーポメロイのベースも最高。トレヴァーラビンのギターも現行イエスの爺さんみたいに衰えてはいない。現役感全開でカッコイイ。

Perpetual Change
そして痺れるのはシネマのエンディングから間髪入れずにジョンアンダーソンの「ワン、チュー、スリー、フォー!」ってカウントからパーペチュアルチェンジに入るところ。コレは実際にライヴ会場に居たらもっと痺れるだろうと思う。ここまでの2曲だけでも、言っちゃぁなんだが現行イエスの、ハウ爺のギターの運指に合わせたかのようなユルーい演奏とは全く別物。素晴らしくエネルギッシュでバンドの一体感が感じられる。

Hold On
ウェイクマンの鍵盤によるチャーミングな鍵盤ソロをイントロに付け加えながら重たいリズムが始まるホールドオンも新鮮。

I’ve Seen All Good People
これもやはり90125ツアーでのヴァージョンと同じ始まり方。懐かしい。

And You And I
オリジナルのハウ爺の爪弾くイントロ部分はウェイクマンの鍵盤が柔らかくスペーシーなイントロに差し替えて始まる。曲が盛り上がるところのインスト部はウェイクマンの鍵盤が奏でる美しい音色の上をラビンのお馴染みのアレンジしたギターメロディが載る。リックとトレヴァーの組み合わせの新鮮さが楽しめる。

Rhythm Of Love
リズムオブラヴも久しぶりだなぁ。ここでもルーモリーノ3世のドラムはハードでドライヴ感があって、まるでコージーパウエルかと思うくらい。曲後半ではラビンがウェイクマンに敬意を表したかのようにタップリと鍵盤ソロが挿入されている。

Leaves Of Green
リーヴスオブグリーンはハウ爺のギターソロのメロディは無しでジョンアンダーソン自らの簡単なアコギを鍵盤がサポートしながらの素朴な演奏。

Awaken
そしてそして、私の大好きなアウェイクンである。ピアノのイントロの前に、イントロのイントロって感じで荘厳なイントロが付け加えられている。重厚な雰囲気満点。ウェイクマンのアレンジだろう。本編の演奏は最初エラくキーを下げているなぁってのが気になるが、慣れてしまえばどうって事は無い。あの素晴らしいアウェイクンの世界である。ラビンのギターはある程度ハウ爺のギターフレーズを参考にしてオリジナルのイメージを崩さずに演奏してくれている。ここでもルーモリーノ3世のドラムが素晴らしい。感動的な曲後半はラビンのギターメロディーの絡ませ方がほぼ8人イエスのUNIONツアーでの演奏と同じ。ちょっと目立ち過ぎ(笑)って感じ。

Long Distance Runaround
The Fish

クリススクワイア追悼の意味を込めたこの2曲の演奏。現行イエスにとってもARWにとってもクリススクワイアの存在は大きかったのだ。リーポメロイが見事にクリススクワイアになりきって頑張ってる。

Roundabout
イントロからギターのリフまで、ラビンが随分アレンジしている。しかしドラムとベースが見事にブルーフォードとスクワイアの演奏を再現しているから全く問題なし。これはこれで新鮮に聴ける。そしてやはりウェイクマンの手癖全開の鍵盤がイイ。あの手癖はもはやイエスサウンドの一部なのだ。ベースとドラムがエネルギッシュでドライヴ感満載だから本当によく映える演奏。

The Meeting
ABWHに収録された小曲でしっとりと、ちょっと小休憩って感じ。とにかく全ての演奏がリーポメロイとルーモリーノ3世のおかげで熱いから、こういった小休憩も効果的。

Heart Of The Sunrise
そして再び熱い演奏。オッ、オッ、ドラムはここでもブルーフォードバージョンに近いぞ。めちゃカッコイイ。リーポメロイのベースも最高

Make It Easy(intro)
Owner Of A Lonely Heart

本編ラストはロンリーハートで大盛り上がり。リズムオブラヴもそうだがラビン期の80年代曲にウェイクマンが絡むのはホントに新鮮。ここでも曲後半では大幅にウェイクマンの鍵盤ソロが挿入されてノリノリ。これは実際のライヴ会場に居たら盛り上がるだろうなぁ。

Encore:
Starship Trooper
定番のアンコール曲。これもリズムセクションが熱いからヴォーカルもギターも鍵盤も実に映える。会場の客も大満足であっただろうことが想像つく。

以上、セットリスト的には以前よりARWのメンバーがやりたい曲として言及していた、例えばMind DriveやBIG GENERATORのShoot High Aim Low、TALK関連曲etcは入らなかったようだ。また、ソロコーナーや新曲も初日時点では一切なし。しかしそんなのは全く気にならない。簡単に一言ずつ、のつもりがしっかり全曲レビューになってしまった。いや、それほどこの音源の音質が素晴らしくて、聴きながら書いてるうちに自分も盛り上がってしまったのだ。このARWバンドのカギは紛れもなくドラムのルーモリーノ3世とベースのリーポメロイである。ライヴ初日フルセット音源を聴いてそれはもう言い切ることが出来る。そもそもラビンのギターもウェイクマンの鍵盤も衰えってものが無いのも素晴らしいが、その素晴らしさが、この熱くてドライヴ感があって、テクニックも申し分のないリズムセクションのおかげで更に素晴らしさを増幅している。つまりはバンドの一体感がある。衰えが心配だったジョンアンダーソンのヴォーカルも、このエネルギッシュなサウンドの中では気にならないくらい。こんな素晴らしいライヴ音源を聴いてしまったら、もうなんか11月の現行イエスの来日公演が自分の中で観に行く前から霞んできた。ユルい演奏も、そればっかり聴いていたら気にならなくなってくるが、その前にARWの熱くてエネルギッシュな演奏を聴いてしまったら、これはちょっとマズイ・・・(笑)。11月は早々に過ぎ去って貰って、2017年になるだろうが是非早くARWの来日公演を実現してほしい。コレは間違いなく満足できる。久しぶりにこのクラスのベテランで来日がホントに楽しみなバンドが出来た。

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