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2019年11月14日 (木)

YES "FROM A PAGE (Studio Tracks Plus IN THE PRESENT LIVE FROM LYON)"

何週間か前だったか、オリヴァーウェイクマンがSNSでカウントダウン的なことを始めていたのでナニかなぁと思っていたらコレだったんだ。突然発売されたオリヴァーウェイクマン在籍期のYESによる未発表スタジオレコーディング曲集。わずか4曲で計25分の作品だが、同じくオリヴァーウェイクマン、ベノワデイヴィッド在籍期の既発ライヴ盤「IN THE PRESENT LIVE FROM LYON」との抱き合わせのBOX仕様での発売。先月末から泊まりの連続勤務が続いていてなかなかCDをゆっくり聴く時間は取れなかったんだけども、本作FROM A PAGEは全部で25分なのでちょっとした時間の空きにチャチャっと聴けるwww。なんだかんだ5周くらい聴いたのでブログに取り上げてみる。

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BOX裏面。

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BOXの内容。FROM A PAGEもLYONライヴ盤(2CD)もそれぞれ紙ジャケというか紙ケース入りでそれぞれのブックレットも入っている。

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既発のLYONライヴ盤については以前に拙ブログでも取り上げていたので今回は特に触れない。当時の記事は以下リンクで。

YES "IN THE PRESENT LIVE FROM LYON"

ここでは未発表曲集FROM A PAGEの4曲について触れて行くけど、その前に本作発売の手法について。本作は特にレーベルからのバックアップは無くて、イエスの自主レーベルからの発売のようで、burning shed独占販売という形で、一般流通はしていない。トレヴァーホーンのリードヴォーカルに差し替えて発売されたFLY FROM HERE RETURN TRIPも当初は50周年ツアーのライヴ会場限定発売の後にburning shed独占販売になったのと同様のパターンだ。キャリアが長くて絶えることの無い確実な固定ファンがいるバンドならではのビジネス手法として、メガヒットとかは望めなくてもバンドやマネージメントは十分やっていけるのだろう。またビッグヒットにならなくても固定ファンにとっては、このように痒いところに手が届く未発表曲やアーカイヴリリースはとても嬉しくもある。もっともburning shed独占販売といっても、それをburning shedのサイトでオーダーすれば誰でも手に入るのだから一般流通とさして変わらない気もする。宣伝はネットやSNSでバンドやファンがあっという間に世界中に広めてしまうし。ちなみにトレヴァーホーンのリードヴォーカル版FLY FROM HERE RETURN TRIPは日本のディスクユニオンが国内盤として国内流通させることになった。いやいや、それはまた余計な金が掛かって困るんだけどww。買わなしゃぁないやんイエスマニアとしては・・・。また、既にイエス側が明かしている通り、初期(69年~70年)のライヴを含んだ未発表アーカイヴBOXの制作も進めていると思われ、もしかするとこれも同じ手法で販売されるのかも知れない。どういう販売流通手法であれ、熱心なファンにとっては貴重な音源がキチンとオフィシャル品質でリリースされるのは楽しみでしかない。

それでは以下、未発表曲4曲のレビューを簡単に。

To the Moment
Youtubeでショートバージョンが先行公開された曲の6分超えフルバージョン。今作の4曲の中では最もイエスらしさを感じることのできる曲だ。メロディアスでコーラスもバッチリ決まっていてアレンジも色彩感があって良い。オリヴァーウェイクマンの鍵盤はバッキングでもソロ部分でも、明らかに由緒正しきウェイクマン家の血統を感じさせてくれて思わずニンマリする。ムーグシンセ的な音色のソロプレイなんか普通にお父さんのリックウェイクマンの姿が思い浮かぶもんね。また、そのオリヴァーの鍵盤ソロからリレーするようにハウ爺のギターソロもあって、これまたハウ爺らしさを感じるフレージングが聴ける。曲の終わり方が少し唐突に感じるのが少し勿体ない気はするけど、イイ曲であることには変わりない。

Words on a Page
オリヴァーのピアノはここでもウェイクマン家の血統を感じさせ、合わせてハウ爺のアコギをバックに、ベノワデイヴィッドがしっとりと歌い始める。ここでの少し低域のヴォーカルはジョンアンダーソンにもトレヴァーホーンにも似ていない、「ベノワデイヴィッドの声」が聴ける。良し悪し別にしてww。曲後半ではギターと鍵盤の響きが、遠くを見つめたくなるような荘厳さすら感じることが出来て、この部分は個人的にはアリだ。とにかく「音の響き」がイイ。

From the Turn of a Card
典雅で流麗なオリヴァーのピアノをバックにベノワデイヴィッド淡々と歌い上げる、実質2人のデュオ曲。イエスらしさは期待できないけど、敢えて言うならABWHでジョンアンダーソンのヴォーカル&リックウェイクマンの鍵盤で発表されたThe Meetingみたいな感じ。そう、こじつけて言うならあの感じ。

The Gift of Love
パッとブックレットを見て9分超えだ!って思って期待してしまうけど、イエスファンが期待する感じではないww。氷の上を滑らかに進むイエスらしい疾走感や躍動感は無い。でもなんか個人的にはこの曲、惹かれるんだよねぇ。しみじみとメロディがイイし、テンポはずっとミディアムテンポなんだけどその中で展開がいくつも変わって行く。優しく美しいメロディと、少し陰影を感じさせるメロディやアレンジ、また曲後半では美しく優しいヴォーカル&コーラスが、3種類のメロディで絡み合うところなんか、充分に私の琴線に響く。ここでも「音の響き」がイイ。グッと胸に染み入ってくるメロディとサウンドの響かせ方が私好みだ。そしてもう一回言う、しみじみとイイ曲だ。

以上、僅か4曲だけど、僅か4曲で計25分しかないから逆に全曲レビュー出来たwww。多分この時期のレコーディングセッションからInto The StormとThe Man You Always Wanted Me To Beの2曲がFLY FROM HEREに採用されたのだろう。逆に言えば元々は、トレヴァーホーンが絡む前まではその2曲と本作の4曲で新作の制作を進めていたという事になる。もしトレヴァーホーンが絡んでなければどんな新作になっていたのかを想像することも案外容易に出来るだろう。それから、そもそもべノアデヴィッドの歌唱力はとても優れていることも実感できる(今更言うなww)。

さて、私の中で本作に注目していた「ある観点」がある。その「ある観点」は上記で触れた私好みの「音の響き」に繋がってくる。本作4曲のプロデュースはオリヴァーウェイクマンだ。だからオリヴァーウェイクマン版イエスと言える。イエスはその時々、プロデューサーによって音の表面の肌触りは変わってくる。昔のエディオフォード、80年代のトレヴァーホーン、80年代後半から90年代のトレヴァーラビン、それ以降のブルースフェアバーンやビリーシャーウッド、ロイトーマスベイカー等。本作はオリヴァーが思うイエスサウンドを構築したんだけれど、実は私が最大に注目した「ある観点」、それはミックスを担当した人物である。Karl Groomその人だ。カールグルーム、分かるよね。私の大、大、大好きなペンドラゴンの諸作でプロデュースを担当している人物だ。更にこっち側的に言うならば、我らがジョンウェットン大先生のロックオブフェイスを、そのペンドラゴンの鍵盤クライヴノーランと共にプロデュースした人物だ。オリヴァー在籍期のLYONライヴ盤もこの人がミックスしていたから、音は好きだった。演奏はユルいけどww。この人が作る音像が物凄く好きで、その音像はクリアでマイルドで耳触りが良くて、でもドラムもベースもギターも鍵盤も、各楽器の存在をきっちり感じられるように過不足なくミックスしていて、更にいうならメロディの良さを最大限に引き立たせるプロデュースやミキシングをしてくれるのだ。その「音の響き」が私の好みにピッタリ。ペンドラゴンを聴く人でジョンウェットン大先生のファンの人には絶対分かって貰えると思う。90年代ペンドラゴンの名作群と先生のロックオブフェイスは音像が極めて似ている、いや同じだ。メロディの良さを最大に引き立たせている。そして本作FROM A PAGEも同じ音像、同じ「音の響き」だ。だから超キャッチーでは無くても、メロディの良さが引き立っているから、しみじみと、あぁ~良かったなぁっていう聴後感みたいなのが残る。

僅か4曲で25分の未発表曲集にここまでリキ入れて記事書いたのは、ひとえに私の好みの音を作ってくれるカールグルームがミックスしている、それが言いたかったからなのだwww。

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