« ピンク・フロイド 「ザ・レイター・イヤーズ・ハイライト」(PINK FLOYD "THE LATER YEARS 1987-2019") | トップページ | 【年末のご挨拶その①】2019年購入CDのBest7 »

2019年12月24日 (火)

ザ・フー 「WHO」(THE WHO "WHO")

新作レコーディング風景が公開されても正直半信半疑だったTHE WHOの新譜が本当にリリースされた。13年振りとの事。ちなみに私は前作は買っていない。私のツイッターやフェイスブックのタイムラインには本作を買いました~的な書き込みはほとんどなかった。私が繋がってる方々が偏屈なのか、そんな方々としか繋がっていない私が偏屈なのか(^^ゞ。しかし私はプログレも好きだしHR/HMも好きだし、クラシックやバロック、ジャズだって聴く。大滝詠一や山下達郎も聴くし浜田省吾も聴く。メジャーな洋楽の大物もメロディ感覚がフィットすれば屈託なく聴く。ビートルズもツェッペリンもクラプトンも、そしてWHOも大好きだ。実際WHOは数えるほどではあるけど何度か拙ブログでも取り上げていたし・・・と、エラそうに言いかけて、でも正直に言うと、本作の発売は気になっていたけど予約はしていなかった。あろうことか「様子見」していたのだ。スマン!!

様子見していたのでSNSのタイムラインに注目していたんだけど私の繋がりの中では買った人はほとんど居なかった。アレ、まさか、プログレオタク的な偏屈なつながりしかないからかなと思って、ツイッターで「WHO 新譜」で検索してみた。そしたら、出るわ出るわ、絶賛のツイートの嵐じゃないのwww。こりゃイカン、様子見した自分を叱りつけながら急いで国内盤買いましたよそんなもん。

Img_6821-640x480

タイトルはシンプルにグループ名を冠した「WHO」。ジャケデザインはビートルズのサージェントペパーズを手掛けた人とあって、バンドもマネージメントもレーベルも期待値は高そうだ。ジャケを見ただけで名作の予感が漂う(←様子見してたくせに・・・www)。ボーカルのロジャーダルトリー自身が「1973年の四重人格以来、最高のアルバムを作り上げた」とまで言い切ってしまった本作、早速開封して聴いてみた。

ホホーー、あ、いや、オオーーッ、最初の私の感嘆の一声はこんな感じで変化した。1曲目聴いて、ホホーー、確かにWHOっぽいじゃん、から聴き進むほどにこれは大傑作やん!!、に感想が変化していったのだ。いやマジ驚いた。驚いたって言ってる時点で失礼なんだけど、ピートタウンゼントの作曲能力と言うか才能が遺憾なく発揮されているのがハッキリ分かる。溢れんばかりの才能が大爆発していると言いてもイイくらいだ。ロジャーダルトリーのボーカルも存在感が際立っていて絶好調じゃないか。75歳前後のジジイ二人が制作したにしては、その躍動感や瑞々しさは素晴らしい。更に楽曲がバラエティに富んでいる。唯一ピートタウンゼント自身がリードボーカルをとるI'll Be Backなんかは、1960年代から第一線で活躍してきた深い味わいがWHOのファンであることの心を満たしてくれる美しいバラードだ。

個人的には、私の好きなロックバンドっていうのはプログレ系であれHR/HM系であれ、ドラムとベース、これがしっかり存在感を発揮していないと気に入らない。私が素人なりに遊びとは言えベースを弾いて遊ぶ場合も、ドラマーが居ないとプレイする気にならないのはのはそういう私の指向性も関係していると思う。その意味で奔放で手数の多いキースムーンのドラミングは、レッドツェッペリンのジョンボーナム、レインボー他のコージーパウエルと同じくらい好きなドラマーだった。そしてこれまた手数というか音数が多くて下手すりゃリード楽器のようでもあったベースを弾きまくるジョンエントウィッスルも大好きなベーシストであった。以前にフィルモアイーストのライヴ盤の時にも書いたけど、イエスのクリススクワイアは絶対ジョンエントウィッスルから影響を受けている。若くして早逝したキースムーンが居ないだけならまだあきらめもつくが、2002年にジョンエントウィッスルも逝去してしまっており、今のWHOはピートタウンゼントとロジャーダルトリーの二人のみ。この点も今回「様子見」してしまっていた一因だ。なので70年代前半までの名作の数々は今でも大好きなんだけど、あの当時のドラマーとベーシストが居ない現在のWHOがリリースする新譜、やっぱり期待外れ・・・みたいに思うのが怖かったのだ。

様子見から一転して購入した本作である。気合十分のカッコいいロックと言う前提のもと、時には明るく、時には嫌味タップリの歌詞、時には叙情的に、様々なリズムも包含しながら色彩豊かに展開されていく楽曲群。多分誰が聴いてもそれぞれの好みの琴線に引っ掛かるところがあるのではないかと思う。コンセプトは特に無いとの事だが、様々に広がりを見せる楽曲群ゆえに焦点が定まらないのではなくて、そこかしこにWHOらしさが溢れ出てる。コレが大事な点だ。「WHOらしさ」がある種のコンセプトの役割を果たしているというか。だから本作のタイトルが「WHO」なのかと、勝手に自己満足しているwww。そこにはキースムーンもジョンエントウィッスルも居ない。逆にその分ピートタウンゼントの才能がノビノビと発揮されている気もするがどうだろう。ドラムはツアーバンドで長くドラムを務めるザック・スターキー、ビートルズのリンゴスターの息子だ。そこを度外視してもザックは今のWHOにはフィットしているようだ。ベースも長くツアーバンドでベーシストを務めるピノ・パラディーノだ。よくよく聞くとなかなかカッコイイベースフレーズが聴ける。強烈極まりなかったライヴ盤のライヴアットリーズや、フーズネクスト、四重人格と並ぶ傑作かどうかは分からないけど、コレはコレで新たなWHOの大傑作誕生、と言ってしまって差し支えないと思う。70年前後の大傑作群と並ぶかどうかは今後の歴史の判断に任せよう。

ここ日本ではなぜかWHOの人気は少なくともスーパースターレベルではないようだ。それは「日本の洋楽」という評論家によって作られたジャンルの中で上手くカテゴライズできなかったのかも知れないが、最大の要因は、その全盛期、70年代前半に来日しなかったことが大きいのかも知れない。日本での伝説が無い。ジョンウェットン大先生つながりでどうしても私の音楽仲間の繋がりにはユーライアヒープのファンが結構おられる。引き合いに出して申し訳ないが、ユーライアヒープ宣伝部長の厚木のK氏がよく、ヒープも日本では不当に評価が低い、評論家が悪い、と言わんばかりであるww。その言いたいことはファンならではで、あぁそうなんだね、と思うだけだけど、それを言うならWHOこそが日本で不当に評価が低過ぎると言わざるを得ない。ヒープは私は門外漢なので知らないけど、多分WHOとは「格」が違い過ぎる。そのWHOが私のタイムラインで話題にほとんど上らなかったことは、私の繋がりと私自身の偏屈wwwが原因であったにしてもやはり不当だww。WHOは英国の国民的ロックバンドにして世界的メジャーバンドである。英国ではそれこそビートルズ、ストーンズ、更にはツェッペリンと並ぶ国民的ロックバンドだし、今回の新譜のチャートアクションも英国3位、米国2位と、世界的メジャーに相応しいさすがの売れ様である。なので極東の島国ニッポンで人気がそれほどでなかったとしても、本人達には痛くも痒くもないだろう。しかしそれゆえに来日公演が無いとかだと日本のWHOファンは困るwww。繰り返し引き合いに出して申し訳ないけどwww、ヒープでさえ最近コンスタントに来日している。ピートもロジャーもイイ年齢だ。なんとしても今作に伴う来日公演を実現してほしい。これ、来年2020年の最大の願いである。

|

« ピンク・フロイド 「ザ・レイター・イヤーズ・ハイライト」(PINK FLOYD "THE LATER YEARS 1987-2019") | トップページ | 【年末のご挨拶その①】2019年購入CDのBest7 »